【JFL第11節】首位高知が魂の大逆転勝利! 88分弾&90+1分弾でミネベア沈める…今季の強さはホンモノ?
2024.06.09 15:49 Sun
(右) 高知が誇る“最強ジョーカー”、小林心23歳
9日、日本フットボールリーグ(JFL)第11節の高知ユナイテッドSC vs ミネベアミツミFCが高知県立春野総合運動公園陸上競技場で行われ、高知が3-2の大逆転勝利だ。開幕7連勝の首位高知は第8節から2連敗も、前節アウェイで2位・FCティアモ枚方との「勝ち点2差」直接対決を制して首位キープ。メンタル面を含め、持ち直しに成功した。
迎えた今節、ホームで相手は最下位のミネベア。
雨が降りしきるなか、1点が取れそうで取れない時間が続き、とうとう38分に被弾。高知最終ラインから出た不用意な縦パスをミネベアにカットされ、MF杉田達哉に先制点を奪われる。
それでも前半ラストで同点に。45分、高知はしぶとい連続攻撃から左サイドを崩し、最後はゴール前の混戦からMF佐々木敦河。こぼれ球を押し込んでネットを揺らした。
前半ラストの被弾を苦にしなかったミネベア。後半頭の50分、左サイドから入った斜めのクロスに頭で合わせたのは、やはり杉田。アウェイで首位相手に勝ち越すことに成功した。
高知はなんとか再びタイスコアに持ち込むべく、58分に今季全試合途中出場で4得点のFW小林心、69分には先日J2水戸から加入した19歳FW内田優晟の投入で打開を図る。
しかし、勝ち越しで勢いが増した最下位ミネベアを押し返すことができず、後半は常に劣勢。勝敗は決しているかのようにも思える時間が、85分ごろまで続いた。
それでも、2024シーズンの高知ユナイテッドSCは“持ってる”チームなのか。
87分、ミネベアのセットプレーを凌いで反撃に転じ、敵陣でFKを獲得した高知。ここから左CKも獲得し、ミネベアの11人をボックス近辺まで押し込んだ状態で同点弾が生まれた。
88分、佐々木が後方から斜めの浮き球をボックス右へ送り、ゴール前への折り返しに飛び込んだのはDF上月翔聖。右足インサイドで上手く合わせたボレーがネットへ吸い込まれた。
さらに90+1分、上月が左サイドから大きくサイドチェンジ。ボックス右からDF吉田知樹が頭で落とし、途中出場の小林が相手DFと競り合いながら右足ループ弾を流し込んだ。
小林はまさに“最強ジョーカー”。今季全11試合途中出場で5ゴール目となり、この試合含め、うち4ゴールが80分以降のもの。昨年天皇杯でガンバ大阪を沈めた、あのストライカーだ。
結局、小林の90+1分弾が決勝点となり、ホームの高知が3-2と大逆転勝利。強い雨が降るなか、春野陸上競技場に詰めかけた観衆1163人の大歓声が高知の選手たちに降り注いだ。
高知ユナイテッドSC 3-2 ミネベアミツミFC
【高知】
佐々木敦河(前45)
上月翔聖(後43)
小林心(後45+1)
【ミネベア】
杉田達哉(前38、後5)
迎えた今節、ホームで相手は最下位のミネベア。
それでも前半ラストで同点に。45分、高知はしぶとい連続攻撃から左サイドを崩し、最後はゴール前の混戦からMF佐々木敦河。こぼれ球を押し込んでネットを揺らした。
良い時間で追いつけた高知だが、ここからが苦しかった。
前半ラストの被弾を苦にしなかったミネベア。後半頭の50分、左サイドから入った斜めのクロスに頭で合わせたのは、やはり杉田。アウェイで首位相手に勝ち越すことに成功した。
高知はなんとか再びタイスコアに持ち込むべく、58分に今季全試合途中出場で4得点のFW小林心、69分には先日J2水戸から加入した19歳FW内田優晟の投入で打開を図る。
しかし、勝ち越しで勢いが増した最下位ミネベアを押し返すことができず、後半は常に劣勢。勝敗は決しているかのようにも思える時間が、85分ごろまで続いた。
