2月に試合が増えても嬉しくない…/原ゆみこのマドリッド

2026.01.31 11:46 Sat
「そりゃ敗退はしてないけどさ」そんな風に私が呟いていたのは木曜日。前夜のショックから立ち直ろうと努めていた時のことでした。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ最終節はまたしてもメトロポリターノのスタンドに座り、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継でベンフィカvsレアル・マドリーを追いながら、アトレティコのボデ・グリムト戦を見ていたんですけどね。結果はどちらも期待外れ。両者とも、先制点を挙げながら、逆転負けしてしまうことに。キックオフ前は3位だったお隣さんなど、ハーフタイムには5位となり、終わってみればトップ8圏外の9位とは、泣くに泣けないとはまさにこのこと?

それもアディショナルタイムに失点って。後半なんて、こちらはすでにアトレティコの選手たちによる恒例の場内一周も終了。ノックアウトフェーズ進出プレーオフ出場圏の23位に滑り込んだボデのお祝いを見ていても仕方ないので、私がミックスゾーンに下りようとエレベーターを待っていたころで事件が。リスボンのダ・ルスで行われた2014年のCL決勝マドリーダービーの90+3分、セルヒオ・ラモスにcabezaso(カベサソ/ヘッド)を浴びたのとまさに同じゴールでGKクルトワが──。しかも、今回決めたのは全員攻撃で上がっていたGKトゥルビンだったんですけどね。

今度はマドリーのゴールを守りながら、FKからまたヘッドで破られたなんて。あのダービーでプレーしていたカルバハルは今回はベンチ、アルベロアは監督になって、奇しくも今度はこの災難を味わうことになったんですけどね。おかげでミックスゾーンにいた当時を知るアトレティコ番記者たちも盛り上がっていたんですが。アトレティコだって、ボデ戦中、一時は12位から5位まで順位が上がったものの、最後は14位なんですから、決して褒めたものではありませんって。
それどころか、金曜日の抽選で決まるプレーオフ、マドリーもベンフィカとリベンジ対戦か、それこそボデと当たって、また人口5万人の町から大挙してノルウェー人ファンが駆けつけ、今度はベルナベウのスタンドを黄色く染めることになるんですが、アトレティコのオプションはガラタサイかクラブ・ブルージュなんですよ。そう、トルコリーグ首位のチームとは7節で1-1と引き分けたばかりですし、ベルギーのメルヘンチックな街のチームには2022-23シーズンに悪夢の思い出が。グループリーグのアウェイゲームで2-0と負けた彼らはホームでもスコアレスドローを演じ、当時、シャビ・アロンソ監督が率いていたレバークーゼンに後れを取って、4位で完全敗退してるんですから、まさにこれぞ黒歴史。

実際、プレーオフを突破できても、16強対決の相手はリバプールかトッテナム、スペイン勢が苦手とするプレミアリーグのチームですからね。昨季はリーグフェーズ5位でほくほくしていたアトレティコも決勝トーナメント最初の16強対決でマドリーダービーとなり、それもPK戦でフリアン・アルバレスの両足蹴りによる無効に祟られ、3月でCL終了。プレーオフではマンチェスター・シティを破っていたマドリーも、その次の準々決勝でアーセナルに総合スコア5-1とボコられて、4月に敗退でしたしね。よってCLを楽しめる期間は短かったんですが、更に早く今季は2月中に終わることになったりしたら…マドリッドのサッカーファンが泣いちゃいますって。
そんなことはともかく、両チームの試合がどんなだったかもお伝えしていかないと。いやあ、試合当日の水曜午前にはマドリッドに雪が降り、自宅のベランダが白くなっていたのにビビッた私だったんですが、幸いその後、雨に変わったため、お昼のニュースではピッチが雪に覆われていたメトロポリターノも午後9時にはすっかり平常状態に。それこそ降雪中の試合では、零下の気温と雪に慣れているボデの独壇場になるんじゃないかという心配も晴れたんですが、地元と比べて暖かい(でもヒートテックとホッカイロは必須)ところでプレーできたのが相手を活気づけたんでしょうか。

