【移籍考察】ヘタフェで久保建英は輝ける? ボルダラス監督は理想を求めてスタイル転換も

2021.01.11 21:10 Mon
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8日、日本代表MF久保建英(19)がヘタフェに今シーズン終了までのレンタル移籍で加入することが発表された。レアル・マドリーからマジョルカへとレンタル移籍していた2019-20シーズン。久保はシーズン途中からチームの主力となり、ラ・リーガで35試合に出場し4ゴール5アシストを記録。そこからのステップアップとして、今シーズンはビジャレアルへと期限付き移籍していた。

ヨーロッパリーグ(EL)にも出場しているビジャレアルでは、マジョルカ以上の経験が積めると判断しての移籍となり、ELでは5試合に先発しゴールを決めるなど久保にとってプラスに働くと見られた。

しかし、ラ・リーガでは開幕から13試合で出場を果たすも先発は2試合のみ。ウナイ・エメリ監督からの信頼を勝ち取ることができず、出場時間が一向に伸びないという苦しい状況に立たされていた。

これにはマドリーも不満を持っていたとされる中、久保本人も出場機会を求めて退団を希望しているとエメリ監督が告白。2021年に入ってからはメンバー外になると、ヘタフェへ武者修行の場を変更することとなった。

◆新天地ヘタフェとホセ・ボルダラス監督
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ヘタフェと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、現在はセグンダ・ディビシオン(レガネス)でプレーするMF柴崎岳ではないだろうか。2018-19シーズンまで柴崎が2シーズン在籍したクラブと知られるだろう。

その柴崎を指導していたのは、現在も指揮を執るホセ・ボルダラス監督だ。

ボルダラス監督は2016-17シーズンからヘタフェを指揮。当時は2部を戦っていたヘタフェだが、チームを昇格させることに成功。そして昇格した1年目にプレーオフで苦しめられた柴崎を獲得したという経緯だ。

ヘタフェの特徴は、アグレッシブに戦い、インテンシティの高いサッカーをするスタイル。猛然とプレスをかけて、カウンターで一気にゴールを目指すスタイルだ。

そのスタイルもあってか、中盤のゲームメーカーとして期待されていた柴崎は徐々に出場機会を減らすことに。また、ケガも相まって2018-19シーズンは構想外となってしまった過去がある。読みの鋭さと、しっかりと守備ができる印象のある柴崎ですら構想外となるほど、それだけ激しいサッカーを展開。しかし、その結果、昇格1年目に8位となると、2年目は5位と躍進。2019-20シーズンも8位でフィニッシュしていた。

◆久保建英に懸けられた期待

ここまで安定的な結果を残し続けることはヘタフェにおいては珍しいこととなったが、2020-21シーズンはかなり苦しんでいる。

試合消化にばらつきがあるものの、現在は残留ラインぎりぎりの17位に位置。これまでのボルダラス監督のチームでは考えられない順位だ。

その大きな要因は、プレークオリティの低下が1つ挙げられる。前述の通り、インテンシティの高いサッカーを続けてきたヘタフェだが、今シーズンは選手のパフォーマンスが著しく低下しているように見られ、勤続疲労やコロナ禍におけるコンディション調整の難しさなどが影響していると考えられる。

また、ハイメ・マタ、アンヘル・ロドリゲスのストライカー人もイマイチなパフォーマンスで、それぞれ2ゴールと4ゴールに留まっている。

ボルダラス監督は、中盤の中央でプレーできる選手と、攻撃面でクオリティを持っている選手を求めていると常々言ってきたが、その1人が久保だったというわけだ。

猛然とプレーすることに長けていたヘタフェの選手たちだが、一転してゴール前でのアイデアや相手を崩すプレーはあまり得意としていない。そういった点では、久保のような存在は非常に大きく、攻撃面に新たなクオリティを与えてくれる存在として大きな期待が寄せられることになるだろう。

なお、久保の数日前にはバルセロナからMFカルレス・アレーニャを補強。ボルダラス監督が求める中盤の中央でプレーできる選手だけに、ここからの巻き返しに向けて望んだ補強が叶ったということになる。