それでも、2024シーズンの高知ユナイテッドSCは“持ってる”チームなのか。
87分、ミネベアのセットプレーを凌いで反撃に転じ、敵陣でFKを獲得した高知。ここから左CKも獲得し、ミネベアの11人をボックス近辺まで押し込んだ状態で同点弾が生まれた。
88分、佐々木が後方から斜めの浮き球をボックス右へ送り、ゴール前への折り返しに飛び込んだのはDF上月翔聖。右足インサイドで上手く合わせたボレーがネットへ吸い込まれた。
さらに90+1分、上月が左サイドから大きくサイドチェンジ。ボックス右からDF吉田知樹が頭で落とし、途中出場の小林が相手DFと競り合いながら右足ループ弾を流し込んだ。
小林はまさに“最強ジョーカー”。今季全11試合途中出場で5ゴール目となり、この試合含め、うち4ゴールが80分以降のもの。昨年天皇杯でガンバ大阪を沈めた、あのストライカーだ。
結局、小林の90+1分弾が決勝点となり、ホームの高知が3-2と大逆転勝利。強い雨が降るなか、春野陸上競技場に詰めかけた観衆1163人の大歓声が高知の選手たちに降り注いだ。
高知ユナイテッドSC 3-2 ミネベアミツミFC
【高知】
佐々木敦河(前45)
上月翔聖(後43)
小林心(後45+1)
【ミネベア】
杉田達哉(前38、後5)
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高知ユナイテッドSCは20日、退団するDF福田玲央(24)の移籍先がヴィアティン三重に決定したと発表した。 福田は大阪府出身で、ガンバ大阪ジュニアユースから金光大阪高校、京都産業大学を経て、2023年に高知へ入団。今季はセンターバックとして開幕9試合連続でフルタイム出場し、チームの爆発的なスタートダッシュに貢献した。 しかし、その後はプレータイムが限られ、YS横浜とのJ3・JFL入替戦2試合はメンバー外。シーズン終了後に退団が発表されていた。 福田の新天地となるV三重は、今季の日本フットボールリーグ(JFL)で5位。三重県勢初のJリーグ入会は今季での達成こそならずも、県内クラブで最も近い位置にいると言って差し支えない。今季もJ3ライセンスを付与されている。 このオフは、ジェフユナイテッド市原・千葉時代に故イビチャ・オシム監督の通訳を担った間瀬秀一監督と契約更新。 また、ソニー仙台FCからFW山田晋平(25)、ラインメール青森からFW村上弘有(26)およびMF町田蘭次郎(28)と、JFLでの経験値をもつ選手の加入が発表されている。 福田はV三重を通じてコメント。 「高知ユナイテッドでプレーしていました福田玲央です!まず初めに、来季ヴィアティン三重という素晴らしいクラブでサッカーができることを幸せに思います!」 「今季、高知で昇格を経験したこと、反対に個人として悔しい思いをしたこと、そのすべてを活かし、ヴィアティン三重の勝利、昇格に貢献します!ヴィアティンサポーターの熱い声援を受けられることを、心から楽しみにしています!よろしくお願いします!」 2024.12.20 17:45 Fri2
ソニー仙台FCラストイヤーを彩った選手たちの去就は? Jリーグ挑戦は現在3名、JFLor地域リーグ移籍、現役引退…
ソニー仙台FCラストイヤーを彩った選手たちの新天地が概ね決定。一方でスパイクを脱ぎ、社業に専念する者も少なくない。 2024シーズン限りで活動終了、日本フットボールリーグ(JFL)を退会したソニー。JFL王者に輝いたこともある名門実業団が幕を閉じた。 ラストイヤーを彩った選手たちの去就は、1月14日時点で概ね発表済み。現役続行でJリーグ、JFL、地域リーグに新天地を求める者いれば、引退してソニーの社業に専念する者も。 例えば、中盤主力のMF伊藤綾汰(24)はJ3リーグへ参入する高知ユナイテッドSCに移籍。不動の右サイドバックを担ったDF後藤裕二(24)は福島ユナイテッドFC、DF中山雅斗(23)は奈良クラブへ。