「相手を見ながらやれなかった」…今季初のフル出場となった東京Vの宮原和也が経験値少ないチームの課題口に

2024.03.30 09:06 Sat
今季初のフル出場となった宮原和也
©超ワールドサッカー
今季初のフル出場となった宮原和也
東京ヴェルディのDF宮原和也が、ドローに終わった京都サンガF.C.戦を振り返った。
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開幕4戦未勝利と16年ぶりのJ1で厳しい戦いが続く東京V。29日に味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第5節の京都戦では待望の初勝利を目指した。だが、前半に攻守両面で圧倒されたホームチームは前半半ばにFW豊川雄太、FW原大智に続けてゴールネットを揺らされて0-2のビハインドで試合を折り返す。それでも、後半終盤にFW染野唯月が決めた2ゴールによって土壇場で追いついたチームは、前節のアルビレックス新潟戦に続きしぶとく勝ち点1を拾った。
プレシーズンの負傷によって出遅れた中、前節の途中出場で今季初出場を飾った宮原はこの京都戦で初スタメン。練習試合を含め自身初のフル出場については「試合勘や最後の精度、身体のキレだったりは本当にまだまだ」と厳しい自己評価を下したが、安定した対人守備に後半は積極的な攻撃参加でアクセントを加えるなど、しっかりと存在感は示した。

その右サイドバックは苦戦を強いられた前半の戦いについて言及。インターナショナルマッチウィークの中断期間での準備期間を含め、相手の戦いを分析していたものの、戦前から勝敗のキーポイントに挙がっていた球際の勝負、セカンドボールへの対応の部分で後手を踏んだことで難しい戦いになったと語っている。
「前半はずっと押し込まれた感じだったので、相手のロングボールの使い方に対して、自分たちは対応できていなかった。まず撥ね返せなかったところもありますし、やっぱり簡単にそらされてシュートまで持っていかれるシーンが多かったので、ただ単にそこで負けないことだったり、セカンドボールの対応だったりが、良くなかった」

「今までの相手と比べると、ロングボールをかなり多く使ってくる。前線のターゲットにシンプルに当てて、セカンドを拾ってという感じでした。自分たちはしっかり相手がそういうサッカーをしてくるという準備をしてきたつもりでしたが、そこで簡単にセカンドを拾われ過ぎたところがありました」

一方、攻撃では強度の高いハイプレスを特徴とする京都に対して、ファーストプレッシャーの越え方、ロングボールでハイラインの背後をシンプルに使うプレーの使い分けが同じくキーポイントになると見られていた中、前半はその使い分けが中途半端で自陣でのパスミスやセカンドの拾い合いでの劣勢によって自らの首を絞めるような戦いとなってしまった。

その点について宮原は相手の特徴を踏まえた上で「しっかり相手を見ながらという話はしていたが、それができていなかった」と、チームとして状況に応じたプレー選択ができなかったと、改めて経験値が少ないチームの課題を口にしている。

「相手が嵌めてきたときに、そこで自分たちが引っ掛けてしまってカウンターされるシーンも多かったです。相手はラインが高かったので、そこの背後だったりをシンプルに使っていってもいいと思いますし、自分たちも今日相手がやったようなことを、やっていかなければいけない。足元、足元だけだと食われてしまうので、そこはしっかり相手を見ながらやらなければいけなかったです」

それでも、盛り返した後半はメンバー交代を含め中断期間に取り組んだボールを保持するという部分でチームとしての成長を示した。その手応えを感じながらも、宮原は今後の勝ち点3奪取に向け、より相手がフレッシュな前半の段階から同じようなパフォーマンスを見せる必要があると、チームに対してもう一段階上のレベルに到達することを求めた。

「相手の足が止まってきたこともありますけど、やっぱり入ってきたメンバーが少しテンポを変えてくれるというか、僕の前には(齋藤)功佑が入りましたけど、功佑がしっかりポジションを取りながらやってくれたので、自分も幅を取りながら、非常にやりやすいというか、ニアゾーンを取れたりというのはありました」

「ただ、それをしっかり前半はスペースがないかもしれないですけど、そこをうまくもっと活用できるようにやっていかなければいけないなと思います」

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東京Vが16年ぶりのJ1での戦いへ始動…昨季主力担った宮原、染野、林が決意語る

