不幸はいつ襲ってくるかわからない…/原ゆみこのマドリッド
2025.05.06 21:00 Tue
母の日にちなんで、ヘタフェの選手たちは母親のネームユニを試合前に着ていた
「またマドリッド勢にはヒマなミッドウィークがやって来たわね」そんな風に私が独り言ちていたのは月曜日、ミラノに移動するフリック監督のチームの映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、今週もヨーロッパの大会で稼働するのは、火曜にCL準決勝2ndレグがあるバルサ(1stレグ3-3)、木曜にEL準決勝マンチェスター・ユナイテッド戦2ndレグがあるアスレティック(同0-3敗戦)、コンフェレンスリーグ準決勝フィオレンティーナ戦2ndがあるベティス(同2-1勝利)の3チームだけなんですけどね。ただ、注意しておきたいのは、刻々とtriplete(トリプレテ/3冠優勝)に近づいているように見えるバルサでも一歩間違えば、天国から地獄に突き落とされた3月のアトレティコと同じ道を歩む可能性もあるということ。
いえ、彼らはすでにコパ・デル・レイ優勝を果たしているため、それでも救いはあるんですけどね。そう、アトレティコはCL16強対決レアル・マドリー戦2ndレグでの悪夢のPK戦敗退の直後の週末、体力気力が追いつかず、バルサに2-4の逆転負けを喰らって、リーガ優勝の夢も水泡に帰すという悲運な1週間を体験。実際、この火曜のサン・シーロでの対戦も1stレグはイーブンで、相手にはホームアドバンテージがあるとなると、たとえ、レバンドフスキが負傷から復帰したとはいえ、バルサが10年ぶりとなる決勝進出を果たせるかは、五分五分といったところかと。
もちろん、インテルにもエースのラウタロが1stレグでのケガでフル出場できないという弱みはありますが、2ndレグが延長戦入り、その挙句に負けでもした場合、日曜に迎えるリーガのクラシコ(伝統の一戦)にバルサの選手たちはかなりハンデを負って挑むことにならない?大体がして、インテル戦2ndレグには回復予定だったバルデが間に合わず、1stレグで負傷したクンデもいないため、守備ライン4人がオールCB(エリック・ガルシア、クバルシ、アラウホ、イニゴ・マルティネス)になりそうというのも気掛かりでもありますが、今季の命運が決まるこの1週間、果たして彼らはどんな結末を迎えるんでしょうか。
まあ、そんなことはともかく、マドリッド勢の先週末のリーガ戦がどうだったかもお伝えしていかないと。丁度、5月1日のメイデーを含むpuente(プエンテ/連休)と重なったこの34節ではまず、金曜試合でラージョとヘタフェの弟分ダービーが開催。再び天候不順に見舞われたマドリッドで午前中、大雨が降ったのが祟ったか、エスタディオ・バジェカスのスタンドがない側を覆うシートが外れかけ、直前までキックオフできるか危ぶまれたなんてこともあったんですが、無事に午後9時に始まった試合は前半7分、イシの蹴ったCKをルジューヌが頭で決めた1点で決着することに。
何せ、どちらもこのところ、白星に恵まれず、つまりはゴールに恵まれていませんでしたからね。それでも枠内シュートを8本撃ったイニゴ・ペレス監督のチームに比べ、ウチェ、アルバロ・ロドリゲスを出場停止で欠くボルダラス監督のチームはたったの1本と、これでは1-0でヘタフェが負けてしまったのも仕方なかったかと。それより最悪だったのは後半35分、ジェネがイエローカードをもらったことに抗議、主審に「MALÍSIMO!/マリシモ(最低)」と悪態をついて、レッドカードで退場になってしまったこと。
