ルヴァンカップ、ベスト8に残った各クラブ選手が準々決勝へ意気込みを語る!
2020.08.13 18:20 Thu
Jリーグは13日、YBCルヴァンカップのプライムステージ組み合わせ抽選会を実施した。例年とは異なりYouTubeのJリーグ公式チャンネル「JリーグTV」で開催。各クラブから代表選手も登場し、オープンドローを行なった。
組み合わせ決定後、対戦カードごとに原博実Jリーグ副理事長がインタビューしていった。
◆北海道コンサドーレ札幌 vs 横浜F・マリノス
昨シーズンは決勝で川崎フロンターレ相手にPK戦の末に敗れた札幌のDF進藤亮佑は「良い試合ができてどっちに転んでもおかしくない展開で、最後はPKでした。僕が外して決まってしまったので、この大会に対する想いは人一倍強いです」とコメント。2019シーズンの決勝のリベンジを果たしたいと意気込んだ。
原副理事長から決勝に行きたい想いについて聞かれた進藤は「まだタイトルを獲得したことがないので、そこに対する想いはあります」とコメント。「マリノス戦は得点がどちらも入るので、観ている方も楽しめると思います」と語り、攻撃的な両チームの対戦を楽しみにしてほしいと語った。
また、「PKの練習をしておくように」と言われると、「PKだけはならないように、全員で協力して、チームの力が必要なので、頑張っていきたいと思います」と返し、決勝でもPKにならない戦いをしたいと語った。
◆セレッソ大阪 vs 柏レイソル
原副理事長から「カップ戦は強そうな印象があるけど?」と聞かれたC大阪のFW都倉賢は「今年は昨年以上に各ポジションの競争が激しくなったと思います。昨日はルヴァンカップでメンバーをいじってもしっかり勝てたので、チームの成長を感じています」と語り、チーム力が向上しているとコメントした。
今シーズンガンバ大阪から柏レイソルに加入したFW呉屋大翔。J1に昇格した柏では新戦力の活躍も目立つ中、「やっとネルシーニョ監督のやりたいサッカーを徐々に表現できているかなと思います」と語り、チームとしての形ができてきたと手応えを語った。
◆ヴィッセル神戸 vs 川崎フロンターレ
抽選会前に各選手に当たりたくないチームを聞いたところ、最も多く名前を挙げられていた川崎F。Jリーグでは今季無敗を継続しており、現在は8連勝中の川崎Fだが、調子についてMF大島僚太は「チームの雰囲気は今までやってきたことと違ったことにチャレンジしているので、全選手が意欲的に取り組めていますし、そういった中での競争もチーム全体にあって、すごく良い雰囲気でできていると思います」と語り、チームとしても良い感触を持っていると明かした。
また、大島のプレースタイルについて「得点に絡もうとしている印象がある」と原副理事長が質問すると「監督からも言われていますし、ポジションも前になったので、関われる意識を持ちながらプレーはしています」と大島がコメント。今季はすでに過去2年に並ぶ2得点を記録している理由を明かした。
さらに、「誰が出てきてもみんな活躍する雰囲気で試合しているように感じる」と原副理事長が印象を語ると「そういう風な雰囲気でできていると思いますし、対戦相手や観ているお客さんにもそういったものが伝わればいいなと思っています」と雰囲気から勝てるものを作っていきたい意欲を語った。
対する神戸のFW古橋亨梧に対して原副理事長は「ここ最近は決定機を外している気がするけど?」と鋭い質問。古橋は「マークが厳しくなっている自覚もありますけど、そのあたりで決めなくてはいけない自覚もあるので、もっと成長できればと思います」と、自身の成長を誓った。
また、「イニエスタからここに出るかというパスがあるけど、あれはやっぱり気持ちいい?」と元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとのプレーについて聞かれた古橋は「そんなところ見てるの?というタイミングで出てきたり、そこに出すの?というタイミングで出してくれます。気持ちいいですけど、外している回数も多いので、もっと決め切れればチームの力になれるかなと思います」とゴール量産を誓った。
◆FC東京 vs 名古屋グランパス
