W杯初の悲劇を味わった、世界を魅了した“ファンタジスタ”ロベルト・バッジョ

2022.12.15 20:00 Thu
1994年のアメリカW杯決勝でPKを失敗したバッジョ
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1994年のアメリカW杯決勝でPKを失敗したバッジョ
カタール・ワールドカップ(W杯)もいよいよ3位決定戦と決勝のみとなり、どちらが優勝するのかを世界中の人々が注目している。今回が22回目の開催となったW杯は、初の冬開催、初の中東開催となり、これまで夏に行われてきた大会とはまた違った様相を呈している。
4年後の2026年に行われる、アメリカ・カナダ・メキシコの共催W杯では、出場国が32カ国から48カ国に増えることとなり、また違った形での楽しみが増えることになるだろう。

思えば、アメリカW杯が開催されたのは1994年。そこから32年が経過して再び開催される北米でのW杯だが、そこに日本代表が辿り着けなかったのが“ドーハの悲劇”と呼ばれる予選での出来事だった。

この大会では、予選でも各地で波乱が起こり、ヨーロッパではイングランド代表とフランス代表が敗退。南米ではアルゼンチンが大陸間プレーオフに回る事態となるなどした。
そんな中で迎えた本大会だが、初出場のナイジェリア代表、サウジアラビア代表が決勝トーナメントに進出したかと思えば、アルゼンチンはディエゴ・マラドーナがドーピング検査で陽性となり追放となるなど、本大会でも波乱続き。それでも決勝は、ブラジル代表vsイタリア代表という強豪が顔を合わせた。

◆W杯初のPK戦決勝で起きた悲劇

この大会、最も印象的なシーンとも言って良いのが、決勝戦。“ファンタジスタ”として多くのサッカーファンを魅了した、イタリア代表FWロベルト・バッジョの姿ではないだろうか。

ポニーテールをなびかせ、魅力あふれるテクニカルなプレーで世界を沸かせていたバッジョ。準決勝までに5ゴールを記録し、チームを牽引していた。

共に過去3度のW杯優勝経験がある強豪国同士の4度目を懸けた一戦は、炎天下の中ゴールレスで120分間が終了。W杯決勝では史上初となるPK戦に突入した。

イタリアは1人目のフランコ・バレージが失敗。そして、4人目のFWダニエレ・マッサーロも失敗する。ブラジルは順当に決めていく中、イタリアGKジャンルカ・パリュウカが1つセーブ。イタリア5人目のキッカーにバッジョが登場し、決めてブラジルにプレッシャーをかけたかったが、シュートはバーの遥か上に飛んで行き試合終了となった。

バッジョがうつむき立ち尽くす姿は、誰もが見たことがあるワンシーンではなかろうか。PK戦での敗退という残酷な結末が決勝で待っていたのは、この大会が初めてだった。

◆イタリアでのキャリアを全うした“ファンタジスタ”

バッジョは決してエリートではなく、セリエC1のヴィチェンツァでプロデビュー。しかし、そこで活躍を見せると1985年にセリエAのフィオレンティーナへと完全移籍する。

しかし、契約からわずか2日後に右ヒザ十字じん帯を断裂。リーグ戦に出場できないと、翌年もケガでほぼ稼働できず。それでもケガが癒えると、持ち味である得点力が花開き、1990年には当時の史上最高額の移籍金でユベントスに加入。この移籍にはファンが怒り、暴動が起きるほどの人気ぶりだった。

ユベントスではさらに得点力が磨かれ、チームのタイトル獲得にも貢献。1994年にはバロンドールを受賞した。

しかし、1994-95シーズンは再び負傷に悩まされると、チームからの移籍を決断。レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッドが手を挙げる中、ミランへと完全移籍。その後は、ボローニャ、インテル、ブレシアと、イタリアでキャリアの全てを捧げることとなった。

キャリアの終盤でもケガに悩まされ、2002年の日韓W杯前にも左ヒザ十字じん帯を負傷。半年の離脱となり、W杯絶望と見られた中、まさかの2カ月で復帰。その後はリーグ戦でゴールも決めていたが、W杯メンバーには選ばれず。2004年に現役を引退した。

◆予測不能なプレーの連続

ロベルト・バッジョは“ファンタジスタ”と呼ばれる通り、テクニックに優れ、誰も予想が付かないプレーを試合中に見せることが特徴。ゴールを決めることはもちろん、決定的なパスを出すこと、そしてアイデア溢れる選択で観客だけでなく、相手選手も驚かせるところがその由来だ。