そもそも、ボルダラス監督は、かつてバルセロナを率いてエル・ドリームチームを作り上げたヨハン・クライフ氏の信者。つまり、現在取っているスタイルとは真逆のスタイルを掲げてきた指揮官だ。そういった点では、フィジカル重視の現在の戦い方に限界を感じ。久保やアレーニャを獲得して少しでも理想に近づきたいという可能性はある。久保にかかる期待もかなり大きくなるだろう。

◆ポジションは右サイド
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ここまでのヘタフェは[4-4-2]のシステムをメインに戦ってきたが、久保が入るとすれば右サイドハーフということになるだろう。

これまで右サイドでプレーしていたのは、右サイドバックが本職であるアラン・ニョムだった。ボルダラス監督が求めるサッカーという点では、前線から激しく守備ができるニョムの起用は妥当だった。

しかし、攻撃面でのクオリティを求めるという点では、久保を右サイドで起用することでその問題は少なからず解消されるだろう。

また、アレーニャとともに獲得したことを考えると、システムを変更するという見方も現地では多く出ている。

例えば[4-3-3]に変更し、アレーニャをインサイドハーフに、久保を右ウイングに置くという形だ。また、[4-2-3-1]という考えも出ており、久保をトップ下で起用するというものだ。

何れにしても、久保は攻撃面、特にゴールに絡む仕事を期待されての獲得であることは間違いなく、今まで以上に選手としてのクオリティを求められることになりそうだ。

◆ヘタフェでの挑戦は久保のターニングポイントに

奇しくも2年連続で残留争いを経験することとなった久保。シーズン途中に移籍を果たしたということは、新天地では自身の価値をしっかりと証明しなければいけないことにもなる。

また、現在のスタイルでは自身のストロングポイントが活かされない可能性もあるチームへの移籍。その中でどうやって競争に勝ち、しっかりと出場機会を得て結果を残すのかは、選手として大きなターニングポイントとなる可能性はある。

昨年マジョルカで味わった2部降格という悔しさは、残り半年のシーズンでも味わう可能性がゼロではない。しかし、その可能性を自身の活躍によって減らすことも可能だ。クラブに期待されていることにしっかりと堪えられる選手なのか。より競争の厳しいレアル・マドリーでプレーしたいのであれば、やはりそこはシビアに見られるポイントだろう。

マドリッドで猛威を振るっている寒波により、大雪に見舞われてトレーニングが不可能な状態に。久保はまだチームに合流してからピッチでトレーニングはできていない。

さらに、移動ができなかった影響でエルチェ戦が延期となり、11日の夜に行われることが決まった。

久保が出場する可能性がどれだけあるのかは分からないが、ヘタフェとしては同じく残留を争う勝ち点差「1」の相手だけに、しっかりと勝利を収めたいところだ。

その厳しい中、ケガや出場停止で選手を数人欠いて臨むこととなってしまうヘタフェ。この先、久保がビジャレアルで抱えていた鬱憤を晴らす活躍を見せるのか、期待して見守りたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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【J1クラブ通信簿/川崎フロンターレ】Jリーグ史上最強チーム、記録ずくめの記憶に残る2冠達成