原副理事長もかつて指揮を執ったFC東京、名古屋の参加選手が元FC東京のMF米本拓司ということもあり、和やかな雰囲気に。
ここまでJ1で4位につける好調の名古屋との対戦についてMF内田宅哉は「名古屋は米本選手とか太田選手とか丸山選手とか、結構一緒にやった選手が多いので、楽しみではあります」とコメント。元FC東京の選手が多くプレーする名古屋との対戦を楽しみだと語った。
また、今シーズンの名古屋の印象については「結構点を取るイメージがあって、この前も浦和戦でたくさん点を取っていました。僕としてはすごく点を取るイメージが大きいです」と語り、その攻撃力を警戒した。
一方で、古巣のFC東京と当たることとなった米本。FC東京について「去年は1回も勝てなかったので。監督も代わりましたし、色々な意味で変わりました。明後日はJリーグでFC東京と戦います」と語り、まずは15日に控える明治安田生命J1リーグ第10節での対戦で勝ちたいと語った。
しかし、現在米本は左第3腰椎横突起骨折で離脱中。「僕はケガで出られないので残念としか言えないですけど、ルヴァンカップでは出られたらと思います」とおよそ1カ月後に控えるルヴァンカップでの復帰を誓った。
◆プライムステージ組み合わせ結果
【準々決勝】
9月2日(水)
北海道コンサドーレ札幌 vs 横浜F・マリノスー[1]
セレッソ大阪 vs 柏レイソルー[2]
ヴィッセル神戸 vs 川崎フロンターレー[3]
FC東京 vs 名古屋グランパスー[4]
【準決勝】
10月7日(水)
[1]の勝者 vs [2]の勝者
[3]の勝者 vs [4]の勝者
【決勝】
11月7日(土)
組み合わせ決定後、対戦カードごとに原博実Jリーグ副理事長がインタビューしていった。
昨シーズンは決勝で川崎フロンターレ相手にPK戦の末に敗れた札幌のDF進藤亮佑は「良い試合ができてどっちに転んでもおかしくない展開で、最後はPKでした。僕が外して決まってしまったので、この大会に対する想いは人一倍強いです」とコメント。2019シーズンの決勝のリベンジを果たしたいと意気込んだ。
一方、今シーズンはSC相模原へ期限付き移籍していたものの、復帰した横浜FMのFW松田詠太郎は「どこと当たっても自分たちのサッカースタイルを貫いていきたいと思います」とコメントした。
原副理事長から決勝に行きたい想いについて聞かれた進藤は「まだタイトルを獲得したことがないので、そこに対する想いはあります」とコメント。「マリノス戦は得点がどちらも入るので、観ている方も楽しめると思います」と語り、攻撃的な両チームの対戦を楽しみにしてほしいと語った。
また、「PKの練習をしておくように」と言われると、「PKだけはならないように、全員で協力して、チームの力が必要なので、頑張っていきたいと思います」と返し、決勝でもPKにならない戦いをしたいと語った。
◆セレッソ大阪 vs 柏レイソル
原副理事長から「カップ戦は強そうな印象があるけど?」と聞かれたC大阪のFW都倉賢は「今年は昨年以上に各ポジションの競争が激しくなったと思います。昨日はルヴァンカップでメンバーをいじってもしっかり勝てたので、チームの成長を感じています」と語り、チーム力が向上しているとコメントした。
今シーズンガンバ大阪から柏レイソルに加入したFW呉屋大翔。J1に昇格した柏では新戦力の活躍も目立つ中、「やっとネルシーニョ監督のやりたいサッカーを徐々に表現できているかなと思います」と語り、チームとしての形ができてきたと手応えを語った。
◆ヴィッセル神戸 vs 川崎フロンターレ
抽選会前に各選手に当たりたくないチームを聞いたところ、最も多く名前を挙げられていた川崎F。Jリーグでは今季無敗を継続しており、現在は8連勝中の川崎Fだが、調子についてMF大島僚太は「チームの雰囲気は今までやってきたことと違ったことにチャレンジしているので、全選手が意欲的に取り組めていますし、そういった中での競争もチーム全体にあって、すごく良い雰囲気でできていると思います」と語り、チームとしても良い感触を持っていると明かした。
また、大島のプレースタイルについて「得点に絡もうとしている印象がある」と原副理事長が質問すると「監督からも言われていますし、ポジションも前になったので、関われる意識を持ちながらプレーはしています」と大島がコメント。今季はすでに過去2年に並ぶ2得点を記録している理由を明かした。