東京ヴェルディの2024シーズンが始動した。 昨シーズン、城福浩監督の下で明治安田生命J2リーグを3位でフィニッシュし、J1昇格プレーオフを制して16年ぶりのJ1復帰を果たした東京V。 16年ぶりに帰ってきたJ1の舞台で名門復活を印象付ける重要な1年に臨む城福浩体制3年目のチームは、15日にヴェルディグラウンドで新シーズンに向けた初のトレーニングを行った。 初のトレーニングはフィジカルメニューを中心に約2時間行われ、各選手が自身のコンディションを確認しつつ、14名の新戦力を迎え入れたなかでコミュニケーションを取り合う形となった。 2023シーズンのJ2ベストイレブンに輝くなど鉄壁の守備でリーグ最少失点に貢献したDF宮原和也は、J1の他クラブからの関心も取り沙汰されたなかで最終的に新シーズンも緑の名門でのプレーを決断。その決断や、チームと共に覚悟を持って臨む新シーズンへの思いを語った。 「いろいろなことがありましたが、自分のなかでヴェルディで戦うということを決めたので、しっかりとヴェルディのために戦っていきたいです」 「J1に定着することがヴェルディにとって大事。そこは最低限のところだと思うので、そこから順位をしっかりと上げていけるようにしていきたいです」 「(個人としては)しっかりとキャンプで状態を上げていってケガしない身体づくりをして、1年間戦えるようにしたいと思います」 「若い選手が増えたので、良い意味で勢いもあると思いますし、そういうところをしっかりとまとめていくことも(年齢が)上の選手は大事だと思います」 クラブとして久々のトップカテゴリーでの戦いとなるなか、まずはJ1定着が目標となる。サンフレッチェ広島、名古屋グランパスでJ1基準を知る右サイドバックはあくまでこれまでの戦いをベースに個々、チームとしてのレベルアップが重要になると語っている。 「チームとしてのベースは絶対に大事になってくると思います。そこのベースを作っていくことが大事」 「去年やってきたことをベースにやっていくと思いますが、その部分で自分たちがシーズンをうまく戦っていくためにキャンプは大事になると思いますし、個人個人のレベルアップももちろんのこと、チームと個人でしっかりと上げていくことが大事だと思います」 「どことやっても相手は強いと思いますし、去年に比べて間違いなくレベルは上がってくると思うので、その個人の能力やチームとしての強さは変わってくると思いますが、そこは自分たちもリスペクトし過ぎずに自分たちが目指すやりたいことをやれるようにやっていかないといけないです」 また、宮原と共に主力としてJ1昇格に導いたFW染野唯月、DF林尚輝は昨季に続いて期限付き移籍の形での残留が決定。ともに鹿島時代には実現できなかった主力として臨むJ1での戦いに向けて決意を語った。 2シーズン連続の途中加入でチームトップの6ゴールを挙げた上、清水エスパルスとの昇格プレーオフ決勝でチームを昇格に導く重要なPKによるゴールを決めた若きストライカーは、「一番自分を成長させてくれる場所」と語るヴェルディでは新シーズンは2桁ゴールを目標に掲げる。 「一番自分を成長させてくれる場所だと思ったのでヴェルディに決めたという感じです。いろんな状況がありましたが、自分のなかで決めた決断だと思います」 「自分は途中から来てもヴェルディに順応できることを示せたと思うので、あとは得点の部分。そこで2桁以上取れるようにしていきたいと思います。それがシーズン初めから来た理由でもありますし、結果を出したい」 「僕自身チームを勝たせることが大事だと思っていますし、そこに得点という結果を出していければと思います」 「(背番号9へ変更)希望は出していないですが、付けたい気持ちもありましたし、そこをチームも理解してくれた上で選んでくれたと思います」 一方、負傷離脱はありながらもシーズン序盤は守備的MF、以降はセンターバックの主力として堅守構築に貢献した林は、チームと共に今の自分の力がどれだけJ1で通用するかを試したい考えだ。 「鹿島自体も戦力として考えてくれているという話をしてくれましたが、そのなかでいろんなことを話し合った末にこの形に落ち着きました。自分としてこっちでやりたい思いがあって、そこを鹿島の強化部の方にも伝えました。そこからいろんな話を聞きましたが、やっぱりこっちでやりたい気持ちが強かったです。ヴェルディからは去年の夏の段階から来年もという話をいただいていたので、また1年ここでやれることはありがたいです」 「J2で自分たちがなんとかしてJ1に上げることができました。そのなかでこのメンバーでJ1でどのぐらいできるのか、そこは少し楽しみですし、自分自身鹿島からのレンタルでJ2の舞台に来ましたが、1年ここで過ごしてJ1に上がって自分がどれぐらいできるのか、どれぐらい成長できたのかをこのチームで表現したいと強く思いました」 「誰が出るかはどうなるか分かりませんし、自分自身は去年スタートで出ていましたが、自分自身でもっと成長しないといけないとすごく思っていますし、今シーズンはもちろん多くの試合に出場して貢献したいですが、自分自身の成長や立ち居振る舞いの部分では去年とまた違うものを見せていかないといけないなと思っています。その自分の成長に期待しています」 「自分自身、ここに来たときから周りの選手たちのボールをつなぐ技術だったりはすごく高いと思いましたし、そこを自分はもっと成長していかないといけないと感じています。守備の強度とかは自分の強みだと思っていますが、そこは引き続き表現しながらポゼッションやビルドアップの部分はもっと成長させていきたいと思います」 宮原同様にJ1基準を知る数少ない選手でもある2選手は、30代がわずか3名でチーム平均年齢が25歳以下の非常に若いスカッドにおいてよりリーダーシップが求められるところだ。 22歳の染野は「自分の役割は試合で100%を出すことがまずは大事だと考えています。そこは年齢関係なく練習からバチバチとやりながら、本当に年上とか関係なく自分を含めて若い選手のそういう姿勢が大事になると思います」と、昨季終盤戦にも見せた勝負へのこだわりを引き続き示していく考えだ。 今年6月に26歳となる林は「自分が先陣を切ってという形にはならない」としながらも、新チームでは中堅以上の年齢層に身を置くなかでリーダーとしての自覚を感じている。 「今の年齢を見ても自分は真ん中よりも上ですし、年下の選手が多い状況になっています。リーダーシップの部分はすごく求められていると思いますし、それはピッチ内外でだと思います。これまでヴェルディに長い期間在籍してくれた選手たちが去ったこともあって、新しいチームに生まれ変わる感じもあります。そのなかで今までそういうことをしてくれていた人たちの役割をこれから誰が代わりを務めるのか、それはひとつ大事なポイントになります。むちゃくちゃ自分が先陣を切ってという形にはならないと思いますが、そういう人たちを支えられる存在になりたいと考えています」 さらに、2選手は残留を最低限のノルマに厳しい戦いも想定されるJ1の戦いに向けた思いを語った。 染野は現チームの生命線でもあるデュエル、判断面を含めたスピードの部分をキーワードに掲げながら「自分たちらしさ」を貫くことが重要と語る。 「やっぱり戦うところ。一個一個の局面で負けないというシンプルなところが大事。J1ではそこのところのレベルがひとつ上がりますし、サッカー面では判断スピードを含め全体のスピードが上がっていきますし、いろんなところので速さは重要です。J2だと一個タメを作って時間を作ることもできますが、J1ではそれが難しいところも感じてきましたし、そこは試合を重ねながらみんなが理解してそこに追いつければと考えています。自分たちらしさを出して戦っていくだけだと思っていますし、それを結果につなげていければと思います」 同じく林も個々のレベルアップと共にチームとしての強みをより明確にしていくことが、J1の舞台で結果を残す上で重要な要素だと主張した。 「自分たちの強みを明確にしていく必要があると思いますし、今までのヴェルディはボールをつないだり、技術レベルの高さがありましたが、去年はそれにプラスして守備的な要素が加わったことで勝てるチームになったと思っています。それがJ1ではどうなるかは分からない部分もありますが、自分たちがやってきたことを自信を持って表現した方が良いと思いますし、その上でどういった対策を取っていくかが、J1で戦っていくために必要な部分かなと思います」 「(横浜FM、浦和との開幕2試合について)そこはすごく分かりやすい部分でもあると思います。J1のトップに位置するチームと、現状ではもしかしたら一番下かもしれない自分たちがそこで戦うことで得るものはたくさんあると思いますし、自分たちがどれぐらいできるのかを表現できる一番の場所になると思っています」 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/20240116_5_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©超ワールドサッカー<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/20240116_5_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©超ワールドサッカー<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/20240116_5_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©超ワールドサッカー<hr></div> 2024.01.16 19:00 Tue
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【J1注目プレビュー|第16節:神戸vs東京V】共に前節は悔しい敗戦、ルヴァンカップも敗退…公式戦連敗を止めるのは?

