4バックで「役割が増えた」と語る畑大雅は1アシスト、本大会前に見据えるのは「J1残留」

2021.10.28 22:05 Thu
©超ワールドサッカー
U-22日本代表のDF畑大雅(湘南ベルマーレ)が、U-22香港代表戦を振り返った。

28日、AFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選のグループK第2戦でU-22香港代表と対戦。4-0で勝利を収めた。

2日前のU-22カンボジア代表戦で4-0と勝利していた日本。勝てば本大会の出場が決まる中、スタメン11名を入れ替えて臨んだが、引いて守る香港の前に苦戦する。
それでも14分に藤尾翔太(水戸ホーリーホック)がゴールを奪い先制。しかし、その後は中々ゴールを奪えず、1-0で前半を終える。

後半に入ると、49分に藤尾が再びゴールを奪い2-0とすると、ここから香港が少し緩む形に。63分に郷家友太(ヴィッセル神戸)が追加点を奪うと、85分には細谷真大(柏レイソル)がカンボジア戦に続いてゴールを決め、4-0で勝利した。
試合後のオンラインのメディア取材に応じた畑は、先制点のアシストについて「その前に何本かクロスを上げる機会があって、手前で引っかかっていたので、ふんわりしたクロスを蹴ろうと思って、ちょうど良いところに行きました」とコメント。修正した結果がアシストに繋がったと語った。

クラブでは左ウイングバックでプレーする畑。サイドバックとは役割が違う中、発見したこともあったという。

「シンプルにビルドアップや役割が増えました。僕自身、そういうプレーをする選手ではないし、湘南でもそういうタスクを担ってはいないので、新しい役割に関して、それなりにできてきたかなという感触はあります」

「まだまだ3人目の選手との関係性やビルドアップや守備の部分でのプレーなど、チームに帰ればまた違うシステムですけど、[4-3-3]の感覚を忘れず、今度呼んでもらえたときに良いプレーを見せられればと思います」

クラブと違うシステム、違う役割を求められている畑。逆に今後クラブで生かせそうなことについては「良い形でビルドアップができれば、(鈴木)唯人や(佐藤)恵允との関係性で、唯人は中に入ってプレーができますし、自分が高い位置をとって一対一の場面も多く作れたので、そういう形が多く作れれば得意な形になるので、もっとそういうシーンを増やせていければと思います」と語り、ビルドアップを磨いて周りの選手との連動した動きを高めたいとした。

この試合では左サイドで市立船橋高校の同期である鈴木唯人(清水エスパルス)と縦関係のコンビを組んだ。高校時代は縦での関係性はほとんどなかったが「3年間やってきた分、他の選手より組みやすいのはありますし、今回唯人と出ると決まって、あまりどうしようと話すよりお2人の関係性でできて、アシストという結果が出て良かったです」と、かつてのチームメイトとの連係は落ちていなかったと明かした。

これで湘南に戻る畑だが、今後の本大会までについては「まずは今日もビルドアップの部分でなかなか良いポジションを取れなかったり、守備で良いポジションが取れない部分があったので、そこはしっかり改善したいです」とコメント。また湘南でのプレーについても「チームでは残留争いが待っているので、J1とJ2では評価も変わってくると思うので、残留できるように良いパフォーマンスを見せたいと思います」と、まずはJ1残留に貢献していと語った。

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