さらに、「誰が出てきてもみんな活躍する雰囲気で試合しているように感じる」と原副理事長が印象を語ると「そういう風な雰囲気でできていると思いますし、対戦相手や観ているお客さんにもそういったものが伝わればいいなと思っています」と雰囲気から勝てるものを作っていきたい意欲を語った。
対する神戸のFW古橋亨梧に対して原副理事長は「ここ最近は決定機を外している気がするけど?」と鋭い質問。古橋は「マークが厳しくなっている自覚もありますけど、そのあたりで決めなくてはいけない自覚もあるので、もっと成長できればと思います」と、自身の成長を誓った。
また、「イニエスタからここに出るかというパスがあるけど、あれはやっぱり気持ちいい?」と元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとのプレーについて聞かれた古橋は「そんなところ見てるの?というタイミングで出てきたり、そこに出すの?というタイミングで出してくれます。気持ちいいですけど、外している回数も多いので、もっと決め切れればチームの力になれるかなと思います」とゴール量産を誓った。
◆FC東京 vs 名古屋グランパス
原副理事長もかつて指揮を執ったFC東京、名古屋の参加選手が元FC東京のMF米本拓司ということもあり、和やかな雰囲気に。
ここまでJ1で4位につける好調の名古屋との対戦についてMF内田宅哉は「名古屋は米本選手とか太田選手とか丸山選手とか、結構一緒にやった選手が多いので、楽しみではあります」とコメント。元FC東京の選手が多くプレーする名古屋との対戦を楽しみだと語った。
また、今シーズンの名古屋の印象については「結構点を取るイメージがあって、この前も浦和戦でたくさん点を取っていました。僕としてはすごく点を取るイメージが大きいです」と語り、その攻撃力を警戒した。
一方で、古巣のFC東京と当たることとなった米本。FC東京について「去年は1回も勝てなかったので。監督も代わりましたし、色々な意味で変わりました。明後日はJリーグでFC東京と戦います」と語り、まずは15日に控える明治安田生命J1リーグ第10節での対戦で勝ちたいと語った。
しかし、現在米本は左第3腰椎横突起骨折で離脱中。「僕はケガで出られないので残念としか言えないですけど、ルヴァンカップでは出られたらと思います」とおよそ1カ月後に控えるルヴァンカップでの復帰を誓った。
◆プライムステージ組み合わせ結果
【準々決勝】
9月2日(水)
北海道コンサドーレ札幌 vs 横浜F・マリノスー[1]
セレッソ大阪 vs 柏レイソルー[2]
ヴィッセル神戸 vs 川崎フロンターレー[3]
FC東京 vs 名古屋グランパスー[4]
【準決勝】
10月7日(水)
[1]の勝者 vs [2]の勝者
[3]の勝者 vs [4]の勝者
【決勝】
11月7日(土)
原博実の関連記事
J1の関連記事
記事をさがす
|
|
原博実の人気記事ランキング
1
レッドブルで大宮は変わるのか/六川亨の日本サッカー見聞録
Jリーグが誕生した93年ならともかく、近年これだけド派手な新体制発表会見(2025 RB大宮アルディージャキックオフイベント)を取材したことはなかった。1月9日に大宮のソニックシティ展示場で行われた会見だ。 メインイベントの前には隣接する屋外広場のステージで、BMXフラットランドライダーの早川起生によるスペシャルパフォーマンスが行われ、招待されたファン・サポーターには無料でエナジードリンクのレッドブルが配布された(メイン会場ではメディアにも無料で配布されたが、あっという間になくなったのは言うまでもない)。 そしてメインイベントのオープニングセレモニーでは、豪華なステージ上でレッドブルのアスリートでフリースタイルフットボーラーとして活躍するYu-riこと、伊豆悠里が華麗なボールパフォーマンスを披露。ファン・サポーターから盛大な拍手が送られた。 最初に挨拶に立ったフィリップ・ヴンダーリッヒRB日本コマーシャル・ダイレクターは、「記念すべき日を埼玉、大宮で迎えられてうれしい。