一方のラージョはこの4試合ぶりの勝利でとうとう、来季のコンフェレンスリーグ出場圏である8位に到達し、金曜にラス・パルマスとのアウェイ戦に臨むんですが、好事魔多しと言いますか、お休みだった週末に練習場に泥棒が入っていたことが月曜に発覚。練習用の器具や備品に被害があったそうで、セッションが中止となってしまったんですが、そのせいですかね。ヘタフェ戦で負傷交代したパテ・シスの診断結果が出て来ないのは。イニゴ・ペレス監督によると筋肉系のものらしいですが、ムニンが今季絶望となってから、CBがルジューヌとアリダネだけしかおらず、時々、シスがヘルプに入って回していた守備ラインがこの先どうなるか、兄貴分のマドリー同様、不安ですよね。
そして翌土曜、ミッドウィークフリーが長く続く恩恵で、負傷者が筋肉痛のリケルメしかいないアトレティコがメンディソローサで何をしてきたかというと。いやあ、正直、何もしなかったというのが本当で、だってえ、前半など、両チーム共、枠内シュートが1本もない有様なんですよ。シメオネ監督のチームがようやく初シュートを撃ったのは後半12分、ギャラガーが大きく外した後、25分に交代出場のサムエル・リノが初めてGKシベラの手を煩わせているようでは…。
唯一のチャンスらしいチャンスは、セットプレーからのラングレのvolea(ボレア/ボレーシュート)が弾かれた時ぐらいとなれば、一体、ラージョ戦に勝った後のこの1週間、何を練習していた?そのあまりの悲惨なプレーぶりには、私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で、ランチのイカリング揚げ入りbocadillo(ボカディージョ/スペイン風バゲットサンド)を食べながら、首を捻っていたんですが、まあ、とうに目標を失くしたチームのアウェイ戦はこんなもの。
いくら、スポーツ紙の番記者がコパ優勝、リーガ逆転優勝、お隣さんから2位奪取と次々、ランクダウンした目標を発明しようが、選手たちが「Queremos estar lo mas arriba posible/ケレモス・エスタル・ロ・マス・アリバ・ポシブレ(できるだけ上にいたい)」と主張しようが、メトロポリターノのファンのプレッシャーもない環境で脚に力が入らないのは、ええ、彼らも人間ですしねえ。それこそ、新記録となる6回目のサモラ(失点率が一番低いGKに与えられる賞)獲得を目指すオブラクが、2度の渡るキケ・ガルシアのシュートを弾いてくれなければ、下手したら、ラス・パルマス戦のように土壇場で負けていたかもしれないため、スコアレスドローで終わったのは不幸中の幸いだったかも。
え、それでもアトレティコにはシーズン終了後の6月、初出のクラブW杯で優勝するという壮大な目標があるんだろうって?そうですね、シメオネ監督もこのシーズン後半、レガネス、ヘタフェ、エスパニョール、ラス・パルマスと下位チームとのアウェイ戦で散々躓き、今のような惨状に陥った言い訳が尽きたか、試合後は「この4年間、マドリーとバルサと競って、クラブW杯の出場権を獲得したことにはメリットがある」と、何の脈絡もない自慢をしていましたしね。といったって、残留を争うチームにすら勝てない彼らが、アメリカに行って、いきなり強くなるなんて、誰が信じられる?
