またCL連戦の日々が戻って来た…/ 原ゆみこのマドリッド

2026.03.12 11:34 Thu
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「リバプールじゃなくて本当に良かったわ」そんな風に私がアトレティコのくじ運に改めて感謝していたのは月曜日、いよいよCL16強対決1stレグが翌日に迫ってきた時のことでした。いやあ、進出プレーオフではクラブ・ブルージュに総合スコア7-4で勝利して、ようやく天敵を克服することができた彼らではあったんですけどね。だからって、現在はプレミアリーグ6位まで後退しているとはいえ、今季のリーグフェーズで後半ロスタイムに決勝点を挙げられ、失意の3-2負けを喫した相手と一体、誰がまた顔を合わせたがる?

それが運良く、もう1つの対戦オプションだったトッテナムとなったため、いえ、リーガ勢がプレミア勢に弱いのは今季のCLの全般的な傾向ではあるんですけどね。それでもリーグ戦で6試合白星がなく、降格圏と勝ち点1差の16位であるチームなら、今は絶対にプレミアリーグ残留の方が優先。火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのメトロポリターノでの1stレグでは、あのコパ・デル・レイ準決勝バルサ戦同様に4点ぐらい取って大勝して、2ndレグにアウェイ弱者のシメオネ監督のチームが勝てなくても、貯金で準々決勝進出を勝ち取る方法が使えるかと。

まあ、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢のリーガ戦がどうだったかもお話ししていくことにすると、27節の先陣を切ったのは同じく来週水曜にCLマンチェスター・シティ戦が入っているため、セルタ戦を金曜に繰り上げてもらったレアル・マドリーだったんですけどね。とにかくこの日は歯痛が治らなかったカマビンガも含めて、負傷者が7人、出場停止者3人と、10人も欠けている状態でバライドスのピッチに立つことに。実際、スタメンの前線にビニシウスとブライムを使ったら、控えのアタッカーにゴンサロを含め、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)しかいないんですから、恐ろしいったらありゃしません。
ただ、それでも序盤のボルハ・イグレシアスのシュートをGKクルトワがparadon(パラドン/スーパーセーブ)した後、先手を取ったのはマドリーで、ショートでトレントが出したCKをギュレルが受け、ゴール正面にいたチュアメニにアシスト。その1分前にもエリア外からのシュートを外していたMFが今度は的に撃ち込んで、めでたく1点をリードしたんですが、実はこれ、あまり長続きしなかったんですよ。そう、25分にはミンゲサが自陣から送ったロングボールをスウェドベリが追い、エリア内でトレントかわすと、その折り返しのパスをボルハ・イグレシアスに決められてしまったから、さあ大変!

その後は膠着してしまい、いえ、後半25分頃にはいきなり少し前のマドリーのCKにVAR(ビデオ審判)注進が入り、ジュグラの腕がボールに当たっていたことから、PKをゲットできそうだったんですけどね。何故か、モニターチェックで主審はその前にギュレルに代わって途中出場していたパラシオスが敵を押し倒したファールを取り、結局、何もなかったんですが、まあ、セルタも16強対決オリンピック・リヨン戦1stレグを木曜に控えるヨーロッパリーグ組。選手をローテしないといけず、切り札イアゴ・アスパスが入ったのも38分と遅い時間だったんですが、いやホント、ヒヤリとしましたよ。その彼のシュートがゴールポストに当たって、逸れてくれた時には。
すると後半ロスタイム4分にバルベルデのエリア外からのシュートがマルコス・アロンソに当たって軌道が変わり、GKラドゥを破ってくれたから、もうビックリしたの何のって。もちろん、この土壇場の1-2勝利は幸運の賜物ですが、「今日、ウチは10人も欠けていたのに、aun así demostramos que estamos luchando por este escudo/アウン・アシー・デモストラモス・ケ・エスタモス・ルチャンドー・ポル・エステ・エスクード(それでもこの紋章のために戦っていることを示した)」(クルトワ)というのも嘘ではありませんしね。