ゴール、アシストとサッカーの醍醐味であるプレーを司る姿は、イタリアだけに留まらず、世界中のファンが見惚れるほど。ちなみに幼少期の憧れはブラジル代表として活躍したジーコという逸話もある。

また、日本代表でもかつて活躍し、セリエAでもプレー経験があるFW三浦知良は同じ年齢。誕生日も8日しか違わず、交流を持っていることでも知られる。

現代サッカーにおいては希少な存在となった“ファンタジスタ”。多くの人が憧れたバッジョのような選手がこの先に現れるのか。新たな“ファンタジスタ”の誕生を多くの人が望んでいる。

イタリア代表で活躍し、セリエAでキャリアを全うした“ファンタジスタ”ロベルト・バッジョが大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場!

現役時代に魅せたプレーが『サカつくRTW』でも再現。是非一度チェックしてみよう。


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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/CyP14tgNCI4/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">Adriana Fossa Blanco(@adriana_fossa_blanco)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2024.03.22 10:05 Fri

レテギのドッピエッタでイタリアがベネズエラに勝利【国際親善試合】

国際親善試合のベネズエラ代表vsイタリア代表が21日に行われ、イタリアが1-2で勝利した。 ユーロ2024での大会連覇に向け、最終調整に入るイタリアは、アメリカの地でベネズエラと対戦した。スパレッティ監督はこの一戦で[3-4-2-1]の布陣を採用。GKにドンナルンマを起用し、ディロレンツォ、ボンジョルノ、スカルヴィーニの3バック。左右のウイングバックにカンビアーゾ、ウドジェ、2セントラルMFにロカテッリとボナヴェントゥーラ。前線はレテギの下にキエーザ、フラッテージを配した。 試合は開始直後にイタリアにいきなりのピンチ。ディフェンスラインの連携ミスからボンジョルノがボックス内でロンドンを倒してPKを献上した。だが、ロンドンの右を狙ったPKはGKドンナルンマが見事な反応で阻止。さらに、こぼれに詰めたサバリーノのシュートも枠を外れて事なきを得た。 守護神の好守で早々の失点を回避したイタリアは、ウドジェとキエーザの左サイドを起点に徐々に相手陣内でのプレーを増やしていく。中盤の底に入るロカテッリ、最前線のレテギを除き中盤と前線の選手が盛んにポジションを入れ替えながら攻撃に絡んでいくが、決定機まであと一歩という場面が目立つ。 なかなか攻め切れない状況が続いたイタリアだったが、相手のミスからゴールをこじ開ける。40分、相手GKの縦パスを高い位置で引っかけると、カンビアーゾのラストパスをボックス中央で受けたレテギが腰の捻りを利かせた右足シュートをゴール左下隅に突き刺した。 苦戦しながらも先制に成功したアッズーリ。しかし、わずか3分後にミスからそのリードをフイにする。43分、ビルドアップの流れでGKドンナルンマからDFを背負ってボールを受けたボナヴェントゥーラのバックパスをマチスにボックス左でカットされると、無人のゴールへ蹴り込まれた。 互いにミス絡みの失点によって1-1のイーブンで折り返した試合。イタリアはボナヴェントゥーラを下げてハーフタイム明けにバレッラを投入。後半もボールの主導権を握るが、前半同様に遅攻の局面ではなかなか効果的な繋ぎと攻めを仕掛けられない。 逆に、63分にはボンジョルノのロングボール処理のミスからカディスに完璧に背後を取られるが、ここはGKドンナルンマのファインセーブとスカルヴィーニの身体を張ったブロックによって凌いだ。 65分にはロカテッリ、キエーザ、フラッテージを下げてジョルジーニョ、ザッカーニ、ペッレグリーニを投入。さらに、74分にはカンビアーゾを下げてザニオーロを送り込み、よりテクニカルな中盤と前線の選手に攻撃の活性化を託した。 76分にはそのザニオーロのエリア外からの強烈なミドルシュートで久々に決定機を作り出すと、再び生粋のストライカーが魅せる。80分、左サイドでの繋ぎからザッカーニのクロスのこぼれ球をボックス手前で回収したジョルジーニョが縦への運びからボックス中央のレテギの足元に繋ぐと、アルゼンチン出身のFWが右足の鋭いシュートを突き刺し、ドッピエッタを達成した。 その後、3点目を奪うまでには至らずも、きっちりリードを守り切ったイタリアが1-2で勝利。内容面では課題を残しながらも白星を収めた。 2024.03.22 07:58 Fri
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