【明治安田J1リーグ第16節】 2024年5月26日(日) 14:00キックオフ ヴィッセル神戸(2位/29pt) vs 東京ヴェルディ(12位/18pt) [ノエビアスタジアム神戸] <span class="paragraph-subtitle">◆再び首位へ【ヴィッセル神戸】</span> 前節はアウェイで鹿島アントラーズに悔しい敗戦。結果、首位の座から陥落してしまった。 そしてショッキングな出来事はミッドウィークのルヴァンカップ。J3のカターレ富山相手にPK戦の末に敗戦。メンバーを大幅に入れ替えたこともあったが、チームとしての戦力均衡はまだまだ計れていないことが露呈した。 ただ、安定した守備は見せており、リーグ最少失点タイの11失点。リーグ連覇という目標に向けて戦いを続けるのみだ。 このところの取りこぼしの要因は、決定力の不足。チャンスクリエイトはできているだけに、ゴール前のクオリティを今一度取り戻したい。 ★予想スタメン[4-3-3] GK:前川黛也 DF:酒井高徳、山川哲史、マテウス・トゥーレル、初瀬亮 MF:山口蛍、扇原貴宏、宮代大聖 FW:武藤嘉紀、大迫勇也、佐々木大樹 監督:吉田孝行 <span class="paragraph-subtitle">◆失意の大敗 【東京ヴェルディ】</span> 前節はFC町田ゼルビアとの“東京クラシック”。昨シーズンまで共にJ2で戦った者同士の対戦だったが、相手にJ1で首位を争っている力を見せつけられ、今季ワーストの5-0敗戦となった。 12試合ぶりの黒星を喫した中、ミッドウィークにはYBCルヴァンカップでサンフレッチェ広島にも敗れ連敗。ただ、10人の先発を入れ替えた中で善戦したとはいえるが、新たな戦力が見つかることはなかった。 チームとしてはJ1王者相手に強度でどこまで戦えるのか。このところ露呈している局面での脆さが出れば、一気に押し込まれてしまう。 また、強力な攻撃陣を前に、ルヴァンカップで退場した林尚輝が出場停止という状況。チームとしての力が試される一戦になりそうだ。 ★予想スタメン[4-4-2] GK:マテウス DF:宮原和也、千田海人、山田裕翔、翁長聖 MF:松橋優安、森田晃樹、 綱島悠斗、見木友哉 FW:染野唯月、木村勇大 監督:城福浩 出場停止:林尚輝 2024.05.26 11:40 Sun

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東京Vの森田&見木らがホームタウンの小学校訪問…「少しでもヴェルディに興味を持ってもらえることが、クラブの未来に少しでもつながる」

