東京五輪を一時は諦めた清水DF原輝綺、ケガで変わったマインド「ある意味力が抜けた」

2021.03.23 22:40 Tue
©超ワールドサッカー
U-24日本代表は23日、国際親善試合のU-24アルゼンチン代表戦に向けた合宿2日目を迎えた。

東京オリンピック世代として、本大会前に集まれる数少ない機会となったが、3月は南米予選で1位通過を果たしたアルゼンチンと対戦する。

合宿2日目、清水エスパルスのDF原輝綺がオンライン取材に応対。メディアの質問に応じた。
原は2019年11月のコロンビア代表戦以来となる東京オリンピック世代の代表活動となる。その原は「骨折してから長く時間が経っていたので、自分のコンディションを戻すことを第一にやっていました」とコメント。「(2020年)12月は呼ばれていなくて、オリンピック前にチャンスをもらえてよかったと思います」と語り、昨年末のトレーニングキャンプに呼ばれなかったものの、このタイミングで招集されたことに安堵していた。

その原は鳥栖時代には右サイドバックを務め、昨シーズンはセンターバックをシーズン通して行ってきた。さらに、今シーズンから移籍した清水では複数のポジションで起用されるユーティリティ性を持ち合わせている。
原は「ポジションによって役割は変わってくると思いますし、その中でも人と人を繋げるというのは、そこにフォーカスをして自分はやりたいと思っています」とコメント。「これといったポジションが定まっていない難しさはありますが、どこで出ても人と人をつなげながら、攻守で上手くやれたらいいなと思っています」と語り、ポジションに関係なく、選手同士を繋げる役割をしたいと語った。

本来であれば2020年に行われていた東京オリンピック。しかし、原は2019年11月の名古屋グランパス戦で腓骨骨折とじん帯断裂の重傷を負っていた。

当時の心境を改めて振り返り「骨折して、その日のうちに病院に行って、ギプスで固定してもらって新幹線で帰って、次の日から入院となった中で、全治はまず一番最初に先生に確かめてもらいました。最低3カ月ぐらいかかるよと言われて、ギリギリ間に合うかどうかという中でした」とコメント。「焦りながらリハビリして、そこから3カ月伸びてしまったので、ケガした時は焦りしかなかったです」と語り、かなり焦ったことを明かした。

しかし、その骨折からのリハビリを焦るあまり他の箇所を負傷。その結果、3カ月治療にかかることになり、五輪が絶望となっていた。

「また別の場所が痛くなって、間に合わないってなってからは、自分のコンディションを取り戻そうと切り替えていました。焦りと諦めが頭の中をぐるぐるしていた時期でした」

その原だが、東京オリンピックに間に合わないとなってからは考え方が変わったとのこと。その結果が、今にも繋がり、状況が好転したと明かした。

「間に合わないとわかってからはしょうがないというのと、僕が休んでいるときにも他の選手たちはしっかりトレーニングを積んで実力を伸ばしているのを感じてわかっていたので、ここで無理に抗って余計なケガをするのは嫌だったので、そこからリラックスしました」

「(ケガの)違和感はないですが、余計な力を入れず、ケガして五輪も本当は去年予定されていた中で、自分自身、骨折とは別にリハビリ中に他の怪我をして復帰が2、3カ月延びたので、五輪は間に合わないと思ってリハビリしていました」

「ある意味そこで力が抜けたというか、回復も早く、変に焦っていた部分もあったので、五輪の延期が決まった後もそういったスタイルを崩さずに1年ぐらいやってきました」

「それがよかったと思いますし、リラックスしているからこそケガもせず、パフォーマンスを大きく崩さずにやれていると思います」

ケガの功名とは言ったもの。喜ばしいことではないが、新型コロナウイルスの影響で東京オリンピックも延期され、原はコンディションを戻し、こうして今回改めて招集を受けた。

五輪の延期については「個人としては、五輪のことだけを考えればチャンスが回ってきて、良かったと言う言い方は世の中を見ればできませんが、五輪だけを見ればまだチャンスあるなと感じました」とコメント。自身にチャンスが残ったことは素直に嬉しいと語った。

そのオリンピックについては「五輪の会場が東京と決まってから目標にしてきた場所ではあります」とコメント。「ただ、そこを目標にしすぎてチームの活動がおろそかにしてしまうのも違うと思うので、まずはチームでっかかを残すこと、試合にコンスタントに絡んでいくこと」とまずは、所属チームでの活躍が重要だと語った。

また「チームがしっかり上位に行けば見てもらえると思うので、まずは今回しっかりアピールして、チームに帰っても良いパフォーマンスを維持しながら、選ばれた時に最高のパフォーマンスを出せるように、先をみすぎず、足元を見ながら、まずは夏までしっかり地に足つけて頑張りたいと思います」と語り、しっかりと本大会まで準備を行うと意気込んだ。