レッドブルのグローバルネットワークを届けていきたい。大宮はそれに値する街だと思う。なぜなら大宮には素晴らしいサッカー文化がある」と“サッカーの街”大宮を強調した。 続いて原博実代表取締役社長兼ヘッドオブスポーツは「ザルツブルク、ミュンヘン、ライプチヒへ行きました。施設がどれも素晴らしく、レッドブルグループに入れてよかった」と、Jリーグ初となる100パーセント外資系企業によるクラブ経営を歓迎した。 主力選手がモデルになっての新ユニホームのお目見えでは、これまでのオレンジをベースにした配色から、袖口のネイビーをメインカラーに変更し、胸には2頭の雄牛が後ろ脚で立って突進するレッドブル社のロゴがデカデカと配された。かなり迫力のあるユニホームだ。これまでのユニホームには胸のエンブレムにリスのマスコットがいただけに、どこかにアルディとミーヤを残して欲しいと思ったものの、残念ながら今後の活躍はピッチ上に限られそうだ。 そして新加入選手である。1月23日現在、新たな新外国人選手は横浜FCから加入するFWカブリーニとCBガブリエウの2人だけ。補強の目玉は京都から獲得したFW豊川雄太ということになりそうだ。豊川は岡山や京都で長澤徹監督の指導を受けただけに、戦術の理解は早いだろう。 ヨーロッパをベースにブラジルやアメリカのチームを傘下に収めるレッドブル社だけに、大物外国人の獲得を期待したファン・サポーターも多かったかもしれない。しかし昨年10月に来日したレッドブルサッカーのテクニカルダイレクター、マリオ・ゴメスは大宮の持つポテンシャルを認めつつ、日本サッカーへのリスペクトを語るにとどめている(同氏はシュツットガルト時代に遠藤航と浅野拓磨とプレー)。 恐らく、いきなり現場に介入しては不信と混乱を招くと判断したのだろう。現場は現体制に任せつつ、シーズンの推移を見守ろうといてしているのかもしれない。ただ大がかりなイベントも含めて随所にレッドブル社の意向が反映されていたのは確かだろう。 最後に新シーズンについて長澤監督はファン・サポーターに対し、「26-27年でシーズンが変わります(春秋制に移行)。その時にデビジョン1で戦うためのシーズンです。最終的に信じてもらえるチームにしたい」と抱負を語りつつ、「2つの約束をしたい」と述べた。 その2つとは「1節から38節まで、すべて襲いかかります。信じるに値するチームを作りたい」と決意を表明した。実直な長澤監督だけに、発言の後半部分は頷けた。引っ掛かったのは「すべて襲いかかります」という発言だ。大言壮語はしない長澤監督にしては過激に感じたのだ。 一緒に取材した記者も「襲いかかるなんて、まるでレッドブルのロゴマークを意識したかのようですね」と驚いていた。長澤監督に、意図的にそこまで言わせたとしたら、“レッドブル恐るべし”と感じたキックオフイベントだった。 2025.01.23 22:00 Thu2
ニュージーランドが16年ぶりにW杯の出場権を獲得/六川亨の日本サッカーの歩み
26年北中米W杯のオセアニア地区予選の決勝が24日に行われ、ニュージーランドがニューカレドニアを3-0で破り、2010年南アフリカ大会以来16年ぶり3回目となるW杯出場を決めた。オセアニア地区は長らくオーストラリアが盟主を務めてきた。彼らがアジア地区に転籍してからも、オセアニア地区に与えられたW杯の出場権は0.5枠。このためニュージーランドは地区予選プレーオフで敗れて本大会への道を閉ざされてきた。 しかし来夏のW杯では参加国が32から48に増えたため、オセアニア地区の出場も1.5枠に広がり、優勝国にはストレートで本大会に出場できることになった。ニュージーランドはグループリーグでタヒチに3-0、バヌアツに8-1、サモアにも8-0と圧勝して突破すると、準決勝でもフィジーを7-0で退け、決勝でも危なげない試合運びで完勝して本大会への出場権を獲得した。 ニュージーランドといえばラグビーを思い浮かべるファンも多いだろう。しかし82年スペイン大会予選では1次リーグでオーストラリア(2位)を退けて代表決定リーグに進出。代表決定リーグではクゥートと中国が首位争いを演じていたが、ニュージーランドはサウジアラビアを5-0で破ったことで同勝点ながら得失点差で中国を上回ってW杯初出場を決めた。