東京ヴェルディのMF森田晃樹、MF見木友哉が14日、ホームタウンである多摩市内の東寺方小学校を訪問した。 東京Vでは今月14日、21日に主力選手によるホームタウン4市(立川・日野・多摩・稲城)の小学校訪問を実施。また、クラブは2025シーズンより5年間で、同4市全小学校(65校)を訪問予定だという。 その来季からの活動に先駆けて実施された今回の東寺方小学校への訪問にはキャプテンの森田、背番号10を担う見木に加え、クラブOBで現在は東京ヴェルディユースコーチを務める佐伯直哉コーチが、同小学校出身ということで特別参加となった。 同小学校に在籍する6年生約90名を体育館に集めて行われた特別授業では事前に子供たちから集められた質問に選手たちが答えるQ&Aコーナーに、2選手によるリフティングやシュート、子供たちとのパス交換などのデモンストレーションが行われたほか、全員参加の整列ゲームやボール渡し、フラフープくぐり、じゃんけん列車といった体を使ったレクリエーションが行われた。 Q&Aコーナーでは「サッカーを始めたきっかけ」、「プロサッカー選手になりたいと思ったきっかけ」といったオーソドックスな質問が飛ぶと、両選手は兄弟や友人がきっかけだったと返答。また、佐伯コーチは今回参加した子供たちの中にもプレーする地元の東寺方サッカー少年団時代にも触れつつ、より身近に感じられるエピソードも語った。 「サッカー選手になるための努力」、「サッカーが巧くなるコツ」といった質問に対して、森田は「ずっとボールを蹴っていた」、見木は「友人との朝練」を挙げるとともに、“努力”ではなくあくまで自分の好きなことを楽しむことが成長、上達の近道だと子供たちの目線で語りかけた。 また、プロサッカー選手になる上での転機という、より突っ込んだ内容の質問に対しては、6年生相手ということもあり、見木は湘南ベルマーレのジュニアからジュニアユースに上がれなかった際の悔しい思いを、森田は東京Vユースに在籍していた高校3年生の時期にトップチーム関係者から「1年間の試合でたくさん点を決めなければプロになれない」と発破をかけられたエピソードも語った。 森田チーム、見木チームなどに分かれて行ったレクリエーションでは、子供たちの人数の違いの影響などもあったが、より司令塔としての能力を発揮した見木チームが優勢に。ただ、じゃんけんの勝者の後ろに敗者が肩に両手をかけてくっついて歩くじゃんけん列車では、「パーを出していただけ」と語りながらも、連戦連勝の森田が多くの子供たちを後ろに従えるキャプテンの存在感を示した。 最後に、子供たちへのメッセージを頼まれた際、見木は「これから夢に向かって皆さんは頑張っていくと思いますが、サッカー以外でも何か好きを見つけて夢に向かって頑張ってほしいです」、森田は「みんなと少しでも仲良くなれてすごくうれしいです。サッカー選手ではなくても、夢や目標がある人はぜひそれに向かって頑張ってください」とコメント。 一方、佐伯コーチは「今、夢や目標がなくてもそんなに焦る必要はないと思います。ただちょっと気になるな、ちょっと頑張ってみようかな、好きだなと思うものを、何かひとつでも見つけられれば、それは後々にもしかしたら目標とかそういうものにつながっていく可能性もあると思います」と、母校の後輩たちに響く言葉を伝えた。 今回の訪問を終えて森田は「先生はすごいなと思いました」と子供たちの溢れるエネルギーにたじたじとなりながらも、普段からやんちゃなアカデミーの子供たちと接していることもあり、「ヴェルディの子供たちがフランクすぎるというか、それがいいところでもあると思いますが、今日は本当に礼儀正しくていい子たちばかりでした」と子供たちとの交流で力をもらったという。 また、「すごく大事なことだと感じていて、ホームタウンですし、そういった地域の子供たちと触れ合うことで少しでもヴェルディに興味を持ってもらえることが、クラブの未来に少しでもつながる。小さな力ですけど、また大きなことにつながる本当に大事なことだと思っています」、クラブとして今回の活動の意義に言及。 一方で見木は「子供たちがこういう活動を通して、夢を持つことの大事さだったりをわかってもらえたらうれしいですし、夢に向かって行動していくことが大事ということも話させてもらったので、夢を見つけて夢に向かって行動していってほしいなと思っています」と、サッカー選手という夢を叶えた一人として無限大の可能性を持つ子供たちに少しでもいいきっかけを与えられればとの思いを語っている。 「これをきっかけに興味なかった子が1回応援しに行こうかなとか、そういう気持ちになってどんどんヴェルディを好きになってくれたらいい」と見木が語るように、今月の活動を通じて少しでもクラブに興味を持った子供たちが、今月30日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第37節、川崎フロンターレとのホーム最終戦を訪れてくれれば、選手・クラブとしてより励みになるはずだ。 <span class="paragraph-title">【写真】森田と見木が小学校訪問でほっこりする交流</span> <span data-other-div="movie"></span> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw1.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw2.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw3.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw4.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw5.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw6.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw7.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw8.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> 2024.11.14 18:45 Thu
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G大阪が降格圏の磐田に劇的勝利、前半戦苦しんだ13位湘南や14位京都など6クラブのJ1残留が確定!