おかげで翌日のコパ準決勝敗退組対決でバルサがアスレティックに勝っても、首位との差は勝ち点4のままに留まったんですが、やはり心配なのは水曜午後9時からのマンC戦1stレグ。ええ、先週はそれぞれ、パリとロンドンに行き、自身のケガについて、セカンドオピニオンをもらっていたエムバペとベリンガムも週明けにはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に戻って来たんですが、どちらも復活目標は来週の2ndレグですし、出場停止中にヘタフェ戦で負ったふくらはぎの打撲が治る予定になっていたカレラスも間に合わないんですよ。

一応、カマビンガ、ハイセン、マスタントゥオノは戻るものの、これで5年連続対戦となるプレミアリーグ2位のマンCを相手に、マドリーベンチがカンテラーノばかりになるのは怖すぎですって。それでもベルナベウの奇跡があれば、何とかなるかもしれませんが…今季はすでにリーグフェーズのホームゲームでグァルディオラ監督のチームに1-2と負けているんですよねえ。

そして翌土曜にはメトロポリターノでコパ決勝予行演習試合が行われたんですが、直近のコパ準決勝バルサ戦2ndレグでは3-0で負け、アトレティコのゴールが見られませんでしたからね。でもその願いは先発にリーガ用ローテがかかっていながらも、開始5分にはすぐに叶ったんですよ。そう、ジュリアーノが得意のロングスローインでエリア内に送ったボールをニアサイドでヒメネスが頭で繋ぎ、落ちて来たボールをセルロートがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めてくれたとなれば、場内のファンもどんなに心強く感じたことか。

いやいや、そんなのただの錯覚で、相手のレアル・ソシエダも1日遅い水曜にコパ準決勝アスレティック戦2ndレグをプレーしていたせいで、先発をローテ。エースのオジャルサバルとゲデスがベンチスタートだったにも関わらず、9分にはもう、誰も止めようとしなかったのもあって、ソレルにエリア内から同点ゴールを決められてしまう始末ではねえ。それからもよくシュートはしていたアトレティコだったんですが、今度は撃っても撃っても入らない病が発生してしまったようで、前半はロスタイムにベレネチェアと足をぶつけたメンドーサがピッチ脇で見学しているうちにハーフタイムを迎えることに。

後日、そのメンドーサは中度の捻挫で全治4週間程ということがわかったんですが、この日は後半頭からジョレンテが中盤の梃入れとして出場。更に8分にはもう、ルックマン、ジュリアーノ、アルマダに代えて、グリーズマン、フリアン・アルバレス、ニコ・ゴンサレスの3人が一斉投入されたんですが、やっぱりゴールはすぐには決まらなくてねえ。ようやく22分、それまで近距離からのシュートを2度も外していた負傷明けのニコがエリア外からグリーズマンにボールを渡すと、コパ決勝進出を受けて、MSLのオーランド緊急移籍の噂が立ち消えたフランス人FWがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)でリターン。

「Es muy difícil hacer un taco con la derecha cuando él es zurdo/エス・ムイ・ディフィシル・アセール・ウン・タコ・コン・ラ・デレッチャ・クアンドー・エル・エス・スルドー(左足利きの彼が右足でヒールキックするのはとても難しい)」と、これにはニコも驚いていたようですが、3度目の正直でこのボールをゴール前から撃ち込んで、勝ち越し点を奪ってくれたんですよ。でもねえ、過ちから決して学ばないアトレティコはその1分後、すでにピッチに入っていたオジャルサバルに撃たれ、うーん、その時、エリア内には6人程、赤白ストライプユニの選手がいたんですけどね。同点ゴールを決められてしまったとなれば、まさにこれって烏合の衆?

でも大丈夫、36分、再びニコがやってくれました!そう、CKから始まったプレーで、ハンツコのシュートはGKレミロに弾かれてしまったものの、カルドーソがボールを拾ってルッジェーリにパス。シーズン最初の頃はあまり頼りにならなかった左SBも今ではクロスの達人へと変化を遂げていたおかげもあって、ニコがヘッドでジャストミートしたボールが3点目になってくれたから、助かったの何のって。

