久保建英「すごくおしゃれ」、長谷川唯「すごく新鮮」…「FIRE(炎)」がテーマの日本代表の新ユニフォーム、選手たちの感想は?

2024.06.22 05:45 Sat
久保建英、長谷川唯らの印象は?
Getty Images
久保建英、長谷川唯らの印象は?
アディダスジャパンは21日、「サッカー日本代表 2024 ユニフォーム」発表した。今夏行われる世界的なスポーツイベントを前に、日本代表の戦闘服が装いも新たに。新ユニフォームは、「ヨウジヤマモト」のデザイナーでもある日本が誇るファッションデザイナーの山本耀司氏がデザイン。アディダスとヨウジヤマモトのコラボレーションブランドである「Y-3」が日本代表と史上初のコラボレーションを果たした。

この新ユニフォームは、21日に行われたパリ・ファッションウィークにて発表。「ヨウジヤマモト」のコレクションの1つとして発表され、コレクションにはU-23日本代表のMF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)、なでしこジャパンのMF長野風花(リバプール)がランウェイを歩く特別な演出でお披露目された。
今回のユニフォームのテーマは「FIRE(炎)」。「サッカー日本代表2024ユニフォーム」の全体を通して一貫したモチーフとして登場するヨウジヤマモトによるデザインの炎のグラフィックは、サッカー日本代表が持つ揺るぎない力強さ、そして日本という国が持つ神秘的な力を象徴している。

ホームはダークネイビー、アウェイはホワイトとなり、ホームは青い炎、アウェイは赤い炎がデザインされている。
今回の新ユニフォームに関して、日本代表のMF久保建英、U-23日本代表のMF藤田譲瑠チマ、FW細谷真大、なでしこジャパンのMF長谷川唯、MF長野風花、FW宮澤ひなたがコメントしている。

◆久保建英

「今回のユニフォームはすごくおしゃれだな、というのが第一印象です。ユニフォームをファッションに取り入れるスタイルは海外ではよく見かけますが、日本でもこのサッカー日本代表ユニフォームをきっかけに、そのトレンドが広がることを願っています。僕自身も、新たなユニフォームとともに気持ちを新たに切り替えて、青い炎のように熱い気持ちで次のステージに向かっていきたいと思います」

◆藤田譲瑠チマ

「ホームもアウェイも、どちらもとてもスタイリッシュで、それぞれ異なる意味を持つ炎をモチーフにしているところがすごく気に入っています。自分たちの世代が、新たな想いが込められたユニフォームとともに大きな舞台へと向かえることをとても嬉しく思います。このユニフォームを着てピッチで活躍する姿を皆さんに見ていただけるよう、頑張りたいと思います」

◆細谷真大

「今回、サッカー日本代表史上初の「Y-3」とのコラボレーションになると聞いて、とてもびっくりしました。色合いやデザイン、ロゴの位置など、とても新鮮で、これをきっかけにサッカー日本代表に興味を持っていただける方や、応援していただける方が増えると嬉しいです。このユニフォームに描かれた炎のように、僕たちもそれぞれの力を一つにして、完全燃焼で世界と戦っていきたいと思います」

◆長谷川唯

「ホームユニフォームの濃い紺色は、最近の日本代表ユニフォームにはあまりなかった色合いなので、とても良いと思いました。またアウェイの白と赤の組み合わせも、すごく新鮮です。今回は燃え盛る炎がデザインのテーマですが、私にとっては、スタジアムに入場するときが、一番気持ちが燃え上がる瞬間です。常に世界一を目指してサッカーをやってきたからこそ、この新しいユニフォームで、この夏世界一を目指したいと思います」

◆長野風花

「今までのサッカー日本代表ユニフォームと雰囲気が違って、すごくスタイリッシュで驚きました。チームで着たときにも格好良いと思いますし、ファッションとして着ても素敵なデザインだと思います。ユニフォームに描かれた炎のように、燃え盛る力強いプレーでまた世界に衝撃を与えたいという想いを新たにしました」

◆宮澤ひなた

「一見して、今までのサッカー日本代表ユニフォームよりもシンプルで、すごく格好良いと思います。雰囲気がガラッと変わった印象です。街中でユニフォームを着ている方を見かけると、サッカーへの愛を感じてすごく嬉しくなります。日本でもそういう風にこのユニフォームを着てくれる人が増えることを楽しみにしています。応援してくれる方の気持ちを力に、この夏はチームとして優勝を目指して一戦一戦大切に戦っていきたいと思います」



1 2

久保建英の関連記事

ゴール前で輝く決定力と、中盤を支える戦術眼。その両方を併せ持つ“新しいボランチ像”を、日本代表のMF鎌田大地がボリビア代表戦で体現した。開始4分、MF久保建英のクロスを胸で収め、左足で冷静に流し込んだ先制点。ボランチでありながらペナルティエリアへ侵入し、フィニッシュまで持ち込む――。クリスタルパレスと日本代表では求めら 2025.11.19 00:45 Wed
ガーナ代表との一戦で、ピッチを支配したのはMF佐野海舟だった。MF南野拓実の先制ゴールを導いたボール奪取とラストパス。MF久保建英が真っ先に駆け寄ったのは、決めた南野ではなく、その起点となった背番号21のもとだった。日本代表復帰から約半年。彼はいま、ボランチ争いで一歩抜け出そうとしている。 ■奪って、前へ。南野の 2025.11.15 13:30 Sat
10月14日、東京スタジアムで行われたキリンチャレンジカップ。 日本代表がブラジル代表を相手に、0-2から驚異の逆転劇を演じた。 14試合目にして初の対ブラジル勝利――。 世界が驚き、日本中が沸いた夜を、現地で取材した北健一郎と難波拓未が振り返る。 ■歴史的勝利の価値 北:“サッカー王国”ブラジルを相 2025.10.16 21:00 Thu