9日、明治安田J1リーグ第36節の8試合が行われた。 首位のヴィッセル神戸、2位のサンフレッチェ広島は10日に試合が控える中、3位のFC町田ゼルビアは今まで勝ったことがない国立競技場でFC東京との“新東京ダービー”を戦い、3-0で快勝。国立で初めて勝利したとともに、逆転優勝への望みを繋いだ。 熾烈な優勝争いとは真逆の残留争いも今シーズンは白熱。残留ラインの17位・柏レイソルと16位・アルビレックス新潟の直接対決は柏が勝利目前でまたしても失点。新潟はルヴァンカップ決勝同様に粘りを見せ、1-1のドローに終わった。 そんな中、降格圏の18位に位置するジュビロ磐田(勝ち点35)と5位のガンバ大阪(勝ち点60)の対戦は激闘に。試合は23分に磐田が渡邉りょうのゴールデ先制するも27分に半田陸のゴールでG大阪が同点に。前半アディショナルタイム9分には山下諒也がゴールを決めて逆転に成功する。 さらに62分には宇佐美貴史がネットを揺らして追加点。しかし、残留するためには負けられない磐田は87分に上原力也、そして91分に鈴木海音がゴールを奪い、土壇場で同点に追いつく。 残留に向けて貴重な勝ち点1を手にできるかと思われたが、G大阪は93分にパスを繋いで崩すと最後は坂本一彩が落ち着いて決めて勝ち越しに成功。G大阪が粘りを見せて勝利を収めた。 これにより、降格圏の18位・磐田は勝ち点35のまま。消化が1試合少ないものの、3試合で最大勝ち点「9」しか積み上げられないため、「44」までに。これにより、残留が確定していなかった多くのチームの残留が確定した。 磐田の敗戦により、勝ち点47の9位・名古屋グランパス、10位・アビスパ福岡、勝ち点46に伸ばした11位・横浜F・マリノス、勝ち点45の12位・川崎フロンターレ、13位・湘南ベルマーレ、14位・京都サンガF.C.までが残留決定となった。 15位の浦和レッズは10日に広島と対戦し、勝利すれば残留が確定する。 <h3>◆明治安田J1リーグ順位表(11/9時点)</h3> 1位:ヴィッセル神戸|勝ち点67/35試合/20 2位:サンフレッチェ広島|勝ち点65/35試合/30 ーーーーーACLE出場 3位:FC町田ゼルビア|勝ち点63/36試合/19 4位:ガンバ大阪|勝ち点60/36試合/10 5位:鹿島アントラーズ|勝ち点58/35試合/13 6位:東京ヴェルディ|勝ち点54/35試合/1 7位:セレッソ大阪|勝ち点52/36試合/-1 8位:FC東京|勝ち点51/36試合/5 9位:名古屋グランパス|勝ち点47/36試合/-2 10位:アビスパ福岡|勝ち点47/36試合/-4 11位:横浜F・マリノス|勝ち点46/35試合/-2 12位:川崎フロンターレ|勝ち点45/35試合/8 13位:湘南ベルマーレ|勝ち点45/36試合/-3 14位:京都サンガF.C.|勝ち点45/35試合/-12 ーーーーー残留決定 15位:浦和レッズ|勝ち点43/34試合/2 16位:アルビレックス新潟|勝ち点41/36試合/-14 17位:柏レイソル|勝ち点40/36試合/-10 ーーーーー残留ライン 18位:ジュビロ磐田|勝ち点35/35試合/-15 19位:北海道コンサドーレ札幌|勝ち点34/36試合/-20 20位:サガン鳥栖|勝ち点29/36試合/-26 ※降格決定 2024.11.09 17:59 Sat
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シンガポール代表が日本遠征2戦目で勝利…古巣対戦となった小倉勉監督「国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある」

小倉勉監督の率いるシンガポール代表は11日、AGFフィールドで東京ヴェルディとのトレーニングマッチに臨んだ。 2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選で敗退したシンガポールは、今年12月から2025年1月にかけて開催される『ASEAN Mitsubishi Electric Cup 2024』に向けて調整を進める。 今回のインターナショナルマッチウィークでは日本遠征を実施し、FC東京、東京ヴェルディ、横浜F・マリノスと、J1の3クラブとのトレーニングマッチを組んだ。 その初陣となった8日のFC東京戦を0-4で落としたチームは、小倉監督が昨シーズンまでヘッドコーチを務めた古巣の東京Vと対戦した。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京Vに対して守勢を強いられたシンガポールだったが、15分にカウンターからMFハミ・シャヒンのミドルシュートで先制に成功。以降はMFチアゴ・アウベスらに際どいシュートを打たれたものの、リードを維持したまま終えた。 2本目は招待選手として参加している元U-17日本代表MF仲村京雅が途中出場。リーグ戦に近いメンバーを起用したJ1クラブ相手に、1本目以上に押し込まれる展開を強いられたが、時間の経過とともに[5-4-1]の堅固な守備が機能。