J3の長野が3選手との契約満了を発表

2021.11.24 19:07 Wed
©︎J.LEAGUE
AC長野パルセイロは24日、DF大桃海斗(24)、GK寺沢優太(28)、MF上米良柊人(25)が契約満了により退団することを発表した。

大桃は帝京長岡高校から早稲田大学を経て、2020年に長野に入団。2シーズンで明治安田生命J3リーグで5試合の出場に終わっていた。

寺沢は都市大塩尻高校から関東学院大学を経て、2016年にドイツ6部のヒラル・ベルクハイムへと入団。5部リーグ昇格などを経験すると、2019年に奈良クラブへと完全移籍。2020年には沖縄SVへと移籍すると、2021年から長野に所属した。なお、Jリーグでの出場機会はなかった。
上米良は湘南工科大学附属高校から新潟医療福祉大学を経て2019年にSC相模原へと入団。2020年に長野へと加入した。

長野ではJ3通算19試合に出場し3得点。今シーズンは11試合で2得点を記録していた。
3選手はクラブを通じてコメントしている。

◆DF大桃海斗
「この場を借りて皆様に報告させて頂きます。J2に昇格する為に、少しでもチームの勝利に貢献したかったですが、自分の力不足で思うような結果を出す事ができずに今シーズンでチームを去ることになりました」

「契約満了というとネガティブな印象があると思いますが、まだ今シーズン残り2試合ありますし自分自身は前向きに過ごしたいと思っています。そして、チームがどんな状況でも常に前を向いて応援してくれるファン・サポーターの皆様に感謝を表現するには、今シーズン残り2試合を勝利で締め括る事だと思います。その為に自分ができることを精一杯やり続けたいと思います」

「コロナ禍でのシーズンだった為、ファン・サポーターの皆様と交流する事ができませんでしたが、常に支えていただき感謝しています。2年間、本当にありがとうございました」

◆GK寺沢優太
「契約満了に伴い今シーズンで長野を離れる事となりました。まず初めにAC長野パルセイロに関わる全ての皆様、ホームタウンの皆様、スポンサー企業様、ファン・サポーターの皆様にこの場を借りて感謝を申し上げます。1年間ありがとうございました」

「2021年1月25日、新入団会見でユニフォームに袖を通した時に感じました。『いよいよプロの"結果"の世界に足を踏み入れた』と。トップチーム、レディースチーム共に長野県出身者が活躍する中、ピッチの上から見ることしかできない自分の虚しさ、苦しさ、悔しさで食事が喉を通らなかったり寝つけない日さえありました。ただそういう時に物凄くワクワクする自分がいたんです。来る日も来る日もピッチ内外で誰よりもトレーニングして誰よりもサッカーの事を考えサッカーに向き合いましたが未だ出場は"0"。契約満了。チャンスをもらい結果を出せなければプロとして評価はされないし、必要ともされません。この結果は全て自分のプロとしての力不足で僕自身納得のいく当たり前の結果です」

「ただ、"成功"はできませんでしたが生まれ育ったこの長野で27歳という遅いプロキャリアのスタートでしたが新たな景色を見ることができ"成長"は確実にできた自信があります。そして何より多くの方々に出会い、ホームタウン活動を通し地域の方々、ファン・サポーターの皆様とコミュニケーションをとってクラブと歩み続けた一年は僕にとって幸せでかけがえのない財産です」

「最後になりますが、これからパルセイロのエンブレムを背負い戦う選手達にはこの環境が当たり前ではないと伝えたいです。グランドに行けばメニューが用意され、ケアしてもらいたければトレーナーチームがいる。週末になれば最高のスタジアムで最高のファン・サポーターがいる。そこには"多くの人の努力や支え"があります。そういった方々の思い、そしてやりたくてもやれない人の想いを背負い長野の為に戦ってもらいたいです」

「この1年間の苦しさ、悔しさ。一生忘れません。もう一度足元を見つめ直し、出直してきます。何度でも這い上がります。寺沢優太に関わってくれた全ての皆様。ありがとうございました」