日本代表の関連記事

ガーナ代表戦、ボリビア代表戦と続いた11月シリーズを、日本代表は2試合連続の無失点で締めくくった。その中心にいたのが、フィールドプレーヤーで唯一2試合フル出場を果たした33歳――谷口彰悟だ。2024年11月にアキレス腱を断裂。大怪我から戻ってきた男は、再び日本代表の最終ラインで存在感を放っている。2026年北中米ワール 2025.11.19 01:35 Wed
ゴール前で輝く決定力と、中盤を支える戦術眼。その両方を併せ持つ“新しいボランチ像”を、日本代表のMF鎌田大地がボリビア代表戦で体現した。開始4分、MF久保建英のクロスを胸で収め、左足で冷静に流し込んだ先制点。ボランチでありながらペナルティエリアへ侵入し、フィニッシュまで持ち込む――。クリスタルパレスと日本代表では求めら 2025.11.19 00:45 Wed
ガーナ戦のピッチに立った鹿島アントラーズの守護神・早川友基。正GK鈴木彩艶の負傷、第2GK大迫敬介の不在の中で巡ってきたチャンスを、無失点という最高の形で終えた。だが、試合後のミックスゾーンに現れた早川の表情に、満足の色はなかった。代表2戦目にして、“守るだけ”のGKでは終わらない次のステージを見据えていた。 ■ 2025.11.18 15:30 Tue
ガーナ代表との一戦で、ピッチを支配したのはMF佐野海舟だった。MF南野拓実の先制ゴールを導いたボール奪取とラストパス。MF久保建英が真っ先に駆け寄ったのは、決めた南野ではなく、その起点となった背番号21のもとだった。日本代表復帰から約半年。彼はいま、ボランチ争いで一歩抜け出そうとしている。 ■奪って、前へ。南野の 2025.11.15 13:30 Sat
11月14日、ガーナ戦で日本代表デビューを果たしたFW後藤啓介。ジュビロ磐田でクラブ史上最年少得点者となり、2024年にベルギーへ渡った20歳は、限られた時間の中でチームのために走り続けた。ストライカーとして結果を追いながらも、まずは求められた役割を遂行する。そこには、後藤が抱く「献身」と「野心」が確かにあった。 2025.11.15 12:30 Sat

W杯予選の関連記事

【ワールドカップ欧州予選】アルメニア 0-5 ポルトガル(日本時間9月7日/ワスゲン・サルキシャン・アンヴァン・ハンラペタカン・マルザダシ) [速報] クリスティアーノ・ロナウド ゴラッソ!FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選アルメニア vs ポルトガル/豪快に突き刺す弾丸シュート!ポルトガルのエースが魅せる! 2025.09.08 06:00 Mon
カルロ・アンチェロッティ監督のブラジル代表監督就任を発表したブラジルサッカー連盟(CBF)だが、エドナルド・ロドリゲス会長が解任された。 15日の夜、リオ・デ・ジャネイロ裁判所のガブリエル・デ・オリベイラ・ゼフィロ判事が、ロドリゲス会長とCBF理事会の役員に対し、事実上の職務停止命令を出した。なお、副会長の1人で 2025.05.16 21:35 Fri
アルゼンチンサッカー協会(AFA)は15日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)の南米予選に臨むアルゼンチン代表候補メンバー28名を発表した。 南米予選の14試合を終えて首位を独走しているアルゼンチン。6月には5日にチリ代表とアウェイで、10日にはホームでコロンビア代表と対戦する。 すでにW杯の出場権を獲 2025.05.16 11:25 Fri
ブラジル代表の新指揮官となるカルロ・アンチェロッティ監督が、元副官をコーチングスタッフに迎え入れる見込みだ。『ESPN』が報じている。 今シーズン限りでレアル・マドリーの指揮官を退任し、シーズン終了後からセレソンを指揮するアンチェロッティ監督。イタリア人指揮官はコーチングスタッフにブラジル人スタッフを迎え入れる意 2025.05.15 18:20 Thu
元マンチェスター・ユナイテッドのスポーツディレクター(SD)、ダン・アシュワース氏が、イングランドサッカー協会(FA)に復帰することになった。 FAは14日、アシュワース氏が新設のチーフ・フットボール・オフィサーに就任すると発表。同職ではイングランド代表の男女チームと緊密に連携していくことになるという。 昨 2025.05.15 16:30 Thu