初っ端から撃ってこられ、ヒメネスがゴールライン前でクリアして救われた時には呆れるしかなかったんですが、相変わらずこの日もアトレティコのシュートは精度がなくてねえ。せっかく前半11分、コケのクロスから決まったバエナのヘッドもセンチ単位のオフサイドで認めらなかったものの、まあ基本的に彼らは先制点を取るのには問題はないんですよ。

そう、この日も15分にはハンツコのクロスをセルロートが2度目の正直でゴールにしてくれたんですが、その先は今季あるある。「Hemos tenido muchas ocasiones que no han querido entrar/エモス・テニードー・ムーチャス・オカシオネス・ケ・ノー・アン・ケリードー・エントラル(ボクらは沢山チャンスを作ったけど、ボールが入りたがらなかった)」(コケ)という、撃っても撃っても入らない無限ループにこの、とにかくgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)勝利がマストの試合でまた、はまってしまうとは。

その間、リスボンからはマドリーがベンフィカに攻められて苦労しているという報が伝わってきていたんですが、29分にはアセンシオのクロスをこちらもエムバペが頭で決めて、あっさりリード。いかにもマドリーらしいと思っていれば、34分頃からどちらも災難に襲われたから、さあ大変!ええ、メトロポリターノではするするとエリアに入って来たショーボルドが同点ゴールを挙げ、間髪おかずにダ・ルスでもアセンシオが逃したパブリディスが誰もついていなかったシェルデルップにボールを送り、ヘッドで決められたって、何でベンフィカのゴールまでがノルウェー人選手産?

これでアトレティコは1-1でハーフタイムに入ったんですが、その一方で、マドリーの前半はなかなか終わらなくてね。というのもロスタイム3分のセットプレー中、チュアメニがオタメンディを倒してしまったせいで、主審がペナルティを宣告。パブリディスがPKを決め、あちらは2-1と逆転されてしまったんですから、何ともツイていないじゃないですか。

ただ運のなさでは決してアトレティコも負けておらず、後半12分、負傷したヒメネス、未だにこの夏の補強の目玉だった理由を示してくれていないバエナがルッジェーリとアルマダに代わった後すぐ、うーん、もう訳わかりませんよ。アトレティコのゴール前で混戦となったんですが、各々5人の選手が参戦。GKオブラクが弾いたシュートもあったんですが、ボールをクリアできないうちにとうとう、ホグがゴールに入れてしまったとなれば、CL用拡大ビジター区画を埋めたボデファンがどんなに湧いたことか。

結局、この日はジュリアーノが熱を出し、ベンチで応援しかできなかったため、ええ、グリーズマンはケガでお休み、ラスパドリはアタランタに移籍ともう、控えにFWがいないアトレティコでしたからね。どんなにフリアンがゴールから見放されていようと、セルロートが厳格に1試合1得点を貫こうと、前線をリフレッシュすることはできず。シメオネ監督も最後は何を血迷ったか、ピッチで一番、元気の良かったバリオスをCBのル・ノルマンに代え、久々にスタンドからpito(ピト/ブーイング)が聞こえてくることに。

27本(枠内8本)もシュートを撃ちながら、また1点しか取れないチームに戻ってしまったため、そのまま1-2で負けてしまったんですが、まあ、それには「En el segundo tiempo nos entró el ansia.../エン・エル・セグンド・ティエンポー・ノス・エントロ・エル・アンシア(後半、ウチは焦ってしまった)」(シメオネ監督)せいもある?いえ、言い訳会見に出て来たコケなど、「Ahora tenemos que jugar otra fase pero fíjate en el PSG el año pasado/アオラ・テネモス・ケ・フガール・オトラ・ファセ・ペロ・フィハテ・エン・エル・ペーセーヘー・エル・アーニョ・パサードー(今、ボクらはもう1つフェーズをプレーしないといけないけど、昨季のPSGを見てよ)」と根拠不明ながら、どこか楽観的だったんですけどね。

もちろん誰もフリアンがここまで不調になるとは思っていなかったとはいえ、そう、1月の市場で加入する選手はCLリーグフェーズの試合には出られませんしね。それだけに早い時期にラスパドリを売ってしまったのはフロントの大失態だったとしか言えないんですが、私にはアレマニー・スポーツディレクターの頭の中はわからず。週末土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からの鬼門のアウェイゲーム、レバンテ戦までに誰か来るのかも不明ですし、とうとう今季無敗だったメトロポリターノでも土がついてしまったとなると、何かあまりファンが幸せになれる未来が見えてきませんよね。