幸いソシエダに3度目のスピード同点弾は生まれなかったため、そのまま3-2で勝てたアトレティコだったんですが、え?これなら4月18日のコパ決勝にも自信を持って挑めるんじゃないかって?いえ、シメオネ監督は「No lo relaciono con la final/ノー・ロ・レラシオノ・コン・ラ・フィナル(決勝とは関係ない)。向こうには先発するだろう選手が何人もベンチにいた」と言っていましたし、マテラッツォ監督も「決勝は6週間後だし、どちららも違う選手たちがピッチにいるだろう」とコメントしていましたからね。

その頃にはしばらく負傷のリハビリで姿が見えない久保建英選手も復帰しているかもしれませんし、コパ決勝のことはおいおいに考えていけばいいんですが、この勝利でアトレティコはリーガ3位をキープ。といっても首位と勝ち点13差ですから、とにかく今はようやくケガが治り、バリオスが戻ってくるトッテナム戦を無事に乗り切ってくれることを祈るばかりですが…谷間に入るリーガが土曜のヘタフェ戦って、昨季敗退したCL16強対決マドリーダービーと同じで、何か不吉な予感がするんですよね。

だってえ、前節マドリーとの兄弟分ダービーにベルナバウで勝ったヘタフェは覚醒しちゃったみたいで、ええ、私も日曜にベティス戦をコリセウムに見に行ったんですけどね。序盤にはスタジアムの改修工事のせいで、ヘタフェの応援団と同じ側の角にまとめられたベティスファンの間でいざこざが起こり、警官隊が入って、7分ぐらい試合が止まっていたりもしたんですが、もしかして、ペジェグリーニ監督が木曜のEL16強対決パナシナイコス戦1stレグを考えて、主力を温存してくれたおかげもあった?

前半28分には、ファン・イグレシアスのロングスローインからのドゥアルテのヘッドはGKバジェスに弾かれてしまったものの、こぼれたボールをキケ・フェメニアがゴール前から撃ち込み、リードを奪ったボルダラス監督のチームはロスタイムにも追加点をゲット。センターでアブカルがクリアしたボールが敵エリア前に落ち、バルトラを出し抜いたサトリアーノがvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めたんですが、いやもう、先週のベルナベウでの決勝点といい、本当にヘタフェは冬の移籍市場で上物を捕まえてきたもんですって。

後半はアントニーやフォルナルス、リケルメを3人一斉投入して反撃を目指したベティスだったんですが、危険なシュートはGKダビド・ソリアがしっかり止めてくれたため、ヘタフェはそのまま2-0で勝利。とうとう順位も9位と一桁になりましたし、降格圏とも勝ち点10も離れたため、またぞろ、「ユーロヘタ(ヨーロッパの大会にしゅつじょうするヘタフェ)」の掛け声も上がってくるかと思いますが、そこはちょっとご用心を。

ええ、ボルダラス監督も「Tengo experiencia, lo más reciente fue la temporada pasada/テンゴ・エクスペリエンシア、ロ・マス・レシエンテ・フエ・ラ・テンポラーダ・パサーダ(自分には経験があって、直近は昨季だ)。ラス・パルマスに勝って、残留確定が目前に迫ってから、非常に苦しんだからね」と言っていたように現在、勝ち点35の彼らはあと少なくとも2勝は必須ですからね。それから更なる高みを目指せたら、ファンも喜ぶはずですが、いやあ、やっぱり土曜のアトレティコとの兄弟分ダービーが心配になってきましたよ。

そしてもう1つの弟分ラージョはその後の時間帯でセビージャとサンチェス・ピスファンで対決し、こちらは前半13分にアスピリクエタのクロスをアダマにヘッドで決められて先制点を奪われたものの、後半5分にはパチャがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げて同点に。そのまま1-1で終わり、イニゴ・ペレス監督も「Hoy parecía que al final había un punto de no agresión/オイ・パレシア・ケ・アル・フィナル・アビア・ウン・プント・デ・ノー・アグレシオン(今日は最終的にどちらも攻撃せず、勝ち点1ずつで分け合ったように見えた)」という結末に。

まあ、ラージョも木曜にコンフェレンスリーグ16強対決サムスンスポル戦1stレグのトルコ遠征が控えていますからね。一応、もう降格圏とは勝ち点6離れた12位ですし、3月の残りはファンにヨーロッパの大会を楽しんでもらおうってことかもしれませんが、ここ3週間、週2試合が続くのはちょっと彼らには辛いかもしれません。

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