未曾有のシーズンとなった2020年のJリーグ。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、中断による異例の超過密日程、観戦や応援の制限など、多くの困難を乗り越え、すべての日程を終了した。 その中でも、熱戦が続いた2020シーズンのJリーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブの通信簿(チームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。 最後は優勝した川崎フロンターレを総括!(評価は「S」が最高、「E」が最低) ◆総合評価【S】 26勝5分け3敗 (勝率76.5%) 88得点31失点 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/frontale2020_1_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> 2017シーズン、2018シーズンと明治安田J1を連覇した川崎フロンターレにとって、2020シーズンは忘れられないシーズンとなった。そして、それはJリーグの歴史にもしっかりと記録されることとなるだろう。 新型コロナウイルスの感染拡大を受けてどのチームも苦しんだ2020シーズン。過密日程やコンディション調整の難しさなどは、平等とは言い切れないものの、各チームに一定の負担をかけることとなった。 川崎Fにも当然ながら大きな影響を与えた新型コロナウイルスだったが、それを感じさせない圧倒的な強さを見せ続けた。 開幕戦こそサガン鳥栖に0-0のゴールレスドローとなったが、中断明けの第2節から驚異の11連勝を記録。12連勝目を目指した名古屋グランパス戦では敗れ、次のヴィッセル神戸戦でも2-2の引き分けとなったが、第13節の清水エスパルス戦で勝利すると、そのまま連勝を続けJ1新記録の12連勝を達成した。 圧倒的な強さで勝ち点を積み上げ首位を独走していた川崎Fは、11月25日のガンバ大阪戦で5-0と圧勝。4試合を残すJ1最速での優勝を決めた。 この強さは、チームとして同じ方向を向いて戦い続けられたことも大きいが、鬼木達監督が作り上げたチームの賜物。25試合以上の先発選手が6名いるものの、バランスよく選手を起用。どの選手が出場してどういった組み合わせになっても、チームのレベルを大きく下げることなく戦えたことが優勝の要因だろう。 また、特別採用となった5人の交代枠を最も有効に使えたのも川崎Fだった。おおよそのクラブが似たような選手交代を繰り返し、同じタイプの選手を起用するという形を取らざるを得ない中、川崎Fは選手交代によってチームを変化。一気に流れを掴むことも大きかった。 鬼木監督を筆頭に、チームとしての完成度の高さを見せつけた川崎Fは成績も示す通り、Jリーグ史上最強のチームと言っても過言ではない。そして、リーグ2位のガンバ大阪と対戦した新年一発目、元旦の天皇杯決勝でも試合巧者ぶりを見せて2冠を達成。クラブ一筋で支えたバンディエラ・中村憲剛の現役引退に華を添え、全ての国内タイトルを獲得させたシーズンは文句なしの「S」評価だ。 ◆チーム内MVP <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/frontale2020_1_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> MF三笘薫(23) 明治安田生命J1リーグ30試合出場(先発11試合)/13得点 二桁得点を記録した選手が4名、多くの選手が試合にしっかりと絡み、誰か1人が突出していたわけではない2020シーズンの川崎F。