「あまり自信はなかった…」殊勲のPKストップを見せた小久保玲央ブライアン、チームメイトの声掛けが後押しに「凄く嬉しい」
2024.05.04 10:55 Sat
絶体絶命のピンチを救った小久保玲央ブライアン
見事なPKセーブでU-23日本代表を優勝に導いたGK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)が、AFC U23アジアカップ決勝を振り返った。3日、AFC U23アジアカップ決勝が行われ、U-23日本代表はU-23ウズベキスタン代表が行われた。
2016年以来2度目の優勝を目指す日本と、2018年以来2度目の優勝を目指すウズベキスタン。2年前の前回大会は準決勝で対戦し、ウズベキスタンが2-0で勝利していた。
アジア王者を懸けた戦い。今大会無失点のウズベキスタンを相手に日本は前半はシュート1本という苦しい展開に。後半立ち上がりに攻め込むも、その後は押し込まれていくこととなった。
ゴールレスで90分が終了。長いアディショナルタイムに入った中で、日本は相手陣内でのボール奪取から最後は山田楓喜が左足ミドルを決めて先制。このまま勝利かと思われたがその後にウズベキスタンにPKを与えるも、GK小久保がビッグセーブ。1-0で日本が勝利し、見事に優勝を掴んだ。
「自分的にはあまり自信はなかったんですけど、みんなが駆け寄ってくれて、“お前なら止められる”という声をかけてくれて、信じて止められたのですごく嬉しいです」
殊勲のPKストップを見せた小久保。今大会を通じてのパフォーマンスの高さは驚きを与えていた。
決勝という難しい戦い。得点力のあるウズベキスタン相手に戦う意識については「難しい試合になることはわかっていたので、宿敵のウズベキスタンにリベンジを果たそうとみんなで話していて、それができたので勝てて嬉しいです」とコメント。2年前の同大会の準決勝で敗れた悔しさを果たせたと語った。
アジア王者としてパリ・オリンピックへ向かう小久保。ただ、今は優勝を喜び、ファン・サポーターに感謝したいと語った。
「まずはパリのことは考えずに、今いるチームメイトと喜んで、サポーターの皆さんには夜遅い中応援してもらって感謝しかないです」
2016年以来2度目の優勝を目指す日本と、2018年以来2度目の優勝を目指すウズベキスタン。2年前の前回大会は準決勝で対戦し、ウズベキスタンが2-0で勝利していた。
ゴールレスで90分が終了。長いアディショナルタイムに入った中で、日本は相手陣内でのボール奪取から最後は山田楓喜が左足ミドルを決めて先制。このまま勝利かと思われたがその後にウズベキスタンにPKを与えるも、GK小久保がビッグセーブ。1-0で日本が勝利し、見事に優勝を掴んだ。
試合後、フラッシュインタビューに応じた小久保。試合を振り返り「チーム一丸となって優勝できたことを凄く嬉しく思います」とコメント。自身のPKストップについても言及した。
「自分的にはあまり自信はなかったんですけど、みんなが駆け寄ってくれて、“お前なら止められる”という声をかけてくれて、信じて止められたのですごく嬉しいです」
殊勲のPKストップを見せた小久保。今大会を通じてのパフォーマンスの高さは驚きを与えていた。
決勝という難しい戦い。得点力のあるウズベキスタン相手に戦う意識については「難しい試合になることはわかっていたので、宿敵のウズベキスタンにリベンジを果たそうとみんなで話していて、それができたので勝てて嬉しいです」とコメント。2年前の同大会の準決勝で敗れた悔しさを果たせたと語った。
アジア王者としてパリ・オリンピックへ向かう小久保。ただ、今は優勝を喜び、ファン・サポーターに感謝したいと語った。
「まずはパリのことは考えずに、今いるチームメイトと喜んで、サポーターの皆さんには夜遅い中応援してもらって感謝しかないです」
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希少価値の左利きの左SB大畑歩夢はパリ五輪から何を学び、この先をどう進むのか?【新しい景色へ導く期待の選手/vol.46】
