「ホームでのゴールは格別」…東京Vにホーム初白星もたらした木村勇大が殊勲の2発誇る

2024.05.06 22:15 Mon
2ゴールで勝利に貢献の木村勇大
©超ワールドサッカー
2ゴールで勝利に貢献の木村勇大
東京ヴェルディに待望のホーム初白星と連勝をもたらした殊勲の若きストライカーが、自身も待ちわびた本拠地での2ゴールを誇った。
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東京Vは6日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第12節のジュビロ磐田戦に3-2で勝利した。昨シーズンのJ2リーグで熾烈な昇格争いを演じた11位の磐田を相手に、今シーズンのホーム初勝利と初の連勝を狙った緑の名門。
2点リードで試合を折り返す、上々の前半45分を過ごしたものの、後半序盤の連続失点で追いつかれる拙い試合運びに。さらに、痛恨のPK献上で一時逆転の危機も迎えたが、FWジャーメイン良のPK失敗に救われて辛くも2-2のイーブンを維持。その後、相手の一発退場で数的優位を得ると、13分が加えられた後半アディショナルタイムに劇的な勝ち越しゴールを挙げ、苦しみながらも待望のホーム初白星を手にした。

この白熱の昇格組対決で文句なしのマン・オブ・ザ・マッチの活躍を見せたのが、京都サンガF.Cからの期限付き移籍で、アカデミー時代を過ごした古巣に帰還したFW木村勇大だ。
ここまで保有元の京都との対戦を除く全試合でスタメン出場し、いずれもアウェイの地で3ゴールを挙げていた大型ストライカーは、この磐田戦で決勝点を含む2ゴールに、DFリカルド・グラッサの退場を誘発する殊勲の働きを見せた。

そして、23歳FWは試合後のミックスゾーンで「開幕からホームでなかなか勝てていなくて、すごくファン・サポーターの皆さんも歯がゆい思いをしていたと思うので、それは自分たちもそうでしたし、そのなかで難しい展開でしたけど、勝ち切ることができて、ホーム初勝利はすごくうれしいです」と、満面の笑みで味スタでの今季初勝利を振り返った。

これでチームトップの5ゴールを挙げた木村だが、前節のサガン鳥栖戦では自ら得たPKを決めて先制点を挙げた一方、後半立ち上がりのゴール前でのビッグチャンスを逸し、この試合に向けた会見で城福浩監督も「木村勇大はシュートの練習をしなければいけない」と決定力の改善を訴えていた。

そういったなか、「勝ち切るゴール、2点目を取ること」を課題に「今日こそはと思って挑んだ試合」では、その2つの課題を見事にクリアする2ゴールを決めてみせた。

前半41分にセットプレーの流れからFW染野唯月のヘディングシュートのこぼれをゴール前で詰めて決めたチーム2点目の場面では、シュートセーブで倒れていたGK川島永嗣に当てないように蹴り上げる形でのフィニッシュだったが、クロスバーの内側を掠めてゴールネットを揺らす際どいフィニッシュでもあった。

そのフィニッシュは概ね狙い通りの形だったが、「ちょっと(コースを)攻めすぎました(笑)」と自身としても冷や汗をかくものだったという。

「ソメ(染野)がいいところにヘディングしてくれて、そういうこぼれに詰めるとか、誰かが逸らしたところに反応するというのは、すごくこだわってやってきたので、ソメがいいところにヘディングして、いい形で目の前にこぼれてきたので、冷静にちゃんと開いているコースを見れて打てました」

「(クロスバーを掠める際どいシュートに)焦りましたね。やっちゃったなと思ったら、入ったのでよかったです。ちょっと(コースを)攻めすぎてしまいました(笑)」

一方、後半アディショナルタイムの99分に決めた殊勲の決勝点はニアゾーンへのタイミングの良い抜け出し、角度のないところから左足で決め切る、文句なしのファインゴールだった。

木村自身は「気持ちで入ってくれた」と謙遜したが、ストライカーとしての矜持、周囲との密なコミュニケーション、日々の研鑽を感じさせる会心の一撃だったことを窺わせた。

「なかなか押し込んで最後のブロックのところをこじ開けられない時間が続いていた中で、ソメが(森田)晃樹にすごくいいパスを入れて、晃樹だったらパスを出せるのではないかなと思って、ちょっとスペースが空いたのがわかったので、とにかくそこに走り込んですごくいいボールが来たので、あとは決めるだけでした」

「中に味方の選手がいたのもわかっていましたけど、あの局面ではシュートかなと思いましたし、キーパーとの駆け引きとかもありますけど、そこはあまり考えずに、とにかく強いシュートを打ったので、気持ちでそこは入ってくれたのではないかなと思います」

その殊勲の一発を決めた直後には一目散に緑のゴール裏に駆け寄り、ホームサポーターと喜びを分かち合った木村は、京都からの期限付き移籍でのプレーであることを自覚しつつも、「自分はもうヴェルディの人間だと思っているので、その中でファン・サポーターの方たちの応援のおかげで、勝ち切ることができましたし、最後に押し込んでいる展開のときにすごく声援が力になっていたので、みんなと喜びを分かち合えたらと思ってゴール裏に行きました」と、そのゴールセレブレーションを説明。

