「今日の結果は満足」日本代表相手にゴールレスドロー、攻撃面に課題もサウジアラビア代表指揮官は「まだ2位になるチャンスが残っている」と残り2試合に意気込み

2025.03.26 00:30 Wed
サウジアラビアを指揮するルナール監督
©超ワールドサッカー
サウジアラビアを指揮するルナール監督
サウジアラビア代表エルヴェ・ルナール監督が、日本代表戦を振り返った。25日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でサウジアラビアは日本と埼玉スタジアム2002で対戦した。

グループ3位につけるサウジアラビア。すでにW杯出場を決めている日本に勝利し、2位のオーストラリア代表との勝ち点差を詰めておきたい一戦だったが、前半から日本に圧倒される展開に。ビッグチャンスを作ることができなかった中、日本の攻撃になんとか耐えて0-0のゴールレスドローに終わった。
試合後、記者会見に臨んだルナール監督は「我々にとっては今日良い結果が出た。もちろん美しい試合ではなかった。つまり、ショーという意味では申し訳ない」と、望んだ結果にはならなかったと振り返った。

「しかしながら、組織はしっかり維持した。ただ、あまりチャンスを作り出すことはできなかった。気持ち良かった。スピリットがこもっていた。しかし、技術的には我々はまだまだ十分ではないということが分かった」と、日本相手になんとか耐えたものの、攻撃面で良さを出せなかったと反省した。
2位のオーストラリアは中国代表を相手にしっかりと勝利を収め、勝ち点差は「3」に広がることに。6月には直接対決もある中で、まだ諦めないと語った。

「オーストラリアの今回の試合が終わり、そして3点差になった場合でもまだ2試合残っている。サッカーでは何が起こるかわからない」

「まず我々が次にバーレーンと試合をする時、オーストラリアは日本と対戦する。そして最後に我々のホームでオーストラリアとの直接対決が残っている。非常に厳しい試合になっていることはわかっているが、ただ、ここから勝ち点4を取ることも、勝ち点をフルに取ることもできる。次の試合はさらに攻撃的な良い試合をしたいと思う」

オーストラリアは首位の日本とホームで試合を行う中で、勝ち点を落とす可能性も十分にあり、バーレーンにしっかりと勝利してオーストラリア戦に臨みたいと語った。

ただ、3位になれば4次予選に回ることに。ルナール監督は「まだ2位になるチャンスが残っており、今は頭の中はそのことしかない」と、あくまでも残り2試合で出場を目指すと語った。

これまで4バックで戦ってきたオーストラリアだが、この日は5バックで臨んだが、その理由については「日本で試合をする場合、そんなにオープンな試合をすることはできない。非常に良いチームであり、注意をしなければならない。守りという意味では非常にしっかりと計画通りにいったと思う」と日本の幅を取る攻撃を警戒しての5バックだったとコメント。ただ「攻撃面ではスペースに入り込もうとしたが、そこはなかなかうまくいかなかった」と、守備は及第点も攻撃が機能しなかったとした。

また、0-0での引き分けについては「昨日も0-0の引き分けだったら満足かという質問があったが、満足だ。今日の結果は満足している」と、日本を相手にアウェイで勝ち点1を取れたことは満足しているとした。

改めて日本の強さを体感したルナール監督。「W杯優勝」を公言している日本についてW杯でどこまで勝ち上がれるかという質問には「日本の監督に対して、非常に強いリスペクトをもっている。それぐらい本当に素晴らしい結果を残しているし、カタールW杯でも良かった。次のW杯だが、前回よりも良い結果を出せるか。出せる可能性はあると思う。例えば、準々決勝に進むとか」と、ベスト16止まりの日本が上に進めるだろうと言及。その理由については「日本は強い、そして規律が整っている、またスキルもあるからだ。非常にハイレベルなチームだ。ハイレベルな結果を残すことは可能だと思う。私は日本代表に対して、本当に幸運を祈りたいと思う。日本代表はアジアを引っ張り、アジアの代表として非常にふさわしく、立派なチームだと思う」と、日本の実力を改めて称えた。

前半は0-0で終えたサウジアラビアは、ハーフタイムにムハンナド・アル・シャンキティを下げてアリー・マジュラシを投入。右サイドを変えて守備の強度を上げていった。

ルナール監督は狙いについて「中盤でのデュエルが機能していなかった、特に右サイドが機能してなかったので交代させた」と理由をコメント。ハーフタイムの指示については「とにかくファイトし、戦えと言った。セカンドボールを奪うこと、それから空中戦で勝つこと、また、相手のFWがゴールの近くに行ったときにはしっかりとそれを深く追うことを伝えた。後半はそうした点はうまくいったが、自分たちの攻撃面では日本代表に問題を投げかけるような、つまり日本代表を困らせるような攻撃はできなかった」と、守備面は評価しながらも、攻撃面はやはり不満の残る内容だったとした。