オセアニア地区の代表がW杯本大会に出場するのは、74年西ドイツ大会のオーストラリア以来2度目の快挙だった。 ちなみに当時の日本は、渡辺正監督の突然の退任に伴い強化本部長だった川淵三郎が監督を兼任。川淵監督はW杯よりロス五輪出場を目指して25歳以上の選手を代表から外す思い切った策をとった。このためスペインW杯アジア予選には19歳の都並敏史や戸塚哲也、風間八宏らフレッシュな顔ぶれが揃った。 しかし1958年にFIFAを脱退していた中国が78年にFIFAに復帰し、第二次世界大戦後で初となるW杯アジア予選に参加。日本はマカオに3-0で勝ったものの中国に0-1で敗れて1次リーグでの敗退を余儀なくされた。 ニュージーランドはラグビーに押されてサッカーの知名度は低いものの、けしてサッカー後進国ではなかった。W杯予選から2年後の84年ロス五輪アジア2次予選で対戦した森ジャパンは、アウェーでFW原博実のゴールで先制したものの、後半に3連続ゴールを許し1-3で完敗した。ホームでの試合でも、後半立ち上がりに1点を奪われ、これが決勝点となって2戦2敗となった。 83年10月7日に国立競技場で開催されたホームでの試合を取材したが、ニュージーランドに特別圧倒されたわけでもない。ただし彼らのキックは正確で力強く、ロングボールを多用したフィジカル・サッカーに日本は手も足も出なかった。当時としては、「やはりW杯に出たチームなのだから、日本は勝てなくても仕方がない」という諦めの境地だったことを覚えている。 しかしFIFAの配信するストリーミング映像で昨日の試合を見ると、ニューカレドニアとの力の差はもちろんだが、やはり洗練されたパス回しに加え、空中戦は相変わらず彼らのストロングポイントだった。後半6分のアディショナルタイムは相手の戦意喪失とスタミナ切れもあって、ほとんどボールを支配して時計の針を進めた。やはりオセアニア地区では図抜けた存在であり、前回カタール大会の予選でもプレーオフに進出したことはフロックではなかった。ようだ。 昔話のついでに紹介すると、ロス五輪2次予選の日本は台湾と1勝1分け(いまでは信じられないだろうが)、ニュージーランドには2敗の勝点3(当時の1勝は勝点2)で終了。このままでは予選敗退だったが、最終戦でニュージーランドが台湾とドローに終わったため2位で最終予選に進出した。 ところがシンガポールでの最終予選では、それまで無敗を誇っていたタイに2-5と大敗。若きエースFWピヤポンにハットトリックを許して守備陣が崩壊した。続くマレーシア、イラク、カタールにも1-2で敗れ、4戦全敗でロス五輪出場は幻と消えた。 ニュージーランドには、今シーズンのプレミアリーグで旋風を巻き起こしているノッティンガム・フォレストのFWクリス・ウッドがいるが、FIFAランクは現在89位。このため組分け抽選会ではポット4に入るのが確実だ。開催国カナダ、そしてニュージーランドと同じ組に入れたら、グループリーグ突破もかなり楽になるはずだが、こちらは「神のみぞ知る」といったところだろう。 <span class="paragraph-title">【動画】オセアニア代表が決定! ニューカレドニアvsニュージーランド</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="ruEmqF_xikg";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.03.25 16:30 Tue3
「全部人のせい」原博実フットボール本部長が語る大宮の問題点、相馬直樹監督を迎えたキーワードは“変化”と“繋がり”
