【パリ行きの命運を託された23選手】“第2の遠藤航“とも期待される京都の若き主将・川﨑颯太
2024.04.11 21:00 Thu
パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねるAFC U23アジアカップが15日に開幕する。出場16カ国が4組に分かれてのグループステージから始まる五輪出場もかけた戦いは約2週間ちょっとのスケジュール的にも勝ち上がれば勝ち上がるほど総力戦が必至。ここではパリ行きの命運が託されたU-23日本代表の23選手を紹介し、川﨑颯太にフォーカスする。
プロ1年目はシーズン後半戦をメインにJ2リーグで16試合に出場すると、曺貴裁監督が就任した2021シーズンは開幕からスタメンの座をゲット。アンカーとしてGKと2CB以外の7名の選手を操る「ホールディングセブン」の役割を与えられ、J2の41試合に出場と大きく飛躍し、チームをJ1昇格へ導いた。
トップカテゴリー初挑戦となった2022年はリーグ戦28試合に出場してJ1残留に貢献。続く2023年にはクラブ最年少でチームキャプテンに就任し、同年6月にはA代表初招集も果たした。
大岩剛監督率いるパリ五輪世代の日本代表には発足当初の2022年3月から参加。その後も継続的に招集され、昨年9月のAFC U23アジアカップ予選では1試合に出場。今年に入ってからは、京都で行われた3月に行われたU-23マリ代表との親善試合でに先発した。
広範囲に動いて相手の攻撃の芽を摘むと同時に、自チームの攻撃の起点となるダイナモは、積極的な前線への飛び出しでチャンスを創出。曺監督が湘南ベルマーレ時代に指導したリバプールの日本代表MF遠藤航と重ねる声も多い。前述の通り自ら得点を奪う力もあり、代表でもネットを揺らすことが期待される。
今回のAFC U23アジアカップでは、これまで同様、山本理仁や藤田譲瑠チマらと共に中盤を支えることが期待される。アンカー、ダブルボランチの一角、インサイドハーフと幅広い役割をこなせるだけに、総力戦ではその重要度が増しそうだ。
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■川﨑颯太(MF/京都サンガF.C.)現在は京都サンガF.C.のキャプテンを務める川﨑だが、元々は地元・ヴァンフォーレ甲府の下部組織に在籍。甲府U-15から京都のU-18へ加入し、U-18日本代表入りなども経験しながら、2020年にトップチームへ昇格した。トップカテゴリー初挑戦となった2022年はリーグ戦28試合に出場してJ1残留に貢献。続く2023年にはクラブ最年少でチームキャプテンに就任し、同年6月にはA代表初招集も果たした。
今シーズンはインサイドハーフをメインにここまでJ1の7試合全てにフル出場。第3節川崎フロンターレ戦、第4節横浜F・マリノス戦ではどちらもルーズボールを押し込んでゴールを決めるなど、得点感覚にも磨きをかけている。
大岩剛監督率いるパリ五輪世代の日本代表には発足当初の2022年3月から参加。その後も継続的に招集され、昨年9月のAFC U23アジアカップ予選では1試合に出場。今年に入ってからは、京都で行われた3月に行われたU-23マリ代表との親善試合でに先発した。
広範囲に動いて相手の攻撃の芽を摘むと同時に、自チームの攻撃の起点となるダイナモは、積極的な前線への飛び出しでチャンスを創出。曺監督が湘南ベルマーレ時代に指導したリバプールの日本代表MF遠藤航と重ねる声も多い。前述の通り自ら得点を奪う力もあり、代表でもネットを揺らすことが期待される。
今回のAFC U23アジアカップでは、これまで同様、山本理仁や藤田譲瑠チマらと共に中盤を支えることが期待される。アンカー、ダブルボランチの一角、インサイドハーフと幅広い役割をこなせるだけに、総力戦ではその重要度が増しそうだ。
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新理事会と残念だった西尾隆矢の報復/六川亨の日本サッカー見聞録
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「本当にレベルが高い2人」久々日本代表入りの藤田譲瑠チマ、遠藤航&守田英正から吸収「隙があったら飛び出すプレー」