◆MF上米良柊人
「今シーズンを持ちましてAC長野パルセイロを離れる事になりました。1年半という短い期間でしたが、パルセイロで色々な経験や成長をさせてもらいました。正直個人的には悔しい気持ちのほうが多いですが、それでもどんな時でも応援してくれたファン・サポーターの皆さん、スポンサー様、パルセイロに関わる全ての方々に感謝しています。本当にありがとうございました。また、恵まれた環境の中で素晴らしい選手、スタッフとともに過ごすことができてとてもよかったです」

「まだ今後どうなるかはわかりませんが、パルセイロで経験できたことを次のステージで活かし、頑張りたいと思います」

「残りの試合も1つでも多く勝てるように自分らしく全力でプレーしたいと思います」

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鳥取が息を吹き返す3発快勝、松本は山本康裕の爽快ゴラッソでアルウィン歓喜! 琉球も平川監督に初白星【明治安田J3第6節】

23日、明治安田J3リーグ第6節の全10試合が各地で行われた。今シーズンここまで未勝利だった鳥取、松本、琉球という3クラブが揃って待望の初白星を掴んでいる。 ◆ガイナーレ鳥取 3-0 FC岐阜 【鳥取】 二階堂正哉(後19) 清水祐輔(後24) 普光院誠(後42) 鳥取がとうとう今季初白星。ホームに岐阜を迎えたなかで64分、ショートコーナーから二階堂がヘディング弾を叩き込んで先制点に。さらに69分、相手のクリアミスから吉田伊吹がシュート…こぼれに清水が詰めて追加点とした。 最後は87分、オープンな展開から半田航也が柔らかく良質なクロスを入れ、ゴール前の普光院がフリーでヘディングシュートを突き刺して締めくくり。3発快勝で息を吹き返した鳥取だ。なお、敗れた岐阜は最下位に後退した。 ◆松本山雅FC 2-0 SC相模原 【松本】 浅川隼人(前20) 山本康裕(後10) 松本も今季初白星。20分に浅川のヘディング弾で先制すると、55分にはベテラン山本がボックス外から目の覚めるような弾丸ミドルを突き刺して追加点に。アルウィンが湧きかえる。 相模原は69分、古巣対戦の高井和馬が横パスにフリーで右足を振るも、大きく枠外へ飛ばして決定機逸。前節・長野戦(H)の中止により今節がアルウィン初戦となった松本がキッチリ2-0で勝ち、待ちに待った今季初白星としている。 ◆FC琉球 2-1 栃木SC 【琉球】 富所悠(前31) 岩本翔(後43) 【栃木SC】 福森健太(後15) 平川忠亮新体制で開幕5試合未勝利、4連敗中の琉球は、まずホームでの今季初得点。31分、背番号「10」富所がペナルティアーク内からシャープな右足シュートを突き刺し先制点とする。 60分に同点とされるも迎えた88分、荒木遼太のアーリークロスは精度を欠くも、栃木SC側の対応が中途半端に。ボックス手前でルーズボールに反応した岩本が豪快に左足を振り抜き、ゴール右隅に突き刺す値千金の決勝点とした。 ◆ヴァンラーレ八戸 3-2 高知ユナイテッドSC 【八戸】 脇坂崚平(後19) 高尾流星(後44) 蓑田広大(後45+1) 【高知】 工藤真人(前25) 小林心(後14) 八戸はPK戦まで戦ったルヴァン杯・新潟戦から中2日の高知戦で劇的勝利。25分、59分の失点で2点ビハインドも、まず69分に相手のクリアミスから脇坂が加入後初弾を決めて1点差に。 80分頃から高知が逃げ切り体制を敷いたなか、89分に左CKから途中出場の高尾が同点ヘディング弾。立て続けに90+1分、再び左CKから今度は蓑田が頭で押し込んで逆転に成功した。 ◆FC大阪 1-0 ツエーゲン金沢 【FC大阪】 木匠貴大(後44) 前節黒星も首位キープのFC大阪。今節はホームに金沢を迎えて89分、ボックス外から木匠が渾身の右足シュートをねじ込んで先制点に。終盤の1点を決勝点とし、勝ち点3を積み上げた。これにより、FC大阪は今節も首位をキープした。 ◆カマタマーレ讃岐 0-1 栃木シティ 【栃木C】 平岡将豪(後14) J3リーグ新規参入の栃木Cが3連勝。アウェイで讃岐と初対戦したなか、0-0で迎えた59分に敵陣深くでの即時奪回から田中パウロ淳一が柔らかいクロスをゴール前へ入れる。 これに飛び込んでヘディング弾を突き刺したのは平岡。敵地でのウノゼロ勝利となり、首位FC大阪と同勝ち点の2位をキープした。 ◆第6節 ガイナーレ鳥取 3-0 FC岐阜 松本山雅FC 2-0 SC相模原 FC琉球 2-1 栃木SC ヴァンラーレ八戸 3-2 高知ユナイテッドSC FC大阪 1-0 ツエーゲン金沢 カマタマーレ讃岐 0-1 栃木シティ AC長野パルセイロ 2-0 福島ユナイテッドFC アスルクラロ沼津 0-1 テゲバジャーロ宮崎 奈良クラブ 3-1 ザスパ群馬 鹿児島ユナイテッドFC 1-0 ギラヴァンツ北九州 2025.03.23 16:23 Sun
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栃木SCが矢野貴章の決勝点で首位FC大阪破る! J初挑戦の栃木Cは宮崎から逃げ切り2位浮上【明治安田J3第5節】