その中で、MVPを決めるのは難しいことだが、インパクトの大きさでMF三笘薫を選出する。 筑波大学から新加入したルーキーの三笘は、シーズン序盤はベンチスタートが多かった。しかし、途中出場でしっかりとゴールという結果を残すと、徐々にスタメンでの出場機会が増えていく。 左ウイングで起用される三笘は独特のリズムで仕掛けるドリブルで、対峙するDFを翻弄。縦にもカットインもできるドリブルは相手DFを混乱に陥らせ、シュートやパスといった攻撃パターンの多さも困らせる要因となった。 14得点を記録したFW小林悠、13得点を記録したFWレアンドロ・ダミアンという強力なストライカーがいることももちろん影響はあるが、どのチーム相手にも三笘は通用することを示した。 終わってみれば新人最多タイの13得点を記録。決定力も備えたアタッカーという武器を手に入れた川崎Fは、さらに進化する可能性がある。三笘自身は2年目のジンクスに打ち当たらず、2020シーズン以上の数字を残してもらいたいものだ。 ◆補強成功度【S】 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/frontale2020_1_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> 既存選手の活躍も非常に大きかった2020シーズンだが、やはり新加入選手がもたらした効果は大きいと考える。 前述の三笘も新加入選手の1人。圧倒的なパフォーマンスを見せたことはもはや説明不要。三笘の存在が、川崎Fの強さを加速させたことは間違いない。 そして、その三笘と同じ大卒ルーキーだったFW旗手怜央も忘れてはならない。順天堂大学から加入した旗手は、31試合に出場し5得点を記録。旗手の方が三笘よりも多く先発機会を得ていた。 得点数を見れば三笘に大きく離されている旗手だが、ポテンシャルの高さを発揮。シーズン終盤や天皇杯では左サイドバックを務めるなど、プレーヤーとしての幅の広さを見せることとなった。 選手層が厚い川崎Fの前線で勝負するには、やはり得点が求められる。2年目のシーズンはより数字にこだわってプレーしてもらいたい。 そしてこの2人をも凌駕する驚きを見せたのは湘南ベルマーレから獲得したDF山根視来だ。加入当初は硬い動きだったが、右サイドバックとして定着すると持ち前の粘り強い守備と、湘南で鍛えられた運動量をベースにアグレッシブな攻撃参加を披露。シーズンを通して4得点を記録するなど、新たなサイドバックとして君臨した。 2度優勝した時にチームを支えたDFエウシーニョ(現清水エスパルス)とはまた違ったタイプで、同じ右サイドのMF家長昭博のコンビネーションは抜群。ベストイレブンにも選ばれる活躍は圧巻だった。 大卒ルーキーは他にも2名おり、東海学園大学卒のDF神谷凱士と桐蔭横浜大学卒のMFイサカ・ゼインがいたが両者は試合に絡めず。また、セレッソ大阪からきたGK丹野研太も出場機会なし。DFジオゴ・マテウスも3試合の出場に終わったが、3名が優勝に大きく貢献し、重要なピースになったことを評価したい。 2021.01.11 22:30 Mon
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【J1クラブ通信簿/ガンバ大阪】2位躍進で復活の狼煙 宮本体制4年目のテーマは攻撃力