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AFC U23アジアカップを制したU-23日本代表が4日夜に帰国。海外組を除く国内組のメンバーが凱旋した。 パリ・オリンピックのアジア最終予選も兼ねたAFC U23アジアカップ。「3.5枠」を16カ国で争う中、日本はグループステージを韓国に次ぐ2位で通過した。 準々決勝で敗れればパリ行きの可能性が消滅する中、開催国のU-23カタール代表と対戦。2-2で90分を終えて延長戦に突入すると、細谷真大、内野航太郎のゴールで2-4と勝利し最大の山を越えることに成功。続く準決勝で勝利すればパリ五輪行きが決まる中、U-23イラク代表と対戦し、2-0で勝利。8大会連続12度目のオリンピック出場を決めた。 そして3日にはタイトルを懸けてU-23ウズベキスタン代表との決勝を戦い、後半アディショナルタイムの山田楓喜のゴールで1-0で勝利。GK小久保玲央ブライアンのPKセーブもあり、アジア王者に輝いてパリ五輪へと向かっていく。 帰国した大岩監督は羽田空港でメディアの取材に応じ、改めて大会を振り返った。 「非常に苦しい決勝戦でしたけど、大会を通じてはチーム全体で戦っていくことを常々言ってきたのでそれができたことと、勝ち切ることができたので良かったかなと思います」 選手たちには非常に大きなプレッシャーが懸かる中、海外組の選手が招集できなかったり、初戦でいきなり退場者が出るなどアクシデントも色々あった。 大岩監督は「物凄く色々なことがあったので、それにあまり気を持ってかれないように、選手も健康で常に良い準備ができている状態でしたので、自信をもって大会を進めることができました」とコメント。コンディション面での問題がなかったことは大きかったようだ。 選手の団結力もさることながら、スタッフ陣も大きな働きをすることに。中2日でくる相手の分析を含めて、団結力は高まり、チームとしての勝利だとスタッフを労った。 「もう長いですし、少ない人数でやってきているので、結束が強いと言えば強いですし、あとは他のメディカルとか、食事もそうですし、裏方も総務もそうですが、そういう人たちがあっての1カ月という長い期間だったので、チームとして成果じゃないかなと思います」 中2日の戦いはオリンピック本番でも同じ。ただ「パリを見据えれば結果的にそういうことになるんですけど、大会中はそんなこと考えられなくて、いかに次の試合、全体の逆算したプランに対して次の試合にという感じでした」と、結果としてマネジメントなどで良かったとも言えるが、とにかく出場権を確保することを優先していたという。 今回は23人で大会に臨み見事に優勝。ただ、パリ・オリンピックの登録人数は18名。さらに、オーバーエイジも3名まで招集が可能。ここからは選手選考が非常に難しくなる。 オーバーエイジについて大岩監督は「使うというと必ず使わなければいけなくなりますが、ルールとしてOKなので、招集はIW(インターナショナル・マッチウィーク)外なので希望することと叶うことは全く別です」とコメント。「今回の大会でU-23の選手たちも非常に成長したので、そういう線もあるかなと。全体を見れば使うこともあるかもしれないし、人数も少ないかもしれないですし、U-23で行くかもしれないし…今はフラットです」と語り、現時点ではまだ考えきってはいないとした。 とはいえ、本大会まで時間も短い。活動としては6月に一度あるが、ラージリストの登録期限も迫っているという。 「登録期限があって、ラージグループを作らないければいけないです」 「決勝戦が終わってから短い時間でコーチングスタッフでミーティングをしました。日毎に状況が変わっていくと思うので、オーバーエイジのことですし、明後日からJリーグも再開しますし、しっかり見極めていきたいです」 オーバーエイジを仮に3名呼ぶとなれば、残りは15名。優勝したメンバーの中から選んだとしても8名が脱落。さらに、今回招集されていない海外組、国内組の選手もいる。 この世代を立ち上げてから大岩監督が招集した選手は「86名」。その中からオーバーエイジを引けば、15名を選ぶ必要があり、「86名」以外にも可能性はあるという。 「もちろんです。今回「86」という数字が表に出ましたが、呼んだことある選手、ない選手、海外にも居ますし、今活躍している若い選手も是非台頭してきてほしいなと思います」 選手たちにとってはより一層厳しいサバイバルに突入。ただ、属人的なチームを作らなかった大岩監督のチームに入るためには、まずは所属クラブで結果を出すことが重要。果たして、7月の本番に選ばれる18名は誰なのか。ここからはクラブでの活躍に注目がより集まることとなる。 2024.05.05 08:15 Sun3