それにはジョレンテも「シーズンが終わったら、ちょっと休んでクラブW杯なんだから、tenemos que irnos con buenas sensaciones, ganando partidos/テネモス・ケ・イルノス・コン・ブエナス・センサシオネス、ガナンドー・パルティードス(ボクらは試合に勝って、いい感触で行かないといけない)」と言っていたんですけどね。ただ、この土曜のレアル・ソシエダ戦はまだホームゲームであるため、たとえ、アラベス戦の前半40分、ガルセスの脚を蹴ってしまったファールに最初、レッドカードを出され、幸いVARモニターでイエローに変更。退場は免れたものの、累積警告でフリアン・アルバレスが出場停止となっていても、何とかなるかもしれませんが、アウェイでのオサスナ戦とジローナ戦がありますからね。
もう今は4位のアスレティックが先週末、ソシエダとのバスクダービーで引き分けたように、ELにかまけて、現在勝ち点6ある差を縮めてこないことを祈るばかりですが、はあ。同日夜、CLインテル戦2ndレグのためにローテをかけまくったせいで、すでに降格決定済みのバジャドリーに早い時間に先制されながら、きっちり1-2で逆転勝ちしたバルサとはとうとう、勝ち点12差に。数字的にもリーガ優勝の目が完全になくなったことも、アトレティコの選手たちにはどうでもいいんだろうなと思うとちょっと、悲しいですよね。
そして日曜にはマドリーの番が回ってきて、午後2時から、サンティアゴ・ベルナベウでセルタ戦となったんですが、それがこの日は長期リハビリ中のカルバハル、ミリトン、更にはリュディガー、アラバ、メンディが負傷離脱となった守備陣以外にも、前線に穴が開いてしまってねえ。ロドリゴが風邪でお休みとなったんですが、アンチェロッティ監督が代わりにギュレルをスタメンに入れたのが大当たり。そう、前半33分には自ら蹴ったショートCKから回ってきたボールをエリア内左から撃ち込んで、先制点を奪ってくれるんですから、有難いじゃないですか。
すると39分にはGKクルトワがボルハ・イグレシアスのシュートがチュアメニに当たって軌道が変わったボールをparadon(パラドン/スーパーセーブ)した直後、得意のカウンター攻撃が発動。ベリンガムが自陣からパスを送り、エムバペが敵陣エリアまでドリブルで運ぶと、こちらもgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で2点差に。更には後半3分にもギュレルがセンターから送ったスルーパスをまたしてもエムバペが決めて、とうとう3-0になったため、誰もがマドリーの楽勝を確信したものでしたが…。
でも違うんですよ。今季はコパ16強対決でも2-0から終盤に2-2に追いつき、マドリーに延長戦を強いたセルタは、うーん、後半21分にはアセンシオが痛みを訴え、CBがカネラーノ(RMカスティージャの選手)のヤコボに代わったのもマズかったんですかね。「Nosotros no nos rendimos nunca/ノソオロス・ノー・ノス・レンディモス・ヌンカ(ウチは決して降参しない)」というヒラルデス監督が20分には前線をボルハ・イグレシアス、アルフォンからドゥラン、スウェドベリに代えたのも功を奏し、24分にはセルタがCKから1点を返すことに。
そう、ソテロの蹴ったCKをドゥランがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)でゴールに流したボールはライン上でルーカス・バスケスがクリアしたものの、ヤコボが見守る前でハビ・ロドリゲスに撃ち込まれてしまったんですが、30分、セルタのレジェンド、イアゴ・アスパスが満を持してピッチに入ると完全に形勢が逆縁。そのたった1分後にはアスパスのスルーパスをスウェドベリがエリア内から決めて、とうとう1点差に迫られたとなれば、36分にドゥランの1対1のシュートを止めたクルトワが神扱いされたのも当然だった?
実際、その後もクルトワはアスパスやスウェドベリを弾き、おかげでマドリーは3-2で逃げ切ることができたんですが、大丈夫。この2失点のおかげで、オブラクのサモラレース首位は無事キープできたんですが、まあそれはそれ。とりあえず、この白星のおかげで、マドリーは累積警告での出場停止の危険があったチュアメニ、ルーカス・バスケス、セバージョスも欠けず、勝ち点4差を保って、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)のクラシコに挑めることに。
ええ、アンチェロッティ監督も「La final de Sevilla fue muy competida/ラ・フィナル・デ・セビージャフエ・ムイ・コンペティーダ(セビージャでの決勝はとても競ったものだった)」と言っていた通り、前回は延長戦での逆転負けでしたからね。それ以上にコパ優勝をバルサに奪われたのにも、CL準々決勝アーセナル戦で敗退したのにも、どこぞのチームと違って、決して選手たちがメゲないのがマドリーの強み。今季はバルサに3連敗しているといっても勝負は時の運ですし、CLでお疲れの相手にモンジュイックで勝って、勝ち点1差とすれば、残り3試合でリーガ逆転優勝も十分、ありうるかも。
それもキチキチの守備陣がもう誰もケガせず、最後までプレーできるかどうかに懸かっているんですけどね。今はマドリーファンも宿敵をギャフンと言わせるチャンスが巡ってきたことにワクワクしているかと思いますが、何はともあれ、おかげで今週のマドリーはクラブW杯、それにまつわる監督交代話題が減りそうなのは助かります。
そしてベルナベウからの帰りには近所のバルでセビージャvsレガネス戦の後半を見た私だったんですが、いやあ、前半7分にはムニルの蹴ったFKのバウンドをGKニーランが見誤り、先制点が入った時にはようやく勝てるかもと喜んだもんですけどね。それが21分にはスソのCKから、キケ・サラスにヘッドで同点とされ、後半25分にはファンルのアシストでイサークに逆転ゴールを挙げられてしまったから、さあ大変!
