ネルシーニョ NELSINHO

ポジション 監督
国籍 ブラジル
生年月日 1950年07月22日(73歳)
利き足
身長
体重
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井原正巳監督がシーズン初めから指揮、天皇杯決勝の戦いを足がかりに【J1開幕直前ガイド|柏レイソル】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、柏レイソルを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:17位(6勝15分け13敗) 2022シーズン:7位(13勝8分け13敗) 2021シーズン:15位(12勝5分け21敗) 【昨季チーム得点王】 細谷真大 14ゴール 【今季ノルマ】 残留 【編集部イチオシ】 FW細谷真大 昨季J1:34試合出場/14ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆ギリギリの残留</span> 昨季は天皇杯で11年ぶりの決勝進出とタイトルにもう一歩のところまで迫ったが、リーグ戦はというと、前年の7位から大きく落としての17位に。ネルシーニョ監督の後任として井原正巳監督が指揮するようになってからも課題が少なかったわけではなかったが、最下位のみが降格というレギュレーションにも希望を見いだしつつ、犬飼智也の夏加入や守備整備で勝ち点を着実に積み上げ、残留を決めた。 <span class="paragraph-subtitle">◆補強は…</span> J1優勝の過去を持つチームであるのを考えると、到底満足できるものではなく、この冬のチーム整備から力を入れていきたいところだったが、補強はレンタルバックとJ2からのステップアップが中心に。昨年もJ1クラブでプレーした新戦力は木下康介に限られており、ほかの新顔では野田裕喜や白井永地、島村拓弥といった個人昇格者が占める。 <span class="paragraph-subtitle">◆細谷真大の残留は朗報だが</span> 一方、主力からの退団者では椎橋慧也、仙頭啓矢、山田康太がそれぞれ新たなチャレンジを選択。武者修行先の徳島ヴォルティスで昨季13ゴールとブレイクの森海渡は横浜FCによもやの完全移籍を決断した。昨季14ゴールのエース、細谷真大に冬の海外移籍がなさそうな情勢というのは朗報だが、チーム力は現時点でIN&OUTの動向からしてダウン感が強い。 <span class="paragraph-subtitle">◆若手の成長度合いでチーム力が変化も</span> ほかでは守備の立て直しにひと役を買った犬飼の完全移籍移行も良い知らせではあったが、現時点ではJ1経験の乏しい選手がどこまで戦力として独り立ちしていけるかどうかといったところ。修行でひと回り大きくなって戻った鵜木郁哉をはじめ、ポテンシャルを秘めた若手も多く、そこから何選手が台頭を遂げるかでチーム力も変わってくる。 <span class="paragraph-subtitle">◆シーズンを通じて天皇杯決勝の戦いを</span> 攻守にわたって多くの課題を持ち越しての今季だが、天皇杯決勝では川崎フロンターレを相手に前線からのプレッシングと組織としての守りで相手のパスワークに制限をかけ、PK戦にもつれる死闘。川崎Fを大いに苦しめたあのスタイルは可能性を感じさせ、今季の初めから打ち出していければ楽しみだ。井原監督も続投。17位に沈んだ昨季からの巻き返しを期す。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 DF野田裕喜(26)←モンテディオ山形/完全移籍 DF関根大輝(21)←拓殖大学/新加入 DF犬飼智也(30)←浦和レッズ/完全移籍移行 MF島村拓弥(24)←ロアッソ熊本/完全移籍 MF白井永地(28)←徳島ヴォルティス/完全移籍 MF熊坂光希(22)←東京国際大学/新加入 MF鵜木郁哉(22)←水戸ホーリーホック/期限付きより復帰 FW木下康介(29)←京都サンガF.C./完全移籍 FW升掛友護(20)←愛媛FC/期限付きより復帰 【OUT】 DFブエノ(28)→未定 DF岩下航(24)→期限付き移籍 DF田中隼人(20)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍 DF大嶽拓馬(21)→EDO ALL UNITED/完全移籍 DFエメルソン・サントス(28)→インテルナシオナウ(ブラジル)/完全移籍 MF三原雅俊(35)→未定 MF椎橋慧也(26)→名古屋グランパス/完全移籍 MF山田康太(24)→ガンバ大阪/完全移籍 MF仙頭啓矢(29)→FC町田ゼルビア/完全移籍 MF落合陸(24)→水戸ホーリーホック/期限付き移籍 MF加藤匠人(24)→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍 FWドウグラス(36)→未定 FWアンジェロッティ(25)→FC今治/完全移籍 FW森海渡(23)→横浜FC/完全移籍 2024.02.15 18:15 Thu

