パリ五輪の切符を懸けた戦いが開幕! オープニングマッチのオーストラリアvsヨルダンはゴールレスドロー【AFC U23アジアカップ】

2024.04.16 00:05 Tue
Getty Images
15日、AFC U23アジアカップが開幕。カタールで行われた今大会のオープニングゲームは、U-23オーストラリア代表vsU-23ヨルダン代表となり、0-0の引き分けに終わった。

本来は2024年1月に開催される予定だったが、2023年夏に開催予定のアジアカップが1月に延期となったことを受け、4月に開催。パリ・オリンピック直前の開催となった。

アジアには3.5枠が与えられているパリ・オリンピックの出場権。4つのグループに4カ国ずつが振り分けられ、上位2カ国が準々決勝に進出。4位のチームは、アフリカ予選4位のU-23ギニア代表と対戦して、最後の切符を懸けて戦うこととなる。
オープニングマッチの主審は日本の木村博之主審が担当。U-23日本代表が勝ち上がった場合は準々決勝で対戦する可能性もある両チームの戦いとなった。

互いに慎重な入りを見せて大きく局面が動かない中、35分にアクシデント。ヨルダンのモハメド・アブアル・ナディが自ら座り込みプレー続行不可能に。エーオン・アル・マハルメと交代した。
そのヨルダンは44分にこの試合で最初のビッグチャンス。GKアーメド・アル・ジュアイディからのロングフィードが通ると、モハメド・アブ・タハがボックス内右からシュート。しかし、これはGKパトリック・ビーチがセーブする。

ゴールレスで迎えた後半は立ち上がりにいきなりヨルダンがチャンス。浮き球のパスをフリーで受けたアレフ・アル・ハジがボックス内でトラップしてそのままシュート。しかし、GKビーチがセーブする。

ヨルダンペースで進む中、54分にはボックス内右でパスを受けたベイカー・カルボーネが鋭いシュートもGKビーチが再び立ちはだかる。すると、これで得たCKからヨルダンはクロスがクリアされるも再び揚げたクロスをカルボーネがヘッド。ネットを揺らすが、これはオフサイドを取られゴールは認められない。

劣勢のオーストラリアは70分に3枚替えで流れを変えに行くことに。それでも中々ヨルダンゴールに迫ることができない。

苦しい展開となっていた中、82分に意外な形でチャンスが。9がドリブルを仕掛けると、ボックス手前で4が倒してしまい2枚目のイエローカードで退場処分を受けることとなる。

押し込んでいながら数的不利になってしまったヨルダン。オーストラリアはこれで得たFKからリース・ユーリーが直接狙うが、枠の遥か上を越えるシュートとなってしまった。

その後は互いにファウルが増える展開となり、互いにチャンスは作れず。アディショナルタイムも7分以上取られた中、最後にオーストラリアがCKを獲得するも、このチャンスも活かせず。0-0のゴールレスドローに終わった。


U-23オーストラリア代表 0-0 U-23ヨルダン代表


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「本田の指導を受けて、可能性はある」日本に敗れるも成長著しいカンボジア、廣瀬龍監督が一定の手応え「良い経験をした」