それでもその3分後にはチッコのクロスをハビ・エルナンデスが頭で決めて、レガネスは2-2の同点に追いついたんですけどね。情けない兄貴分のせいで、17位のアラベスとこの日、勝ち点5差となっていた19位の彼らには勝ち点1ではまったく足らず。それも後半ロスタイム、ディオマンデがエリア外に出て来たニーランをかわし、空のゴールにシュートしながら、外してしまうなんてことがあってはねえ。いくら18才のカンテラーノに引分けの責任を押し付けることはできないとわかってはいても、ボルハ・ヒメネス監督が、「Hay que darle cariño, pero podía tomar una mejor decision/アイ・ケ・ダールレ・カリーニョ、ペロ・ポディア・トマール・ウナ・メホール・デシシオン(彼には愛情を与えないといけないが、もっといい決断ができたはず)」と愚痴ってしまっても仕方ない?
何せ、月曜にジローナがマジョルカに1-0で勝ったため、いよいよ残り2席の降格チームはアラベス、ラス・パルマス、レガネスの3チームから2つ出る様相になってきましたからね。一応、ボルハ・ヒメネス監督の計算によると、今週末日曜のエスパニョール戦、最終節のバジャドリー戦のホームゲーム2つに勝って、ビジャレアル、ラス・パルマスの2つアウェイ戦のうち、1つに勝てば、何とか残留できるんじゃないかという見込みなんですが…今季34試合で6勝しかしていないレガネスがそんな急に勝てるようになるのか、正直言って、不安しかありません。
いえ、彼らはすでにコパ・デル・レイ優勝を果たしているため、それでも救いはあるんですけどね。そう、アトレティコはCL16強対決レアル・マドリー戦2ndレグでの悪夢のPK戦敗退の直後の週末、体力気力が追いつかず、バルサに2-4の逆転負けを喰らって、リーガ優勝の夢も水泡に帰すという悲運な1週間を体験。実際、この火曜のサン・シーロでの対戦も1stレグはイーブンで、相手にはホームアドバンテージがあるとなると、たとえ、レバンドフスキが負傷から復帰したとはいえ、バルサが10年ぶりとなる決勝進出を果たせるかは、五分五分といったところかと。
もちろん、インテルにもエースのラウタロが1stレグでのケガでフル出場できないという弱みはありますが、2ndレグが延長戦入り、その挙句に負けでもした場合、日曜に迎えるリーガのクラシコ(伝統の一戦)にバルサの選手たちはかなりハンデを負って挑むことにならない?大体がして、インテル戦2ndレグには回復予定だったバルデが間に合わず、1stレグで負傷したクンデもいないため、守備ライン4人がオールCB(エリック・ガルシア、クバルシ、アラウホ、イニゴ・マルティネス)になりそうというのも気掛かりでもありますが、今季の命運が決まるこの1週間、果たして彼らはどんな結末を迎えるんでしょうか。
何せ、どちらもこのところ、白星に恵まれず、つまりはゴールに恵まれていませんでしたからね。それでも枠内シュートを8本撃ったイニゴ・ペレス監督のチームに比べ、ウチェ、アルバロ・ロドリゲスを出場停止で欠くボルダラス監督のチームはたったの1本と、これでは1-0でヘタフェが負けてしまったのも仕方なかったかと。それより最悪だったのは後半35分、ジェネがイエローカードをもらったことに抗議、主審に「MALÍSIMO!/マリシモ(最低)」と悪態をついて、レッドカードで退場になってしまったこと。