さらに、「自分自身もアウェイだけのゴールだなと思っていましたし、なかなかホームで決められていなくて、ホームで勝利もできていなかったので、ホームでゴールを決めるのは格別でした」と、改めてホームでの待望の初ゴールに満足感を示した。

東京V加入後は前線の選手にも守備面のハードワークを求める指揮官の下、攻守両面で抜群の存在感を放つ偉丈夫は、今季ここまでのJ1で被ファウル数がトップというデータもあり、得点以外の部分でもチームに欠かせない存在となっている。

その被ファウルのデータについて「ちょっと控えてほしいですね。(笑) 結構、痛いので…」と冗談とも本音とも取れるリアクションを見せた木村。それでも、「それも光栄なこと。去年の自分は京都で全く出られなくて、途中から金沢に行ってJ2でプレーし、(チームは)J3に落ちてしまいました。そこでもなかなか納得いくプレーができない中、こうやって拾ってもらって、J1で今は堂々とプレーして、相手選手にもそういう厳しいマークをされているというのは、自分の価値が上がってきている証拠」と、自身の成長を実感。

また、「去年は全然試合にも出られなくて、今年はこうやってずっと開幕から使ってもらっていて、いい意味で連戦なんで疲れはありますけど、すごく幸せな疲れ。こうやってピッチに立たせてもらっていることに感謝しかない」と、改めて新天地での充実ぶりを語った。

なお、敵地で行われる次節の3位・鹿島アントラーズ戦は、「すごく良い関係性が築けている」と強い信頼を口にする相棒の染野が保有元との契約で不在となり、「彼がいないので、すごく厳しい戦いになる」と木村自身も覚悟を持って臨む一戦となるが、2戦連発の勢いに乗ってチームを3連勝に導けるか…。

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【Jリーグ移籍情報まとめ/1月1日】新年を迎えたと同時に千葉の若きエースFW小森飛絢が契約更新、岡山は韓国2部からブラジル人補強

Jリーグ移籍情報まとめ。2024年1月1日付けのJリーグ各クラブにおける移籍動向を一挙にお届け。 <div style="text-align:center;" id="cws_ad">【<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=457003&div=1">J2移籍情報</a> | <a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=457003&div=2">J3移籍情報</a>】</div> <span class="paragraph-subtitle">【J1移籍情報】年明け直後に新潟MF高木善朗が契約更新</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/transfer20240101_tw1.jpg" alt="年明け直後に新潟MF高木善朗が契約更新" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:center;font-size:0.9em;">年明け直後に契約更新したMF高木善朗/©︎超ワールドサッカー<hr></div> ◆アルビレックス新潟 《契約更新》 MF高木善朗(31) <span class="paragraph-title">【J2移籍情報】来季はJ1で戦う磐田がジャーメイン良と契約更新</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/transfer20240101_tw2.jpg" alt="来季はJ1で戦う磐田がジャーメイン良と契約更新" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:center;font-size:0.9em;">今季のチーム内得点王タイのジャーメイン良/©J.LEAGUE<hr></div> <div style="text-align:center;" id="cws_ad">【<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=457003">J1移籍情報</a> | <a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=457003&div=2">J3移籍情報</a>】</div> ◆ブラウブリッツ秋田 《契約更新》 DF加賀健一(40) ◆モンテディオ山形 《契約更新》 FW藤本佳希(29) DF川井歩(24) ◆水戸ホーリーホック 《契約更新》 GK本間幸司(46) FW村田航一(27) [OUT] 《完全移籍》 MF新里涼(28)→いわてグルージャ盛岡 ◆ザスパクサツ群馬 《契約更新》 DF酒井崇一(27) FW平松宗(31) ◆大宮アルディージャ 《契約更新》 FW富山貴光(33) [OUT] 《完全移籍》 MF大山啓輔(28)→ツエーゲン金沢 ◆ジェフユナイテッド千葉 《契約更新》 FW小森飛絢(23) ◆ヴァンフォーレ甲府 《契約更新》 DF山本英臣(43) ◆ツエーゲン金沢 《契約更新》 FW杉浦恭平(34) [IN] 《完全移籍》 MF大山啓輔(28)←大宮アルディージャ ◆ジュビロ磐田 《契約更新》 FWジャーメイン良(28) ◆ファジアーノ岡山 [IN] 《完全移籍》 FWグレイソン(27)←慶南FC(韓国) ◆徳島ヴォルティス 《契約更新》 MF西谷和希(30) <span class="paragraph-title">【J3移籍情報】水戸から岩手にMF新里涼が加入</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/transfer20240101_tw3.jpg" alt="水戸から岩手にMF新里涼が加入" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:center;font-size:0.9em;">水戸から岩手に加入したMF新里涼/©︎J.LEAGUE<hr></div> <div style="text-align:center;" id="cws_ad">【<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=457003">J1移籍情報</a> | <a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=457003&div=1">J2移籍情報</a>】</div> ◆ヴァンラーレ八戸 《契約更新》 MF山田尚幸(36) ◆いわてグルージャ盛岡 [IN] 《完全移籍》 MF新里涼(28)←水戸ホーリーホック ◆Y.S.C.C.横浜 《契約更新》 MF道本大飛(25) ◆AC長野パルセイロ 《契約更新》 FW進昂平(28) 2024.01.02 08:30 Tue