現在、Jリーグ挑戦は3名を数える。 JFLクラブへ移籍するのは、昨季リーグ新人王のFW布方叶夢(22/→FCマルヤス岡崎)、DF辻椋大(23/→ブリオベッカ浦安)など今のところ計5名。VONDS市原へ向かうFW勝浦太郎(24)など地域リーグ移籍も計5名である。 一方、キャプテンを担ったMF吉野蓮(27)、2023シーズンJFLベストイレブンのMF平田健人(28)、正守護神のGK佐川雅寛(28)など、これまでに計7名が引退を発表。吉野は発表に伴い、「今後は会社に恩返しを」と綴っている。 ◆選手たちの去就(1月14日時点) GK 1 佐川雅寛→現役引退 21 八井田舜→現役引退 26 松田亮→ジェイリースFC(九州/地域) DF 2 後藤裕二→福島ユナイテッドFC(J3) 3 塩崎悠司→現役引退 4 長江皓亮→未発表 6 中山雅斗→奈良クラブ(J3) 16 辻椋大→ブリオベッカ浦安(JFL) 22 平山裕也→ヴェルスパ大分(JFL) 23 神田悠成→福山シティFC(中国/地域) 25 山下翼→FC延岡AGATA(九州/地域) 30 大友豪士→未発表 MF 5 平田健人→現役引退 7 吉森恭兵→現役引退 8 伊藤綾汰→高知ユナイテッドSC(J3) 10 藤原元輝→現役引退 11 信太英駿→未発表 14 吉野蓮→現役引退 18 秋元佑太→未発表 20 小池陸斗→福山シティFC(中国/地域) FW 9 勝浦太郎→VONDS市原FC(関東1部/地域) 13 山田晋平→ヴィアティン三重(JFL) 15 布方叶夢→FCマルヤス岡崎(JFL) 17 加藤佑弥→未発表 19 甲元大成→飛鳥FC(JFL) 2025.01.15 15:15 Wed3
“野球王国”高知からJリーグへ… “サッカー不毛の地”を覆せ!【JFL高知の歩み】
“Jなし県”高知。野球王国として知られる一方、“サッカー不毛の地”とさえ言われるこの高知で今年、「高知ユナイテッドSC」が熱を帯びている。JFLで2000人、天皇杯で3000人、7000人という観客動員を記録するなど大きな変化が起きている中で、Jリーグ参入を掲げる彼らはこれまでどんな道のりを歩んできたのか。過去を紐解けば、未来へのヒントとなるかもしれない。【第1回/全3回|<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452485" target="_blank">中編</a>、<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452489" target="_blank">後編</a>に続く】 <span class="paragraph-subtitle">~NPB(プロ野球)球団がなくとも野球は文化~</span> 「高知県のスポーツと言えば?」と問われて「高校野球」が頭に思い浮かぶ人は多いと思う。名将・馬渕史郎率いる明徳義塾高校野球部は夏の甲子園優勝1回、秋の神宮大会優勝2回を誇り、社会問題化した星稜高校の4番・松井秀喜に対する“5打席連続敬遠”が色濃く残る人も多いはずだ。 また、明徳義塾と半世紀近く覇権を争う高知高校野球部は甲子園で春夏ともに優勝経験があり、こちらは“ミスター・ロッテ”有藤通世氏、弘田澄男氏などを輩出。この2人はプロ野球史に名を残す高知県出身のスタープレーヤーだ。 高知県とNPBの関係性で言えば、レギュラーシーズンに前後し、多くの球団が秋季・春季キャンプで温暖な高知へと来県。なかでも阪神タイガースは1965年から毎年訪れ、かつて高知県出身の最強クローザー・藤川球児氏を擁していたこともあって県民の間で人気が根強いと聞く。 したがって「高知県のスポーツと言えば?」