今回のメンバーには鳥栖時代のチームメイトとして、DF中野伸哉、そしてFW林大地が招集されている。

「代表で再会できたというのは、本当に誇りに思いますし、元チームメイトで戦った選手2人と再会できたことは嬉しかったです」

「ただ、負けていられないというライバル心も芽生えたので、一緒に切磋琢磨して、今回は僕は元鳥栖という立場ですが、良いパフォーマンスを残して恩返しできればと思います」

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「中村俊輔2世よりも“山田楓喜”を見て」輝く左足で日本を頂点に立たせたレフティー、“喜”を背負う山田家の長男が見据えるものは「最高の“山田楓喜”」

日本人の約9割だと言われているのが右利き。かつては左利きを矯正する動きもあったほど、日常生活における様式も右利き仕様が多い。 一方で、残りの1割に属する左利きは、スポーツ界では特に稀有な存在でありながら、偉大な記録の持ち主は左利きが多い。日本代表の歴史において、これまでも記憶に残る数々の左利きの選手がいる。かつて背番号10を背負った名波浩、中村俊輔。現在の10番を背負う堂安律も左利きだ。若くして大きな注目を集め、世界にその名を知らしめる久保建英も左利き。強烈なキャラクターで人々を今も魅了し続ける本田圭佑も左利き。攻撃のキーマンにはどの時代も“左利き”の選手がいた。 パリ五輪出場を決め、8大会連続12回目のオリンピックの舞台に立つU-23日本代表。AFC U23アジアカップで見事にチームを優勝に導いた男もまた“左利き”。東京ヴェルディの山田楓喜だ。 パリ五輪世代として、U-21日本代表時代から招集を受けていた山田。左利きながら、右サイドのアタッカーとして起用されてきたが、所属していた京都サンガF.C.ではレギュラーではなく、代表でも出番は限られていた。 その山田は心機一転、今シーズンは東京ヴェルディに移籍。すると、開幕戦の横浜F・マリノス戦では強烈なFKを直接叩き込みインパクトを残すと、ここまで3ゴール。今大会では5試合に出場すると、2ゴール1アシストと数字を残した。 山田が決めたゴールは準々決勝のU-23カタール代表戦での開始早々の強烈ミドルと、決勝のU-23ウズベキスタン代表戦での値千金のミドル。いずれもその左足から繰り出されたシュートがチームの勝利に貢献した。 「今まで自分は準備してきましたし、こういう大舞台で決めるために苦しい時も腐らずに常に準備してきたので、当然かなとも思いますし、大舞台で日本代表という大きなチームを優勝に導けたことは凄く嬉しいなと思います」 決勝の翌日に帰国した山田はそう語り、自身が重ねてきたモノが、結果になって現れただけ。「今までちゃんと準備してきたので、昂ることなく、いつも通り臨めました」と、決勝の終盤に出場しても、普段通りにプレーできたという。 自信を持っているものは強い。プロの世界では特にそれを感じることが多い。常に自身の100%を出すためには、安定したメンタルが重要であり、そのメンタルの支えになるのは、しっかりとした準備と積み上げてきたことによる自信だろう。山田にはそれが備わっている。 東京Vでの好調ぶりももちろん後押しになったはず。ただ、山田は「今までずっと変化し続けてきて、成長し続けてきているので、自分がちゃんと活躍できる場を選んだ道で結果を出せています。いつでもどのタイミングでも結果を出せる自信もありましたし、移籍して自分が輝ける場所を選んで、代表にもつながってきているので、決断というのは良かったと思います」とコメント。京都で燻っていた中で、移籍を決断した結果として、今の活躍がある。それも自信からくる決断のおかげだ。 取材の受け答えを見ていても、淡々と思っていることを語る山田。ただ、そこには確固たる自身の考えと、ブレることのない意志を感じる。それは、パリ五輪に向けての18名のメンバー争いを聞かれた山田の答えからも窺えた。 「とりあえずはこのアジアカップで代表期間が終わったので、オリンピックのことを考えず、ヴェルディの選手として戦わないといけないので、代表のことは忘れて、ヴェルディのために戦いたいなと思います」 「その先のことは何も考えず、ヴェルディのために結果を出し続けるだけです」 アジアで優勝を果たした。パリ五輪の切符も掴んだ。目標としていたものに対し、やれることをやって結果を残した。ただ、次はパリ五輪ではなく、東京V。所属クラブのためにプレーすることが、やるべきこと。その積み上げを続けているからこそ、今の山田がある。 また、強烈な左足のキックについても同様だ。「才能はある程度あったと思いますけど、プロになっている選手であれば誰でもあると思うので、努力は才能を勝らないと思います。努力というのは自分で努力していたという気持ちはないんですけど、それが良かったかなと思います。どんどん上積みしていった日々の練習というのを大事にしてきましたし、これからも必要だと思うので、それは忘れずにずっとやっていきたいです」とコメント。必要なことを積み上げたことだけが重要ということだ。 FKの精度、キック精度を持って、中村俊輔氏と比較される山田。ただ本人は全くそう思っていない。そのメンタリティも、活躍の要因と言える。 「(中村氏とは)全く別の選手ですし、素晴らしいフリーキッカーで左足の選手と比べられることは嬉しいですけど、全く別の選手で、全く違う特徴を持っているので、中村俊輔2世というよりは、山田楓喜というのを、誰かの後釜ではなく山田楓喜というものを見てもらいたいです」 誰もが似たような選手を真似しそうなものだが、「誰もないですね。自分のスタイルを貫き通してきたという感じです」と、山田は昔から誰かを手本にはしていないという。自分は“山田楓喜”。これを大事にしている。 「今年の目標としては、自分の価値を高めて名を売っていくということを移籍した時から決めていました。その途中ですし、まだまだこれからどんどん山田楓喜というものを世界に知らしめていかなければいけないと思います。まだ途中ですし、全然満足していないので、これからという感じです」 今回の大会の活躍で、間違いなく“山田楓喜”の価値は高まり、その名は今まで以上に知られることとなっただろう。その名前にも特徴が。人々に“喜”を与える存在になるべくして、体現している。 「『喜』が先祖代々長男についていて、それが自分も長男なので、『喜』を第一に考えた名前となっています」と、「楓喜」という名前の由来について語ってくれた。そして「自分が喜んでいる姿を出しながら、周りの人にも喜んでもらうという感じです」と、自身が楽しく、喜んでプレーすることで、喜びを与えていく。代表選手にとって、最も大事な要素を、名前として背負っている。 そんな山田の目標は、最高の“山田楓喜”になること。 「最終目的はないですが、自分がどれだけ成長できるか。日々成長したいなという思いがあったから、今までも成長できたと思うので、それを忘れず、変な目標とか高みを見せずに、日々成長することにフォーカスしたいです」 間違いなく注目を集めるその左足。多くの“喜び”をこれからも多くの人々に与えて行ってもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 <span class="paragraph-title">【動画】歓“喜”をもたらした山田楓喜の後半AT弾! 日本を優勝へ導く左足ミドル!!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="QYyvg_78ZLE";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.06 09:00 Mon
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U-22日本代表メンバーが決定! 松岡大起、郷家友太、田中聡ら23名《U-23アジアカップ予選》