相手の決定力不足に助けられた部分はあったが、格上相手の代表戦で見せている真骨頂の粘りの守備で無失点を継続。 メンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にFW白井亮丞にゴールを決められたが、守勢の中でも虎視眈々と攻撃のチャンスを窺っていたシンガポールは終了間際の28分に相手ディフェンスラインの不用意なバックパスをかっさらったショートカウンターからMFファリス・ラムリの冷静なコントロールシュートでゴールネットを揺らし、最終的に2-1の勝利を収めた。 盟友である城福浩監督が率いる古巣相手に今遠征初勝利を収めた小倉監督は、試合後の囲み取材で今回の遠征の意義と手応えについて語った。 「成果というか、こういう環境でやらせてもらえているというのは、すごくありがたい経験で、選手だけではなく、スタッフもコーチもバックルームスタッフも、みんなに日本で得られるこういう環境を体験してもらいたかったというのが一番。それに関してはすごく良かったかなと」 「こうやって試合に出ている選手とか、Jリーグの選手とやっていただけることがすごく僕らにとってはありがたいし、そういう機会というのはなかなかない。今回FIFAウインドーで日本に来た甲斐があったというか、本当に感謝ですね」 「こういう環境でお客さんが入っている中でやらせてもらえることは、国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある、それ以上の意味があるかなという感じです。あともう1試合あるので、それをやり遂げて帰ろうかなという感じです」 試合内容に関しては今シーズンのJ1リーグでも屈指の強度を誇る東京Vに対して、フィジカルや切り替えの部分で互角にやれる選手が数名見受けられた一方、多くの選手は正当なコンタクトでも簡単に倒れ込む場面も散見された。 その点については「強度の部分だとかはレベルが全然違うので、今日も何人か倒れてファウルをアピールした選手がシンガポール代表にはいましたが、それを耐えてプレーするとか、レフェリーの基準や、スタンダードのところを上げていきたいというのが一番にあって、そういう意味ではすごく勉強になった」と、アジアにおいてトップレベルと言えるJリーグの基準を肌で感じられた部分をポジティブに捉えた。 基本的にはW杯予選などで格上と対峙する際の戦いを意識した戦いを見せながらも、チャンスがあれば、ゴールキックからのショートパスを用いたビルドアップや、ロングボールだけに頼らずにゲームを構築しようとする様子も窺えた。 その能動的な振る舞いに対しては城福監督も「押されている中でもしっかりとボールを握ろうとする、あるいはラインを作ろうとするところはやっぱり彼らしいなと思います」と語り、「格上とやるというところでの、リスペクトという部分のほど良さというか、それを考えながらも我慢しながら自分たちのものをしっかりと示していくというのは、我々もいい刺激になりました」と小倉監督の下で進化を図るシンガポールの戦い方を評価している。 それでも、現状の自分たちの立ち位置や練度も熟知する指揮官は「自分たちがやりたいことをやるんですけど、それだけでは勝てない。それはお互いに相手があってのことなので、今日であれば下から繋ぐという、それだけを目標にしているわけではない。一番はゴールを取ることなので、ゴールに直結する。人がフリーであれば、そこに出すのが一番なので、目的と手段が逆になってしまうとまずいので、そういうことだけにはしたくない」と、成長のためのチャレンジに取り組みながらもしっかりと自分たちの足元を見て戦っていきたいと自戒の念を込めている。 また、FC東京戦に続いてこの試合でもプレーした仲村に関しては今年初めにシンガポールの永住権を取得したことで、帰化選手として前述のAFFでの起用も期待されている。 4度のシンガポール・プレミアリーグ年間ベストイレブンに輝くなど、同国リーグで最高の選手の一人としての評価を得ている元日本代表MFの現状について小倉監督は、「今は(市民権が)取れそうな状況。一応僕らにとって次の大きな大会であるAFFという大会があって、その大会が12月にある。それに向けての準備で、取れてからすぐ呼んでもなかなか間に合わないので、そのために呼んでいる」と説明。 ただ、「彼もシンガポール人になっただけで、別に彼が日本人で特別なものをもたらすとか、そういうのは全然思っていないので、彼が良ければ使えますし選べます。それはシンガポール人になったというだけで、他の選手と全く変わりなく扱うつもりでいます」と、かつてジェフユナイテッド千葉時代に指導した教え子に対しても、厳しいメンバー争いを勝ち抜く必要があると競争を促している。 日本遠征2戦目を勝利で終えたシンガポールは、14日にF・マリノススポーツパークで横浜FMとの最終戦に臨む。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 19:10 Fri
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「成長を感じられる試合」…東京Vは王者相手のダブル逃すも前回対戦以上の手応えと自信得る

