ジーコ氏が古巣フラメンゴに怒り…“契約満了をSNSで知った”後輩ダビド・ルイスに寄り添う「私ならそんなことはしない」「彼の幸せを願う」

2024.12.29 21:52 Sun
ジーコ氏が古巣フラメンゴに怒り
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ジーコ氏が古巣フラメンゴに怒り
ジーコ氏が古巣フラメンゴへの怒りを口にした。ブラジル『グローボ』が伝える。

問答無用の神様、元ブラジル代表MF・元日本代表監督のジーコ氏。

90年代前半に来日して住友金属/鹿島アントラーズへ加入する以前は、大半の時期をブラジル1部・フラメンゴに所属しており、今なおクラブ史上No.1のスター選手として崇められる。
そんなジーコ氏がフラメンゴに怒る原因とは。

フラメンゴは23日、元ブラジル代表DFダビド・ルイス(37)の契約満了を発表したのだが、これについて本人が「契約更新で口頭合意していた」「満了をSNSで知った」という旨を激白。
「正直に言うね。僕は取締役会と『残留』で口頭合意していた。全ては2024年の公式戦全てが終わってから本格的な話をするとね。敬意は消えないが、少しばかりイライラしているのは、これをインスタグラムで知ったという点だ」

「意図的なやり方か、単にアマチュアだったかのどちらかだ」

どうやらフラメンゴに新たなフットボールディレクター(FD)が着任したことで去就急転。D・ルイスの最終的な扱いは、ホセ・ボト新FDとフィリペ・ルイス監督の協議で決定したとされる。

28日、自身主催のオールスターゲームでD・ルイスを招待、共にピッチに立ったジーコ氏は、本件について「あり得ない」と語る。

「私ならそんなことはしない。最初に伝えるのは選手本人でなければならない。(契約満了は)目と目を合わせて真摯に話さねばならない内容だ。それが信頼であり、友情だ。彼(D・ルイス)がどこへ行っても幸せであることを私は願う」

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藤尾のPK水かけで思い出したジーコの唾吐き事件/六川亨の日本サッカーの歩み

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ジャンルカ・ヴィアッリの訃報に接して/六川亨の日本サッカー見聞録

「訃報は続く」と言われるが、昨年末のペレに続いて1月8日には元ブラジル代表のストライカー、ロベルト・ディナミッチが腸癌のためリオデジャネイロの病院で死去した。68歳での他界は、やはり早いと言っていいだろう。 彼の名を初めて知ったのは78年アルゼンチンW杯だった。登録名(本名)はロベルト・ジ・オリヴェイラだったが、「ダイナマイトのような強烈なシュートを放つ」ことからジャーナリストがつけたニックネームがロベルト・“ディナミッチ(英語でダイナマイト)”だった。 ただ、78年アルゼンチン大会はCFにレイナウドがいて、ジーコもFW起用されるなど出場機会は限られ、スタメンに定着したのは2次リーグに入ってからだった(ブラジルは無敗だったが3位に終わる)。 そして4年後の82年スペインW杯もエースのカレッカ(元柏レイソル)の負傷により代表に招集されたものの、長身FWセルジーニョの控えに甘んじて、W杯ではニックネーム通りの活躍はできなかった。 そんな彼の訃報より衝撃的だったのが、1月6日に膵癌で死去した元イタリア代表FWのジャンルカ・ヴィアッリだ。まだ58歳という若さだった。 彼のプレーを初めて見たのは86年メキシコW杯の開幕戦、イタリア対ブルガリ戦の後半22分過ぎだった。ブルーノ・コンティに代わって出場したが、ポジションはCFではなく4-3-3の右ウイングだった。 まだ21歳と若く、荒削りな選手という印象を受けた。テクニックがあるわけではなく、どちらかというと屈強なフィジカルを生かし、相手をブロックしながら強引なドリブルでボールを運んでいた。 「イタリア人にしては下手な選手だな」というのが彼のプレーを見た最初の印象で、それは撮影していたカメラマンら同業者も同じ印象だった。そして誰が言うともなく、フリーライターの富樫洋一さん(2006年2月にアフリカ選手権を取材中にカイロで死去。54歳)の強引なプレーと「似ている」と意見が一致。 それを本人に伝えると褒められたと思ったのか、セリエA好きとも相まって後年は自ら『ジャンルカ・トト・富樫』と名乗るようになった。 前回覇者のイタリアは、グループリーグこそアルゼンチンに次いで2位で突破したものの、ノックアウトステージ1回戦でミシェル・プラティニ率いるフランスに0-2で敗れて姿を消した。そしてヴィアッリもこれといった印象を残すことなくメキシコを後にした。 しかしサンプドリアでは、FWロベルト・マンチーニやMFトニーニョ・セレーゾ(元鹿島監督)、DFペーター・ブリーゲルら実力者を揃え、ジェノバのプロビンチャを2シーズン連続して(87―88、88―89)コッパ・イタリア優勝に導いた。 さらに89-90シーズンはUEFAカップ・ウィナーズ・カップで優勝すると、90-91シーズンには初のスクデットを獲得すると同時に得点王にも輝いた。 ところが自国開催の90年イタリアW杯ではサルバトーレ(トト)・スキラッチやロベルト・バッジョらの台頭により活躍の場も少なく、その真価を発揮することはできなかった。 その後はユベントスやチェルシーといった名門クラブに移籍してチームにタイトルをもたらし、チェルシーではプレイングマネジャーとしても活躍。2020年には長年の友人であるマンチーニ代表監督のコーディネーターを務めてEUROの優勝に貢献。1968年の第3回大会の優勝以来、実に52年ぶりとなる欧州制覇だった。 しかし2018年に癌で闘病生活を送っていることを告白。19年には治療のため代表チームのコーディネーターからも外れて治療に専念したものの、残念ながら帰らぬ人となってしまった。 現役時代、全盛時を知っている選手の訃報に接すると心が痛むが、これも時の流れなのだろう。改めて2人の選手が安らかな眠りにつかれるようお祈りしたい。 2023.01.13 16:30 Fri

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ダビド・ルイス37歳がフリーエージェントに…12月31日付けのフラメンゴ退団が決定的

元ブラジル代表DFダビド・ルイス(37)がフリーエージェントとなる見通しだ。 かつてチェルシーやPSG、アーセナル等で活躍し、ブラジル代表でも中枢を担ったダビド・ルイス。センターバックながらも攻撃性能に長け、FKの名手としても知られる人気者である。 2021年9月には母国復帰でフラメンゴへ。チェルシーで欧州制覇を経験したなか、ここでも南米制覇を成し遂げているが、加入時点でフル稼働が難しくなっており、基本的にはケガがなくとも「出る」「休む」を繰り返す状況だ。 そして、12月31日までとなっている契約は延長されない見通しに。ブラジル『グローボ』によると、クラブの取締役会決議で正式に決定しているといい、来年4月で38歳となるダビド・ルイスはフリーの身となることが確実だという。 すでにヴァスコ・ダ・ガマが契約オファーを準備しているといい、他にも関心を寄せるクラブが多数あるとみられている。 <span class="paragraph-title">【動画】ダビド・ルイス、“IQ10000000”の直接FK弾</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">10000000 IQ play from David Luiz <a href="https://t.co/3fKi4WjT6o">pic.twitter.com/3fKi4WjT6o</a></p>&mdash; Flamengo (@Flamengo_en) <a href="https://twitter.com/Flamengo_en/status/1854348930575643046?ref_src=twsrc%5Etfw">November 7, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.12.23 12:40 Mon

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