日本サッカー協会(JFA)は19日、AFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選に臨むU-22日本代表メンバーを発表した。 今回は先日に行われた合宿時の顔ぶれを主体に23名がメンバー入り。パリ・オリンピック世代が軸となり、MF松岡大起、MF田中聡といった明治安田生命J1リーグでも活躍する選手たちが招集を受けた。 また、高体連からDFチェイス・アンリが唯一の招集を受けたほか、DF山原怜音、DF角田涼太朗、MF郷家友太、MF松井蓮之はパリ五輪世代より上の世代からの選出に。幅広い世代のメンバー構成になった。 グループKに属するU-22日本はJヴィレッジスタジアムで予選に臨み、26日にカンボジア代表と対戦後、続く28日に香港代表と激突。なお、ロールモデルコーチとして元日本代表DFの内田篤人氏も帯同するという。 ◆招集メンバー一覧 GK 23.杉本光希(立正大学) 1.小畑裕馬(ベガルタ仙台) 12.佐々木雅士(柏レイソル) DF 2.山原怜音(筑波大学) 4.角田涼太朗(横浜F・マリノス) 15.加藤聖(V・ファーレン長崎) 5.馬場晴也(東京ヴェルディ) 16.半田陸(モンテディオ山形) 3.畑大雅(湘南ベルマーレ) 20.佐古真礼(藤枝MYFC) 22.チェイス・アンリ(尚志高校) MF 10.郷家友太(ヴィッセル神戸) 6.松井蓮之(法政大学) 8.松岡大起(清水エスパルス) 11.佐藤恵允(明治大学) 7.鈴木唯人(清水エスパルス) 14.藤田譲瑠チマ(徳島ヴォルティス) 17.櫻井辰徳(ヴィッセル神戸) 13.田中聡(湘南ベルマーレ) 19.中村仁郎(ガンバ大阪ユース) 21.甲田英將(名古屋グランパスU-18) FW 18.藤尾翔太(水戸ホーリーホック) 9.細谷真大(柏レイソル) 2021.10.19 16:47 Tue

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