【ラ・リーガ第36節プレビュー】トップ4争い決着の可能性…降格圏転落の久保マジョルカはセビージャ戦
2022.05.10 19:00 Tue
先週末に行われた前節では2位のバルセロナがトップ4フィニッシュを確定させた他、注目のマドリード・ダービーを制したアトレティコ・マドリー、土壇場で勝ち点1を拾ったセビージャもトップ4フィニッシュに一歩前進。また、熾烈な残留争いではMF久保建英を擁するマジョルカが降格圏に転落となった。
今シーズン最後のミッドウィーク開催となる第36節では、引き続き来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いと残留争いに注目。
その中で3位のセビージャ(勝ち点65)と、18位のマジョルカ(勝ち点32)の一戦は前述の2つの争いに大きな影響を与える最注目カードだ。
セビージャは前節、ビジャレアルとの上位対決に臨み1-1のドローで試合を終えた。CL準決勝敗退を払拭すべくホームで勇敢に戦うビジャレアルに苦戦を強いられ、試合終盤の86分にMFロ・チェルソに加入後初ゴールを奪われたが、後半アディショナルタイムの95分にGKブヌまで攻撃参加したセットプレーからDFクンデに劇的ゴールが生まれ、敵地から勝ち点1を持ち帰った。
FWマルシャルら一部を除きここに来て多くの主力が復帰しており、こういった連戦においては選手層がものを言うが、アウェイ仕様で守備的な戦い方が予想される相手に対しては湿りがちな攻撃陣の奮起が求められるところだ。
対するマジョルカは前節、ホームでグラナダとの残留争い直接対決に挑み2-6の惨敗。さらに、下位にいたカディスの勝利によって16位から降格圏の18位に転落した。勝ち点3奪取を期して臨んだそのホームゲームでは[4-4-2]の攻撃的な布陣を採用したが、結果的にこの采配が大量失点を招き痛恨の敗戦となった。
前節、ベティスとの直接対決を制し、4位以内を確定させた2位のバルセロナ(勝ち点69)は、財政難の中で少なくない収入が得られるスーペル・コパ・デ・エスパーニャ出場に向け、2位確定を目指す。そして、今節は前回対戦で3点リードから追いつかれた11位のセルタ(勝ち点43)と対戦。拮抗したベティス戦では代役守護神ネトの奮闘に加え、後半終盤にFWアンス・ファティの復帰後初ゴール、DFジョルディ・アルバの土壇場の劇的ゴラッソと勢いに乗れる形での勝利となっており、中2日でのタフな試合に良い形で臨めるはずだ。
また、今節勝利できれば、トップ4フィニッシュ確定の可能性がある4位のアトレティコ(勝ち点64)は、残留争いをほぼ脱している14位のエルチェ(勝ち点39)を相手に連勝を狙う。前節のマドリード・ダービーでは主力温存の新王者に対してMFカラスコがPKによって挙げた先制点を、圧巻のパラドンを連発した守護神オブラクを中心に守り抜いてウノセロ勝利。ラ・リーガでのダービーで12試合ぶりの勝利を手にした。そのダービー勝利の勢いに乗り、引き続き前線から圧力をかけていく能動的なスタイルで格下相手に勝ち切りたい。
セビージャとアトレティコの取りこぼしを期待しつつ、残り3試合での全勝を目指す5位のベティス(勝ち点58)は、先日のコパ・デル・レイ決勝で激闘を演じた10位のバレンシア(勝ち点44)とのアウェイゲームに臨む。バルセロナ戦ではほぼ互角の戦いを見せており、パフォーマンス自体は問題ないが、ホームでコパのリベンジを期すバレンシア相手に再び勝負強さを発揮したい。仮に、今節敗れてセビージャとアトレティコが勝利した場合、当該戦績によって残り2試合での逆転の可能性が潰えるだけに是が非でも勝ち点3を持ち帰りたいところだ。
前々節にリーグ優勝を決めたレアル・マドリー(勝ち点81)は、28日のリバプールとのCLファイナルに照準を合わせる中、今節はホームで19位のレバンテ(勝ち点29)と対戦。前述のように優勝決定後の初戦となったダービーは主砲ベンゼマに完全休養を与えるなど、多くの主力を温存した結果、リーグ連勝が「5」でストップした。ただ、主力を投入した後半は盛り返しており、チーム状態は引き続き良好だ。残留に向けて崖っぷちの相手を迎え撃つ一戦では、数人の主力の復帰が見込まれており、ダービー敗戦を払しょくする勝利が求められる。
その他では今節勝ち点3を逃せば、事実上降格が決定する最下位のアラベス(勝ち点28)、残留圏内ギリギリの17位のグラナダ(勝ち点34)、16位のカディス(勝ち点35)の試合にも注目が集まる。
《ラ・リーガ第36節》
▽5/10(火)
《26:00》
バレンシア vs ベティス
《27:00》
グラナダ vs アスレティック・ビルバオ
《28:30》
バルセロナ vs セルタ
▽5/11(水)
《26:00》
オサスナ vs ヘタフェ
アラベス vs エスパニョール
《27:30》
セビージャ vs マジョルカ
《28:30》
エルチェ vs アトレティコ・マドリー
▽5/12(木)
《26:00》
レアル・ソシエダ vs カディス
《27:00》
ラージョ vs ビジャレアル
《28:30》
レアル・マドリー vs レバンテ
今シーズン最後のミッドウィーク開催となる第36節では、引き続き来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いと残留争いに注目。