J1残留&天皇杯準優勝の柏、井原正巳監督の続投決定 「攻守にアグレッシブな試合をお見せしたい」

柏レイソルは13日、井原正巳監督(56)の続投を発表した。 井原氏はU-23日本代表や柏のヘッドコーチを歴任後、アビスパ福岡を指揮。2019年から柏のヘッドコーチに復帰すると、今年5月のネルシーニョ監督解任を受けて昇格した。 明治安田生命J1リーグでは最終節までもつれたが、17位で残留決定。天皇杯ではPK戦の末に準優勝だったが、決勝進出に導いた。クラブの公式サイトで決意を新たにしている。 「来季も柏レイソルで指揮を執ることとなりました。レイソルを愛するサポーターの皆様に、勝利を掴み取り、多くの感動を届けられるシーズンになるよう、全身全霊で努力いたします。チーム、選手、スタッフが一丸となり、攻守にアグレッシブな試合をお見せしたいと思います。ぜひ、我々とともに戦っていただき、レイソルを後押ししてください。よろしくお願いいたします」 2023.12.13 15:25 Wed

あと一歩のところで逃した天皇杯、柏の井原正巳監督は「糧」にすべきと強調 「必ず次に繋がる今日の準優勝」

9日に行われた第103回天皇杯決勝を柏レイソルの井原正巳監督が振り返った。 国立競技場で行われた川崎フロンターレとの一戦。90分を0-0で終えると、延長戦でも決着がつかず。PK戦までもつれた末、8-7で川崎Fが勝利を収めた。 あと一歩のところで2012年以来11年ぶり2度目の天皇杯制覇を逃した井原監督は、最後まで残留を争ったJ1最終節から約1週間での決勝について、「レイソルに関わる選手たちが全員で繋いできたその成果がここに繋がって、今日のファイナルを迎えたと思っています」とコメント。良い戦いを見せてくれたと選手たちを称えた。 「川崎さんとは第31節にゲームをして、その時も引き分けで終わりましたが、やり方というところはしっかりと我々チームとしても理解した中で、今日のゲームに臨みました」 「もちろん、延長・PKというところも想定しながらのゲームにはなりました。ゲーム自体も非常に入りから素晴らしい入りをしてくれたと思っていますし、90分で決着つかず、120分とやった中で十分に我々のやろうとしているサッカーというものを選手全員が表現してくれていたのかなと思っています」 「どちらが勝ってもおかしくないゲームだったとは思っています。もちろん最終的にPKでの敗戦にはなりましたが、この悔しい経験というものを選手がしっかりと次への成長の糧にして、来年に向かってやってほしいなと思っています」 10人目までもつれたPK戦に関しては、試合中に負傷した古賀太陽のPK戦参加が難しいと判断し、「10人に、川崎さんの方にも合わせていただいた」と明かした一方、「運もあると思いますし、仕方がないものかなとは思っています」と開き直りも見せた。 また、試合後のミーティングでは、この天皇杯決勝という舞台での貴重な経験を無駄にしないよう選手たちに伝えたという。 「良い試合はしたとは思いますし、本当にあと一歩のところだったとは思うけれども、こういうファイナルは勝者と敗者が必ず出てきますし、勝者の素晴らしい雰囲気を見ていると、その悔しさっていうのが必ず、より選手の成長に繋げていくしかないという思いにはなると思うので、そういう悔しさを繋げていこうという話はしました」 「プレー自体とかそういうものは、具体的にはそれほど話はしていないですけれども、なかなか選手キャリアの中でもこういうファイナルというのは経験できないので、その経験っていうのは必ず次のサッカー人生に活かしていこうというところが中心の話は少しはしました」 ネルシーニョ前監督の後を継いで、シーズン途中の5月から柏の指揮をとったこの約7カ月も振り返り、選手・スタッフ含めチーム一丸となって戦えたことがJ1残留と天皇杯準優勝に繋がったとも語った。 「第14節から、途中からの監督とはなりましたが、やはり途中からの難しさというのはすごく感じながらシーズンを過ごしてきたというか、チームをいかに変えていくかというところの難しさ、また前監督のサッカーというところをどこまで継承しつつ、勝たせていくのかというところも非常に難しさを感じながらシーズンは過ぎていったかなと思っています」 「そういう中で、まずは選手がいつも前向きに、勝つために努力を全員がしてくれていたことと、スタッフも本当にレイソルが勝利をするためにいつも一緒にいろんな考えを共有しあって、まとまってやれたことが最終的には最低限ではありますが、なんとか残留という結果に繋げられたのかなと思っています」 「サポーターの皆さんにはなかなか勝つゲームがお見せできなかったので、そこは本当に悔しさもありますし、残念でもありますが、まずは最低限の残留というところがどうしても途中からは目標に変わってしまったので、そういう固いゲームが多くなってしまったことはすごく反省はしていますし、そういうところを勝ちにできるゲームというものに繋げていかなければいけなかったなという風には思っています」 「天皇杯に関しては、本当に普段出場機会の少ない選手から全員で繋いできた大会ではあったので、そういう思いでのファイナルにはなったので、またリーグ戦とは違った意味でのファイナルという位置づけでゲームができたこと、残念な結果には終わりましたが、必ず次に繋がる今日の準優勝ではあると思います」 2023.12.09 20:56 Sat