30日、大宮アルディージャは原博実フットボール本部長が記者会見を実施。霜田正浩監督の解任、相馬直樹監督の就任について言及した。 大宮は26日、霜田監督を成績不振で解任。相馬監督の就任を発表していた。 昨シーズンは最後まで残留を争う苦しいシーズンとなった中、なんとか残留を掴み取り、今シーズンは昇格を目指したシーズンに。霜田監督がシーズン頭から指揮したものの、開幕9試合勝利なし。最下位に沈んでいた中、原氏が4月12日にフットボール本部長に就任した。 その後、連勝を果たすなど復調を見せた一方で、ホームで連敗を喫するなどし、FC琉球戦で勝利した翌日に監督交代が発表されていた。 原氏は霜田監督の解任に至るまでの経緯について言及。「練習にも参加してチームにも帯同して、練習の狙い、選手の表情などを見て話をしてきた」と就任後にチームをよく見てきたとし、「そこから改善してきて4勝2分け3敗。それだけを見ても間違いなく改善していた」と、一定の成果が出ていたことを認めた。しかし、「そのスピード。球際の激しさ、守備の強固さ、アグレッシブさというものは少しずつ改善はしているが、もっとスピードを上げてほしいと感じていた」と、大きな変化がチームに生まれていないことを感じていたとした。 特にそれを感じたのは5月18日に行われた第15節のいわてグルージャ盛岡戦。相手チームに新型コロナウイルス(COVID-19)の陽性者が多く出たことで延期となっていた試合だった。 原氏は「特に、岩手戦。5月8日にやるはずが延期してしまった。コロナ明けのチームはモチベーションが高いと伝えたつもりだった」と警戒していたとしたが、「岩手戦は本当に残念な試合になってしまった。少し良くなるとまたすぐに戻ってしまって、馴染んでしまう。それを変えるには、新たな監督でアグレッシブで守備を構築できる監督が必要だった」と、改善しては停滞するというチームが良い方向に転がっていかないことをもどかしく感じていたようだ。 ただ、「霜田監督だけが悪いとは全く思っていない。それは選手にも伝えた」とコメント。「霜田監督、コーチングスタッフ、フロントスタッフ、全てが悪い」と、この環境を作り出しているクラブ全体が悪い状況にあると語った。 解任の憂き目に遭った霜田監督に対しては「霜田監督には感謝している。去年の今頃来て、残留させてくれた。ピッチ上のこと以上に、大宮を良くするように発言をしてくれた」と、クラブの改善に力を注いでいたとした。それでも、「ただ、ピッチ上の激しさ、選手を教育することが足りなかった。コーチも、選手もフロントも悪かった。監督を代えて、みんなが変わろうと伝えた。中2日しかない中、あの決断で残り試合をやることを考えて、クラブとしてもそういう決断を下して今に至るということです」とし、霜田監督の下での変化を諦め、相馬監督を招へいしたと語った。 外から見てきた原氏は就任して1カ月半。そこで感じた問題点については、「VENTUS、アカデミーを見ても、繋がりは感じない」とコメント。「トップチームとの関わりが少ない。アカデミーの選手たちは良い選手がいるが、もっと早くここに来て一緒にプレーするということがやっとできるようになった。もっと繋がりを大事にしていかないとこのクラブは変わらない。もっとポテンシャルはあると思いますし、そこができればと思う」と、チームとして1つのものを作り上げるという組織体になっておらず、それぞれが個別に動いていることを感じたという。 その中で相馬監督を招へい。初戦となったアウェイの東京ヴェルディ戦では、就任から2日で試合という過酷な状況。それでも相手に先制されながら追いつき、守備でもアグレッシブさと強度の高さを見せて引き分けた。 相馬監督を選んだ理由について問われた原氏は、「意外とやりたい人は多いんです。外国人も含めて」と明かし、「このクラブの今の現状にあっている、クラブを変えていくという人」と、選考基準はクラブに変化を与えられる人を選んだとした。 相馬監督については「町田の時はJFLからJ3、J2と経験し、去年は鹿島でコーチをやって途中から監督やって4位になった」とキャリアを振り返り、「フロンターレでは、若さもありあまりうまくいかなかった。でも、シャレン活動やホームタウン活動の理解もあった」とピッチ外での活動にも理解もある監督だとし、「町田では人工芝でやったり、自分たちでスポドリを作っていたという時代もある」と、苦しい環境も経験していることを挙げた。 また変化に向けては「本人もパワーがないと、若い選手やこのチームを変えていく力が必要。あとは彼のパーソナリティ。彼のポジションでの守備のこだわりがすごい」とコメント。「1日で、強度や距離などは変わっていった。