記事をさがす

久保建英の人気記事ランキング

1

「奪って、つないで、また走る」。佐野海舟がガーナ戦で見せた超回収力と新中盤像

ガーナ代表との一戦で、ピッチを支配したのはMF佐野海舟だった。MF南野拓実の先制ゴールを導いたボール奪取とラストパス。MF久保建英が真っ先に駆け寄ったのは、決めた南野ではなく、その起点となった背番号21のもとだった。日本代表復帰から約半年。彼はいま、ボランチ争いで一歩抜け出そうとしている。 ■奪って、前へ。南野の先制点を生んだ“縦への意識” 前半26分。相手陣内の高い位置で、MF佐野海舟は迷いなく飛び込んだ。 相手のパスを読み切り、身体を滑り込ませてボールを奪うと、そのまま前方へ持ち上がる。ペナルティーエリア手前の右から放った横パスはMF南野拓実の足元へ。冷静にゴール右隅へ流し込んだ南野の背後で、MF久保建英が真っ先に走り寄った先は──佐野だった。 「ボールを奪ってから、前にスペースがあったので、うまく運べました。拓実くんがいい動き出しをしてくれたので、迷わずパスを出しました」 その言葉にあるのは、攻撃意識の変化だ。ブラジル代表戦、パラグアイ代表戦ではボールを奪っても後方に下げる場面が多かった。だが、この試合は、縦へのスイッチを入れる瞬間を逃さなかった。 「前半は簡単なミスもあったけど、そこを修正する方が先」と冷静に振り返る姿勢に、地に足の着いた成長がにじむ。 この日、森保ジャパンはマンツーマンを軸にした守備戦術を採用。誰が誰を見るのか、責任を明確にするスタイルだ。佐野のタスクは、ガーナの司令塔MFクワシ・シボを封じること。「奪って、前へ」のリズムを作るには、まず相手の呼吸を止める必要があった。 「ファウルに見えないように、ならないように、もう一歩早く行くことを意識していました」 その言葉どおり、予測とタイミングで勝負する。相手が前を向く瞬間にはすでに足を差し込み、ボールを刈り取る。久保や南野の輝きを支えていたのは、ボールハンター・佐野だった。 ■日本代表での「地位が上がったとは思っていない」 2024年7月、佐野は一度、代表から姿を消した。世間の視線は厳しかった。だが約1年後、森保ジャパンに戻ってきたとき、佐野のプレーには凄みが増していた。ブラジル戦で歴史的な勝利に貢献し、アフリカの強豪ガーナ戦ではMOMとも呼べる働きを見せた。 W杯を半年後に控えて、日本代表のボランチは再編期を迎えている。 第二次森保ジャパンでは、キャプテンのMF遠藤航とMF守田英正のダブルボランチが“不動”だった。しかし、遠藤はリバプールでクローザーとしての起用が増え、守田は怪我の影響で出場機会が限られている。 そんな中、クリスタル・パレスを牽引するMF鎌田大地の相棒候補として、佐野海舟の名前が浮上した。運動量、対人の強さ、そして前への意識。佐野の存在は、遠藤・守田の時代から次のフェーズへ移るチームの象徴でもある。 ただし、チーム内での立ち位置について問われると、首を横に振った。 「地位が上がったとも思っていません。自分のやるべきことを続けていくしかない。毎回の活動で課題が出て、それをチームに帰って修正して、また次へ。うまくいかないときにどう立て直せるかが大事だと思います」 ボランチの“一番手”を争う位置に立った今も、慢心とは無縁なのだ。 ボールを回収する力はもちろん、失われた信頼を一つずつ取り戻していく姿勢が、チームにエネルギーを与えている。奪って、つないで、また走る。その地道な積み重ねの先に、森保ジャパンの新しい中盤像が見えてくる。 取材・文=北健一郎 2025.11.15 13:30 Sat
2

改めて感じた地上波の影響力…1000回を超える連載の最終回/六川亨の日本サッカーの歩み

突然ですが、本日を最後に週2回のコラムは終了することになりました。毎週月曜のコラムがスタートしたのは2001年のこと。当時はガラケーでの有料サイトだった。年末年始も休載のないスタイルに最初は戸惑ったものの、それでも1年365日、休まずに続け、単純計算でも17年×48回(年間)で816本ほどのコラムを書いたことになる。 記憶は定かではないが、2018年からは月曜に加え木曜のコラムもスタートし週2回となった。これはかなりのプレッシャーで、近年は何回か休載したこともある。それでも01年からトータルすれば1000回は超えていたのではないだろうか。 そんなコラムの最後を前に、まずは日本代表のW杯出場を伝えられたことはうれしい限り。そして改めて思ったのは、テレビの地上波の影響力の強さだ。2試合ともテレビ朝日が放映したが、同局は番宣のため早朝の番組から日本戦を取り上げて、なんとか盛り上げようとした。普段からテレ朝を見る機会が多いせいかもしれないが、午前中のモーニングショーからワイドスクランブルまで、しつこいくらいに試合の情報を発信した。 これだけ日本の試合が開催されることを訴えれば、普段はサッカーにあまり関心のない視聴者も気になったかもしれない。そしてW杯出場を決めたバーレーン戦は20%以上の視聴率だったそうだ。試合後も、テレ朝だけでなく多くのテレビ局が日本の勝利とW杯出場をワイドショーで取り上げていた。その宣伝効果は計り知れないだろう。 さすがに毎日と言って良いくらい試合があるMLB、大谷翔平の活躍と露出度には到底かなわない。試合開始が日本時間早朝というのも、ワイドショーにはピッタリはまる時間帯なのだろう。しかしホームランを打てばNHKのニュースはもちろん、民放各局もワイドショーで終日取り上げる。その宣伝効果は絶大だ。 その点、週1試合が原則のサッカーは分が悪い。いくら三笘薫や久保建英が活躍しても連日テレビで取り上げられることはないからだ。それでも海外リーグで活躍する選手が、テレビのスポーツ番組ではなくワイドショーで取り上げられる時代が来たのだから、これはこれで凄いことだと思う。 そしてテレビの影響力の強さを改めて見せつけられるたびに残念に思うのは、日本代表の試合やW杯中継からの地上波の撤退である。放映権料の高騰が主な原因だが、NHKなどは世界に先駆けて“有料化”を導入したのだから、せめて代表戦はホーム、アウェーとも中継すべきである。DAZNのように簡単に、相次いで値上げできない事情もあるのだろうが、MLBをライブ中継しているように、サッカーの代表戦やW杯では頑張って欲しいものだ。それがファン層の拡大につながるのは間違いないし、日本サッカーの発展と強化に寄与することも疑う余地はないだろう。 活字メディアの衰退が進み、定期的に発行しているJリーグや日本代表を扱うサッカー専門誌は『ダイジェスト』1誌になった。『エルゴラ』はネット媒体に移行して奮闘しているものの、ネットのサッカー情報も飽和状態で厳しい戦いを続けている。スポーツ紙ではトーチューが休刊となったが、後に続くスポーツ紙がないとは限らない。メディアにとってサッカーは、ビジネスとして成立しにくい時代が来ているのかもしれない。それはそれで、寂しいものでもある。 長い間のご愛読、ありがとうございました。 文・六川亨 2025.03.31 22:00 Mon
3