未曾有のシーズンとなった2020年のJリーグ。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、中断による異例の超過密日程、観戦や応援の制限など、多くの困難を乗り越え、すべての日程を終了した。 その中でも、熱戦が続いた2020シーズンのJリーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブの通信簿(チームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。 第17弾は2位のガンバ大阪を総括!(評価は「S」が最高、「E」が最低) ◆総合評価【A】 20勝5分け9敗 (勝率58.8%) 46得点42失点 宮本恒靖体制3年目はJ1リーグ2位、天皇杯準優勝。かつて関西の雄としてうたわれたチームにとって、いずれも手放しで喜べるものではないが、上位争いに絡むどころか、残留争いを強いられ、中位がやっとだった過去2年間に比べると、復権に期待が膨らむような1年だった。 正直、攻守に特筆すべき数字はなかったが、徹底した守備ベースの戦いが2020シーズンのG大阪を象徴した。総失点数は5位タイの「42」。その数字は過去3年間の最少で、2020シーズンから挑戦したハイプレス戦術とともに、守備の安定感が躍進の基盤になったのは間違いない。 そのなかで、安定したセーブを披露し続けた東口順昭が勝ち点を取れる守護神としてフル稼働。さらに、キム・ヨングォン、井手口陽介のほか、シーズンが進むにつれ、パトリックがFPの軸に収まったのも大きく、4バックに回帰して12戦不敗を記録した秋以降の戦いに直結した。 また、宮本監督が2018年途中に就任してから守備の整備とともに、着手した世代交代もチームの躍進という形で表れた1年に。それを象徴したのがシーズン途中に移籍した遠藤保仁に代わり、レギュラーに定着した大卒ルーキーの山本悠樹や高尾瑠、そして福田湧矢ら若手の存在だ。 山本はもはや新たな司令塔として欠かせず、高尾も右サイドバックや3バックの右を担う一番手に台頭。福田に関しても2列目のワイドだけでなく、必要に応じてサイドバックもこなせる万能選手としての地位を築いた。そうした若い力も躍進の原動力として、見逃すわけにいかない。 コロナ禍による5人交代枠の特別ルールも活用して、掴み取った勝ち星は最終的に20個で、そのうちの16勝が1点差。守備の粘りという新たなカラーを打ち出した1年を物語る。それは新シーズンに向けても自信にすべきだが、同時に攻撃面の課題が浮き彫りになったのも事実だ。 宮本監督は当初、総得点の目標値を「60」に設定したが、最終的に「46」に。二桁得点者は4年ぶりにゼロで、途中からレギュラーの座を奪取したパトリックの9ゴールが最多だった。攻撃的なスタイルを掲げてのスタートを鑑みれば、明らかに物足りず、マイナス材料だ。 終盤戦は主力の負傷や不祥事で謹慎のアデミウソンを欠いたにせよ、パトリック頼みの戦いがより顕著に。タイトルを狙うなら、勝負強さとともに、突きつけた攻撃力も求められる。18ポイントをつけられ、優勝した川崎フロンターレとの総得点差は「42」。その差をどう縮めるかが鍵になる。 ◆チーム内MVP <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/gambaosaka2020_1_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> GK東口順昭(34) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発34試合)/42失点 2020シーズンのG大阪を語る上で、2014年から絶対的守護神に君臨する東口の存在は欠かせない。 チームとして拮抗した試合が多かったなかで、守備が崩されても最後の砦としてゴール前で立ちはだかり、幾度も神がかったセーブでチームに勝ち点をもたらす存在に。宮本体制最高位の2位フィニッシュに大きく貢献した。 そうした活躍を受け、1年間を通じてホーム戦で活躍した選手に贈られる黄金の脚賞を2014年以来2度目の受賞。ベストイレブンは残念ながら逃してしまったが、2020年の活躍ぶりであれば、受賞してもおかしくなかった。 もちろん、キム・ヨングォンや、井手口、パトリックも確かな貢献度を誇ったが、チームの結果を振り返る上で、東口が果たした役割はかなり大きかった。 ◆補強成功度【B】<div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/gambaosaka2020_1_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div>2020年のオフシーズンにおける目玉の戦力として目された小野裕二、昌子源はともにケガの影響でフル稼働といかなかったが、チームとして長年の課題だった中盤の新たな舵取り役に山本が名乗りを上げるなど、ルーキーの台頭が際立った。 当初こそ熾烈なポジション争いを強いられ、限定的な出番が続いた山本だが、第14節以降の大半はレギュラーとしてプレー。すでにプレースキッカーも任されるほどの信頼を掴み取り、27試合の出場で2得点2アシストと上々のルーキーイヤーを過ごした。 そのほか、川崎修平、塚元大、唐山翔自のG大阪アカデミー出身トリオも当初こそU-23がメインだったが、シーズンが進むにつれ、トップチームで出番が増加。3選手ともに荒削りな部分もあるが、ルーキーイヤーからトップレベルを体感できたのは今後にとっても大きい。 また、即戦力の働きでいうと、トゥールーズから電撃加入の昌子は古傷と付き合いながらのシーズンとなり、18試合の出場に。新シーズンは持ち前の積極的な意見交換によるチーム内の議論活性化だけでなく、プレーでも牽引する働きが求められる。 そして、小野は昨年9月に右ヒザ前十字じん帯損傷でシーズン終了となり、J1リーグ11試合1得点という不本意な結果に。チームが4バックにシフトした秋以降、サイドハーフのポジションが生まれただけに、そこでのプレーが見たかったところだ。 2021.01.11 21:20 Mon
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【J1クラブ通信簿/名古屋グランパス】堅守を武器に過去2シーズンの悪夢を払拭し躍進