その中で3位のセビージャ(勝ち点65)と、18位のマジョルカ(勝ち点32)の一戦は前述の2つの争いに大きな影響を与える最注目カードだ。
セビージャは前節、ビジャレアルとの上位対決に臨み1-1のドローで試合を終えた。CL準決勝敗退を払拭すべくホームで勇敢に戦うビジャレアルに苦戦を強いられ、試合終盤の86分にMFロ・チェルソに加入後初ゴールを奪われたが、後半アディショナルタイムの95分にGKブヌまで攻撃参加したセットプレーからDFクンデに劇的ゴールが生まれ、敵地から勝ち点1を持ち帰った。
対するマジョルカは前節、ホームでグラナダとの残留争い直接対決に挑み2-6の惨敗。さらに、下位にいたカディスの勝利によって16位から降格圏の18位に転落した。勝ち点3奪取を期して臨んだそのホームゲームでは[4-4-2]の攻撃的な布陣を採用したが、結果的にこの采配が大量失点を招き痛恨の敗戦となった。
そのショックが残る敗戦から中3日で挑む敵地サンチェス・ピスフアンでの一戦では前々節のバルセロナ戦のような[5-3-2]の守備的な戦いを選択することになるはずだ。引かれた際に攻撃が停滞するホームチームの攻勢を何とか凌ぎながら、焦れて前がかったところをFWムリキを起点としたカウンターやセットプレーで崩し切りたい。なお、グラナダ戦で先発出場も、決定機逸や失点に関与した久保はベンチスタートが濃厚。チームと共にリバウンドメンタリティを示し、難敵からの勝ち点奪取に貢献したい。
前節、ベティスとの直接対決を制し、4位以内を確定させた2位のバルセロナ(勝ち点69)は、財政難の中で少なくない収入が得られるスーペル・コパ・デ・エスパーニャ出場に向け、2位確定を目指す。そして、今節は前回対戦で3点リードから追いつかれた11位のセルタ(勝ち点43)と対戦。拮抗したベティス戦では代役守護神ネトの奮闘に加え、後半終盤にFWアンス・ファティの復帰後初ゴール、DFジョルディ・アルバの土壇場の劇的ゴラッソと勢いに乗れる形での勝利となっており、中2日でのタフな試合に良い形で臨めるはずだ。
また、今節勝利できれば、トップ4フィニッシュ確定の可能性がある4位のアトレティコ(勝ち点64)は、残留争いをほぼ脱している14位のエルチェ(勝ち点39)を相手に連勝を狙う。前節のマドリード・ダービーでは主力温存の新王者に対してMFカラスコがPKによって挙げた先制点を、圧巻のパラドンを連発した守護神オブラクを中心に守り抜いてウノセロ勝利。ラ・リーガでのダービーで12試合ぶりの勝利を手にした。そのダービー勝利の勢いに乗り、引き続き前線から圧力をかけていく能動的なスタイルで格下相手に勝ち切りたい。
セビージャとアトレティコの取りこぼしを期待しつつ、残り3試合での全勝を目指す5位のベティス(勝ち点58)は、先日のコパ・デル・レイ決勝で激闘を演じた10位のバレンシア(勝ち点44)とのアウェイゲームに臨む。バルセロナ戦ではほぼ互角の戦いを見せており、パフォーマンス自体は問題ないが、ホームでコパのリベンジを期すバレンシア相手に再び勝負強さを発揮したい。仮に、今節敗れてセビージャとアトレティコが勝利した場合、当該戦績によって残り2試合での逆転の可能性が潰えるだけに是が非でも勝ち点3を持ち帰りたいところだ。
前々節にリーグ優勝を決めたレアル・マドリー(勝ち点81)は、28日のリバプールとのCLファイナルに照準を合わせる中、今節はホームで19位のレバンテ(勝ち点29)と対戦。前述のように優勝決定後の初戦となったダービーは主砲ベンゼマに完全休養を与えるなど、多くの主力を温存した結果、リーグ連勝が「5」でストップした。ただ、主力を投入した後半は盛り返しており、チーム状態は引き続き良好だ。残留に向けて崖っぷちの相手を迎え撃つ一戦では、数人の主力の復帰が見込まれており、ダービー敗戦を払しょくする勝利が求められる。
その他では今節勝ち点3を逃せば、事実上降格が決定する最下位のアラベス(勝ち点28)、残留圏内ギリギリの17位のグラナダ(勝ち点34)、16位のカディス(勝ち点35)の試合にも注目が集まる。
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《27:00》
グラナダ vs アスレティック・ビルバオ
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セビージャ vs マジョルカ
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レアル・マドリー vs レバンテ
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style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初挑戦のラ・リーガでいきなりのピチーチ獲得。昨夏、新生バルセロナの目玉補強としてバイエルンから鳴り物入りでの加入となったポーランド代表FW。これまで多くの超一流ストライカーが適応に苦しんだバルセロナだけに一抹の不安もあったが、第2節のソシエダ戦でドブレーテを達成すると、そこからは6試合連続を含めゴールを量産。さすがの存在感でブラウグラナの攻撃をけん引した。中断前後はW杯の疲労や3試合のサスペンションの影響でパフォーマンスを落としたが、終盤戦で再びギアを上げ直した。守備の貢献度や運動量に関してはチームメイトから冗談交じりで注文も付けられたが、さすがの決定力に加えて7アシストと確度の高いポストワークでも存在感を示した。 2023.06.14 18:01 Wed4