に対しては、明徳義塾や高知高校に代表される「高校野球」と答えるか、ストレートに「野球」と答えるのが妥当か。もちろん独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドックス(高知FD)も根強い人気を誇る。 では、そろそろ本題へ。NPB球団がなくとも「野球」が文化として根付く高知県において「サッカー」はどういった立ち位置か。 全国高校サッカー選手権大会における高知県勢の最高成績は、全47都道府県から代表校が参加するようになった第62回大会(1983年度)以降でベスト8。高校総体(インターハイ)でも高知県勢がベスト8の壁を破ったことは一度もない。 高知県出身のJリーガーで代表的な存在は元ガンバ大阪DF山口智であり、今のところ、高知県出身選手で唯一の日本代表経験者。他には元名古屋グランパスMF吉村圭司、元セレッソ大阪FW小松塁などがいるが、他県と比べて高知県のJリーガー輩出数は非常に少なく、現役選手はなんと1人。高知ユナイテッドSCのジュニアユース育ちで、カマタマーレ讃岐でプレーするDF山本勇武(18)のみだ。 また、2000年代に入って四国から徳島ヴォルティス(05年)、愛媛FC(06年)、カマタマーレ讃岐(14年)とJクラブが誕生していったなか、高知が四国4県で唯一の“Jなし県”となってもうすぐ10年に。取り残されている感は否めない。 1993年のJリーグ誕生から30年…2023年現在、“Jなし県”は高知を含めて6県のみ。高知以外には、福井、滋賀、三重、和歌山、島根にないが、ヴィアティン三重、レイラック滋賀、アルテリーヴォ和歌山とJリーグ入りを目指すクラブがある県はもちろんある。Jクラブを擁する県と優劣をつける必要はないのだが、サッカーを愛する高知県の人たちが「いつか高知にもJクラブを…」という想いを長年にわたって抱き続けているのは言うまでもない。 このように高知県はプロアマ問わず野球が浸透も、その反面、“サッカー不毛の地”と呼ばれ、Jリーグ誕生後はいつしか“Jなし県”という呼称も定着。しかし、年号が令和となった2019年、高知県のサッカー界は大きな一歩を遂げる。 (中編に続く) ◆クラブ名改称にライバルとの統合…南国高知FCはアイゴッソ高知へ、そして高知ユナイテッドSCへ【JFL高知の歩み/第2回(全3回)】 2023.11.01 21:45 Wed4
“責任感” J3参入高知の運命を好転させた上月翔聖24歳「あの浦安戦はベンチスタートで…」 秋田新監督については「キツい練習だけど僕のスタイルに合う」
2025シーズンから明治安田J3リーグに参入する高知ユナイテッドSC。MF上月翔聖(24)はチームに欠かせない存在である。 昨年12月、史上初開催のJ3・JFL入替戦でY.S.C.C.横浜を撃破し、JFLからJ3へのステップアップを掴んだ高知。“サッカー不毛の地”とも言われた南国土佐にJクラブが誕生した。 改めて昨季を振り返ると、JFL後期で大苦戦しながらも「2位」と「入替戦」を掴んだターニングポイントだったと考えられるのは、10月27日の第26節・ブリオベッカ浦安戦(A)。 高知は第22〜25節にかけ、4試合連続ノーゴールによる4連敗を喫し、その間に首位から陥落。浦安戦も早い時間から0-1となり、高知陣営の大多数が5連敗を覚悟したはずだ。 それでも85分、この日先発落ちしていた途中出場のMF上月がボックス外から強烈な右足弾丸ミドルを叩き込み、起死回生の同点弾に。 最終的に逆転ならず1-1ドローも、5試合ぶりにゴールと勝ち点を確保し、翌週は“鬼門”といえようアウェイHonda FC戦で勝利。上月の思い切りがなければ、高知は2025年もJFLを戦っていたかもしれない。あの弾丸ミドルに高知陣営の誰もが心を奮い立たせたはずだ。 上月は昨季を「充実しながらも苦しくて難しい1年だった」と振り返りつつ、浦安戦での1発はYS横浜との入替戦までつながったと語る。 