おかげで4連敗となったヘタフェは次節、土曜のメスタジャでのバレンシア戦にウチェ(最後の3試合目)、アランバリ(累積警告)、ジェネの3人を欠いて挑まなくてはならず、更にはコレア5試合、ベリンガム2試合と、昨今の風潮から、悪態による退場の場合、キャプテンの出場停止は1試合では済まない可能性も。それでも13位ですし、勝ち点も39あるため、ボルダラス監督も「En ese sentido, estamos tranquilos/エン・エセ・センティードー、エスタモス・トランキーロス(そういう意味では、ウチは落ち着いている)」と言っていたように、降格する危険は少ないかと思いますけどね。コルベラン監督になってから、絶好調で最下位から12位まで浮上したバレンシアとの試合で流れを変えるのは難しいかもしれません。
一方のラージョはこの4試合ぶりの勝利でとうとう、来季のコンフェレンスリーグ出場圏である8位に到達し、金曜にラス・パルマスとのアウェイ戦に臨むんですが、好事魔多しと言いますか、お休みだった週末に練習場に泥棒が入っていたことが月曜に発覚。練習用の器具や備品に被害があったそうで、セッションが中止となってしまったんですが、そのせいですかね。ヘタフェ戦で負傷交代したパテ・シスの診断結果が出て来ないのは。イニゴ・ペレス監督によると筋肉系のものらしいですが、ムニンが今季絶望となってから、CBがルジューヌとアリダネだけしかおらず、時々、シスがヘルプに入って回していた守備ラインがこの先どうなるか、兄貴分のマドリー同様、不安ですよね。
そして翌土曜、ミッドウィークフリーが長く続く恩恵で、負傷者が筋肉痛のリケルメしかいないアトレティコがメンディソローサで何をしてきたかというと。いやあ、正直、何もしなかったというのが本当で、だってえ、前半など、両チーム共、枠内シュートが1本もない有様なんですよ。シメオネ監督のチームがようやく初シュートを撃ったのは後半12分、ギャラガーが大きく外した後、25分に交代出場のサムエル・リノが初めてGKシベラの手を煩わせているようでは…。
唯一のチャンスらしいチャンスは、セットプレーからのラングレのvolea(ボレア/ボレーシュート)が弾かれた時ぐらいとなれば、一体、ラージョ戦に勝った後のこの1週間、何を練習していた?そのあまりの悲惨なプレーぶりには、私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で、ランチのイカリング揚げ入りbocadillo(ボカディージョ/スペイン風バゲットサンド)を食べながら、首を捻っていたんですが、まあ、とうに目標を失くしたチームのアウェイ戦はこんなもの。
いくら、スポーツ紙の番記者がコパ優勝、リーガ逆転優勝、お隣さんから2位奪取と次々、ランクダウンした目標を発明しようが、選手たちが「Queremos estar lo mas arriba posible/ケレモス・エスタル・ロ・マス・アリバ・ポシブレ(できるだけ上にいたい)」と主張しようが、メトロポリターノのファンのプレッシャーもない環境で脚に力が入らないのは、ええ、彼らも人間ですしねえ。それこそ、新記録となる6回目のサモラ(失点率が一番低いGKに与えられる賞)獲得を目指すオブラクが、2度の渡るキケ・ガルシアのシュートを弾いてくれなければ、下手したら、ラス・パルマス戦のように土壇場で負けていたかもしれないため、スコアレスドローで終わったのは不幸中の幸いだったかも。
え、それでもアトレティコにはシーズン終了後の6月、初出のクラブW杯で優勝するという壮大な目標があるんだろうって?そうですね、シメオネ監督もこのシーズン後半、レガネス、ヘタフェ、エスパニョール、ラス・パルマスと下位チームとのアウェイ戦で散々躓き、今のような惨状に陥った言い訳が尽きたか、試合後は「この4年間、マドリーとバルサと競って、クラブW杯の出場権を獲得したことにはメリットがある」と、何の脈絡もない自慢をしていましたしね。といったって、残留を争うチームにすら勝てない彼らが、アメリカに行って、いきなり強くなるなんて、誰が信じられる?