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「このクラブでもっと成長したい」鹿島から完全移籍での東京V加入決断のDF林尚輝が“全緑”で臨む今季へ意気込み

2年間の期限付き移籍期間を経て、正式に東京ヴェルディの一員となったDF林尚輝が、“全緑”で挑む新シーズンへの意気込みを語った。 立正大淞南高校、大阪体育大学を経て鹿島アントラーズでプロキャリアをスタートした林。しかし、J1屈指の名門でのポジション争いは厳しく、ケガの影響もあって加入2シーズンは思うような活躍を見せられず。そんななか、2023シーズンには出場機会を求めて当時J2の東京Vへ期限付き移籍。 加入1年目は絶対的な主力とはいかなかったが、リーグ戦23試合3得点の活躍で16年ぶりのJ1昇格に貢献。2024シーズンは保有元である鹿島からの復帰要請も届いたが、「J1に上がって自分がどれぐらいできるのか」との想いを抱くなか、移籍期間延長という形で残留。 そして、キャリアハイのリーグ戦29試合に出場し、ディフェンスラインの主力の1人としてJ1残留とともに6位躍進のチームを支えた。 今冬のストーブリーグにおいては鹿島復帰の可能性に加え、他クラブからも声がかかっていたという林。東京Vでの後半戦では序列低下によって出場機会が減少しており、必ずしもポジションが約束されていない状況だったが、完全移籍での加入を決断したのはシーズン中の昨年11月の早い段階だったという。 「完全に(移籍を)決めたのは、最終節の2節前(川崎フロンターレ戦)の前日に決めて、それはいろんな他のクラブとの兼ね合いもあって、その段階で早めに決めようというのは自分の中でも決断して、残り2節に挑もうという思いがあったので、そこは早めに決断しました」 「もちろん鹿島か、ヴェルディかというのもありましたけど、他のクラブも声をかけてくれた関係もあって、逆に早く決断することになりました。いろんな人に話を聞きましたが、ほぼ自分の中では固まっていた部分があったというなかでの決断でした」 その決断の背景には「出られなかった時間も自分にとって成長できる時間だった」と、“成長”をキーワードに、多くの若手が日常を重要視し、切磋琢磨するクラブの環境、「みんながどの方向に向かっていきたいかというのが明確」という“一体感”に強く惹かれた部分があった。 「昨年の1年間は、ケガをせずに1年通して挑みたいシーズンであって、シーズン通しては大きなケガなくやれたという面では、自分の中での成長とか、経験というのを感じながらプレーできていた。ただ、それだけでは年間通して試合に出られないというのは、他の選手もいい選手がたくさんいますし、その競争に勝てなかったというのが自分の中ですごく残っていて、それが後半戦試合に出られないというのを経験するなかで、その出られなかった時間というのも自分にとって成長できる時間でしたし、このクラブでもっと成長したいという思いを持っていました」 「今まではレンタルという部分でどこか鹿島の影というのがあったと思いますが、完全でヴェルディの選手になることで、もう一皮、二皮むけるのかなという思いもあって、このチームでやりたいと思って決断しました」 「(ヴェルディの魅力)僕は鹿島でしか比べることができないですけど、一番は一体感のところだと感じています。みんなで何かを成し遂げようという志が高い選手が多いので、何か問題が起きたときとかにも、どうやればいいのかという話し合いができますし、もちろん感情的にぶつかるときもありますけど、城福さんも自分たちのサッカーはバトンを渡していくというふうに言っていましたけど、横の繋がりみたいなのはすごくあるのかなと」 「やっぱりプロなので、誰が試合に出る、出ないというのはありますけど、ただチームとしてみんながどの方向に向かっていきたいかというのが明確なのが、このチームの強さなのかなというふうに思っています」 来季も東京Vでプレーする決断を下したなか、昨季のJ1最終節の京都サンガF.C.戦では7試合ぶりに先発出場。結果は0-0のドローに終わったが、個人としては守備面で出足鋭い潰しや決定的なシュートブロックなど持ち味を遺憾なく発揮。加えて、課題とする攻撃面においても積極性をもってチャレンジする姿が印象的だった。 試合後のミックスゾーンではアウェイまで駆け付けた多くのサポーターの声援を聞いて「うるっときました」と感情的になったことを明かしていたが、その裏には久々の先発出場という状況だけでなく、完全移籍での残留を決断して最初の試合という事情もあった。そのなかでの好パフォーマンスは新シーズンに向けても自信に繋がった。 「もう2節前から決断していましたが、そこでは試合に出られなくて、そんな簡単にいくわけではないな、という思いはありました。ただ、最終節にチャンスが来て、自分の長所に立ち返ってプレーできたと思いますし、やっぱり来季ここでプレーするという思いもあっての最終節という部分で、ファン・サポーターの声援であったりというのは、すごく自分の心にしみるものがありました。自分の決断は間違っていなかったのかなと思わされるなかでのプレーだったので、すごく感情的にもなっていました」 「自分がどっちに行くのか、残るのかという考えではなくて、『俺はここでやるんだ』という思いで、ピッチに立てたというのは、覚悟にもプレーにも繋がっていたと思いますし、すごくそこはクリアにできました。90分は久しぶりでしたけど、逆にあの試合でダメだったら、来年は厳しいという思いも持って挑んだので、それがしっかり表現できたことはよかったです」 2年の期限付き移籍期間を経て完全移籍に移行し、心機一転で臨む2025シーズンの戦いに向けて林は、よりリーダーシップを意識しつつ、完全移籍加入のリリースでも触れたように、“全緑”でチームのために戦う覚悟を強く抱く。 「まずは新しい気持ちで挑みたいというシーズン。もちろん完全移籍でこのチームでやれるというのは誇らしいことですし、レンタルとは違う自分を見せられるようにやりたいという思いはあります。数字のところでもしっかり試合に出場して、1年間通して戦力になり続けるというのは、去年残った課題ではあったので、そういうところにこだわってやっていきたい」 「自分自身の中ではヴェルディのためにという思いはずっと持ってやっていましたけど、心のどこかで鹿島からレンタルで来ているという遠慮も、多少はあったかもしれないです。それを振り切れるので、(完全移籍加入のリリースで)“全緑”でと書きましたけど、その気持ちでやりたいです」 林を含め、同じく鹿島から完全移籍へ移行したFW染野唯月ら多くの主力が残留し、新シーズンは指揮官が掲げる「超野心的な目標」に向け、さらなる躍進を目指すシーズンとなる。 緑の背番号4は「J2の頃からの積み重ねというのが、去年の6位に繋がっていると思いますし、今年もその積み重ねというのを活かしたなかで、新しい選手も来て、またそこに上積みができると思っている」とアドバンテージを認めながらも、「簡単にいかないのがJ1だと思いますし、新たな気持ちで、チャレンジャーというのを忘れずにやるのが大切」と、サプライズを起こした昨季同様のチャレンジャー精神で今季の厳しい戦いに挑む。 2025.01.14 12:19 Tue
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「ヴェルディで19番をつけたい気持ちはずっとあった」昨季躍進の象徴の一人、東京Vの新19番・松橋優安が新たな決意