J1連覇を目指す王者との約5カ月ぶりの再戦で引き分けた東京ヴェルディは、勝ち点3を得た前回対戦以上の手応えと自信。そして、さらなる成長に向けた課題を得た。 東京Vは10日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第36節でヴィッセル神戸と対戦し、1-1のドローに持ち込んだ。 リーグ2連勝で6位に再浮上したチームは、中17日と試合間隔が大きく空いたなか、公式戦4連勝で首位に立つ絶好調の神戸をホームで迎え撃った。 過密日程においても「相当な勢いを持ってくる」と指揮官が戦前の段階から警戒した前半の入りではFW木村勇大がキックオフ直後に見事な個人技でボックス内に侵入し、1分経たずに最初の枠内シュートを記録。機先を制して主導権を握りかけたが、直後の7分には「ああいう拙いところを逃さないのが神戸」と、よりベターな対応もできたなかでセットプレーの流れからDF山川哲史に先制点を奪われた。 それでも、開始早々の失点にも動じることなく直後にはセットプレーからDF谷口栄斗が際どいシュートを見せるなどすぐさま反発力を示すと、以降はハイプレスと中央を締める堅固なブロックの使い分けで、メリハリのある戦いを見せたアウェイチームに対して、チームとして“へそ”と重視する中盤の底でMF森田晃樹、MF齋藤功佑の2ボランチを起点にボールを動かしつつ、3バックの両脇の谷口、DF綱島悠斗の状況に応じたボールキャリー、サイドチェンジを交えながら良い形での揺さぶりをみせて主導権を掌握した。 抜群の危機察知能力を見せたMF井手口陽介、献身的なプレスバックで再三の好守でチームを救ったFW武藤嘉紀に加え、要所を締める神戸のディフェンスラインを前に決定機までは持ち込めなかったが、失点場面を除き優勢な内容で前半を終えた。 後半は引き続き主導権を握りながらも、したたかにプレーを切る王者のゲームコントロール、前半機能した2ボランチとMF見木友哉の3枚をケアされたことで攻撃の停滞を余儀なくされたが、あわよくばカウンターから追加点を奪いたい相手の攻撃は封殺。最少得点差を維持して終盤を迎えると、ウイングバックにアタッカー2枚を並べる攻撃的なメンバー変更に、[4-4-2]への布陣変更と勝負手を打ったなか、91分にはFW山見大登のクロスがゴール前でスクランブルを生み出し、相手DFのオウンゴールによって土壇場で追いつく。 完全に逃げ切りに入っていたなかでの痛恨の失点を喫した神戸に対して、残り時間の勢いの差は明白で、ホームサポーターの熱狂的な後押しを含めて逆転まで持っていく可能性も十分にあったが、右CKからのFW染野唯月のヘディングシュートは枠を外れ、ほぼ数的同数だった木村のカウンターも撥ね返されて1-1のドローに終わった。 王者相手のシーズンダブルを逃したが、指揮官・選手も一様に「なんで勝てたかわからない試合だった」と率直な言葉で振り返った約5カ月前の前回対戦から“個々の成長”、“チームとしての成熟”をテーマに掲げて臨んだ一戦において、これまでの積み重ねの正しさを証明した。 試合後の会見で城福浩監督は「勝ち点1というのは、今日の手応えから逆算したら非常に悔しい」と勝ち切れなかった悔しさを滲ませながらも、「もう一度やらせて欲しい、もう一度やれば絶対に勝ち点3が取れる。そういうふうに思える試合ができた」と、その戦いぶりへの満足感を示した。 「アウェイで1-0で勝ったときには、もう一度試合をやったときに『これ勝てるのか』と、選手も正直ですし我々もいくつかの決定機が相手にあって、我々がゴール前にくぎ付けになるようなシーンというのが、正直アウェイのときはいくつかありました。それでも、1-0で勝てたと…」 「今回は勝ち点1で終わりましたけども、もう一度やらせて欲しい、もう一度やれば絶対に勝ち点3が取れる。そういうふうに思える試合ができた。我々の成長を感じられる試合だったと思います」 「もちろん勝ち点1で終わったことは、必ず理由があるんですけれども、内容的には本当に自分たちのやりたいこと、表現したいことをある程度見せられた。守備もビルドアップのところも含めて、我々が表現したいことはやれたのではないかなと思います」 指揮官同様にキャプテンの森田は相手のストロングと警戒していた中でのセットプレーでの失点、堅守を誇る相手に先制点を与えたゲーム運びの部分での課題に言及しつつも、「前回の試合と比べると、かなり自分たちの時間でゲームを進めることができた」、「後半もぶれずにやれたことで、ああいう得点に繋がって、何とか引き分けに持ち込めた」とポジティブな言葉をミックスゾーンで語っている。 「(前回対戦から)自分たちも成長しているなと思います。メンバーはもちろん相手も変わっていますし、こっちも変わっているところはありますけど、今日みたいなゲームを神戸さん相手にできたのは、チームとしても自信になると思っていますし、収穫の多かったゲームかなと思います」 さらに、神戸の下部組織育ちで古巣相手に前線の起点として奮闘を見せた木村も、「ベースの部分で負けないというのを前提としてトレーニングから積んできた中、今日の方がしっかり同じ土俵で戦えた」と、勝利しながらも歴然とした実力の差を見せつけられた前回対戦から、確実に個人・チームとしてその差を埋められた手応えを実感している。 「神戸相手だからこそベースに目を向けて、ここをもっと高めなければ勝負にならない」と指揮官が戦前に重視した部分では、神戸サイドにFW大迫勇也、DF酒井高徳らの欠場、過密日程による消耗というエクスキューズがあったこともあり、この試合では互角以上に渡り合って見せた。 一方で、今季2度の対戦では奪ったゴールはいずれもオウンゴールで、ボール支配率やパス本数、セットプレーの数では相手を凌駕しながらもシュート数は6本で並び、枠内シュート数で下回るなど、アタッキングサードでの精度、判断の質、チャンスクリエイトの部分は明確な課題に。チームとしてより高みを目指す上で来シーズンへの宿題となった。 その点について指揮官が「あれだけボールを持てたのであれば、もっと決定機を作らなければいけないし、シュートを打たなければいけない」と語れば、森田も「どう崩すかという点で正解はないですが、なるべくチャンスを増やせるようにしたい」と、“決定力”という曖昧な言葉に逃げることなく、チームとしてより多くのチャンスクリエイトが必要だと主張。 最後の仕上げを担う攻撃陣も「ラストパスの部分やクロスに入って行く人数のところは改善していかない(山見)」、「自分たちがボールを持てていると思う時間帯こそゴールにもっと近づけるように(木村)」と改善の必要性を改めて訴えた。 今回のドローによって天皇杯の結果次第で4位までチャンスがあるACL出場権獲得は厳しくなったが、“成長”を重要なテーマに掲げてきたチームは首位チームとの対戦を通じてより高い基準を経験し、残り2試合でのさらなる成長を目指す。 MF綱島悠斗は「どこが自分たちにとってストロングなのかをもっと全員で共有し、どういうサッカーをしたらいいのかという部分はもっと高められる。残り2試合ですけど、そこを改善してより怖いチームに、より強いチームになっていければいい」と、新たな決意を示した。 2024.11.11 20:05 Mon
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「魂を見せてくれた」柏に泥臭く勝ち切った東京Vは勝ち点40超え…城福監督「残留はこのクラブで絶対的に与えられた使命」