この時期でやれるというのは彼かなと思っていた」と、大宮の大きな課題であった守備面の問題を解決できる監督だと信じ、実際にその変化はすでに見られていると手応えを語った。ただ、「ずっと決めて彼を負っていたわけではなく、常に色々な人を追ってきて、彼に決めた」と、多くの選択肢から選んだとした。 これからの戦い方については「このチームを見て、3分け6敗をみて、攻撃と言っていますが1試合1点取れていない。そして2点取られている」と、攻撃を掲げていたスタイルに疑問。「自陣で繋ごうとして取られている。自陣から繋ごうとするから、みんなが足元でもらって動かない。それを変えない限り、攻撃的なサッカーも何もない」と、後方からのビルドアップに拘りすぎて守備が崩壊していたと語り、「理想は攻撃的サッカーとは言いますが、チームの現状を考えたら、そこを変えないと勝ち点には結びつかない。本音で話をしています」と、理想を一旦忘れて現実的になるべきだと語った。 今後は、「まず相手の陣地にボールを運ぶ。一緒にやってきて、本音でやってきたつもり。スピードや強度、一体感。誰かがやったら連動するというアグレッシブさはもっと出していきたい」と目指す方向性を語った。 その中で、昇格を目指したシーズンだったが現在は残留争い中。今後の目標については「残留争いのポジションをまずは上げてほしい」とコメント。「(相馬監督就任前は)残り24節あったわけで、18節終わった段階で、1位の仙台は36だった。単純計算で1試合で2ポイントを稼いだ」とコメント。「僕らも(勝ち点)48稼げる。それまで持っていた勝ち点と足すと66。そこにいって6位以内に入れなかったら仕方ない」と語り、プレーオフ圏内を目指せる状況ではあるとコメント。「プレーオフ圏内を諦めたわけではない。まずはそこを目指しながら、上よりはベースをやって勝ち点を積み重ねていって、自分たちのスタイルやベースを作っていく」と、しっかりと勝ち点を稼げるチーム作りをして、1つずつ上を目指すとした。 またその点については、夏の補強も気になるところ。ただ「まだ話していません。例えばGK南(雄太)がケガした。GKが大きなケガをして、彼を抹消して誰かを入れるという選択肢もある」とコメント。「ただ、このクラブが変わるには、ユースにもGKで海本(慶太朗)と涌井(寿大)がいる」とし、「過去はわからないですが、慌てて補強して、若い芽を潰す。30すぎのGKを補強をしたら、まぁくるかもしれないけど(笑)、本当に大切なのはなんですか?ということ。若い選手が育っていく。そいういう練習をすると、そういう選手が残っていく」とし、補強を本当にすべきかどうかを考える必要があるとした。 また、就任当初の大宮のイメージを語り、「大宮の練習は甘い」と一刀両断。「これ3分け6敗のチームの練習なの?と思った。これで何を変えれば状況を打破できるの?ということを言った」と、チームとしての甘さが目立っていたとし、そこに手をつけたいと語った。 本当の意味で、クラブ、チームが変わっていかなければいけない状況に立っている大宮。原氏は「変化」を何度もキーワードに挙げているが「これで届かなかったら終わり」と語り、「今まで全部人のせいにしてやってきた」と、クラブとしての問題を指摘した。しかし、「そんなことを言ってられないという練習をやっている。間違いなく変わってきますし、目の色も変わってきていると思う。結果で応えるしかないので、そうならないように見せていくしかない」と、相馬監督の下で、目に見えた変化があるとし、結果で示していきたいと語った。 そして原氏はチームのスローガンである『ひたむき』についても言及。「『ひたむき』じゃなくて『したむき』じゃんと思った」と語り、「その言葉は良いと思いますし、『ひたむき』さは大事だと思う。変える必要はないし、『ひたむき』さが出なければいけない。『うわむき』にしたいぐらい」と冗談を交えながらも、チームとして真摯に向き合って上向いていけるように努めていくとした。 2022.05.30 21:20 Mon4
村井満チェアマンの功績/六川亨の日本サッカーの歩み