なぜ18歳・佐藤龍之介はファジアーノ岡山でブレイクできたのか? E-1選手権で“内田篤人超え”が期待される若き才能の適応力とブレないメンタリティ

突出した適応力だ。今シーズンにFC東京からファジアーノ岡山に育成型期限付き移籍で加入した佐藤龍之介は、新たな環境に素早く順応し、自身の力を遺憾なく発揮している。 久保建英と同じ16歳でFC東京とプロ契約を結んだMFは、高卒1年目となるシーズンに武者修行を決断。約18年を過ごした東京を飛び出し、約660km離れた岡山に移り住んだ。 未到の地で単身生活をしながら、プロサッカー選手として結果を出すことを目指す。私生活をはじめ不慣れなことも多く、決して簡単ではない。さらに、主に起用されるのは、サッカーキャリアで「初めて」のウイングバックである。まさに、初めて尽くしだ。しかし、ピッチ上では圧倒的なパフォーマンスを発揮している。 第23節終了時点では、17試合に出場してチーム最多の4ゴールを記録。第19節・湘南ベルマーレ戦では、先制点を奪うだけでなく、両チームトップの走行距離12.1kmとスプリント18回を叩き出した。右WBで攻守にハードワークしながら、74分からはシャドーに移り、タイムアップまでプレー。試合後に木山隆之監督は「1番ゴールを取る可能性がある人をピッチに残すのは、勝つのであれば当然かなと思います」とフル出場の意図を明かしており、その信頼は絶大だ。 地元の西東京市と岡山の雰囲気が「似ていた」ことも佐藤の背中を押したが、適応を可能にしている大きな要素は、素直さと向上心のように思う。 開幕前のキャンプ時にWBで起用された時は、「(WBは)オプションになればいいかな。メインはシャドーになると思う」と受け止めていた。だが、監督からのオーダーに応えながら、パスやドリブルで密集地を打開したりラストパスでチャンスを作ったりといった自分の良さを発揮することを両立させ、“WB・佐藤龍之介”は、完全に板についた。その結果、「18歳の今は自分のポジションを『ここだ』と決める段階でもないと思う。『トップ下やシャドーをやれていない』というネガティブな考えは、本当にゼロなんです。『WBで使ってみたい』と思わせるような特徴を自分は少なからず持っていると思うので、実際に使ってくれている今はその証明にもなっています」と、岡山で発見した自身の新たな可能性と向き合い、意識を変化させている。 第21節・横浜Fマリノス戦では初めて左WBで先発した。負傷によるイレギュラーな起用だったが、「練習で『左、やれるか?』と言われて、『うん、行けます』と言ってやりました」と、逆サイドでプレーすることによって発生する身体の向きやボールの置き所の変化も物ともせず。第22節・鹿島アントラーズ戦では鋭いカットインで左サイドを切り裂き、逆転ゴールを呼び込んだ。 “置かれた場所で咲きなさい”を体現している18歳の姿を、木山監督は「輝いている」と表現し、「『自分は絶対に上に行くんだ』って疑わないメンタリティを持っている。『とにかく上に行きたい』という意欲が、輝いている。ある意味、与えられた才能というか。誰かに教えられるものではないと思う。自分を疑っていないところが素晴らしい」と称賛する。 環境やチーム戦術、監督からのリクエストは、自分がコントロールできない部分だ。時には自分のイメージと違うこともある。それでも、全てのことを素直に受け止め、受け入れ、自分の成長を促す肥料に変えていく。 「将来的には世界のトップリーグでプレーしたり、日本代表としてワールドカップに出て活躍したりすることが目標です」。そう宣言する佐藤は、7月3日に発表される東アジアE-1選手権のメンバーに選出されれば、2008年大会での内田篤人の20歳という同大会の日本代表における最年少記録を更新することになる。 E-1選手権は、過去に柿谷曜一朗や森重真人、相馬勇紀や町野修斗らが1年後のW杯のメンバー入りを勝ち取っており、言わばサバイバルの場だ。チームとして戦いながらも、個人として強みを発揮するなどのアピールが是が非でも必要になる。もしかしたらチームメイトは仲間よりもライバルという側面の方が強いかもしれない。しかし、きっと佐藤なら特有のチーム状況下でも、自分の力を最大限に発揮できるのではないか。そう期待したくなる適応力を、岡山で十二分に見せている。 取材・文 難波拓未 2025.07.02 18:00 Wed
4