16年ぶりのJ1の舞台で躍進を遂げた昨シーズンの東京ヴェルディの象徴の一人となったMF松橋優安が、19番を背負って臨む勝負のシーズンへの想いを語った。 百戦錬磨の城福浩監督の下、シーズンを通して伸びしろ豊かな個々の成長によってチームとしての最大値を着実に上げた東京Vは、最大の目標だったJ1残留を早々に成し遂げ、最終的に6位フィニッシュというサプライズを提供した。 指揮官が2024シーズンの総括会見の場で、その躍進の象徴としてDF千田海人とともに名前を挙げたのが、「最初の時点でフィールドプレーヤーが30人いたとすれば、30番目だった」と正直に語った生え抜きMFだった。 東京ヴェルディジュニアから緑の名門のアカデミーでプレーする松橋は、いずれもシント=トロイデンに在籍し、パリ・オリンピックでもプレーしたMF山本理仁、MF藤田譲瑠チマらを同期に持ち、ユース時代には背番号10を背負った。 だが、2020年のトップチーム昇格後は思うように出場機会を得られず、SC相模原、レノファ山口FCへ武者修行に出された。いずれのクラブでも定位置を掴めずにJ1昇格の保有元に帰還となり、下部カテゴリーへの再びの武者修行を固辞したなか、プレシーズンは本職のウイングではなく、空いているポジションをあてがわれる立場にあった。 それでも、トレーニングや日常がすべてと語り、チーム全体をフラットな目で評価する指揮官は「彼の成長具合は目を見張るものがあった」と、日々の練習において頭から湯気を出し続け、足元の技術といったこれまでの持ち味以上に、献身性・ハードワークを最大の長所に変えた23歳を評価。 シーズン序盤の第3節セレッソ大阪戦で抜擢すると、以降は途中出場がメインながらも、最終的にリーグ戦30試合(先発5)に出場。第11節のサガン鳥栖戦では東京Vのトップチームでの初得点となるJ1初得点も記録した。 不退転の覚悟で臨み、自身のサッカー人生におけるターニングポイントとなった昨季を「あれだけサッカーと向き合った1年間はなかったですし、それは間違いなく、自信にも繋がっています」と振り返った松橋。 ただ、J1で通用するという手応えを得た一方、ポジション奪取やさらなる飛躍への課題を自覚するとともに、自身の立ち位置の変化よって、新シーズンは昨季同様に進化が必要だと語る。 「去年は去年で、今年は求められることは違うと思うので、そこのベースは絶対に崩さず、より一層成長しながら、結果という部分を残していけるようにと意識しています」 立ち位置の変化とともに、今季はプロ1年目と昨季背負っていた33番から19番に背番号を変更。相模原での2年目、山口でも背負っていた19番は、MF梶川諒太(藤枝MYFC)、DF平智広(ツエーゲン金沢)らとともに近年の東京Vを支えたレジェンドであり、松橋がプロ入りから公私にわたって世話になってきたMF小池純輝(クリアソン新宿)が在籍時に背負っていた番号だ。 その小池との師弟関係を鑑みれば、番号変更の理由は明白だが、松橋はヴェルディで19番を背負う意味とその覚悟を改めて語った。 「(19番を)背負うからには覚悟を持っていますし、今年はより一層結果が求められる年になる。サポーターの方でも、なぜ自分が19番をつけたかということを理解してくれている人もいると思いますし、そういった方々に結果で示せるようにと考えています」 「(小池と今オフに)食事する機会があって、それ以前にも毎回、(19番を)つけてほしいというのは言われていました。個人的にもプロ1年目でサッカーはもちろんのこと、それ以外の人間性の部分でも、とても多くのことを学ばせていただき、お世話になった尊敬する人です。違うチームに行ったときも空いていたときにはつけていましたし、何よりこのヴェルディで19番をつけたいという気持ちはずっとあったので、いよいよ今シーズンは19を背負って戦えるというのは楽しみです」 東京Vの新19番として臨む今季に向けてはこれまで同様の日々のハードワークとともに、昨季を通して課題に挙げている、ゴールに直結する仕事を強く意識。加えて、ユースの後輩や大卒の加入によって後輩が増えたなか、リーダーシップの部分でもより存在感を示していきたいという。 「まずはキャンプでケガをしないこと。そのなかで練習試合だったりもありますし、そこで結果を残せば、試合にも活きると思うので、この期間は本当に大事だと思っています。まずケガしないこと。さらに、プレシーズン期間から結果にこだわりたいと考えています」 「やっぱりこのチームは若いですし、今年は特に年下が増えてきたなと感じています。立ち位置的にも自覚を持ちながら、自分は声とかではなく背中で示すというか、引っ張っていかないといけないなと。そういう自覚もちょっと持ち始めています」 「ただ、試合に出るためには競争に勝っていかないといけないですし、一番差がつくのはこの期間だと思っているので、そこは負けないように、みんなで切磋琢磨しながら質の高いトレーニングができるメンバーが揃っていると思うので、そこはより充実させていきたいです」 野心的な指揮官とともに、チームは昨季の6位以上の躍進を目指す。今季も引き続き“成長”をキーワードに掲げるなかで松橋は、「間違いなく簡単なリーグではないですし、もちろん相手の対策もあると思いますけど、まずチームとして去年大事にしてきた部分というのは絶対になくしてはいけない」、「そこからさらに上に行くためには個人もそうですけど、根本は変えずに、質だったり結果にこだわっていきたいです」と、これまで築き上げてきた確固たる土台に、いかに多くのものを積み上げられるかが成功のカギを握ると考えている。 2025.01.14 14:40 Tue
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昨季16年ぶりJ1で6位躍進の東京Vが新体制発表! 新10番は完全移籍移行の木村勇大、平川怜は16番に