第6代のJリーグチェアマンは札幌の野々村芳和CEOの就任内定がすでに発表されている。3月15日の社員総会と新理事による理事会で正式決定となるが、その決定方法も村井満チェアマンらしい、改革の表れだった。 Jリーグの初代チェアマンはご存じのように川淵三郎氏だ。93年のJリーグ開幕から2002年にJFA(日本サッカー協会)会長に就任するまでの10年間(現在は4期8年が最長)、先頭に立ってJリーグを牽引してきた。 そして2代目のチェアマンには古河電工(現ジェフ千葉)で川淵氏の後輩であり、ともにJリーグ創設に尽力した木之本興三氏(Jリーグ理事。17年没)が就任するものと思われていた。ところが川淵氏が指名したのは鹿島の代表取締役だった鈴木昌氏だった。川淵氏から「Jリーグ入りは99.9パーセント無理」と言われながら、スタジアムの建設に尽力して鹿島のJリーグ入りに貢献した。 木之本氏は03年、川淵氏から「チェアマンにする気はない」と言われ、鈴木氏からは「Jリーグを辞めてくれ」と突き放された。そして鈴木氏はJFAの定年(70歳)にあわせ、2期4年となる06年にチェアマンを退き、C大阪の鬼武健二氏を後継者に指名した。 鬼武氏はヤンマーの元監督で、現役時代の93勝はJSL(日本サッカーリーグ)の最多勝利監督でもある。04年にはJリーグの専務理事に就任していただけに、チェアマン就任も規定路線だった。この鬼武氏も2期4年の10年に退任し、第4代のチェアマンは再び鹿島の大東和美氏が就任した。元ラガーマンで、日本代表にも選ばれたキャリアの持ち主だ。彼もまた2期4年となる14年にチェアマンを退き、現在の村井氏に引き継いでいる。 そして村井氏である。リクルートの執行役員時代の08年にJリーグの理事に就任すると、14年には大東氏の後を受けて第5代のチェアマンに就任した。浦和高校時代はサッカー部に所属しGKを務めたが、本人は「素人」と謙遜する。チェアマンとしての初仕事はJリーグ初となる“無観客試合の開催”だろう。14年3月8日の浦和対鳥栖戦で、浦和のサポーターが人種差別的な横断幕を掲げた。そこで3月24日のホーム清水戦は無観客試合というペナルティを科した。 その他にも明治安田生命保険とタイトルパートナー契約を結んだり、DAZNとの長期にわたる大型契約といった目に見えるところから、チェアマン室を廃止するなどの内部改革なども断行したりした。そして、これまで後継指名のような形で選んできた次期チェアマンの決定方法を明確にしたのも村井チェアマンだった。 3期6年目となる20年、村井氏は第三者委員会として10名のメンバーからなるチェアマン選考委員会を創設。当時の委員会は、「村井氏以外にチェアマン候補者はいない」という結論から22年までの続投を決定した。 このチェアマン選考委員会、今回の場合はまず170名のロングリストを作成した。その内訳はスポーツビジネス・クラブ経営者などの事業系が90名、サッカー関係者・Jリーグ関係者・選手・JFAが50名、そして政府・自治体関係者が30名だったそうだ。 そして対面インタビューを繰り返すことで10数名に絞り、その過程で野々村氏も選考委員のメンバーだったが候補にあがったため委員会から外れ、代わりに湘南の水谷尚人社長が委員会に加わった。最終的に15回の会議と当日は3時間の議論の末に野々村氏が次期チェアマンにふさわしいという結論になった。 村井チェアマン自身、「誰が候補なのかも知りません」と話していた。そして次期チェアマンの野々村氏には「1年半の歳月を経て、400名を超える集団でしっかり議論していただいた。Jリーグ30年の歴史で、実行委員、理事を経て初めてチェアマンになった。30年を迎えるにふさわしいチェアマン。プレーヤーであり、クラブ経営者として深い洞察力がある。歓迎したいし、応援したい」とエールを送った。 これまでなら原博実副チェアマン(63歳)か、前岡山の代表取締役でJリーグ専務理事の木村正明氏(53歳)らがスライドしてチェアマンになったかもしれないが、2人は3月でJリーグを退任する。 村井チェアマンの最後の任期である20年からの2年は“コロナ”との戦いでもあった。それがなければ、さらなる改革に着手したかもしれないが、村井チェアマンだからこそ、「コロナに迅速に対応した」とも言えるのではないだろうか。次はどのフィールドで活躍するのか、それもまた楽しみである。 2022.02.09 20:00 Wed5