「親近感湧く」「これは初耳」久保建英の意外な好み、好きなアーティスト&テレビ番組にファンも驚きと感動「センス良い!」

レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英が、プライベートの自身の好みなどについて語り話題となっている。 今シーズンからソシエダでプレーする久保。ここまでラ・リーガで21試合に出場し4ゴール3アシストを記録している。 数字に残らないプレーでもチームの勝利に貢献し、高いパフォーマンスを出し続けている久保。ラ・リーガの日本語公式ツイッターがインタビュー映像を公開した。 サッカーのことなどについて普段話をする久保だが、このインタビューではプライベートについても言及している。 今ハマっているアーティストについては、「back number、そしてあいみょんです」とコメント。「今までコンサートに行ったことはなかったんですが、去年の夏に両方のコンサートに行って、それからファンになりました」とコメントした。 これには「あいみょん好きとは!」、「ライブにマジで行ったの?」、「そうだったのか!」、「なんだか嬉しいぞ」、「これは初耳」と驚きの声をあげている。 また、好きな日本のテレビ番組について聞かれ「笑わせてくれる番組は好きです」と回答。「今好きなのは、英語で「Monday Late Show(月曜から夜ふかし)、日本のバラエティ番組です。夜の街頭インタビューが面白くて笑えます」とコメント。日本テレビ系で放送されており、関ジャニ∞の村上信五とマツコデラックスがMCを務める番組がお気に入りという。 これには「センス良い!」、「ちょっと親近感湧く」、「同じ感性してたん嬉しい」と、同じく番組を好んで見ているファンから好感を得ていた。 意外な一面を見せた久保。親近感が湧くことで、より興味を持たれる可能性は高く、今後もピッチの上での活躍が期待される。 <span class="paragraph-title">【動画】好きなアーティスト、好きなテレビ番組について話す久保建英</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr"> 2023.03.05 20:55 Sun
5

「笑顔良すぎる」「今回もスタジオアリス」日本代表の集合写真、ただ1人笑顔の上田綺世がまたも話題に「白い歯が眩しいです」

日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)が、バーレーン代表戦でも笑顔だ。 31日、アジアカップ2023・ラウンド16でバーレーンと対戦した日本。ストライカーにはグループステージで3ゴールを決めている上田が起用された。 その上田は、久保建英(レアル・ソシエダ)のCKから強烈なヘディングシュートを放つなど序盤からゴールの匂いを漂わせると、後半に日本が失点を喫した直後に毎熊晟矢(セレッソ大阪)のパスから巧みなターンで相手3人を振り切りGKの股間を抜く豪快ゴール。ストライカーとしての仕事をしっかりと果たした。 そんな上田は、プレーとは別のところでも注目を集めている。 キックオフ前にスターティングメンバー11人が並んで撮影される集合写真で、上田は爽やかな笑顔。他の10人が臨戦態勢というようなきりっとした表情を見せる中、一際輝く笑顔を見せていた。 上田は、今大会初先発となったインドネシア代表戦でも、集合写真撮影時の笑顔が話題に。再びの笑顔炸裂には、ファンから「やっぱり今回もひとりだけスタジオアリス」、「いい笑顔だ」、「白い歯が眩しいです」、「上田綺世選手の素敵な笑顔…決勝まで守りたい!見たい!」、「笑顔良すぎる」とまたも反響が集まっている。 ベスト8進出を決めた日本は、準々決勝でイラン代表と対戦。中2日での一戦となるが、上田の笑顔は見られるだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】上田だけ爽やかな笑顔!日本代表の集合写真(1枚目)</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/C2ykK1op4bz/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/p/C2ykK1op4bz/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div></div></div><div style="padding: 19% 0;"></div> <div style="display:block; height:50px; margin:0 auto 12px; width:50px;"><svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div><div style="padding-top: 8px;"> <div style=" color:#3897f0; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:550; line-height:18px;">この投稿をInstagramで見る</div></div><div style="padding: 12.5% 0;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: row; margin-bottom: 14px; align-items: center;"><div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(0px) translateY(7px);"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; height: 12.5px; transform: rotate(-45deg) translateX(3px) translateY(1px); width: 12.5px; flex-grow: 0; margin-right: 14px; margin-left: 2px;"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(9px) translateY(-18px);"></div></div><div style="margin-left: 8px;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 20px; width: 20px;"></div> <div style=" width: 0; height: 0; border-top: 2px solid transparent; border-left: 6px solid #f4f4f4; border-bottom: 2px solid transparent; transform: translateX(16px) translateY(-4px) rotate(30deg)"></div></div><div style="margin-left: auto;"> <div style=" width: 0px; border-top: 8px solid #F4F4F4; border-right: 8px solid transparent; transform: translateY(16px);"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; flex-grow: 0; height: 12px; width: 16px; transform: translateY(-4px);"></div> <div style=" width: 0; height: 0; border-top: 8px solid #F4F4F4; border-left: 8px solid transparent; transform: translateY(-4px) translateX(8px);"></div></div></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center; margin-bottom: 24px;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 224px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 144px;"></div></div></a><p style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; line-height:17px; margin-bottom:0; margin-top:8px; overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/C2ykK1op4bz/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">日本サッカー協会(JFA)/日本代表/なでしこジャパン(@japanfootballassociation)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2024.02.01 13:40 Thu