未曾有のシーズンとなった2020年のJリーグ。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、中断による異例の超過密日程、観戦や応援の制限など、多くの困難を乗り越え、すべての日程を終了した。 その中でも、熱戦が続いた2020シーズンのJリーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブの通信簿(チームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。 第16弾は3位の名古屋グランパスを総括!(評価は「S」が最高、「E」が最低) ◆総合評価【S】 19勝6分け9敗 (勝率55.9%) 45得点28失点 2018年の波があるシーズンは残留争い、2019シーズンも好不調の波が激しく、シーズン途中に監督交代を行なった名古屋。そのシーズン途中から就任したマッシモ・フィッカデンティ監督の下で迎えた2年目の2020シーズンは、チームとして躍進を果たした。 そこまで下馬評が高くなかった名古屋だが、開幕前に不穏な空気が。これまでのエースだったFWジョーの移籍問題に揺れ、最終的にはFIFA(国際サッカー連盟)が介入するまでに至った。 そんな名古屋だったが、開幕戦でベガルタ仙台に引き分けるも、中断明けの5試合で無敗を継続するなど良いスタートを切った。 第12節では、首位を独走していた川崎フロンターレの11連勝を阻止する勝利を見せるなど、堅守をベースに効率の良い勝ち方を続け、勝ち点を伸ばした。 さらに後半戦はその戦い方がより安定。特に守備陣の奮闘は眼を見張るものがあり、結果的に28失点でリーグ最少失点で終えた。 また、ケガによりストライカー不在となるとゼロトップ方式を採用。前線のアタッカー4枚を並べるスタイルでもしっかりと勝ち切ることに成功。堅守速攻というスタイルで3位フィニッシュを掴んだ。 チームとしても過密日程となったシーズンにありながら、4選手が全34試合で先発出場。また33試合に先発し1試合途中出場のFWマテウスを含め、軸となる選手が1年を通して稼働できたことは非常に大きかった。 何れにしても、風間八宏監督を招へいし、好不調の波が大きかった名古屋からすれば、一気に安定して勝ち点を稼げるようになり躍進。このスタイルでこの先どのような結果を残すのか注目だ。 ◆チーム内MVP <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/grampus2020_1_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> GKランゲラック(31) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発34試合) 攻撃面でチームを支え続け、チーム最多の9得点を記録したFWマテウスとも悩んだが、堅守の象徴でもある守護神のGKランゲラックをMVPに選出した。 オーストリア代表でもあったGKランゲラック。2020シーズンはこれまで以上に安定感が増し、ショットストップで何度となくチームを救ってきた。 全試合でゴールを守ったランゲラックだが、クリーンシートは実にシーズンの半分の17試合。ガンバ大阪、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、清水エスパルス以外の13チームを相手に無失点を記録した。 もちろんランゲラックだけでなく、全試合出場したDF中谷進之介、DF丸山祐市のセンターバックコンビの力も大きく、ボランチとして全試合に出場したMF稲垣祥の存在も大きい。 それでも決定的なシーンを防ぎ続けた最後の砦にMVPを送りたい。正直なところJリーグのベストイレブンに選ばれても良いパフォーマンスだったと思う。 ◆補強成功度【B】 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/grampus2020_1_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> 2020シーズンに向けての補強では、主力として計算されていたのは、川崎フロンターレから加入したMF阿部浩之、サンフレッチェ広島から加入したMF稲垣祥、湘南ベルマーレから加入したFW山﨑凌吾、サガン鳥栖から期限付き移籍で加入したFW金崎夢生の4名だろう。 その他ユースからGK三井大輝、MF石田凌太郎の2名、新卒で九州国際大学付属高校のDF吉田晃を獲得していた。 前述の通り、稲垣は期待以上のプレーを見せ34試合でボランチの一角と担当。MF米本拓司、MFジョアン・シミッチとどちらと組んでもブレないプレーを見せた。 また阿部は27試合に出場し4得点。得点力という部分ではもう少しゴールが欲しいところだが、左サイドや中央でのプレーでチャンスメイクに貢献した。終盤のゼロトップも阿部がいなければ成り立たなかっただろう。 鳥栖から期限付きでの加入を果たして久々にグランパスのユニフォームを着た金崎はゴール数こそ6得点と伸び悩んだが、前線で体を張ったプレーは秀逸だった。2列目の選手を生かすポストプレーは健在。数字に残らない部分での貢献度は計り知れない。山﨑も途中出場がメインだったが、金崎同様に2列目を生かすプレーは大きな助けとなっていた。 また、途中加入となったDFオ・ジェソクも重要な役割を担った。DF宮原和也の負傷もあり、右サイドバックをDF成瀬竣平、左サイドバックをDF吉田豊が長い時間プレーすることとなっていたが、両サイドができるオ・ジェソクが要所で起用できることでバランスを保てることとなった。 2021.01.11 20:15 Mon
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【J1クラブ通信簿/セレッソ大阪】前半戦は好調キープも、後半戦の大失速で4位フィニッシュ