16日、明治安田J3リーグ第5節の4試合が各地で行われた。 開幕から無敗、3連勝で首位に立つFC大阪は、開幕戦以来勝利がない降格組の栃木SCと敵地で対戦。15分、栃木SCが決定機を迎えるが、菅原龍之助のシュートはGK山本透衣の正面。その後もチャンスを作るがゴールは割れずに折り返す。 試合が動いたのは70分。栃木SCがFKを得ると、福森健太のクロスに途中出場の矢野貴章。ヘディングで合わせて先制ゴールを奪うと、その1点を守りきって試合終了。栃木SCが今シーズン2勝目を挙げ、FC大阪は初黒星となった。 昇格組の栃木シティは、勝ち点7で並ぶテゲバジャーロ宮崎をホームに迎えた。栃木Cは20分、土佐陸翼が右からの折り返しを流し込んで先制。31分に田中パウロ淳一、42分に平岡将豪が追加点を奪い、前半のうちに3点のリードを得る。 しかし、後半は宮崎が詰め寄る。77分、右クロスに橋本啓吾が飛び込むと、オウンゴールを誘発。後半アディショナルタイムには、橋本のシュートのこぼれ球から途中出場の松本ケンチザンガが押し込む。1点差まで詰め寄ったが、追いつくことはできず試合終了。逃げ切った栃木Cが首位・FC大阪と勝ち点10で並んだ。 その他、降格組のザスパ群馬は未勝利のガイナーレ鳥取を2-0で下し、今シーズン2勝目。ともに2勝目を争ったFC岐阜vsツエーゲン金沢は、岐阜が北龍磨の直接FKで先制するが、金沢が終盤の2得点で逆転勝利を収めている。 なお、松本山雅FCvsAC長野パルセイロ、福島ユナイテッドFCvsアスルクラロ沼津は積雪の影響により中止に。代替日は決定次第発表される。 ◆明治安田J3リーグ第5節 ▽3月16日(日) 栃木SC 1-0 FC大阪 栃木シティ 3-2 テゲバジャーロ宮崎 ザスパ群馬 2-0 ガイナーレ鳥取 FC岐阜 1-2 ツエーゲン金沢 福島ユナイテッドFC 中止 アスルクラロ沼津 松本山雅FC 中止 AC長野パルセイロ ▽3月15日(土) 高知ユナイテッドSC 2-2 鹿児島ユナイテッドFC カマタマーレ讃岐 1-0 FC琉球 ギラヴァンツ北九州 1-0 ヴァンラーレ八戸 SC相模原 1-1 奈良クラブ 2025.03.16 21:00 Sun

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