それにはジョレンテも「シーズンが終わったら、ちょっと休んでクラブW杯なんだから、tenemos que irnos con buenas sensaciones, ganando partidos/テネモス・ケ・イルノス・コン・ブエナス・センサシオネス、ガナンドー・パルティードス(ボクらは試合に勝って、いい感触で行かないといけない)」と言っていたんですけどね。ただ、この土曜のレアル・ソシエダ戦はまだホームゲームであるため、たとえ、アラベス戦の前半40分、ガルセスの脚を蹴ってしまったファールに最初、レッドカードを出され、幸いVARモニターでイエローに変更。退場は免れたものの、累積警告でフリアン・アルバレスが出場停止となっていても、何とかなるかもしれませんが、アウェイでのオサスナ戦とジローナ戦がありますからね。
もう今は4位のアスレティックが先週末、ソシエダとのバスクダービーで引き分けたように、ELにかまけて、現在勝ち点6ある差を縮めてこないことを祈るばかりですが、はあ。同日夜、CLインテル戦2ndレグのためにローテをかけまくったせいで、すでに降格決定済みのバジャドリーに早い時間に先制されながら、きっちり1-2で逆転勝ちしたバルサとはとうとう、勝ち点12差に。数字的にもリーガ優勝の目が完全になくなったことも、アトレティコの選手たちにはどうでもいいんだろうなと思うとちょっと、悲しいですよね。
そして日曜にはマドリーの番が回ってきて、午後2時から、サンティアゴ・ベルナベウでセルタ戦となったんですが、それがこの日は長期リハビリ中のカルバハル、ミリトン、更にはリュディガー、アラバ、メンディが負傷離脱となった守備陣以外にも、前線に穴が開いてしまってねえ。ロドリゴが風邪でお休みとなったんですが、アンチェロッティ監督が代わりにギュレルをスタメンに入れたのが大当たり。そう、前半33分には自ら蹴ったショートCKから回ってきたボールをエリア内左から撃ち込んで、先制点を奪ってくれるんですから、有難いじゃないですか。
すると39分にはGKクルトワがボルハ・イグレシアスのシュートがチュアメニに当たって軌道が変わったボールをparadon(パラドン/スーパーセーブ)した直後、得意のカウンター攻撃が発動。ベリンガムが自陣からパスを送り、エムバペが敵陣エリアまでドリブルで運ぶと、こちらもgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で2点差に。更には後半3分にもギュレルがセンターから送ったスルーパスをまたしてもエムバペが決めて、とうとう3-0になったため、誰もがマドリーの楽勝を確信したものでしたが…。
でも違うんですよ。今季はコパ16強対決でも2-0から終盤に2-2に追いつき、マドリーに延長戦を強いたセルタは、うーん、後半21分にはアセンシオが痛みを訴え、CBがカネラーノ(RMカスティージャの選手)のヤコボに代わったのもマズかったんですかね。「Nosotros no nos rendimos nunca/ノソオロス・ノー・ノス・レンディモス・ヌンカ(ウチは決して降参しない)」というヒラルデス監督が20分には前線をボルハ・イグレシアス、アルフォンからドゥラン、スウェドベリに代えたのも功を奏し、24分にはセルタがCKから1点を返すことに。
そう、ソテロの蹴ったCKをドゥランがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)でゴールに流したボールはライン上でルーカス・バスケスがクリアしたものの、ヤコボが見守る前でハビ・ロドリゲスに撃ち込まれてしまったんですが、30分、セルタのレジェンド、イアゴ・アスパスが満を持してピッチに入ると完全に形勢が逆縁。そのたった1分後にはアスパスのスルーパスをスウェドベリがエリア内から決めて、とうとう1点差に迫られたとなれば、36分にドゥランの1対1のシュートを止めたクルトワが神扱いされたのも当然だった?
