欧州トップディビジョンにとうとう中国人選手ゼロ「中国スーパーリーグの待遇が良すぎ…長期的には“害”が大きい」

2025.02.05 16:08 Wed
Getty Images
欧州53カ国リーグのトップディビジョンから中国人サッカー選手が消えた。
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2002年日韓大会以来のW杯出場へアジア最終予選を戦う中国代表。そのメンバー構成は“帰化組”も含めて常に中国超級(1部)でプレーする選手が固め、いわゆる欧州組は存在しない。いつの時代もそうだったわけではない。
それこそ日韓W杯世代はイングランドを中心に活躍。今や塀の向こうに消えたリー・ティエ(李鉄)はエバートンでプレーし、スン・チーハイ(孫継海)はマンチェスター・シティの低迷期に奮闘した功労者として、今も知名度が高い。

しかし、習近平政権発足に前後した中国国内のサッカーバブル到来で、超級を中心とした国内リーグの各クラブが潤うことに。コロナ禍で沈静化し、サラリーキャップも導入されたが、依然としてその待遇は「かなり良い」とされる。
それは、欧州クラブへ移籍する自国選手の減少に直結。A代表が繰り返しW杯出場を逃すなか、“最後の1人”ウー・シャオコンが年明けにバジャクシェヒル(トルコ1部)から北京国安へ完全移籍し、とうとう欧州トップディビジョンでプレーする中国人選手がゼロとなった。

中国『新浪』は、中国系の元世代別ノルウェー代表MFホウ・ヨンヨンを例に、中国スーパーリーグの高待遇を解説。

3月の中国代表入りが濃厚とされるホウ・ヨンヨンは、先月18日にノルウェー2部・ランハイムから中国超級・雲南玉昆へ完全移籍。新天地での年俸は500万人民元(約1億円)だといい、これはノルウェー国内に残れば1部リーグのトップクラブでも貰えなかった金額だという。

「ホウ・ヨンヨン自身にとってこの移籍は良い選択となっただろう。これはノルウェーリーグだと間違いなくあり得ない待遇だ。しかし、中国サッカー界の長期的な発展を考えれば、明らかに利益より害が大きいと言える」

また、昨年まで中国超級の5クラブを指揮した経験を持つヤーセン・ペトロフ氏も、母国ブルガリアのメディアで、中国スーパーリーグの高待遇に言及。中国人フットボーラーの大半は欧州移籍を考えていないと証言した。

「近年ではただひとり、ウー・レイが高い志を持ってスペインで一定期間プレーし、帰国後は1部リーグ(超級)の得点王となった。しかし、自国で十分すぎる給料をもらえるなら、他国の文化や生活に惹かれることなんてない…当然だろうね。中国人選手に欧州移籍の意向はない」

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