日本代表の人気記事ランキング

1

「チームに求められていることしか考えていない」。後藤啓介、20歳が見せた献身と野心

11月14日、ガーナ戦で日本代表デビューを果たしたFW後藤啓介。ジュビロ磐田でクラブ史上最年少得点者となり、2024年にベルギーへ渡った20歳は、限られた時間の中でチームのために走り続けた。ストライカーとして結果を追いながらも、まずは求められた役割を遂行する。そこには、後藤が抱く「献身」と「野心」が確かにあった。 ■「まず守備から」。後藤が体現したチームファースト 森保監督から告げられたのは、シンプルなひと言だった。 「まず守備から。ゼロで抑えるためにハードワークしてほしい」 26番を背負った191cmのストライカーがピッチに入ったのは後半31分。ファーストプレーで相手DFを背負った状態でボールを収めると、その後は相手のパス回しを全力で追いかけた。 後半40分、ゴール前でMF佐野海舟からの縦パスを受けると、走り込んできたMF佐藤龍之介へワンタッチで落とす。 「龍が勢いを持って入ってきたのが見えてたので。自分はゴールに背を向けていたし、前向きの選手をシンプルに使いました」 その1分後には右サイドからのクロスに飛び込んだ。惜しくも相手のクリアに阻まれたが、動き出しの質には手応えがあった。 「昨日の練習で(菅原)由勢くんがいいクロスを上げてたので、来るなと思ってました。ああいう形は続けていきたい」 ストライカーである以上、“結果”は常に求められる。だが後藤は、チームの秩序の中で自分を活かす選択をした。 「結果を出すこと、チームに求められること、どんなバランスでプレーしていましたか?」と聞くと、後藤は迷うことなく答えた。 「チームに求められていることしか考えていないです。それをやった結果、ゴールはついてくると思っています」 限られた時間の中で、ストライカーとしての嗅覚とチームプレーのバランスを見せた。 ■黒髪に戻して、もう一度スタートラインへ 日本代表に合流した時は金髪だった後藤だが、豊田スタジアムのピッチには黒髪で現れた。シント=トロイデンVVのチームメート・谷口彰悟と一緒に美容室に行って黒に染め直したと明かした。 「初代表ですし、もう一回スタートだなと思って。プロになった時の気持ちを思い出したかった」 デビューの夜に合わせて、自分自身をリセットする。そこには、本気でW杯に出場するという決意が滲んでいた。 森保ジャパンでは、センターフォワード争いが熾烈だ。FW上田綺世、FW小川航基、FW町野修斗らがしのぎを削る中で、後藤はサプライズ選出を狙う。 「次は国立。今日よりお客さんも入ると思うので、その中で結果を残したい。森保(一)さんに“使いたい”と思わせるプレーをしたい」 チームファーストでありながら、ストライカーとしての本能を隠さない。 そして、同世代の仲間たち——佐藤、MF北野颯太と共にピッチに立った時間も、新しい刺激を与えた。 「急にすごく若くなったので、アンダー世代(の代表)なのかと思ったぐらいですけど、自分たちが引っ張っていかないといけない」 20歳のFWは言葉を選びながら、確かな責任感を見せた。ガーナ戦での数分間は、単なる“デビュー”ではない。チームの中でエゴを磨き、大舞台へ感覚を研ぎ澄ませる、若きストライカーの“始まり”だった。 取材・文=北健一郎 2025.11.15 12:30 Sat
2

6番+8番+10番。鎌田大地がボリビア戦で示した“シン・ボランチ像”

ゴール前で輝く決定力と、中盤を支える戦術眼。その両方を併せ持つ“新しいボランチ像”を、日本代表のMF鎌田大地がボリビア代表戦で体現した。開始4分、MF久保建英のクロスを胸で収め、左足で冷静に流し込んだ先制点。ボランチでありながらペナルティエリアへ侵入し、フィニッシュまで持ち込む――。クリスタルパレスと日本代表では求められる役割は異なる。それでも鎌田は、6番・8番・10番をひとつに束ねた“自分だけのポジション”を研ぎ澄ませている。 ■“6番”の位置から、ペナルティエリアへ ボリビア戦の開始4分。試合は、MF鎌田大地が切り拓いた。 MF久保建英が右サイドで深くえぐる。相手がゴール前へ引き寄せられる一瞬の隙を、鎌田は逃さなかった。ペナルティーエリアにスッと入っていき、浮き球のクロスを胸でコントロールすると、左足で逆サイドネットへ流し込んだ。 「チームとして、あそこが空くっていうのは分析でもやっていた。ボランチですけど、ああいうところに何回か入っていくことが大事だと思っていたので。ボールが来てシュートチャンスができたのは良かったかなと」 クリスタルパレスではリスク管理が徹底され、センターラインより前に踏み込む回数は限られる。しかし日本代表では、森保一監督の戦術が鎌田に自由度を与えている。 「自分がある程度自由に前に行けるような、6番だけじゃなくて8番や10番くらいの役割までできる方が、やっていて躍動感はある。そっちの方が自分には合っていると思いますし」 相手の守備ラインが一歩下がった瞬間、鎌田は3列目の位置からスッと前へ出ていき、いつの間にか最前線に顔を出す。ボランチでありながらフィニッシュまで関与できる稀有な才能が、日本の攻撃に奥行きをもたらす。先制点は、その象徴だった。 ■自由と責任の狭間で描く“シン・ボランチ像” 鎌田のプレーは、単なる攻撃的ボランチではない。試合の状況に応じて6番(ボランチ)にも8番(インサイドハーフ)にも10番(トップ下)にもなる。 「パレスはボランチがリスク管理で、余ってる選手を捕まえたり、後ろ5枚で守る形。こっち(日本代表)はもっと攻撃に関われる。やり方の違いが大きいと思います」 その言葉通り、ボリビア戦では攻撃でも守備でも表情を変えた。後半、相手のカウンターを鎌田がつぶした場面は象徴的だった。厳しいプレスを受け続けた前半の疲労が残る中でも、最後のところで身体を投げ出し、相手の芽を摘んだ。 ガーナ戦をコンディション不良で欠場したものの、ボリビア戦で本来の実力を示した。 「しっかりプレーできるレベルには戻ってきているので、そこは問題なかったと思います」 守備強度とゲームメイク、そして得点力。これらを同時に要求されるのは酷にも思えるが、鎌田はその領域に自ら踏み込んでいる。 この日のミックスゾーンでは、鎌田らしい“脱力感”ある一幕も。 「ゴールの後に森保さんのところに行こうとチームで話していたそうですが?」という質問を受けた時のこと。 それまで淡々と話していた鎌田の表情がゆるむ。 「僕は聞いてなかったんで。集中していたので、全然頭になくて。(森保監督に)申し訳ないというか……(笑)」 周囲に笑いが起きる。プレッシャーの中にあっても自然体でいられること。それもまた、鎌田の強みだろう。 チーム内のポジション争いは激しい。MF佐野海舟をはじめ、鎌田の主戦場にもライバルが台頭し、代表チームは新しいフェーズへと進んでいる。ただ、鎌田には慢心も不安もない。 「日本人選手は頭が良くて、どのポジションでもある程度できる選手が育っている。監督にとっても理想的じゃないですかね」 6番+8番+10番。ボランチの概念を超えた鎌田が、森保ジャパンをさらなる高みへ導いていく。 取材・文=北健一郎 2025.11.19 00:45 Wed
3