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「少しもったいなかった」POTMの久保建英はゴールレスドローに悔しさ、最終予選初の連続先発には手応え「1つ僕が成長した部分かな」

日本代表のMF久保建英(レアル・ソシエダ)が、サウジアラビア代表戦を振り返った。 25日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で日本は埼玉スタジアム2002にサウジアラビアを迎えた。 20日に行われたバーレーン代表戦に勝利し、8大会連続8度目のW杯出場を史上最速で決めていた日本。そのバーレーン戦からは先発6名を変更して2位を目指すサウジアラビアと戦った中、試合は前半から日本が押し込んでいく展開となったが、5バックを採用したサウジアラビアは徹底して守備を固める戦いに。後半も日本がボールを保持した中で、サウジアラビアの守りを崩すことができず、0-0のゴールレスドローに終わった。 2試合連続での先発起用となった久保は、この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POTM)に選出。試合を振り返り「個人としてはあそこまで一方的な試合展開での0-0というのは、少しもったいなかったかなと思います」と、押し込んだ中で勝てなかったことを悔やんだ。 サウジアラビアは割り切って引いて戦ってきた展開については「頭の中でもしかしたら引いてくるかなと思っていましたが、試合前には『奪った後にバックパスだけはやめよう』と話していたぐらい、相手が前から来るのを想定していました」と想定外だったとコメント。「始まってみたらほぼベタ引きで、最初の60分ぐらいは捨てるじゃないですけど、カウンターらしいカウンターもなくて、ほぼハーフコートゲームみたいな、練習みたいな感覚でちょっとやりづらい感覚はありました」と、苦しまされる展開だったと振り返った。 最終予選では先発の機会も増え、出番も定期的にもらっていたが、1つのシリーズで連続先発はこれまでなし。その中で初めて連続で先発出場を果たした。 「名波コーチが試合前に『信頼してるよ』と言ってくれて、その一言がもらえるだけで選手は嬉しいです。頑張ってきて良かったなと思います」と語った久保。「2試合連続で使ってもらえるのはこれまでなかったので、1つ僕が成長した部分なのかなと。目に見える結果として2試合とも出させてもらって感謝しています」と、喜ぶと共に、バーレーン代表戦に続いて結果を残したかったとした。 「今日の試合でもう1回僕がチームを助ける活躍ができれば理想でしたけど、それは叶わなかったので、またチームに帰ってから。チーム(ソシエダ)も苦しい立ち位置であるので、そこを僕が個人の活躍で救っていければベストかなと思います」と、自チームでしっかりと貢献していきたいと意気込んだ。 右サイドは前半から菅原由勢(サウサンプトン)と共に攻撃の起点となっていた中、ポジショニングについて言及。「いつもより降りる回数を多めにして、結果として菅原選手に高い位置を取ることと、僕がサイドに張りすぎないようにしていました」と狙いを語りながらも、「結果としてチャンスを作れていた時は僕がサイドに張った時でした」と、チャンスメイクの手応えがあったという。 そのため、「後半は遠藤選手と田中選手にこちらのサイドに来てもらって、4枚にしてやろうと話していました」と語った久保。ただ、サウジアラビアは予想以上だったとし、「後半になると前半以上にベタ引きになって、田中選手と遠藤選手がワイドまで顔を出してくる形になってごちゃごちゃした部分が出てきてしまって、難しい部分もありました。修正という点では、試合中とは言わないけどハーフタイムでできたと思います」と、相手が予想を上回ったものの、一定の修正はできたと語った。 前半は突破を見せてクロスなどチャンスメイクでも目立った久保。ただ、右足でのクロスは精度を欠くことに。「ちょっと良くなかったですね」と振り返り、「余裕があった分、悩んでしまって、ふわっとしたクロスはミスりがちだけど、速いボールを上げておくべきだったと思います」と、よりスピードのあるボールを中に入れるべきだったとした。 <span class="paragraph-title">【動画】日本が主導権を握るも、サウジアラビアとはゴールレスドロー</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="6Cclma1MS1I";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.03.26 05:45 Wed
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弱体化するサウジアラビア代表…概ねフルメンバーもガルフカップ初戦でW杯最終予選同居のバーレーンに敗れる