東京ヴェルディは7日、2025シーズンのトップチーム体制ならび、選手背番号を発表した。 2024シーズン、16年ぶりのJ1の戦いに挑んだ東京Vは、城福浩監督の下で明治安田J1リーグで6位フィニッシュという躍進を果たした。そして、J1復帰2年目となる新シーズンはJ1定着をノルマに、ACL出場権獲得とともにタイトル獲得を目指した戦いに臨む。 今冬の移籍市場においては、躍進に貢献したMF山田楓喜(京都→ナシオナル)が期限付き移籍期間満了、MF見木友哉(アビスパ福岡)が完全移籍で退団。さらに、複数名がチームを離れた。 一方で、チーム得点ランキング上位で躍進を支えたFW木村勇大、FW山見大登、FW染野唯月の3選手、ディフェンスラインの主力を担ったDF林尚輝を期限付き移籍から完全移籍に移行。 さらに、DF鈴木海音、MF平川怜をジュビロ磐田、MF福田湧矢をガンバ大阪、GK馬渡洋樹を湘南ベルマーレから完全移籍で獲得。大学サッカー界からFW熊取谷一星、DF内田陽介を明治大学、3年時より特別指定選手としてプレーしていたMF新井悠太が東洋大学から加入、東京ヴェルディユースからMF川村楽人が昇格した。 背番号では京都サンガF.C.から完全移籍加入の木村が昨季の「20」から「10」に変更。新戦力では鈴木は「15」、平川は「16」、福田は「14」、馬渡は「31」に。 また、昨季から在籍している選手ではDF千田海人が「5」、MF松橋優安が「19」、FW山田剛綺が「13」と背番号を変更している。 ◆選手背番号一覧 GK 1.マテウス 21.長沢祐弥 31.馬渡洋樹←湘南ベルマーレ/完全移籍 41.中村圭佑 DF 2.深澤大輝 3.谷口栄斗 4.林尚輝←鹿島アントラーズ/完全移籍移行 5.千田海人※背番号変更 6.宮原和也 15.鈴木海音←ジュビロ磐田/完全移籍 26.内田陽介←明治大学/新加入 29.佐古真礼←いわてグルージャ盛岡/復帰 MF 7.森田晃樹 8.齋藤功佑 14.福田湧矢←ガンバ大阪/完全移籍 16.平川怜←ジュビロ磐田/完全移籍 17.稲見哲行 19.松橋優安※背番号変更 20.食野壮磨※背番号変更 22.翁長聖 23.綱島悠斗 28.山本丈偉※背番号変更 30.川村楽人←東京Vユース/昇格 39.仲山獅恩←東京Vユース/2種登録 40.新井悠太←東洋大学/新加入 FW 9.染野唯月←鹿島アントラーズ/完全移籍移行 10.木村勇大←京都サンガF.C./完全移籍移行 11.山見大登←ガンバ大阪/完全移籍移行 13.山田剛綺※背番号変更 25.熊取谷一星←明治大学/新加入 27.白井亮丞※背番号変更 2025.01.07 15:59 Tue
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今治退団のFW阪野豊史が34歳で現役引退…浦和や山形、松本など7クラブでプレー「勝利の歓喜も、敗北の苦しみも、すべてが私を成長させ、人生の糧となりました」