「昨季はこれまでのキャリアでいちばん、時間の流れが速くて、楽しくて、つらかったシーズンでした。僕個人は試合に出て(JFL)ベストイレブンも獲って…と思われるかもしれませんが、とくに後半戦は自分の責任で負けた試合がありますし、なによりなかなか勝てなかった」 「あの浦安戦まで、後半戦の僕はチームのために何も貢献できてなくて…副キャプテンとしての声がけはできます。でもゴールやアシストだったり『結果』を出せなかった。とにかくチームを助けたい一心だったと思いますね」 「浦安戦はベンチスタートで、もちろんゴールを強く意識しました。あのミドルが決まり、結果を出すっていう意識を高く持ち続けられたことが、YS横浜戦(1stレグ)での同点ゴールにもつながったと思います」 また、「いま自信を持って闘えているのは、“つばくん”から貰った言葉のおかげでもあります」と、昨年末に現役引退を発表した“高知家の大黒柱”横竹翔氏への感謝も語る。 「僕のミスで失点して負けてしまった試合があって、次の練習でつばくんと一緒にジョギングさせてもらったとき、自分の率直な心境を話しました。つばくんからは『俺も同じので悩んだことあったよ』とか言葉をもらいましたね」 「プレー面もメンタル面もつばくんに支えてもらいました。つばくんのおかげで精神的に成長できたと思いますし、このチームもつばくんがいなかったらJ3に上がれなかったと思います」 今季就任の秋田豊監督については。 「もちろん当初はタカさん(吉本岳史前監督)と一緒に続けたかったです。秋田さんになって最初『どんな監督なんだろう?』って不安はありましたね。でも蓋を開けると、秋田監督は『自分のスタイルに合うな』って感じましたね」 「スプリントとか球際で闘う部分はもちろんそうですし、僕も監督に負けないくらい勝利へ貪欲です。秋田さんのもとで毎日キツい練習をやってますけど、トレーニングマッチなんかも含めて、楽しく成長している実感がありますね」 上月自身はFC大阪時代に続くキャリア2度目の“J3リーグ入会”。高知のチームメイトと共有できる経験値が彼にはある。 「FC大阪のJ3初戦は『やってやろう』という気持ちと勢いがあったなかでも、やはり少し“硬かった”記憶があります。高知も硬くなる部分はあると思うけど、少しでも楽しく自信を持って臨めるよう、伝えられることは伝えるようにしています。相手がどこであれやることは同じなので、全力で勝ちに行きたいと思います」 ◆明治安田J3リーグ第1節 2月16日(日) 14:00KO 栃木SC vs 高知ユナイテッドSC ◆明治安田J3リーグ第2節 2月23日(日) 14:00KO 高知ユナイテッドSC vs ガイナーレ鳥取 ◆2025シーズン主将 DF4 小林大智 ◆2025シーズン副主将 GK21 大杉啓 DF5 田辺陽太 MF16 上月翔聖 <span class="paragraph-title">「ムムッ! 欲しいですかッ!?」気さくな高知ユナイテッドSCの公式X</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">ムムッ!欲しいですかッ <a href="https://t.co/e7Yt68zkdK">https://t.co/e7Yt68zkdK</a></p>— 高知ユナイテッドSC (@kochi_United) <a href="https://twitter.com/kochi_United/status/1883412935701307707?ref_src=twsrc%5Etfw">January 26, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.01.26 16:32 Sun5