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▽リオ五輪の出場権を手にしたU-23日本代表は30日、AFC U-23選手権2016カタール大会の決勝で“宿敵”U-23韓国代表と対戦。2点のリードを許した日本がFW浅野の2ゴールなどで3-2の勝利を収め、アジア王者の称号を手にした。超WSの選手採点結果と寸評は以下の通り。 ▽U-23韓国代表採点 GK 1 キム・ドンジュン 5.5 3失点も責任は問えない内容 DF 3 イ・スルチャン 5.5 終始日本の攻撃を抑えていたが最後に息切れ 5 ヨン・ジェミン 5.0 キャプテンとしてチームをけん引したが最後は裏をとられて逆転を許す (→15 チョン・スンヒョン -) 4 ソン・ジュフン 6.0 タイトな守備とクレバーな読みで久保を抑え続けた 2 シム・サンミン 5.5 時おり見せる鋭い攻撃参加は脅威だった MF 22 クォン・チャンフン 5.5 神出鬼没の動きを見せてゴールを記録も終盤は失速 7 ムン・チャンジン 6.5 抜群のキープ力と展開力で攻撃をけん引 6 パク・ヨンウ 6.0 バイタルエリアを広範囲にカバーし、的確なつなぎも見せた 8 イ・チャンミン 6.0 中盤でバランスをとりつつ攻守にわたってチームに貢献 (→11 キム・スンジュン -) 10 ユ・ソンウ 6.0 豊富な運動量でピッチを奔走し、数多くの攻撃に絡んだ FW 18 チン・ソンウ 6.0 フィジカルの強さを活かして起点となり、1得点1アシストを記録 (→9 キム・ヒュン -) 監督 シン・テヨン 5.5 後半途中までは完ぺきな試合運びを見せていたが…… ▽U-23日本代表採点 GK 1 櫛引政敏 6.0 同点に追いついた直後の難しいシュートを上手く処理し、チームを救う DF 12 室屋成 6.0 試合を通して安定したパフォーマンスを披露 4 岩波拓也 6.0 失点にも関与したが試合を通して安定した守備を見せて正確なフィードも見せていた 5 植田直通 6.5 最後まで制空権を譲らず、タイトな守備を見せ続けた 6 山中亮輔 6.0 動き自体はそれほど良くなかったが、値千金の同点弾をアシスト MF 21 矢島慎也 6.0 後半途中から徐々に存在感を示し、1得点1アシストを記録した (→14 豊川雄太 -) 3 遠藤航 5.5 守備面では奮闘したが引っ張られ過ぎる場面も。攻撃面では判断の遅れが目についた 8 大島僚太 5.0 韓国のプレッシングに苦しみに期待された攻撃面ではほぼ何もできず、守備に追われた (→16 浅野拓磨 7.0) 持ち前のスピードを活かして2得点を記録。期待された役割をまっとうした 10 中島翔哉 5.5 韓国のタイトな守備に苦しんだが最後まで運動量を落とすことなく奮闘した FW 11 久保裕也 6.0 幅広い範囲を動いてボールを引き出そうと奔走し、最後まで闘い続けた 20 オナイウ阿道 5.0 韓国のセンターバック陣にボールを収めさせてもらえなかった (→7 原川力 5.5) 何度か良い形で攻撃に絡む 監督 手倉森誠 6.5 成す術のない65分間から一転、浅野の投入で流れを変えて一気に勝負を決めた ★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ! FW浅野拓磨(日本/広島) ▽虎視眈々とスペースを狙い続けた浅野が持ち前のスプリント力を活かして2得点。敗色濃厚となっていたチームを見事に生き返らせた。 U-23韓国 2-3 U-23日本 【韓国】 クォン・チャンフン(20分) チン・ソンウ(47分) 【日本】 浅野拓磨(67分、81分) 矢島慎也(68分) 2016.01.31 02:04 Sun4
スイスで今季9得点を挙げたFW久保裕也の夢は“セリエA移籍”
▽U-23日本代表のエースとしての活躍が期待されるヤング・ボーイズのFW久保裕也が、『FIFA.com』のインタビューを受けた。インタビュー内では、ヤング・ボーイズでのプレーについてコメント。さらに、自身の夢にも言及した。 ▽2013年に京都サンガF.C.からヤング・ボーイズへと移籍した久保。ヤング・ボーイズでは、ここまで87試合で19得点を記録している。久保は、ヤング・ボーイズでの自身の成長について語った。 「ヤング・ボーイズに加入してから、僕は多くのことをを磨けていると感じています。フィジカル面で追い付くためにハードワークをしていたし、戦術面でも多くのことを学びました。特に今、ストライカーとしてディフェンスを助ける必要性を意識しています」 ▽また、ヤング・ボーイズでは「ドイツ語を使っている」と語り、「最初は大変だったけど、今は問題なくコミュニケーションがとれている」とコメント。周囲の選手や監督とのやりとりをドイツ語で行っていることを明かし、問題なく馴染んでいる様子をうかがわせた。 ▽さらに、自身の将来についても言及。夢はセリエAでプレーすることだと明かした。 「僕の夢は、まだ実現していません。僕はいつの日か、大きなリーグに移籍したいと考えています。僕の願いはイタリアのセリエAに移籍することで、イタリアのビッグクラブでプレーすることが僕のキャリアの目標です」 2016.05.17 14:17 Tue5