え、それでベンフィカ戦の後半はどうだったのかって?いやあ、輪をかけてあちらも惨々だったようで、8分にはシェルデルップが再び火を噴き、エリア内左からのシュートを決めて、スコアは3-1に。アルベロア監督も即座にチュアメニとマスタントゥオノをカマビンガとロドリゴにして、反撃を目指したんですが、やっぱりゴールを挙げてくれたのは彼でした。そう、13分にはギュレルのラストパスをエムバペが撃ち込み、1点差に迫ったんですが、いよいよCLではお馴染みの根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を見せてもらえるかもしれないロスタイムに入った途端、アセンシオが2枚目のイエローカードをもらって退場してしまってねえ。

おまけにゴールキックをしようとしたトゥルビンからエムバペがボールを奪い、ゴールに入れたところ、得点として認めてもらえず、それに抗議したロドリゴが続けざまにイエローを出され、こちらも退場に。1人少ないだけならまだしも、2人もとなると、いえまあ、それでもトゥルビンのヘッドが決まった52分のFK時、あまりにマドリーのエリア内守備人数が少なかったのには私も後で驚いたんですけどね。

あれではそれまでparadon(パラドン/スーパーセーブ)連発でかろうじて1点差を守ってきたクルトワも怒ってしまっても仕方ない?ただこのゴール、8位のマンチェスター・シティとは勝ち点1差あったため、「Ya perdiendo 3-2, el cuarto gol no cambia nada/ジャー・ペルディエンドー・トレス・ドス、エル・クアルト・ゴル・ノー・カンビア・ナーダ(3-2で負けていたから、4点目が入っても何も変わらない)」とエムバペは言っていたものの、ベンフィカにとっては大違い。

そう、この4点目のおかげでボデに続く24位でプレーオフ出場圏に入ったとなれば、モウリーニョ監督が、教え子のアルベロア監督の目の前で狂喜乱舞。「Le he pedido disculpas/レ・エ・ペディードー・ディスクルパ(彼には詫びたよ)」と言っていたのも理解できるかと(最終結果4-2)。いやあ、おかげでCLモナコ戦、ビジャレアル戦といい感じになりながら、結局、アロンソ監督時代と何も変わっていなかったことがバレてしまったマドリーだったんですが、ええ、プレーオフ出場のせいで、2月の日程も詰まり、逆に同日、コペンハーゲンに4-1の逆転勝利をしたバルサは5位突破で、16強対決まで余裕ができましたしね。

現在、フリック監督のチームに勝ち点差1に迫っているマドリーの首位奪還計画がこれで支障をきたさないことを祈るばかりですが、今週末の彼らは日曜午後2時(日本時間午後10時)から、ベルナベウでラージョとの兄弟分ダービー。先日のレバンテ戦のように場内がブーイングの嵐になる可能性もあるんですが、ただ、その状況をイニゴ・ペレス監督のチームが利用できるかというと微妙なところ。というのもエスタディオ・バジェカスのピッチの状態が悪いことは再三、お伝えしてきたんですが、実は練習場も最悪で、とうとうこの水曜など、下部組織用の人工芝のグラウンドでトレーニングしないといけなかったのだとかと。

その上、ラージョはここ2試合3失点負けをしていて、ええ、とうとう降格圏と勝ち点差1で、弟分仲間のヘタフェと仲良く16位、17位となってしまいましたしね。何とか兄貴分に一泡吹かすことができればいいんですが、難しいかも。ちなみにヘタフェの方もやはり日曜試合で、午後9時からコリセウムでセルタと対戦。相手は木曜にEL最終節でツルヴェナ・ズベズダと1-1と分け、プレーオフ出場圏の16位となったものの、遠征で疲れているはずですからね。補強で来た4人の選手たちもそろそろ馴染んできたでしょうし、ボルダラス監督のチームには是非とも7試合ぶりの勝利を挙げてほしいところ。とにかく土壇場で失点する癖だけは早く治さないといけませんよね。

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