完封勝利の裏に「もっとやれた」。早川友基、“第3GK”からW杯へのロードマップ

ガーナ戦のピッチに立った鹿島アントラーズの守護神・早川友基。正GK鈴木彩艶の負傷、第2GK大迫敬介の不在の中で巡ってきたチャンスを、無失点という最高の形で終えた。だが、試合後のミックスゾーンに現れた早川の表情に、満足の色はなかった。代表2戦目にして、“守るだけ”のGKでは終わらない次のステージを見据えていた。 ■ピッチで感じた想像以上の「圧」 先発出場を告げられたのは試合の2日前だったという。 「今まで培ってきたものをピッチで出すだけだと思っていました」 鹿島で見せる特徴は、セービングだけではない。足元の技術と配球判断、そして試合を読む力だ。しかし、この日感じたのは、想像以上の「圧」だった。 「トラップしてからの駆け引きとか、出しどころを消される感覚。持ち運ぼうとした瞬間にプレッシャーがかかる。そのスピード感と背後を狙う走力はすごかった」 それでも、背後の対応では冷静だった。 「足の速い選手が背後を狙ってくると聞いていたので、試合を通じてカバーを意識できました」 早川は身体能力で上回る相手にも、読みとポジショニングで対抗した。後半も集中を切らさず、チームを完封へ導いた。 ■“第3GK”が描く、W杯への道筋 試合後のコメントには、自己評価の厳しさがにじむ。 「欲を言えば、もっとやれた。パスの質、長短の判断、その精度はまだ上げられる」 無失点でも課題を口にするのは、すでに次を見ているからだ。 「みんなとも話したんですけど、代表の試合にでてこそ得られる経験値があるなと。僕自身も今までにない緊張感はありました」 そう語る早川の目には、明確なターゲットがある。 「目指しているのはワールドカップ。そこがぶれることはないです」 ミックスゾーンでは何度も“成長”という言葉を繰り返した。 「こういう経験ができたのは素晴らしいと思いますし、しっかり振り返って、また次の試合につなげていきたい」 無失点という結果の裏にあるのは、静かな決意だ。“第3GK”から、“守護神”へ。そのロードマップは、もう動き始めている。 取材・文=北健一郎 2025.11.18 15:30 Tue
4

「奪って、つないで、また走る」。佐野海舟がガーナ戦で見せた超回収力と新中盤像

ガーナ代表との一戦で、ピッチを支配したのはMF佐野海舟だった。MF南野拓実の先制ゴールを導いたボール奪取とラストパス。MF久保建英が真っ先に駆け寄ったのは、決めた南野ではなく、その起点となった背番号21のもとだった。日本代表復帰から約半年。彼はいま、ボランチ争いで一歩抜け出そうとしている。 ■奪って、前へ。南野の先制点を生んだ“縦への意識” 前半26分。相手陣内の高い位置で、MF佐野海舟は迷いなく飛び込んだ。 相手のパスを読み切り、身体を滑り込ませてボールを奪うと、そのまま前方へ持ち上がる。ペナルティーエリア手前の右から放った横パスはMF南野拓実の足元へ。冷静にゴール右隅へ流し込んだ南野の背後で、MF久保建英が真っ先に走り寄った先は──佐野だった。 「ボールを奪ってから、前にスペースがあったので、うまく運べました。拓実くんがいい動き出しをしてくれたので、迷わずパスを出しました」 その言葉にあるのは、攻撃意識の変化だ。ブラジル代表戦、パラグアイ代表戦ではボールを奪っても後方に下げる場面が多かった。だが、この試合は、縦へのスイッチを入れる瞬間を逃さなかった。 「前半は簡単なミスもあったけど、そこを修正する方が先」と冷静に振り返る姿勢に、地に足の着いた成長がにじむ。 この日、森保ジャパンはマンツーマンを軸にした守備戦術を採用。誰が誰を見るのか、責任を明確にするスタイルだ。佐野のタスクは、ガーナの司令塔MFクワシ・シボを封じること。「奪って、前へ」のリズムを作るには、まず相手の呼吸を止める必要があった。 「ファウルに見えないように、ならないように、もう一歩早く行くことを意識していました」 その言葉どおり、予測とタイミングで勝負する。相手が前を向く瞬間にはすでに足を差し込み、ボールを刈り取る。久保や南野の輝きを支えていたのは、ボールハンター・佐野だった。 ■日本代表での「地位が上がったとは思っていない」 2024年7月、佐野は一度、代表から姿を消した。世間の視線は厳しかった。だが約1年後、森保ジャパンに戻ってきたとき、佐野のプレーには凄みが増していた。ブラジル戦で歴史的な勝利に貢献し、アフリカの強豪ガーナ戦ではMOMとも呼べる働きを見せた。 W杯を半年後に控えて、日本代表のボランチは再編期を迎えている。 第二次森保ジャパンでは、キャプテンのMF遠藤航とMF守田英正のダブルボランチが“不動”だった。しかし、遠藤はリバプールでクローザーとしての起用が増え、守田は怪我の影響で出場機会が限られている。 そんな中、クリスタル・パレスを牽引するMF鎌田大地の相棒候補として、佐野海舟の名前が浮上した。運動量、対人の強さ、そして前への意識。佐野の存在は、遠藤・守田の時代から次のフェーズへ移るチームの象徴でもある。 ただし、チーム内での立ち位置について問われると、首を横に振った。 「地位が上がったとも思っていません。自分のやるべきことを続けていくしかない。毎回の活動で課題が出て、それをチームに帰って修正して、また次へ。うまくいかないときにどう立て直せるかが大事だと思います」 ボランチの“一番手”を争う位置に立った今も、慢心とは無縁なのだ。 ボールを回収する力はもちろん、失われた信頼を一つずつ取り戻していく姿勢が、チームにエネルギーを与えている。奪って、つないで、また走る。その地道な積み重ねの先に、森保ジャパンの新しい中盤像が見えてくる。 取材・文=北健一郎 2025.11.15 13:30 Sat
5