サウジアラビア代表が22日、ガルフカップでバーレーン代表に2-3と黒星を喫した。 W杯アジア最終予選C組で日本代表が同居するサウジ&バーレーン。C組はすでに首位日本が本大会切符確保へ接近も、2位オーストラリアから3位インドネシア、4位サウジ、5位バーレーン、6位中国は勝ち点1差でひしめき合う。 団子状態となった要因のひとつは、目に見えたサウジの「衰退」。6試合1勝、最終予選18カ国で最少の3得点…国内リーグで代表選手たちのプレータイムが奪われている事実が、本来であれば見過ごせないレベルまで達している。 サウジは22日、中東各国が集うガルフカップのグループステージ初戦で、最終予選でも同居するバーレーンと激突し、2-3と敗戦。 前半で2点ビハインドとなり、73分に1点を返すもすぐさま突き放され、試合終盤にPKで再び1点差とするも、これ以上の反撃は敵わず、大会黒星発進となってしまった。 今大会のサウジは、ローマ所属のDFサウード・アブドゥルハミドら海外組2人を除き、ほぼベストメンバー。FWサレム・アル・ドサリやMFモハメド・カンノらお馴染みの顔ぶれが並ぶ。 しかし、最終予選前半戦での0-0に続き、またしてもバーレーンに勝てず。起爆剤として11月、エルヴェ・ルナール氏を新監督として再登板させたが、今のところ、効果は出ず…9月以降で中国にしか勝てていないサウジである。 2024.12.23 20:52 Mon
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サウジアラビアとの延長戦を制した韓国が初優勝!《AFC U-23選手権》

AFC U-23選手権2020決勝、U-23サウジアラビア代表vsU-23韓国代表が26日に行われ、0-1で韓国が勝利した。 準決勝でU-23ウズベキスタン代表に勝利したサウジアラビアと、U-23オーストラリア代表に勝利した韓国の決勝。 サウジアラビアがポゼッションする中、カウンターを狙う韓国が徐々に攻め込む回数を増やすと、35分にオ・セフンがミドルシュートでゴールに迫る。さらに42分には決定機。右クロスが流れたところを、ファーサイドでフリーのチョン・ウヨンがシュートに持ち込むも、枠の上に外してしまった。 ゴールレスで迎えた後半、韓国が敵陣でのプレーを増やしていった中、58分にチャンス。イ・ドンジュンがボックス右へカットインして左足でシュート。枠の左を捉えていたが、GKの好守に阻まれた。 その後も韓国が攻勢をかける中、77分にビッグチャンス。しかし、ボックス右に侵入したイ・ドンジュンのシュートはGKに止められてしまった。 結局、90分でゴールが生まれず迎えた延長戦、引き続き韓国が押し込む展開が続くと、同後半9分にゴールをこじ開ける。左サイドからのイ・ドンギョンのFKをチョン・テウクがヘッドで押し込んだ。 これが決勝点となって韓国が勝利。同大会史上初優勝を飾っている。 2020.01.27 00:05 Mon
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「生きるか死ぬか」日本代表を誰よりも知り愛する男、長友佑都が見せた矜持/日本代表コラム