「金髪で有言実行」。辛口のセルジオ越後氏から太鼓判を押された右SB関根大輝の可能性【新しい景色へ導く期待の選手/vol.40】
「欧州組招集が叶わない」「タレント的に小粒」「コロナ禍の影響で国際経験が少ない」といった数々の懸念材料があり、2024年パリ五輪出場が危ぶまれていた大岩剛監督率いるU-23日本代表。しかしながら、ふたを開けてみれば、8大会連続切符獲得に加え、AFC U-23アジアカップ(カタール)制覇という大きな成果を挙げたのだ。 キャプテン・藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)がMVPを受賞し、エース・細谷真大(柏レイソル)も重要な準々決勝・カタール戦と準決勝・イラク戦でゴールを挙げる中、大会通して評価をグングン上げたのが、右サイドバックの関根大輝(柏レイソル)だ。 187センチの大型サイドバック(SB)は2023年アジア大会(杭州)から頭角を現し、最終予選メンバーに滑り込んだ選手。それが韓国戦を除く5試合に先発し、定位置を奪取して不可欠な存在へと飛躍を遂げたのだから、本人も周囲も驚きを禁じ得なかっただろう。 「大会前に金髪にして、『この髪と同じメダルを取る』とメディアのみなさんの前で言ったんで、しっかり有言実行できてよかったです」と4日の帰国直後に彼は満面の笑みをのぞかせた。 とはいえ、5月3日のファイナル・ウズベキスタン戦ではヒヤリとするシーンもあった。山田楓喜(東京V)の一撃で1点をリードした後半ロスタイム。背番号4はゴール前でクロスに競った場面でボールが手に当たり、VAR判定の末にPKを献上してしまったのだ。 「映像を見られた時は『ヤバいかな』と思って。でも当たった瞬間は分からなくて、自分も大丈夫だと思ってプレーを続けていたんですけどね…。PKになった時はもう『止めてくれ』と。玲央君(小久保玲央ブライアン)に助けてもらって本当によかったなと。試合中もサッカー以外のところでもすごくコミュニケーションを取ってくれたし、最後に救ってもらって感謝です」と本人は九死に一生を得た心境だったという。 今大会の活躍で、パリ五輪参戦が確実視される立場になった関根。1年前にA代表招集された半田陸(ガンバ大阪)や欧州組の内野貴史(デュッセルドルフ)をごぼう抜きしていく様子を目の当たりにした関係者からは「A代表に入れていい」という声も高まっている。 その筆頭が辛口批評で知られるセルジオ越後氏だ。いつも苦言を呈するベテラン解説者が素直にポテンシャルを認めるのはかなり珍しい。これを受け、本人は「そう言ってもらえているのは知らなかった。本当に有難いですけど、自分としてまだまだだと思います」と謙虚な姿勢を崩さなかった。 関根がそう感じるのも、大会前のJリーグで対峙した毎熊晟矢(C大阪)の一挙手一投足を間近で体感したからだ。 「毎熊選手と対戦して、やっぱすごくうまいし、全然レベルがまだ違うなと感じた。そういう意味でも自分はまだまだ。もっと課題を克服して、ゴールアシストっていう結果を出さないとA代表には辿り着けないですよね」 「特に課題を挙げると、クロス対応の守備。攻撃で良い手応えをつかめたからこそ、守備の部分、1対1のアジリティを含めてもっと突き詰めていく必要があるんです」 「Jリーグの舞台ではこれまで何となくごまかせた部分はあったけど、緊迫した戦いになると1個のプレーで勝負が決まってしまうことを痛感したんです」 「逆に、そういうところを突き詰めれば、上に行けるという感覚は持てた。そこをレイソルで真剣に取り組んでいきたいと思います」と彼は神妙な面持ちでコメントした。 幸いにして、柏の指揮官はかつて「アジアの壁」と言われた井原正巳監督。大谷秀和・染谷悠太両コーチらも勝負の明暗を分ける守備には厳しいはずだ。関根はまだ拓殖大学在学中だが、3年でサッカー部を退部して、今年からプロの道を踏み出したことで、より大きく成長できる環境を手に入れたのは確か。そのアドバンテージを最大限生かして、高みを追い求めていくことが肝要なのだ。 そうすれば、本当に多くの関係者が求めているA代表昇格も現実になるだろう。関根のような187センチの長身の右SBというのはなかなか出てこない。酒井宏樹(浦和レッズ)が第一線から退いている状態の今、こういう人材が出てきてくれれば、パワープレー対策を考えても日本の大きな強みになる。しかも、関根はリスタートから点も取れる。数々のストロングを生かさなければもったいないのだ。 近い将来、A代表で毎熊や菅原由勢(AZ)、橋岡大樹(ルートン・タウン)ら年長者たちと堂々とポジション争いを繰り広げるためにも、まずは柏で確実な進化を遂げ、パリ五輪で存在感を示すことが重要だ。 「パリ五輪まで金髪は継続します」と彼は茶目っ気たっぷりに笑ったが、本大会でも髪色と同じメダルを取れれば最高のシナリオだ。関根にはその火付け役になってほしいものである。 2024.05.05 20:30 Sun4