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.46 3強時代への入り口、“チョリスモ”の浸透/アトレティコ・マドリー[2013-14]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.46</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2013-2014シーズン/アトレティコ・マドリー ~チョリスモ~</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2013-14atletico.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ディエゴ・シメオネ 獲得タイトル:リーガエスパニョーラ 攻撃力7:★★★★★★★☆☆☆ 守備力10:★★★★★★★★★★ タレント7:★★★★★★☆☆☆ 連係10:★★★★★★★★★★ 選手層8:★★★★★★★★☆☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">2強時代に終止符</div> アトレティコ・マドリー、バルセロナ、レアル・マドリーの三つ巴となったリーガの優勝争いは、バルセロナとの天王山を引き分けで終えたアトレティコに軍配が上がった。終盤は取りこぼしの目立つ優勝争いとなったが、最後はシーズンを通して最も安定していたアトレティコが18シーズンぶり10度目の戴冠を果たしている。 バルセロナとレアル・マドリーの2強に比べて戦力面で劣ることから、終盤に息切れするのではないかとみられていたが、大方の予想に反してチャンピオンズリーグとの二束の草鞋を履きこなし、シメオネ監督の下で戦う集団と化したロヒ・ブランコスがネプトゥーノ広場まで駆け抜けた。 2011-12シーズン途中に就任したシメオネ監督は、豊富とは言えない戦力のなか、運動量が求められる中盤を上手く入れ替えながら長丁場を乗り切った。また、モチベーターとしての手腕をいかんなく発揮し、並行して行われたCLで結果を残しつつ、最後までチーム全体のモチベーションとインテンシティを落さなかったあたりも流石だ。その存在の大きさは、選手たちから聞こえてくる称賛の声からもうかがえた。 アトレティコ・マドリーは、このシーズンにレアル・マドリーとバルセロナの2強時代に終止符を打ち、その後はスペインに留まらず欧州屈指の強豪にまで上り詰めた。シメオネイズム=チョリスモを体現したチームは現在もそのスタイルで戦いを続けている。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">“チョリスモ”を体現</div> GKティボー・クルトワが抜群の安定感と存在感を示し、守護神として君臨。ゴールマウスに鍵をかけ、個人としても2年連続でサモラ(最少失点GK)賞を獲得した。 ディエゴ・ゴディンとミランダの長身センターバックコンビが、最後尾からチームの守備をオーガナイズした。また、両者とも空中戦でも強さを発揮し攻撃面でもチームに貢献した。サイドバックでは攻撃力抜群のフィリペ・ルイスがコケやアルダ・トゥランと好連携を見せ、シメオネ監督から大きな信頼を寄せていたフアンフランは右サイドで攻守に効いていた。 中盤では、キャプテンを務めたガビが中盤の底でハードワークをこなし、相方をチアゴやマリオ・スアレスらが務めていた。サイドは、左をアルダ、右をラウール・ガルシアが担当することが多く、前者は攻撃の仕上げ役としてアシストを量産。後者は空中戦の強さを武器に2トップの一角にポジションを移すなど、シーズン17ゴールを挙げた。 2トップには強力な2人が配置され、前線守備とポストプレーを行う“野獣”ジエゴ・コスタが覚醒しリーグ戦で27ゴールを記録。バルセロナから格安で移籍してきたベテランのダビド・ビジャも堅実にチャンスを決め、シーズン15ゴールを記録した。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">FW:ジエゴ・コスタ(24)</span> アトレティコの快進撃は、この男の存在を抜きにして語ることはできない。最前線でボールを収め、対峙するDFを振り切りながらゴールを量産。得点数ではロナウドとメッシに及ばなかったものの、34試合に出場しての27得点は立派な数字だ。 また、ジエゴ・コスタの素晴らしさは、攻撃力だけにとどまらない。チームの一員として、最前線からプレスをかけることも厭わない。彼の献身性があったからこそ、アトレティコがリーグ最少失点を記録できたと言っても過言ではないだろう。 2019.04.26 12:00 Fri5
