3位浮上のローマ、モウリーニョ監督はファンやメディアに苦言 「若手は称賛を必要としている」

2023.02.20 11:33 Mon
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ローマジョゼ・モウリーニョ監督がファンやメディアに苦言を呈した。『フットボール・イタリア』が伝えている。
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ローマは19日に行われたセリエA第23節でヴェローナと対戦した。16日のヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメントプレーオフ・1stレグのザルツブルク戦で敗れたチームは、12分にFWタミー・エイブラハムが負傷交代するアクシデントがありながらも攻勢を強めると、今冬に加入したFWオラ・ソルバッケンの初ゴールで先制。後半は押し込まれる展開になりながら最後まで粘り強く守り抜き、1-0で勝利した。公式戦3試合ぶりの勝利を収め、セリエAで3位に浮上したモウリーニョ監督は、苦しい試合で正しい姿勢を示した選手を称えている。
「チームのみんなに『おめでとう』と言って祝福したよ。負傷中の(パウロ・)ディバラと(エブリマ・)ダルボエ、そして病院に行っていたタミーだけが、その輪の中にいなかったと思う」

「我々はチームスピリットを示した。みんなが信じられないほどの犠牲の精神を持ち、勝利を掴んだのだ。彼らは、組み立てを非常に難しくさせるヴェローナに対して、できる唯一の方法でプレーしてくれた。自分を犠牲にした若者たちは、勝利に値する」
また、モウリーニョ監督はチームに辛辣な態度を見せるファンやメディアを非難。若い選手たちはファンからの称賛を求めているとし、態度を改めることを要求した。

「残念なのは、我々が非常に困難な状況下で成し遂げている成果を、みんなが評価してくれないことだ。おそらく、状況を理解していないか、理解しようとしないかのどちらかだろう。私は、みんながやっていることのすべてに感謝している」

「昨季のボデ/グリムト戦のようにスタジアムが満員なら、その力で試合に勝てるだろう。逆に、今日のような姿なら残念だね。15分から30分の間にパスミスがあると、野次が飛んでいた。そういう人間は、我々がここで何をしているか理解していない」

「私はローマTVで、『我々の右サイドバックはカフーやマイコンではない』と言った。ローマのファンなら、(エドアルド・)ボ―ヴェを支持すべきだ。彼はファン以上にローマを愛しているだろう。私が来たとき、彼はセリエCのチームにレンタル移籍するところだったが、今はローマで先発している」

「基本的に、メディアはチームの役に立っていない。私はもう60歳で、何度も優勝を経験しているのだから、今さら称賛の言葉はいらない。だが、チームにいる若者たちはそれを必要としている。彼らは自分たちを称えてもらいたいのだ」

「私は誰かを批判するため、ここにいるわけではない。そしてファンは、監督である私を批判すべきだろう。私はチームの選手たちを守る必要がある。彼らにはより多くの価値があるのだからね」

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首位陥落のインテル、公式戦3連敗と苦境のS・インザーギ監督はCLバルセロナ戦に向け「勢いを取り戻さなければ」と奮起を促す

インテルのシモーネ・インザーギ監督が27日にホームで行われ、0-1で敗れたセリエA第34節ローマ戦を振り返った。 4日前のミランとのコッパ・イタリア準決勝2ndレグを落として3冠の可能性が断たれたインテル。セリエAでは前節ボローニャに敗れてナポリに勝ち点で並ばれ、3日後にはチャンピオンズリーグ準決勝1stレグでバルセロナ戦を控えるタフな日程の中、疲労の色が濃いチームはローマにウノゼロで敗戦。 公式戦3連敗でナポリに首位の座を奪還された中、S・インザーギ監督はCLバルセロナ戦に向けて勢いを取り戻さなければと奮起を促した。 「これがサッカーだ。3連敗は痛手だが、チームは全力を尽くした。前半は鋭さがなかったが、選手たちは熱意でそれを補おうとしていた。ローマはよくやった。我々はもっと良い結果を残すべきだった。多くのチャンスを作ったが、生かせなかった。それは我々の鋭さが欠けていたからだ」 「セリエAとCLでまだ大事な試合が残っている。今は勢いを取り戻さなければならない。良い結果が出ていればもっとエネルギーが湧いていたかもしれないが、それは自分たちで掴まなければならない。ファンは選手たちが今季何をしてきたか理解してくれている。今は精神的にも肉体的にもエネルギーを充電し、どこを改善できるか分析する」 「3連敗には慣れていない。厳しい1週間となった。昨夜、バルセロナの試合を見たが、彼らがどれほど強いか改めて知ることになった。我々は敬意を持って恐れることなく臨む」 前半に負傷交代したDFバンジャマン・パヴァールについては「左足首を捻挫した。着地が不自然だった。数日様子を見ることになる。不運な出来事だった」と負傷を嘆いた。 2025.04.28 10:00 Mon
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ローマがアタランタのGKゴッリーニを完全移籍で獲得、移籍した豪代表GKライアンの穴を埋める

ローマは24日、アタランタの元イタリア代表GKピエルルイジ・ゴッリーニ(29)を完全移籍で獲得したことを発表した。背番号は「95」に決定した。 ゴッリーニはフィオレンティーナやマンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身で、エラス・ヴェローナでキャリアをスタート。2016年7月にアストン・ビラへ完全移籍すると、アタランタへのレンタル移籍を経て、2018年7月に完全移籍した。 アタランタ加入後は、トッテナムやフィオレンティーナ、ナポリ、ジェノアとレンタル移籍を繰り返していた。 セリエA通算139試合に出場。今シーズンはジェノアへとレンタル移籍しており、開幕から7試合連続で出場していたが、臀部のケガにより離脱すると、その後は出番がなかった。 ローマは、セルビア代表GKミレ・スヴィラルが正守護神を務めていた中、冬の移籍市場でオーストラリア代表GKマシュー・ライアンがRCランスに完全移籍。控えGKが不在となっていた。 2025.01.24 20:20 Fri
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プレミアで躍進するフォレストが新CEOを任命、デ・ロッシ解任に関与の元ローマCEO

ノッティンガム・フォレストは23日、リナ・スロウコウ氏(40)を最高経営責任者(CEO)に任命したことを発表した。任期は1月5日からとなる。 ギリシャ出身のスポーツ法を専門とする法学博士であるスロウコウ氏は、2018年から2022年にかけてはオリンピアコスでCEOを、そして2023年からローマのCEOを務めていた。 しかしダニエレ・デ・ロッシ元監督の解任を主導したとしてロマニスタの反感を買い、9月に辞任していた。 現在、プレミアリーグで4位と躍進するフォレスト。オリンピアコスでもスロウコウ氏とタッグを組んでいた会長のギリシャ人実業家であるエヴァンゲロス・マリナキス氏は「彼女のサッカーマネジメントにおける実績と情熱、そして献身的な姿勢は我々がさらなる成功を目指し続ける中で、完全にビジョンが一致する」と招へいの理由を語った。 一方でスロウコウ氏も「またマリナキス氏のサッカーファミリーに加わることができて光栄です。フォレストが成功を収めることに貢献できる機会を与えられたのは刺激的な挑戦です」と新たな挑戦を喜んだ。 2024.12.24 10:15 Tue

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