FC今治は13日、2024シーズンまで在籍していたFW阪野豊史(34)の現役引退を発表した。 埼玉県生まれで浦和レッズユース出身の阪野は、明治大学を経て浦和レッズでプロキャリアをスタート。その後、栃木SC、愛媛FC、モンテディオ山形、松本山雅FC、東京ヴェルディでプレー。2023年夏に今治へ完全移籍で加入した。 2024シーズンは明治安田J3リーグで27試合に出場し3得点。後半戦は出番が減少したが、チームのJ2初昇格に貢献していたが、契約満了となっていた。 通算ではJ1リーグで22試合2得点、J2リーグで290試合65得点、J3リーグで43試合8得点を記録した。 今治を通じて、阪野は現役引退への想いとこれまで関わってきたクラブやファン・サポーターへの感謝を伝えた。 「2024シーズンをもちまして、選手生活を引退することを決意しました。プロサッカー選手として過ごした年月は、喜びも悔しさも、そして何より多くの出会いに恵まれた、かけがえのない時間でした」 「プロ生活を振り返ると、自分のゴールシーンや勝利の喜びよりも、まず先に応援してくださったファン・サポーターの皆さんの顔が浮かびます。どんなときも熱い声援を送ってくださり、一緒に喜び、時には励ましてくれた皆さんの存在が、私にとってどれほど大きな支えだったか、改めて感じています。そして、応援されることがどれほど幸せなことなのか、今になってそのありがたみをより深く実感しています。本当にありがとうございました」 「また、これまで所属させていただいた 浦和レッズ、栃木SC、愛媛FC、モンテディオ山形、松本山雅FC、東京ヴェルディ、FC今治 のすべてのクラブに、心から感謝を申し上げます。それぞれのチームで経験した日々が、私を成長させてくれました」 「そして、この道を支えてくれた家族への感謝を伝えたいと思います。どんなときも背中を押し続けてくれた妻や子どもの存在が、どれだけ大きな支えになったか、言葉では表しきれません。本当にありがとう」 「また、サッカーとの出会いから今日までを支えてくれた両親にも、心から感謝しています。いつも私の夢を一緒に追いかけてくれたことがなければ、今日の私はありませんでした。サッカーを楽しむ心や努力する姿勢を教えてくれたお二人に、今、改めて「ありがとう」と伝えたいです」 「さらに、自分をプロサッカー選手の世界へ導いてくださった堀孝史さんにも、この場を借りて感謝の気持ちをお伝えしたいです。堀さんとの出会いがなければ、プロの舞台に立つことは叶いませんでした。本当にありがとうございました」 「勝利の歓喜も、敗北の苦しみも、すべてが私を成長させ、人生の糧となりました。この経験は、これからの人生でもずっと私を支えてくれると信じています。もちろん、サッカー選手としてピッチを離れることには寂しさがあります。しかし、これからは新しい形でサッカーと向き合い、恩返しができる道を探していきたいと思っています。これからの挑戦も、どうか温かく見守っていただけたら幸いです」 「最後になりますが、これまで関わってくださったすべての皆さまに、心から感謝を申し上げます。そして、これからもサッカーという素晴らしいスポーツを愛し、支えていってください。直接お伝えする機会がないまま、このような形でのご報告になってしまい、申し訳ありません。本当にありがとうございました」 2025.01.13 18:40 Mon
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妥協なき指揮官とともにピッチ内外で着実な歩み見せる新生ヴェルディ「このチームはもっと超野心的な目標に向かっていける」