「可愛すぎます」「年間30G20Aの面構え」柏MFマテウス・サヴィオの息子が注目の的に!父親とピッチ入場し気合十分

柏レイソルのMFマテウス・サヴィオの子供が愛くるしさを振りまいている。 開幕6戦未勝利と苦しい船出となった今季の柏は、ネルシーニョ前監督が5月で退任し、井原正巳監督が引き継ぐことに。それでも低空飛行から抜け出せずにいたが、夏の補強、犬飼智也の加入などで直近は1勝3分けと、勝ち点の積み上げに成功している。 となれば、応えたいのは攻撃陣。今季リーグ戦23試合に出場中、独力突破も可能なマテウス・サヴィオが29日にX(旧:ツイッター)を更新し、原動力の写真を公開した。 投稿されたのは父親とともにピッチへ入場した息子のベンジャミンくん。柏のグッズを身に付けて気合十分といった表情を披露している。 柏のマスコット、レイくんが「ぼくのおともだち、ベンジャミン」と反応すれば、ファンも「可愛すぎます」、「年間30G 20Aの面構えしてるよ」、「No.10 Benjamin Savioのネーム入れるのやってみたい」、「レイくんを超えた」など、未来のアタッカー候補に好意的なコメントを寄せた。 なお、J1では17位に沈む柏だが、天皇杯では準々決勝へ進出。30日には名古屋グランパスと三協フロンテア柏スタジアムで対戦する。 <span class="paragraph-title">【写真】グッズを身に付け気合十分、マテウス・サヴィオの息子ベンジャミンくん</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="pt" dir="ltr">Papai vamos jogar no Reysol <a href="https://t.co/2fkLKsln1D">pic.twitter.com/2fkLKsln1D</a></p>&mdash; マテウス サヴィオ (@matheussavio97) <a href="https://twitter.com/matheussavio97/status/1696427022187442681?ref_src=twsrc%5Etfw">August 29, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2023.08.30 20:15 Wed

夏場に4ゴールでランキング上位に浮上。パリ世代のエースFWは地に足を着けて成長中/細谷真大(柏レイソル)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.20】

2023年J1も残り9試合。横浜F・マリノスやヴィッセル神戸ら上位陣も混とんとしているが、下位争いも熾烈を極めている。 25節終了時点では、最下位の18位が勝ち点17の湘南ベルマーレ。17位が同20の柏レイソルだ。その上の16位が同21の横浜FC。この3チームのうち1チームがJ2自動降格に憂き目に遭う可能性が高そうだ。 今年5月に長年チームを率いていたネルシーニョ監督を解任し、ヘッドコーチだった井原正巳監督が昇格する形で再建を図っている柏は7月中旬の中断前まではなかなか白星を挙げられず苦しんだ。が、8月6日のリーグ再開後は京都サンガに勝利からスタート。セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島という上位陣相手に3戦連続ドローと8月無敗で乗り切っており、チーム状態が右肩上がりなのは間違いないだろう。 そんなチームを力強くけん引している1人がパリ五輪世代のエースFW細谷真大だろう。今季は紛れもなく最前線の大黒柱と位置づけられている細谷だが、今季序盤は思うようにゴールを重ねられずに苦しんだ。 しかしながら、7月以降は一気に決定力がアップ。直近6戦で4ゴールの固め取りを見せ、ここまで9得点。昨季の8ゴールを早くも上回ったうえ、J1得点ランキングでも8位タイまで上がってきており、存在感を増しているのだ。 「もちろんゴール数ってところは前半戦に比べて増えましたし、攻撃のクオリティが上がったり、時間帯も増えてきたんで、うまくそこはゴール数と比例しているのかなと思います」と本人もチームの復調が自身の結果につながっているという見方をしている。 細谷の特筆すべき点は、FWの選手にも関わらずフル稼働が続いていること。これだけの酷暑の試合が続けば、前線アタッカーを入れ替えながら戦う監督が増えるのも当然のこと。だが、井原監督は彼に絶大な信頼を寄せているのか、90分近い時間プレーさせることが多い。本人も「暑さできついっていうのはあんまり感じないし、チームのために戦うっていうのが自分の特徴だと思うので、もっと走りたいと思います」と過酷な環境にめげることなく逞しさを前面に押し出す構えだ。 こうしたタフさはU-22日本代表の大岩剛監督にとっても頼もしい点に他ならないだろう。ご存じの通り、U-22日本代表は9月に五輪1次予選を兼ねたAFC・U-23選手権2024予選(バーレーン)を戦うことになっている。9月のバーレーンは最高気温37度、最低気温29度が平均で、今の首都圏より厳しいかもしれない。そういう環境下で、日本は9月6日にパキスタン、9日にパレスチナ、12日にバーレーンとの連戦を強いられるのだから、細谷のような選手が重要になってくるのは間違いない。 加えて言うと、パリ五輪世代の面々が今夏、次々と海外移籍に踏み切っており、コンディション的に未知数という不安要素もある。アタッカー陣を見ると、試合にある程度出ている小田裕太郎(ハーツ)はまだしも、鈴木唯人(ブレンビー)、佐藤恵允(ブレーメン)はほとんど公式戦を戦っていないため、どこまでプレーできるか分からない。だからこそ、国内組の細谷にかかる期待は大きい。 本人も強い自覚を持って挑むという。 「レイソルで試合に出続けられてますし、本当にコンディションは良いので、自分の良さをパリ世代の方に持っていけたらいいですね。ここでやっていることをそのまま大岩さんの下でできればベスト。パリ五輪も予選に勝たないと出れないわけですし、先を見るんじゃなくて、目の前の1試合1試合をしっかり勝っていかないといけない。自分がチームを勝たせられたらいいかなと思ってます」と彼は日常を大事にしながら9月に向かっていくつもりだ。 欧州移籍市場は8月31日まで開いているため、細谷も海外挑戦の可能性がゼロというわけではないが、彼自身は「レイソルでしっかりと結果を残し続けることが第一」と慎重なスタンスを取っている。 「多くの選手がこの夏、欧州へ行きましたけど、自分の性格上、あんまり気にしないタイプなので、今はここで頑張ろうと思っています。J1でまだ結果らしい結果を出せていないと思うので、やっぱりここで結果を出すことが欧州への近道。いつかは向こうでやってみたいとは思いますけど、まずはレイソルを勝たせて、タイトルを取らせるような存在になれるように頑張っていきます」 実にFWらしからぬ堅実なキャラクターの細谷。こういう地に足に着いた若武者は少しずつ階段を登っていくスタイルが合っているのだろう。柏のエースという重責を担う今はとにかくチームをJ1に残留させ、少しでも順位を上げるように務めることが一番だ。 地道な点取屋の確かな成長を楽しみに待ちたい。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。</div> 2023.08.27 13:05 Sun

監督交代の決断の難しさ/六川亨の日本サッカーの歩み

洋の東西を問わず、チームの成績が低迷すれば責任を問われるのは監督だ。大ナタを振るったフロントは、戦術や選手起用の変化に期待したり、いわゆる“ショック療法”として選手のメンタル面での変化、危機感やモチベーションのアップなどを期待したりする。 今シーズンのJ1リーグなら、第13節終了後の5月17日に柏はネルシーニョ監督の退任と、井原正巳ヘッドコーチの監督就任を発表した。2勝5分け6敗の16位では、フロントとしてもやむを得ない決断だっただろう。この柏に限らず下位に低迷していた横浜FCやG大阪は、例年ならもっと早くに監督交代の決断を下していたかもしれない。にもかかわらずそれをしなかったのは、今シーズンはJ2降格が1チームしかないからだろう。降格の可能性が3チームから1チームに減ったメリットとも言える。 残念ながら井原新監督は、初陣こそ神戸に1-1で引分けたものの、その後は川崎Fに0-2、札幌とは4-5、横浜FMとは3-4と、特に直近2試合は大量点を奪いながら後半アディショナルタイムの失点で悔しい敗戦を喫している。とはいえ今シーズンのネルシーニョ前監督は最多得点が2点で、複数得点も2回しかない(逆に無得点ゲームは7試合)。それが低迷の原因ともなっただけに、井原監督に代わった効果は出ていると見ていい。横浜FM戦では193センチの新加入FWフロートがヘッドで来日初ゴールを決めるなど、攻撃陣は復調傾向にあるだけに、代表ウィークによるリーグ中断期間中にどれだけ守備を立て直せるか。体力面や集中力のベースアップにも期待したい。 逆に、いつ解任されてもおかしくないと思っていたのがG大阪のダニエル・ポヤトス監督だ。今シーズンG大阪の監督に就任したばかりで、さらに日本での監督経験は徳島での2シーズン(J1とJ2)しかない。成績が低迷したからといって、すぐに解任することはないとは思っていたが、さすがに5月に入ってからはダービーで負けるとその後も名古屋、浦和、横浜FMに4連敗。相手が格上だったとはいえ、第14節終了時点で2勝4分け9敗の最下位ではいつ解任されてもやむを得ないと思った。 しかしG大阪のフロントは諦めなかった。新潟にアウェーで3-1と快勝して2勝目をあげると、福岡には2-1の逆転勝利を収め、FC東京にも相手のミスを突いて3連続ゴールで完勝した(3-1)。FC東京戦は、天皇杯2回戦(6月7日)で高知ユナイテッドに苦杯をなめた影響を微塵も感じさせなかった。 G大阪と柏では、監督の置かれている状況はまったく異なるため同列に語ることはできない。しかし降格の危機にあったことでフロントは決断した。「継続」か「変化」か――とても難しい舵取りであり、“保証”のないギャンブルである。そして「継続」を選択したG大阪は最下位を脱出して京都と同勝点の15位に浮上した。まだまだ安心できる順位でないものの、フロントの判断は「吉」と出た。神戸と横浜FMを中心とした優勝争いは、名古屋や浦和、C大阪の粘りもあり混沌としている。そして同様に、残留争いも最終盤までもつれるのではないだろうか。 新潟は一時の勢いが止まり(13位)、中心選手のMF伊藤涼太郎がシント=トロイデンへと移籍した。FC東京は中村帆高の負傷離脱に始まり、G大阪戦ではMF青木拓矢とFWアダイウトンが膝の負傷で交代を強いられた。順位こそ12位だが折り返しの第17節終了時点で勝点19は、J2に降格した10年に並ぶワースト記録だけに、アルベル監督の去就問題に発展する可能性もあるかもしれない(※編集部注:14日に退任が正式発表)。この2チームに加え、6試合勝利のない福岡(勝点20の11位)まで降格の可能性がある混迷のJ1リーグと言えるのではないだろうか。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2023.06.14 12:05 Wed

ネルシーニョ氏の足跡を振り返る/六川亨の日本サッカーの歩み

第13節を終えた段階で2勝5分け6敗と低迷していた柏が、ネルシーニョ監督の退任と井原正巳ヘッドコーチの監督昇格を決定。初陣となった第14節の神戸戦では、積極的なプレスからOGを誘い、首位を相手に1-1のドローに持ち込んだ。 72歳のベテラン監督であるネルシーニョ氏が来日したのは1994年のこと。ヴェルディ川崎(現東京V)のヘッドコーチとして、松木安太郎監督と二頭体制でリーグ優勝に貢献した。95年からは監督を務めたが、サントリーチャンピオンシップで横浜マリノスに敗れて連覇はならなかった。Jリーグは今年で30周年を迎えたが、ネルシーニョ氏はヴェルディ川崎だけでなく、名古屋で3年、柏では通算11年、そして神戸でも3年ほど監督を務め、20年もJリーグに関わってきた。 その間にはV川崎の天皇杯やリーグカップ制覇、さらに柏でもJ1リーグ初優勝に貢献したのを始め、天皇杯とリーグカップなどのタイトルをクラブにもたらした。神戸では16年にセカンドステージ2位という好成績を収めてもいる。 同氏は、前日まで控え組だった選手をいきなりレギュラーで起用すると活躍したり、試合中にシステムや戦術を柔軟に変更したりする手腕から「ネルシーニョ・マジック」と言われたこともあった。Jリーグが93年に10チームで開幕した時の監督で、いまなお現役の監督は当然ながら1人もいない。浦和の森孝慈さん、名古屋の平木隆三さん、鹿島の宮本征勝さんらメキシコ銅メダル組の方は、すでに他界している方々もいるくらいだ。 一方、93年当時は現役選手で、現在はJ1リーグの監督を務めている方々もいる。まずは柏の井原監督で、横浜Mでもリーグ優勝に貢献している。名古屋の長谷川健太監督は、現役時代は清水エスパルスのストライカーとしてリーグカップ制覇に貢献した。変わったところでは、アルビレックス新潟の松橋力蔵監督で、日産FCのファーム出身で、日産自動車サッカー部を経て横浜Mの一員になっている。新潟を1年でJ1に復帰させた手腕はダテではないということだ。もう1人、日本代表の森保一監督もサンフレッチェ広島の一員として風間八宏氏や高木琢也氏らとともにチームを支えた。 こうして改めてネルシーニョ氏の足跡を辿ってみると、いかに優れた指導者だったのか理解できるだろう。30周年には1年足りないが、ベスト監督賞を授与してもいいのではないだろうか。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2023.05.23 15:30 Tue

合計11年の指揮、柏が退任したネルシーニョ前監督のメッセージ公開「もう一つのサイクルにまた終わりが訪れた」

柏レイソルは18日、退任が発表されていたネルシーニョ氏のメッセージを公開した。 17日、柏はネルシーニョ氏の監督退任を発表。後任にはヘッドコーチの井原正巳氏が就任することが決定していた。 2度にわたり合計11シーズン指揮したネルシーニョ監督だが、クラブのリリースではコメントなし。このことがファンの間では注目を集め、成績不振でチームを去る功労者への扱いが話題となっていた中、クラブを通じてコメント。監督業からの引退を発表した。 ーーーーー この書面を以って、自身監督としてのキャリアにおけるもう一つのサイクルにまた終わりが訪れたことをお伝えします。 これまでの年月は、さまざまな挑戦や闘いと向き合ってきた実に素晴らしい時間でした。我々は勝つ時も、引き分ける時も、悔しくも敗戦を喫する時もありましたが、これまで数多くの障害を共に乗り越えてきました。 私にとって何より大切なものは、このクラブで過ごした素晴らしい仲間との思い出であり、これからもずっと私の心の中で生き続けていくことでしょう。 強化部、テクニカルスタッフ、メディカルスタッフ、フィジカルスタッフ、この素晴らしい私の人生に出演してくれたすべての選手たち、そして勝利を求め、常に我々の後押しをしてくれたファン・サポーターの皆様に感謝します。 これからも私の後を継ぎ行く人々の成功を心から祈っていますし、柏レイソルが偉大なチームであり続けることをいつも願っています。 最高の思い出を持ち帰り、心からの敬意と感謝を残し、皆様の幸せと平和と愛を祈っています。 VITÓRIA!!!!!!!永遠に!!!!!!! ーーーーーー ネルシーニョ氏は2009年7月に柏の監督に就任。J2やJ1、天皇杯、ナビスコカップで優勝を果たすなどした中、2014年まで指揮。その後チームを離れたが2019年に再就任し、再びJ2優勝を果たしていた。 しかし、2020年に新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的に流行すると、チームは苦戦することに。2020年はYBCルヴァンカップで準優勝を果たすもJ1で7位。2021年は15位、2022年は7位となり、今シーズンはここまでわずか2勝で16位と残留争い中だった。 2023.05.18 18:27 Thu

「レイソルと日本でのサイクルを終えるのが最善」退任のネルシーニョ監督が心境、コロナ禍での苦しみも語る「最悪の事態が起こってしまった」

柏レイソルの監督を退任したネルシーニョ氏が、自身の胸中を語った。ブラジル『Futebol Interior』が伝えた。 17日、柏はネルシーニョ氏の監督退任を発表。後任にはヘッドコーチの井原正巳氏が就任することが決定していた。 ネルシーニョ氏は2009年7月に柏の監督に就任。J2やJ1、天皇杯、ナビスコカップで優勝を果たすなどした中、2014年まで指揮。その後チームを離れたが2019年に再就任し、再びJ2優勝を果たしていた。 しかし、2020年に新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的に流行すると、チームは苦戦することに。2020年はYBCルヴァンカップで準優勝を果たすもJ1で7位。2021年は15位、2022年は7位となり、今シーズンはここまでわずか2勝で16位と残留争い中だった。 2度にわたり合計11シーズン指揮したネルシーニョ監督だが、クラブのリリースではコメントなし。このことがファンの間では注目を集め、成績不振でチームをさる功労者への扱いが話題となっていた。 そんな中、ネルシーニョ氏は『Futebol Interior』に柏への想いを語っており、1つのサイクルを終えるときだと感じていたとした。 「5年間だったが、最初の3年間はとても良かった。この2年間は、パンデミックによってクラブの経済的な部分が後退してしまい、重要な選手を失い、獲得した選手も上手くいかず、レイソルにとって最悪の事態が起こってしまった」 「成果は上がらず、状況は持続不可能になりつつあった。サッカーは世界中で同じであり、我々のクラブの歴史に関わらず、結果がとても重要になる」 「我々が腰を据えて、レイソルと日本でのサイクルを終えるのが最善だと考える時がきた」 ネルシーニョ監督が成長させた選手も数知れず。残念な終わりになってしまったが、日本サッカーへの貢献は間違いなく大きい指導者だった。 2023.05.18 11:03 Thu

低迷続く柏がネルシーニョ監督解任、後任に井原正巳HC 「全身全霊を尽くします」

柏レイソルは17日、ネルシーニョ監督(72)の退任を発表した。同日付けの監督交代となり、後任はヘッドコーチの井原正巳氏(55)が務める。 ネルシーニョ監督はブラジル国内で指導をしてきた中、1994年にヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)のコーチに就任すると、1995年に監督に就任。NICOSシリーズでは優勝に導くと、日本代表監督就任の噂も浮上するほどだった。 その後、再びブラジルに戻り、インテルナシオナウやコリンチャンス、サンパウロ、フラメンゴなどを指揮。2003年に名古屋グランパスの監督として日本へ復帰したが、2005年9月に解任。再びブラジルで指揮を執ると、2009年7月に柏の監督に就任する。 この就任が1つの転機となり、Jリーグで長らく指揮を執ることに。2010年にはJ2に降格していたチームを優勝に導くと、2011年には昇格1年目でJ1を優勝。2014年まで指揮を執ると、2015年からはヴィッセル神戸を指揮。その後、ブラジルに戻ったが、2019年に再び柏の監督に就任した。 2019年には再びJ2で優勝。コロナ禍でも指揮を執り続けたが、近年は大型補強を繰り返すも残留争いを強いられるなど低迷。今シーズンはここまでわずか2勝で16位と残留争い中。13日には明治安田生命J1リーグ第13節で最下位の横浜FCに0-1で敗れてしまい、解任が決定した。 後任の井原氏は「明治安田J30ベストアウォーズ」でベストイレブンにも選ばれるJリーグのレジェンド。横浜マリノス、ジュビロ磐田、浦和レッズで現役時代を過ごし、“アジアの壁”の異名を持つなど日本代表でキャプテンも務めていた。 指導者としてはネルシーニョ監督が最初に指揮を執る2009年2月に柏のヘッドコーチに就任。監督代行を務めてネルシーニョ監督に引き継ぐと、退任と共にクラブを離れ、2015年にアビスパ福岡で監督業をスタート。チームをJ1昇格に導いたほか、日本代表DF冨安健洋(アーセナル)を育てるなどして手腕が認められていた。2019年からは柏のヘッドコーチに就任していた。 井原氏はクラブ公式サイトを通じて、「レイソルに関わる皆様へ、いつも応援をいただきありがとうございます。ネルシーニョ監督の後を任されることになりました」と綴り、コーチ陣の1人として責任を感じながら、状況打破に力を込めた。 「今の成績は決してネルシーニョ監督だけによるものではなく、我々スタッフも責任を感じています。ネルシーニョ監督のためにも、この現状を変えるべく、チーム、選手、スタッフでもう一度結束して、チームを蘇らせるように全身全霊を尽くします。そのためにはファン・サポーターの皆様の今まで以上の応援と後押しが不可欠です。我々とともに、柏レイソルの勝利のために戦ってください。よろしくお願いいたします」 2023.05.17 15:11 Wed
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