U-22カンボジア代表の廣瀬龍監督が、U-22日本代表との一戦を振り返った。 26日、AFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選のグループK初戦で日本と対戦したカンボジア。初戦のU-22香港代表戦で4-2と勝利しており、日本に勝てば本大会出場が決定する試合となった。 悪天候の中で行われた試合は、日本にも硬さが見えた中、10分に松木玖生がCKからゴールを決めて日本が先制。前半終了間際には甲田英將がカットインからシュートを決めて2-0とされる。 後半も立ち上がりに細谷真大、中盤に中村仁郎がゴールを決め、日本が4-0で勝利。カンボジアはカウンターから何度か日本ゴールに迫ったが、ゴールを奪えずに終わった。 廣瀬監督は試合を振り返り、ポゼッションをしようと挑んだとコメント。しかし、悪天候もあり、上手くいかなかったと語り、この経験を先に繋げたいと語った。 「今日のゲームの力の差は試合前から承知の上ではありましたが、今までカンボジアチームがコンセプトとしてボールを保持しようというテーマでやってきて、トレーニングを重ねてきました」 「今日は大変な雨が朝から降り、ピッチがどんな状況なのか。悪い状況で考えていましたが、指示も中途半端なこともありました。ただ、ピッチの中で日本を相手にボールを保持をある程度できたので、持ち帰ってトレーニングをしたいと思います。良い経験をしたと思います」 まだまだアジアの中でも発展途上のチームであるカンボジア。一方で、日本代表として3度のW杯を経験し、全てでゴールを決め、現在はリトアニアのスドゥーヴァでプレーする本田圭佑がGM(ゼネラルマネージャー)として実質的な監督となり指導を進めている。 廣瀬監督はA代表を含めて、本田の指導の下でチームが成長してきているとコメント。この試合でも一定の手応えがあるとした。 「本田GMがこの大会を迎えるにあたって、今日いるメンバーとフル代表、シニアチームと一緒に試合をして、ポゼッションについて、チーム全体として、カンボジアとしてやっていこうと話しました」 「そうは言っても、この天候が気になっていて、それをできなかったです。ただ、手応えはあると感じています」 日本相手にまずまずの手応えを感じる廣瀬監督だが、試合を分けたのは先制点だとし「ちょっと早い時間帯だった」と振り返った。一方で、カウンターからもチャンスがあったことに触れ「少なかったですがチャンスもあって、ある程度技術的にもできる選手がいたことは、大変嬉しく思います」と、選手のパフォーマンスには一定の満足感を示した。 また、この先のカンボジアの可能性についても言及。「今は日本人スタッフが、JFA(日本サッカー協会)から派遣されています。ジュニアユースの年代も鍛えてくれています。選手の大半が彼らが育ててきた選手です」と日本人の指導を受けて、若い世代から育てていると言及。「日本人の指導者が若い選手を育ててくれているので、体は大変小さい選手ばかりですが、技術や戦術的なものは急激なレベルアップをしていると思っています」と、持ち味の器用さとスピードを生かしたいとした。「これから本田の指導を受けて、可能性はあると思っていますし、その夢にかけてやっています」と、GMの本田と共に、カンボジアの発展を目指すと意気込んだ。 2021.10.27 12:15 Wed
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地元凱旋の植中朝日、小学校時代のチームメイト大畑歩夢共に日の丸を背負いピッチに立てるか?「いつか一緒にと思っていて再会できた」

U-23日本代表のFW植中朝日(横浜F・マリノス)が、地元に凱旋。U-23ウクライナ代表戦へ意気込みを語った。 22日に京都でU-23マリ代表と対戦したU-23日本代表。パリ・オリンピックへの出場が決定している相手に1-3で敗れていた。 翌日、試合会場の北九州へとチームは移動。試合会場の北九州スタジアムでトレーニングを行った。 22日の試合に先発出場した11名と、後半頭から出場した細谷真大、染野唯月はリカバリーを実施。残りの選手たちはしっかりとトレーニングを行った。 北九州市出身の植中は、練習後のメディア取材に応じ、地元への凱旋に言及。小倉南FC時代のチームメイトでもあるDF大畑歩夢(浦和レッズ)との代表での再会について語った。 「やっぱり変な感じもしますけど、1回チームを離れてここで再会しているので、ここを目標に僕はやっていましたし、先に彼が代表に入っていたので、いつか一緒にと思っていて再会できたことは嬉しいです」 植中は中学年代からJFAアカデミー福島U-15に加入してチームを離れ、大畑は中学まで小倉南FCに在籍し、その後にサガン鳥栖U-18に加入。小学校以来のチームメイトとなる2人が地元に代表選手として帰ってくる。 植中は「彼のクロスから僕がゴールを決められれば良いなと思います」と意気込み。試合には小倉南FCの恩師は「電話は来たんですが、来るのかはわからないです(笑)」とのことだが「チームの子供たちは来ると言っていたので、そういう子供たちの前で活躍できれば恩返しになるかなと思います」と活躍を誓った。 マリ戦は前半45分で交代。トップ下としてプレーした中、決定機は迎えられなかった。「『悪くて交代じゃないから』と言われました」と大岩剛監督からは説明があったとし、「半分できなかったのでその分のパワーはあり余っていますし、ウクライナ戦にぶつけたいです」と意気込みを語った。 植中はV・ファーレン長崎でキャリアをスタートし、2023シーズンから横浜FMに加入。J1での優勝争いに加え、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でもプレーし、パリ五輪世代によばれるようになった。 最終予選を4月に控える中で続けての招集。ただ、自身はまだまだアピールが必要な立場だと語る。 「(パリ五輪行きが近づいている)実感は全然なくて、ヨーロッパ組が来なかったから自分が入っているだけで、立ち位置は厳しい状況にあると思います。その状況を打開するために結果を残さないと生き残れないと思っているので、何がなんでもという気持ちでラスト一戦に臨みたいと思います」 息巻くウクライナ戦。イメージとしては「このチームでもマリノスでもシャドーをやっていて、相手もちゃんとしたサッカーをやっているので、自分としては2列目からの背後の飛び出しはどの相手にも通用すると思っているので、常にゴールを狙っています」とコメント。しっかりと数字に残る結果を目指すと意気込んだ。 2024.03.23 21:15 Sat

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