大怪我から復活した“最終ラインの司令塔”。33歳・谷口彰悟が示したDFリーダーの価値

ガーナ代表戦、ボリビア代表戦と続いた11月シリーズを、日本代表は2試合連続の無失点で締めくくった。その中心にいたのが、フィールドプレーヤーで唯一2試合フル出場を果たした33歳――谷口彰悟だ。2024年11月にアキレス腱を断裂。大怪我から戻ってきた男は、再び日本代表の最終ラインで存在感を放っている。2026年北中米ワールドカップ、その真ん中を任されるのは彼なのかもしれない。 ■1年ぶりの復帰で見せた安定感 ボリビア戦後、ミックスゾーンに姿を見せたDF谷口彰悟は、どこか晴れやかな表情だった。 チームは11月シリーズを2試合連続の完封で終え、自身はフィールドプレーヤーで唯一の2試合フル出場。数字だけを見れば、十分すぎる結果だ。 「まずはゼロで終われたこと。苦しい時間もありましたけど、こういう難しいゲームを勝ち切るのは本大会でもあり得る。勝って終われたのは非常に良かったと思います」 言葉の端々からは「代表に帰ってこられた」という安堵よりも、すでに次を見据えている姿勢のほうが強く伝わってくる。 10月のブラジル戦で約1年ぶりに復帰し、歴史的勝利に貢献した。そこからクラブでコンスタントに試合に出続け、11月の代表活動を迎えると、再び最終ラインの中心に収まった。 「3枚の真ん中はめちゃくちゃ大事なポジション。簡単には譲りたくないですし、リーダーシップを取っていかないといけない」 両脇の選手が変わっても、谷口を中心としたDFラインの安定感は変わらない。そこには、ベテランらしい“気遣い”がある。 「気遣い、してなさそうに見えて結構してるんですよ(笑)。特徴は理解してますし、いい形で受けてもらうためのパスのタイミングとか、右か左かの判断は真ん中だからこそ見える。できるだけ“ハメパス”にならないようにというのはこだわってます」 周りの選手が思い切って前に出られるように、背後のカバーは責任を持って引き受ける。 「広範囲は僕がカバーして、目の前の選手にはバトルしてもらう。後ろに保障があると前に行きやすいので」 谷口がいると、両サイドのDFが伸び伸びとプレーできる――。それこそがクリーンシートでの2連勝につながったのは間違いない。 ■33歳はアップデートし続ける ただし、全てがよかったわけではない。むしろ、完封だからこそ課題が際立つと語る。 「相手のプレッシャーもあって、打開しきれないところや、ショートカウンターを食らったり、イージーなミスもあった。次のレベルでは致命的になるので減らしていかないといけない」 象徴的だったのが、MF鎌田大地との縦パスのリターンが相手に狙われて、シュートを放たれた場面だ。 「日本の選手が(最終ラインに)落ちてきた時に、そのまま食いついてくる相手だったので、そこをもっと利用しながらスペースを見つけられれば。できた時は前に運べていたので、意図的にやれたら良かった」 ボランチの組み合わせが変わる中で、ラインのスライドや立ち位置の整理にも改善点はある。 「ワタル(遠藤航)が落ちるのか、自分たちで4枚っぽく回すのかはやりながらのところが多かった。前半の中で修正できればもっとスムーズにやれた。こういうゲームはワールドカップでもあり得るので、焦れずにゼロで進めることは大事」 自身の年齢について問われると、照れ笑いを浮かべながらも自信は揺らがない。 「年取ったのに(笑)。でも、フィジカルが衰えてても感じさせないメンタリティでやれている。まだまだ伸びている自信はあります。おじさん、まだまだ頑張ります」 アキレス腱断裂という選手生命を揺るがす大怪我から1年。本来ならキャリアの下降線に入っていても不思議ではない33歳が今、代表で一段階上の存在感を放っている。 「自分が出るからにはゼロで終わらせてチームを勝たせる。それは毎試合こだわってます」 2026年――日本代表の最終ラインを束ねるのは誰か。「谷口彰悟」という答えは、確かに現実味を帯び始めている。 取材・文=北健一郎 2025.11.19 01:35 Wed

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly