「お金を払う価値のある試合を」W杯出場を懸けた最終予選に久保建英、驕りではなく自信を確信へ「勝って当たり前だと思ってもらいたい」

日本代表のMF久保建英(レアル・ソシエダ)が、5日に行われる2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦となる中国代表戦に向けて意気込みを語った。いよいよ始まるW杯の切符を懸けた戦い。日本は、8大会連続8度目の出場に向けて、中国とのホームゲームでスタートする。日本は、2018年のロシアW杯、2022年のカタールW杯ではUAE代表、オマーン代表にそれぞれ初戦で敗れており、今回の初戦も大きな注目の的に。3年前からの成長を示したいところだ。
試合前日は埼玉スタジアム2002でトレーニングを実施。冒頭15分間がメディアに公開された。トレーニング後、久保はメディア取材に応じ、クラブでは苦しいスタートとなった中での代表合流に「僕個人としては苦しい立ち上がりですけど、みんながみんなそうではないので、僕の苦しいのがチームに伝染しないといいなと思います」と、冗談も交えながらコメント。「日本までは長距離移動なので、ついてしまえば切り替えられているということに慣れちゃっています。特に切り替えるということを意識はしていないです」と、クラブでの不振を引きずっていないとした。

ソシエダでの試合からタイトなスケジュールとなる中で、チャーター機移動をした久保。「僕個人としては試合が終わって次の日の3時ぐらいに家を出てという厳しいスケジュールだったので、チャーター移動というのは有り難かったです」と、配慮を喜んだ。注目の最終予選の初戦。「まずはしっかりホームで勝ち点3をとることが大事です」と語る久保だが「緊張しすぎずに、特に前目の選手はしっかり早い時間で点を取ることで、変な緊張感を無くしていければと思います」と、過去2連敗していることを考えすぎないほうが良いとした。

久保に期待されるのはゴールだが「ないと言えば嘘になりますが、あまり俺が俺がという感じでもないです」と、まずは勝利を目指したいという中で、中国の印象については、2次予選の韓国代表戦がベースになるのではないかと予想した。

「韓国との試合を観ましたけど、負けはしましたけど、やりたいことはハッキリしていて、それを成功と捉えているのかなと感じはしました」

「内容としても拮抗した試合展開になったので、ああいうことを狙っている、似たようなことをして来るのかなと思います」

また、2次予選で5ゴールを決めていたエースFWウー・レイ(上海海港)はエスパニョール時代にも対戦経験がある選手。印象については「個人的な印象としては、南野選手ともちょっとにていて、自分のタイミングでパスを呼び込むのが上手い選手だと思いますし、スピードもあると思います」と語り、「レアルとかビッグクラブ相手に決めてきた印象があるので、僕ら相手にも燃えてるのかなと思いますし、2次予選でも5点ぐらい決めているので、気をつけたいと思います」と、警戒すべき選手の1人だとした。

前回の最終予選は、中国戦では2試合ともプレーしたが。途中で負傷により4試合を欠場。結果的に4試合しか出場できなかった。

久保は「まずは負けなかったら良いと思います」と、自身のこと以上に結果が大事だとし、「前回の最終予選は、チャンスを掴んだ後にケガをしてチャンスを逃したということがありました。今はしっかりとチャンスをもらえていると思うので、この立場を崩さないように、しっかりとチームに貢献して勝つということが一番だと思います」と、勝利を目指す上で、ポジションを掴んでいくことが大事だとした。

初戦はホームで埼玉スタジアム2002のゲーム。ファン・サポーターについては「来た方には、お金を払って来てもらっただけの価値のある試合をしたいですし、プラス最大限の結果である勝ち点3は良いスタートを切るために取りたいです」と語り、「ファン・サポーターの皆さんは、勝って当たり前だと思っていると思いますし、驕りとかではなく、ファン・サポーターの皆さんにも最終予選は勝って当たり前だと思ってもらいたいので、明日は良い試合ができたらと思います」と、しっかりと強さを見せたいとした。

今回は高井幸大(川崎フロンターレ)、望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)と2人の初招集選手もいる。久保は「下からの突き上げがもっと欲しい」と以前から語っていたが「タイミング的に僕が言ったから変わったみたいな感じもあるかもしれないですし、通るのであれば、色々なことを言いたいなとも思ったりました笑」とユーモアを交えつつ「冗談はともかく、良い選手が入っていると思いますし、2日しかやっていないですけど、新しく入った2人も良い特徴を持っています。あとは彼らをどう生かすか。彼らが入ったときに、僕らが彼らの力をどう還元していくかが大事です」と、先輩として生きるように動いてあげたいとした。

また自身のデビュー当時を振り返り「僕も最初は、原口選手や柴崎選手だったりに良いパスをたくさんもらって、助けられていた部分もあるので、そういった部分は今度は自分がやっていければと思います」と、当時の中心選手だった原口元気(浦和レッズ)、柴崎岳(鹿島アントラーズ)にしてもらったように、プレーでも助けていきたいとした。

日本代表の中心選手としてプレーする久保だが、W杯時には25歳になっている。「前回のW杯は思っていたものとは違いましたが、今回は年齢的にも普通に中堅のレベルに入っていると思うので、今の立場を崩さずに、中心選手としてチームを引っ張っていきたいと思います」と、責任を感じる立場になるとした。

今回は三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)、伊東純也(スタッド・ランス)がアジアカップ以来の復帰に。2列目で久保を含めて3人が揃う可能性もある。

「名前だけ並べたらロマンもあると思いますが、それ相応のリスクもあるわけで、それを決めるのは僕でも皆さんでもなく監督なので。その機会があれば、僕としてできることは、三笘選手も伊東選手も個で突破できるので、僕が中央にいる場合は使い分けをしていきたいと思いますし、変に顔を出す必要はないかなと思います」

「黒子の役割でも十分に彼らの個が生きると思います。2人は余裕を持ったプレーが最終予選ではできると思います。プレッシャーをかけすぎることも良くないですけど、理由は違えど2人は復帰戦なので、僕らはサポートするだけかなと思います」

いよいよ始まる最終予選。中国代表戦は、5日(木)の19時35分から埼玉スタジアム2002でキックオフ。地上波はテレビ朝日で生中継。そのほか、「DAZN」でもライブ配信される。