新理事会と残念だった西尾隆矢の報復/六川亨の日本サッカー見聞録
JFA(日本サッカー協会)は4月18日、宮本恒靖JFA新会長と新理事による最初の理事会(年度的には第6回)を開催した。既報のとおり技術委員長には影山雅永氏(JFAテクニカルダイレクター)が就任し、新たに各種部会が設置され、代表チームの強化を担当する技術委員会強化部会の部会長には山本昌邦氏(ナショナルチームダイレクター)が就任。ユース育成部会の部会長にはU-18日本代表監督で、解説者の城彰二氏の弟の城和憲氏が就任した。 理事会後の記者会見に臨んだ湯川和之専務理事は、かつては読売クラブの選手で、90年代初めにJFAへ転出。日本代表のマネジャーとしてチームに帯同し、日本の成長を見守ってきた。宮本会長とは97年のワールドユース(現U-20W杯)で選手とマネジャーという間柄。「今日はカジュアルな形での理事会が行われた」と変化を報告しつつ、「新理事にはサッカー界の説明をしました。今まで当り前のことが当り前にできない」と、半数近くが初めてJFAの理事になったことで、サッカー界の現状説明に時間を費やしたことも明かした。 また7月13日(土)には能登半島地震復興支援マッチとして、金沢のゴーゴーカレースタジアムでなでしこジャパンの壮行試合が開催されることも報告された。対戦相手やキックオフ時間などの詳細は未定となっている。 理事会の報告はここまでで、影山技術委員長はドーハへ行っていないとのことだが、U-23アジアカップの初戦、中国戦に関してはCB西尾隆矢のレッドカードに触れないわけにはいかないだろう。いくら相手に背後から身体をぶつけられたからといって、エルボーでの報復は問答無用で一発退場だ。ましてVARがあるのだから、どんな言い訳も通用しない。 大事な初戦、それも開始17分と早い時間帯での軽率なプレーは非難されても仕方がない。まして今大会のグループリーグは中2日の連戦だ。できればターンオーバーで戦いたかったところ、初戦から日本は総力戦による“緊急事態”に追い込まれた。本来ならDF陣のリーダーにならなければいけない西尾だけに、あまりに軽率なプレーは今後の起用にも影響するかもしれない。 森保一監督はカタールのアジアカップで失点を重ねながらもガマン強くGK鈴木彩艶を起用し続けた。果たして大岩剛監督は“汚名返上”の機会を西尾に与えるのかどうか。出場停止が何試合になるかわからないものの、こちらも注目である。 今回の西尾とは違うケースだが、04年に中国で開催されたアジアカップの準決勝、バーレーン戦で遠藤保仁が不運なレッドカードで退場処分になったことがある。パスを出して前線へ走り出した遠藤に、背後からバーレーンの選手が近寄ってきた。遠藤の振った腕が偶然にもバーレーン選手の顔に当たると、オーバーに倒れ込む。すると主審は遠藤にレッドカードを出したのだった。 当時はVARなどない。そしてカードが出てしまえば取り消しようがない。0-1とリード許し、さらに10人になった日本だが、中田浩二と中澤佑二、玉田圭司の2ゴールで4-3の大逆転を演じた。 当時もいまも、日本を相手にどうやったら少しでも有利な状況に持ち込めるか各国は必死に研究しているだろう。まずは挑発に乗らないこと。そして今回のケースでは、主審は見ていなくてもぶつかられたら西尾は倒れてもよかった。ただ、Jリーグでそうしたプレーは推奨されていないし、日本人のメンタリティーからしても相手を欺くようなプレーはやりにくい。 となれば、やはり相手の挑発には乗らないことと、球離れを早くしてフィジカルコンタクトを避けるのが、体力の温存やケガの予防につながるのではないだろうか。明日のUAEもどんな罠を仕掛けてくるのか、油断のならない相手であることは間違いないだろう。 2024.04.19 17:00 Fri5