実際、その後もクルトワはアスパスやスウェドベリを弾き、おかげでマドリーは3-2で逃げ切ることができたんですが、大丈夫。この2失点のおかげで、オブラクのサモラレース首位は無事キープできたんですが、まあそれはそれ。とりあえず、この白星のおかげで、マドリーは累積警告での出場停止の危険があったチュアメニ、ルーカス・バスケス、セバージョスも欠けず、勝ち点4差を保って、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)のクラシコに挑めることに。
ええ、アンチェロッティ監督も「La final de Sevilla fue muy competida/ラ・フィナル・デ・セビージャフエ・ムイ・コンペティーダ(セビージャでの決勝はとても競ったものだった)」と言っていた通り、前回は延長戦での逆転負けでしたからね。それ以上にコパ優勝をバルサに奪われたのにも、CL準々決勝アーセナル戦で敗退したのにも、どこぞのチームと違って、決して選手たちがメゲないのがマドリーの強み。今季はバルサに3連敗しているといっても勝負は時の運ですし、CLでお疲れの相手にモンジュイックで勝って、勝ち点1差とすれば、残り3試合でリーガ逆転優勝も十分、ありうるかも。
それもキチキチの守備陣がもう誰もケガせず、最後までプレーできるかどうかに懸かっているんですけどね。今はマドリーファンも宿敵をギャフンと言わせるチャンスが巡ってきたことにワクワクしているかと思いますが、何はともあれ、おかげで今週のマドリーはクラブW杯、それにまつわる監督交代話題が減りそうなのは助かります。
そしてベルナベウからの帰りには近所のバルでセビージャvsレガネス戦の後半を見た私だったんですが、いやあ、前半7分にはムニルの蹴ったFKのバウンドをGKニーランが見誤り、先制点が入った時にはようやく勝てるかもと喜んだもんですけどね。それが21分にはスソのCKから、キケ・サラスにヘッドで同点とされ、後半25分にはファンルのアシストでイサークに逆転ゴールを挙げられてしまったから、さあ大変!
それでもその3分後にはチッコのクロスをハビ・エルナンデスが頭で決めて、レガネスは2-2の同点に追いついたんですけどね。情けない兄貴分のせいで、17位のアラベスとこの日、勝ち点5差となっていた19位の彼らには勝ち点1ではまったく足らず。それも後半ロスタイム、ディオマンデがエリア外に出て来たニーランをかわし、空のゴールにシュートしながら、外してしまうなんてことがあってはねえ。いくら18才のカンテラーノに引分けの責任を押し付けることはできないとわかってはいても、ボルハ・ヒメネス監督が、「Hay que darle cariño, pero podía tomar una mejor decision/アイ・ケ・ダールレ・カリーニョ、ペロ・ポディア・トマール・ウナ・メホール・デシシオン(彼には愛情を与えないといけないが、もっといい決断ができたはず)」と愚痴ってしまっても仕方ない?
何せ、月曜にジローナがマジョルカに1-0で勝ったため、いよいよ残り2席の降格チームはアラベス、ラス・パルマス、レガネスの3チームから2つ出る様相になってきましたからね。一応、ボルハ・ヒメネス監督の計算によると、今週末日曜のエスパニョール戦、最終節のバジャドリー戦のホームゲーム2つに勝って、ビジャレアル、ラス・パルマスの2つアウェイ戦のうち、1つに勝てば、何とか残留できるんじゃないかという見込みなんですが…今季34試合で6勝しかしていないレガネスがそんな急に勝てるようになるのか、正直言って、不安しかありません。
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ヘタフェは今シーズンの欧州5大リーグで最も荒いクラブと言えそうだ。スペイン『マルカ』が報じている。 ヘタフェは15日、ラ・リーガ第24節でバルセロナと対戦。上位対決となった中、1-2で敗戦してしまった。 今シーズンは24試合を終えて勝ち点42で3位に位置。レアル・マドリー、バルセロナに続いており、このままいけば来シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)も出場可能に。しかし、バルセロナ戦ではある不名誉な記録を打ち立てていた。 <div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " id="cws_ad"><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJGVzRyQW90UyIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div> この試合でヘタフェの選手たちは合計30回のファウルを犯していた。この数字は、今シーズンの欧州5大リーグで最多。さらに、この試合までの最多記録もヘタフェが記録したもので、第17節のバジャドリー戦と第21節のベティス戦で記録した28回であった。 30回のファウルを犯したものの、この試合を通してヘタフェの選手にはイエローカードが2枚提示。一方で、バルセロナは12回のファウルで3枚のイエローカードを受けており、バルセロナを指揮するキケ・セティエン監督も試合後の記者会見で審判のジャッジに不満を述べていた。 とはいえ、ここまで体を張ったプレーが身を結び3位に位置していることを考えれば、一概に悪いとは言えないかもしれない。 2020.02.17 18:25 Mon3
ヘタフェがスタジアム名変更…アルフォンソ・ペレス氏の不適切な性差別的発言受け名前を削除…
ヘタフェが思わぬ形でスタジアム名変更を余儀なくされた。 1998年に開場されたヘタフェのサッカースタジアムであるコリセウム。このスタジアムは市議会が所有しており、地元クラブであるヘタフェが賃貸している。 そのスタジアム名にはヘタフェでプレー歴はないものの、地元出身でかつてレアル・マドリー、バルセロナ、ベティスなどでプレーし、スペイン代表としてもワールドカップと2度のユーロ出場歴があるアルフォンソ・ペレス氏(51)の名前が冠せられ、コリセウム・アルフォンソ・ペレスと呼ばれてきた。 しかし、そのペレス氏は先日の『エル・ムンド』のインタビューで、女子サッカーに関する不適切な性差別的発言をしたとして、大きな批判を招いていた。これを受け、地元議会はスタジアム名から同氏の名前を削除するようにクラブへ通告した。 「女子サッカーと男子サッカーを全く比較することはできないと思う。すべては収入とメディアの影響力に左右されるからだ」 「そして、そこに比較するものはない。現在の女子サッカーについて文句を言うことはできない。彼女たちは進化しているが、地に足をつけて、いかなる意味でも男子のサッカープレーヤーと比較できないことを理解する必要がある」 さらに、ペレス氏は先の女子ワールドカップで初優勝を果たしながらも、スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス元会長の一件で大きな混乱に見舞われたスペイン女子代表に関しても、ボイコットを行った際に愛国心を疑う趣旨の物議を醸す発言を行っていた。 「彼女らが名誉と誠実さを持って自国のユニフォームを守っていることを知ってもらうために、私は彼女らにスペイン国旗にキスを強制するだろう」 「まずそれから、自分が望むものに対して抗議することができる。彼女らが考慮したことを求めるのは良いことだと思うが、代表チームは何よりも重要だ」 なお、ヘタフェの地元議会は今回のスタジアム名変更に際して、新たにコリセウムの名称を関する同スタジアムが「平等、連帯、敬意といったスポーツのポジティブな価値観を伝える模範」となることを期待すると、X(旧ツイッター)で主張している。 2023.10.05 23:03 Thu4
ヘタフェが残留に導いたボルダラス監督の続投発表…2年契約にサイン
ヘタフェは23日、ホセ・ボルダラス監督(59)の続投を発表した。同監督は2025年6月30日までの2年契約にサインしている。 ボルダラス監督は今年4月末にキケ・サンチェス・フローレス前監督の後任として、降格圏の18位に沈んでいた古巣で指揮を執ることに。 以降の7試合では3勝2分け2敗と上々の戦績を残し、15位でのプリメーラ残留に導いた。 クラブとの契約は今シーズン終了までとなり、ボルダラス監督は「より野心的なプロジェクトを探していた」と他クラブで指揮を執る可能性を検討していることを示唆。しかし、最終的にヘタフェ残留を決断する形となった。 ボルダラス氏は、エルチェやアルコルコン、アラベスなどで指揮。2016年9月にヘタフェの監督に就任すると、2021年6月まで指揮を執る。クラブのプリメーラ昇格や、ヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得に導く手腕を発揮。その後、2021年7月にはバレンシアに引き抜かれるも、わずか1シーズンで解任されていた。 2023.06.23 20:41 Fri5