J1復帰2年目の重要なシーズンに臨む東京ヴェルディが、オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチの双方で着実なステップを踏み出している。 2008年のJ2降格以降、クラブの経営危機などにも見舞われて15年に渡ってJ2での戦いが続いた東京V。しかし、2022年6月に就任した城福浩監督と、江尻篤彦強化部長の二人三脚の下、クラブ伝統の巧さに加えて、現代フットボールのファンダメンタルとなりつつあるハイインテンシティを身に着けた新生ヴェルディは、2023シーズンのJ1昇格プレーオフを制し、16年ぶりにJ1の舞台に復帰。 続く2024シーズンはJ1での経験が乏しい最年少スカッドで厳しい戦いに挑んだなか、開幕前の最有力降格候補との下馬評を見事に覆す痛快な戦いぶりをみせ、復帰初年度を6位でフィニッシュした。 そして、J1復帰2年目となる新シーズンはJ1定着をノルマに、ACL出場権獲得やタイトル獲得を目指した“超野心的な目標”を掲げた戦いに挑む。 7日に味の素スタジアムで行われた新体制発表会見では主にビジネスサイドを取り仕切る中村考昭代表取締役社長、現場を取り仕切る城福監督、江尻強化部長が登壇。これまでと異なるアプローチの下、名門復活に向けた堅実且つ明確な指針が示された。 8名の新戦力を迎え入れて実施された会見の冒頭で中村社長は、2024シーズンから2025シーズンに向けて“7.9”という第一宇宙速度(地表面軌道速度)、“11.2”という第二宇宙速度(地球脱出速度)という2つの数字を用い、「引力と重力のバランスが均衡した1年から地球の引力を超えてジャンプアップする」ことを目指す1年にしたいと宣言。 そのなかで、「大きな引力としてのしかかっていた」長年にわたる多額の債務超過の問題が昨年12月の段階ですべて解消されたことを明かし、「2025シーズンはそういうものに引っ張られることなく、前を向いて、全てのリソースを成長に向かって投入していけるような状況になってきている」と経営状況の改善を認めた。 さらに、2022年の就任時から現場の指揮官が改善を訴え続けてきた練習環境の改善にも大きな進展。 東京Vは東京都稲城市のよみうりランドに隣接するヴェルディグラウンドでトレーニングを行っている。ただ、Jリーグ黎明期にメインで使用していたクラブハウス横のプリメーラと呼ばれる天然芝グラウンドではなく、現在はよみうりランド近くのレセルバと呼ばれる天然芝グラウンドをメインに使用。 そのメイングラウンドは他クラブのグラウンドやプリメーラと異なりピッチのサイズが規定より小さく、芝への過剰な負担を回避するために逃げられる場所がないという構造上の問題があり、シーズンを通してフル稼働は事実上不可能。そのため、多摩市立陸上競技場、本拠地味の素スタジアムに隣接するAGFフィールドの2か所もトレーニングで使用している。 とりわけ、女子チームの日テレ・東京ヴェルディベレーザがメインで使用するプリメーラはよみうりランドの駐車場、企業や近隣の学校の運動会の会場として使用されることも多く、芝に深刻なダメージを与えている事実は多くのクラブ関係者にとって看過できない問題となっている。 その“グランド問題”に関しても、関係各所との粘り強い交渉によって解決策を見いだしつつあるという。 中村社長によれば、今後に向けて男子トップチームがプリメーラを占有する準備がスタートしており、これに伴いグラウンドの組み換えが行われる予定。具体的にはクラブハウスを挟んで昨年に芝の張替が完了したユースやアカデミーがメインで使用する人工芝のグラウンドの横に、ベレーザがメインで使用する天然芝のグラウンドを新設。すでに今月の段階から工事がスタート。最終的にレセルバはよみうりランドに返却する形になるという。 今シーズン中の正式運用は難しく、今年に関してプリメーラは繁忙期の駐車場使用、運動会の使用は最小化を求めながらという段階ではあるものの、問題解決へ大きな一歩を踏み出した。 その2つの大きな失点に加え、前・明治大学サッカー部監督の栗田大輔氏の代表取締役副社長就任とビジネス・運営面でポジティブな変化が起こった一方、現場サイドでは昨季に比べてバジェットの増額はありながらも、“成長”、“育成クラブ”をキーワードに、伸び盛りの若手選手によるアグレッシブなスタイルを継続していく。 今冬の移籍市場ではジュビロ磐田からDF鈴木海音、MF平川怜、ガンバ大阪からMF福田湧矢、湘南ベルマーレからGK馬渡洋樹を完全移籍で獲得。加えて大卒3名とユースからの昇格1名をチームに迎え入れた。 資金力のあるクラブに比べて派手な補強とは言えないが、チーム得点ランキング上位で躍進を支えたFW木村勇大、FW山見大登、FW染野唯月の3選手、ディフェンスラインの主力を担ったDF林尚輝が期限付き移籍から完全移籍に移行。さらに、躍進と引き換えに国内外から関心を集めたDF谷口栄斗、MF森田晃樹、MF綱島悠斗ら生え抜きの選手を中心とした主力選手の残留は、“今冬の草刈り場”が危惧されたなかで新戦力補強以上の大きな成果となった。 