東京ヴェルディの城福浩監督が、泥臭く勝ち切った柏レイソルとの激闘を振り返った。 東京Vは8月31日、三協フロンテア柏スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第29節の柏戦を3-2で勝利した。 前節、3位の鹿島アントラーズを2-1で下し、4戦ぶりの得点と共に4戦ぶりの白星を挙げた東京Vは、16位の柏とのアウェイゲームで約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を狙った。 今節も[3-4-2-1]の布陣で臨んだ東京Vは、鹿島と共通点も少なくない柏の[4-4-2]に対して、ミスマッチの優位性を意識した戦い方で臨むプランだったが、この試合で柏は可変式の布陣を採用。守備時には右サイドハーフのMF鵜木郁哉を1列下げて5バックを形成し、攻撃時もより流動的な形で揺さぶりをかけた。 その想定外の出方に加え、FW細谷真大、MFマテウス・サヴィオの両エースを起点にクオリティとインテンシティの高さを見せた相手に面食らう形でバタバタした入りを強いられると、8分に細谷に先制点を奪われる。 それでも、失点直後のピッチ上で円陣を組んで改めて意思統一を図り、連続失点を回避すると、15分にFW木村勇大、30分にFW山見大登の連続ゴールによって逆転。ただ、前半終了間際に相手のデザインしたセットプレーからMF戸嶋祥郎に強烈な一撃を浴びて2-2のイーブンで試合を折り返した。 迎えた後半、3枚替えで通常の[4-4-2]の戦い方に変化した相手に押し込まれる入りとなったものの、一瞬の隙を突いて55分のMF翁長聖の技ありシュートで勝ち越しに成功。その後は完全に押し込まれてハーフコートゲームを展開されたが、ディフェンスラインを中心としたハードワークに守護神マテウスの土壇場のビッグセーブによって相手の猛攻を耐え抜き、白熱のシーソーゲームをモノにした。 同試合後、公式会見に出席した城福監督は勝ち点3を得た充実感と共に心身ともに激しい消耗を強いられたであろう一戦を総括。チーム全体の献身を称えながらも、自身のアプローチを含め課題の部分をより強調した。 「ゲームの中で反省すべきは前半の入り方と終わらせ方。ここはいくらロッカールームで徹底しようと言っても、自分が徹底させきれなかったと思います。選手がやれなかったら自分の問題なので、どういうアプローチがよかったのか、どういう表現がよかったのか。そこは自分でもしっかり振り返りたいと思います」 「ただ、点を取られてからも我々のペースを崩さなかったこと。そこで2点取ったことはポジティブ。前半は相手の左サイド。ジエゴとマテウス・サヴィオ、あるいは小屋松の2列目のところで、浮いたところをどう掴むかという部分で苦労し、ちょっと押し込まれました。あそこの整理をもっと早くしてあげればよかったと思っています」 「後半は相手も2トップ気味にやってきたので、掴みづらさはなくなったけれどもゴール前の迫力が増えたので、選手はよく体を張って、球際のところでシュートブロックしてくれたなと思います」 押し込まれ続けてセカンドボールを拾えず、奪ったボールも前線への長いボールを選択せざるを得ない厳しい状況となった後半の戦いに関して、MF齋藤功佑や山見は傑出したパフォーマンスを見せたサヴィオら相手のクオリティの高さを認めると共に、攻め切れた前半にもう少し相手陣内でボールを動かす時間帯を作るべきだったとの反省の言葉も口にしていた。 それに加えて、指揮官は交代策の部分で少なからず誤算があったことを示唆。 本来であれば、優れたキープ力と献身的な守備で流れを好転させられたであろうFW染野唯月はコンディションに問題があったか、全体的に無理が利かない場面が散見された。 その点については「我々もちょっとそれを心配していましたけど、本人に確認したら問題ないと。ただ、彼もリードをしている状況で、失点したくないという状況だったので、かなり守備の方に気を使っていたと思います」と、本来での出来ではなかったものの、その中でもチームのためにプレーし続けたエースを慮った。 その染野以外では負傷明けでのプレーとなったDF林尚輝の比較的早いタイミングでの交代、交代枠を使い切った後で足が攣った翁長を最前線に配置せざるを得ないアクシデントも指揮官のゲームプランをより難しいものとした。 「もちろん相手はリスクを冒して、両サイドバックが非常に高い位置を取ってきましたし、そこを裏返すようなボールであったり、動き出しであったり、キープであったりというところは、ちょっと守備に追われて疲弊して押し返すようなキープ、ボールの持ち方ができなかった」 「最後は特に翁長聖が足を攣った中で、我々のカードの切り方も最初に1枚を切った後に、2枚ずつ切った後でのアクシデントだったので、1枚少ないような状況だったので、余計を押し返すことができなかった」 それでも、「ただみんなはそれを承知の上で彼も足を引きずりながらでしたが、よく耐えたなと思います。何よりもゴール前のところやバイタルエリアのシュートブロックというのは魂を見せてくれた」と、試合終了のホイッスルが鳴ったと同時にピッチに倒れ込んだ選手たちの献身に満足感を示した。 昇格プレーオフを制しての昇格という部分で“20番目のチーム”という位置づけで16年ぶりのJ1の戦いに挑み、開幕前はダントツで降格候補に挙げられながらも、今回の勝利によって残留争いの目安のひとつである勝ち点40の大台を超え、勝ち点41で暫定ながら7位に浮上した。 久々のJ1の舞台でサプライズを起こしたいという力強い宣言と共に、常々J1残留への危機感を強調してきた百戦錬磨の指揮官だが、やはり9試合を残しての現在の立ち位置によって最低限であり、最大の目標到達に近づきつつあると感じている。 「我々のクラブの目標が残留であることは間違いない。それはもう経験値とクラブの規模を考えたら、それは絶対唯一無二の目標であることは間違いない。ただ、それを最終節まで持ち込むのか、あとは何試合かを残して、我々らしく我々のサッカーを示すという状況で、終盤を迎えるのかというところでは、選手の経験値としても大きな差がある」 「とにかく一試合一試合を勝ち点3にこだわって、どのステージで最後J1の中で競い合うというところは高い意識を持っていますけど、それにしても後ろを気にしているわけではないですけども、残留というのはこのクラブで絶対的に与えられた使命だと思いますし、まずはそこに到達したいなという思いです」 2024.09.01 07:35 Sun

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