「この局面を打開したときには、2022倍の称賛で称えてもらえればと思います」 試合前にそう口にしていたのは日本代表DF長友佑都(FC東京)。長年日本代表を支えてきた長友だが、ここ最近はパフォーマンスの低下が指摘。批判の声が高まっていた。 イタリアの名門であり世界でも有数のビッグクラブであるインテルで長年レギュラーを張っていた長友。その時代に日本代表で見せていたプレーは、多くの日本人が心を動かされていた。 外国人選手と比べれば明らかに引けをとる小柄な体格でありながら、アグレッシブさと豊富な運動量で左サイドを上下に動く姿。そして右足を遜色ない左足からのクロスと、まさにサイドを制圧していた。 しかし、ガラタサライに移籍してからチームで構想外となったころから、徐々に狂い始める。半年間試合でプレーできないと、その後に加入したマルセイユではレギュラーを掴むも、全盛期の動きはなかなか見せられず。2021年夏にFC東京に復帰してからも、随所に違いは見せたが、やはりみんなが心を動かされた長友とは言い難かった。 日本代表としてもその間プレーを続けた長友。運動量は変わらず、アグレッシブなプレーも見えた一方で、やはりサイドでの違いを見せていたという動きは正直なかった。 <span class="paragraph-title">◆批判を跳ね返した最高のパフォーマンス</span> 試合前、縦に突破してのクロスがないように思えるという質問を受けた長友。確かにそれはあるとし、「僕が打開できれば良いですし、批判もされないと思うので、僕がやらなければいけないです」と語った。もちろん、過去とはチームも違い、選手も違うため、戦い方も変わっている。ただ、実際に深い位置まで上がってのクロスは減っていた。 強い覚悟を持っていた長友は、実際にサウジアラビア代表戦でもスターティングメンバーとしてピッチに立った。代表通算133試合目。多くのファンが埼玉スタジアム2002のスタンドに集まった。中には批判的に長友を見ていた人もいただろう。ただ、長友はプレーで答えを示した。 まずそのプレーが出たのは13分だ。遠藤航、伊東純也、大迫勇也と繋ぎボールは遠藤へ。そこに顔を出した長友はボックスないでパスを受けた。 仕掛けながら左足でクロスを入れると、これは相手DFがブロック。チャンスを潰したかと思われたが、長友は倒れ込んだ状態でしっかりとボールをキープ。相手が詰めてくるが、マイボールのスローインにつなげた。 このプレーにはスタンドからも大きな拍手が送られ、我々が見たかった長友がやっと戻ってきたという感覚にすらなった。 これまでの最終予選ではあまり見られなかった気迫のこもったプレー。まさに長友らしさが存分に出たプレーで、批判に回答を出した。 試合後長友は「(応援は)すごく伝わってきました。ブーイングされるかなと思ったんですけど、すごく暖かい声援と愛をもらったので、今日は絶対に最高のパフォーマンスで恩返ししたいなという気持ちで入りました」と語り、ファン・サポーターの後押しはしっかりと届いていたようだ。 この試合の長友は13分のプレーに始まり、アグレッシブさを失わなかった。試合前に指摘された深い位置まで上がってのクロスも多く見られた。左サイドに入ったMF南野拓実はこれまで通り中に入ってのプレーが増えたが、その空いたスペースを積極的に長友は狙い、高い位置を取り続けた。 長友は、「たくさんの批判を頂いたので、その批判が僕の心に火をつけてくれたなと。改めて批判というのは僕のガソリンなので、必要なものなんだなと感じましたね。追い込まれれば追い込まれるほど、力を発揮できました」と語り、自身の問題点を指摘してくれる声のおかげでもあると語った。 守備時もしっかりと対応し、高い位置をとってサウジアラビアの右サイドを封じ込めた長友。周りの選手との連係もこれまで以上に高まり、最終予選では最も良いパフォーマンスを見せたと言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆「今日だけは称賛してください(笑)」</span> <span data-other-div="page2"></span> そして極め付けは2点目の伊東のゴールに繋がったプレー。ボックス手前でのルーズボールに詰めると、そのボールが伊東に渡って強烈なシュートが叩き込まれた。 サウジアラビアの戦意を失わせるゴールに繋がったプレー。後半の立ち上がり、リードしている状況でもアグレッシブに入った結果だ。これも長友らしさ。どこか噛み合っていなかった歯車が、この試合はハマった感じがあった。 69分でピッチを後にした長友だったが、そのアグレッシブさは交代時にも。代わりに入る中山雄太、前田大然に対し大きな声で檄。「僕の魂の叫びは聞こえました? W杯の時の緊張感や興奮を思い出して、久しぶりに今日は生きるか死ぬかなんだなと思って」と試合後に応えたが、その声はしっかりと観るものにも届いていた。 この試合では、代わりに入った中山は長友ほどのテンション、そしてアグレッシブさを感じられなかった。中山が試合になかなか入れず、良くなかったとも言えるが、それ以上に長友の気迫溢れるプレーが素晴らしかったと言えるだろう。 試合後、メディアの取材に応じた長友は最後に「今日だけは称賛してください(笑)」とコメントした。試合前には、「2022倍の称賛で」と冗談のように話していたが、それに値する活躍をしっかりとピッチで見せた。 2022倍には足りないかもしれないが、それはまだこの先にも戦いがあり、3月のオーストラリア代表戦でも同じパフォーマンスを見せてもらいたいところ。その時まで、「2022倍の称賛」は取っておいても良いだろう。ただ、日本代表として誰よりも戦ってきた長友の意地とプライドは十分に感じられるパフォーマンスだった。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 <span class="paragraph-title">【動画】長友も躍動! 南野&伊東のゴールでサウジアラビア撃破!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="UH3PZJLlv5A";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2022.02.02 13:10 Wed

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