その点について指揮官は「先発ほぼ全員ターゲットになった」と昨季最終盤の内情を明かしつつ、江尻強化部長を中心とする強化部やクラブの努力とともに、残留を決断した選手や競合となりながらも加入を決めた選手が、一人の選手として東京Vでのプレーが成長に繋がることを感じている雰囲気を察したという。 「レンタルで来てくれた選手が、このチームに完全移籍ができるかどうかというのは、当たり前ですけど資金が必要ですし、彼らについてもそれ以外のウチの選手たちについても、コストパフォーマンスという言い方が適切かどうかわかりませんけど、先発ほぼほぼ全員ターゲットになった」 「最後の2試合ぐらいはみんながいろんなクラブから声がかかった状態で我々は戦っていた。それがこのクラブと、もうひとつの他というよりも、いくつも複数クラブからみたいなところをクラブが頑張ってくれて、かなり条件に差があるようなところを、本当にクラブが頑張ってくれたなと」 「他のチームで見ていてあるいは自チームでやっている選手たちが、成長を感じてくれたというのが大きい。ここにいることで自分が一番成長する。他のチームから見た景色としたら、あのチームでは全く出られなかったけど、ヴェルディに行ったらあんなに出ているじゃないかと。活躍という言い方を僕は簡単には使いたくないけれども、通用しているようなものを見せているのではないかと。他のチームから見てもヴェルディに行けば成長できるんだと。それは年齢関係ないんだということを感じてくれた選手が多かったのかなと。僕は話をしていて、それはすごく感じました」 始動時点ではユースとの2種登録のMF仲山獅恩を除きフィールドプレーヤー26名、外国籍選手が守護神・マテウスの1名のみとなったスカッドに関しては、予め城福監督からスリム化の要望が出ていたという。その上で、指揮官は強化部との話し合いのなかでターゲットにしていた選手を概ね獲得できたと満足感を示す。 「今までだと、こういうストーブリーグを初年度の冬は連戦連敗からスタートしましたが、今回は強化部が早い準備をして、ミニマムなスカッドの中であえてやろうと。たぶんJ1のなかで、今はケガ人が2人いますけど、フィールドプレーヤー26人というのは多くない。できるだけスリムにしたい。ただ、獲りに行く選手たちは絞りに絞って、強化部が早いタイミングでターゲットを決めて準備をして、行った選手は今までの連戦連敗とは全く違う景色だった」 「それは何かというと、ヴェルディに行けば成長できるというような印象を持ってくれている選手が多くなったなと。これを大事にしたいし、これは他のどこのチームにも負けない。成長のキーワードが成長という単語が出たときに一番先に思い浮かぶのは東京ヴェルディだと、これを続けていくことだなということを改めて思います」 江尻強化部長も「競争力、競争原理がないクラブの成長はない」、「同じような力を持った選手が切磋琢磨して、日々のトレーニングで成長する」という指揮官と同じ考えの基で、「ある程度な形での補強という部分はいい形で進めている」と現状のスカッドへの手応えを口に。 一方で、外国籍選手の補強の可能性を含め「競争のあるトレーニング、競争ができる選手の質をちょっとずつ高めていくということで目標に近づける」と、プレシーズン期間でのキャンプ地のスカウティングを通しての春先までの補強、夏の第2ウインドーに向けた補強プランをすでに持っていることを明かしている。 新シーズンに向けてはハイライン・ハイプレスのアグレッシブなスタイルの継続、球際・運動量といったベーシックな部分のレベルアップと、昨季同様のアプローチを意識しつつ、ベンチ入りの人数増加を踏まえて、さまざまな武器を持てる競争力をテーマに掲げる。 昨季はJ1残留を最大の目標に掲げるとともに、「サプライズ」を口にしていた指揮官は、具体的な目標への言及を避けながらも「超野心的」な目標に向かって今季を戦う覚悟だ。 「我々のキーワードとしたらやはり今年も成長。そういう意味ではプレシーズンもそうですけれども、一試合一試合。いいことも苦しいことも全部自分たちの成長の糧にして次に向かっていく集団であり続けて、どこかのタイミングで階段を一つ登るような成長をみんなで感じながら、それが1段ではなくて2段でも3番でも上がるようなそういうタイミングがあれば、このチームはもっと超野心的な目標に向かっていけるというふうに思います」 「今自分が持っているものを、『自分の能力や力をどう使ってくれますか』という選手たちはこのチームに1人もいないので、『ここに入ってきてここで成長したい』そう思っている選手たちの集団なので、しっかりと辛抱強く積み上げていくことで、全員の成長が各ポジションの競争力に繋がりますし、そのサイクルのなかでチームが成長していくということを、今シーズンも目指したい」 昨季の躍進によって対戦相手からの分析・警戒も進む新シーズンはある意味で、ノープレッシャーだった昇格1年目以上にタフな戦いを強いられる可能性もあるが、妥協なき指揮官とともにピッチ内外で着実にステップを踏む新生ヴェルディは、その豊かな伸びしろと成長力によってさらなる躍進を目指す。 2025.01.08 07:55 Wed

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