未曾有のシーズンとなった2020年のJリーグ。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、中断による異例の超過密日程、観戦や応援の制限など、多くの困難を乗り越え、すべての日程を終了した。 その中でも、熱戦が続いた2020シーズンのJリーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブの通信簿(チームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。 第15弾は4位のセレッソ大阪を総括!(評価は「S」が最高、「E」が最低) ◆総合評価【B】 18勝6分け10敗 (勝率52.9%) 46得点37失点 ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が率いて迎えた2年目のシーズン。2019シーズンにわずかに届かなかったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権とタイトル獲得を目指してスタートした。 開幕から3連勝を飾るなど前半戦は好成績を収め、首位争いを繰り広げていたC大阪。前半戦のラスト6試合は6連勝を飾り、首位の川崎フロンターレについて行っていた。 しかし、後半戦は打って変わって結果が出ず、17試合を6勝3分け8敗と負け越し。ズルズルと順位を下げていき、最後は4位フィニッシュも危ぶまれる状態となった。 チームは中盤から後ろをほぼ固定したメンバーで戦い、堅守を2020シーズンも披露したが、攻撃陣が残念な結果に終わった。 2トップはMF奥埜博亮を軸に、FWブルーノ・メンデスがメインで相棒を務めることとなった。シーズン途中はFW豊川雄太が務めることとなったが、核となるストライカー不在がチームの失速に繋がったと言える。 保有する選手の数は多いものの、過密日程ながら起用された選手は多くなく、クオリティという部分ではチーム内での差があったということになるだろう。 ロティーナ監督が標榜するポジショナルプレーもチームの中に浸透しつつあったが、フィニッシュの精度が追いつかなかったことが苦しんだ要因だろう。後半戦は複数得点がわずか3試合とあっては、いくら堅守のC大阪でも勝つのは難しくなる。トップ3で終えられたことも踏まえると、少し残念な印象で終わったシーズンとなった。 ◆チーム内MVP <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/cerezo2020_1_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> MF清武弘嗣(31) 明治安田生命J1リーグ33試合出場(先発31試合)/8得点 チーム内のMVPにはキャプテンとして33試合に出場しチームを牽引。さらに自身キャリアハイの数字を記録したMF清武弘嗣を選出する。 シーズン中にケガをしがちだった清武だが、2020シーズンの清武はそのケガがなく、33試合とキャリア最多の出場数。さらに、8得点とゴール数もキャリア最多となった。 左サイドで起用され続け、ゲームメイク、チャンスメイクとチームの攻撃を牽引。ロティーナ監督のサッカーを完結させる上では、重要なピースとなっていた。 精度の高いキックやパス、ドリブルとかつて輝いた清武が舞い戻った印象。チームの上位フィニッシュには欠かせなかった大きな存在といえる。 ◆補強成功度【B】 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/cerezo2020_1_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎J.LEAGUE<hr></div> ユースから昇格した選手は4名いるが、出場したのはFW藤尾翔太のみ。高卒ルーキーはMF西川潤が13試合に出場し1得点を記録したが、DF田平起也は出場機会がなかった。 移籍組では右サイドのレギュラーに定着したMF坂元達裕(モンテディオ山形)は、初のJ1でも存在感を発揮。33試合に出場し2得点を記録し、J1でもアタッカーとして通用することを証明した。 DF松田陸との右サイドのコンビは驚異的であり、ドリブルでの一対一の突破だけでなく、パスの精度やクロスの精度も高く、清武と共に攻撃陣を牽引していた。 また、オイペンから加入したFW豊川雄太も一時は先発するなど21試合に出場し5得点。期待が高かっただけに物足りなさはあるが、少ない時間で5得点を決めたことは評価に値する。 ルーキーを除けば2人の新戦力はチームに大きく貢献したと言えるだろう。 2021.01.11 18:50 Mon
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