【ラ・リーガ第18節プレビュー】今年最後のミッドウィーク開催! 上位陣は下位と曲者と対戦
2023.12.19 19:00 Tue
上位陣は下位と曲者と対戦
先週末に行われた第17節ではジローナとレアル・マドリーがいずれも勝利を収めた一方、バルセロナとアトレティコ・マドリーが痛恨の勝ち点逸。上位4チームの間で勝ち点差が離れる形となった。また、16位に低迷するセビージャは今季2度目の指揮官解任に踏み切り、ディアゴ・アロンソに代わってキケ・フローレスが新指揮官に就任している。
2023年最後のミッドウィーク開催となる今節は、首位のジローナと4位のアトレティコが7位のベティス、8位のヘタフェという曲者と、2位のレアル・マドリーと3位のバルセロナが13位のアラベス、最下位のアルメリアと下位チームと対戦する。
目下8勝1分けの9戦無敗で3強を抑えて首位に立つミラクル・ジローナは、2節を残した段階ではあるもののシーズン首位ターンの可能性が高まる。前々節、バルセロナに会心の勝利を収めたミチェル率いるチームは、マンデーナイト開催となったアラベス戦も上位争いの重圧に屈することなく3-0で快勝。DFヤン・コウトが見事な仕掛けから3ゴールに絡み、ドブレーテのFWドヴビクは今季のゴール数を二桁に乗せた。そして、好調継続の首位チームは直近レアル・マドリー、レアル・ソシエダ相手に2試合連続ドローに持ち込んだ難敵ベティスとのアウェイゲームでさらなる連勝を狙う。
その首位チームを2ポイント差で追うレアル・マドリーは、アラベスとのアウェイゲームに臨む。前節はビジャレアル相手に苦戦が想定されたものの、MFベリンガムの先制点を皮切りにFWロドリゴ、MFブラヒム・ディアス、MFモドリッチとゴールを重ねて4-1の快勝。未だ衰えを知らぬ鉄人モドリッチは今季初ゴールを含む1ゴール1アシストの素晴らしい活躍を見せた。また、MFチュアメニの戦列復帰がポジティブなニュースとなった一方、DFアラバが左ヒザ前十字じん帯を断裂する重傷に見舞われ、今季中の復帰が絶望的となった。
現時点でアンチェロッティ監督は今冬の補強に否定的な発言を見せているが、チュアメニらのセンターバック起用を含め今後数試合でのディフェンスラインの起用法に注目が集まるところだ。ただ、今回のアラベス戦に関しては自慢の攻撃陣で押し切る形の試合が想定される。
前節、アスレティック・ビルバオに完敗したアトレティコは、公式戦20連勝中のメトロポリターノでヘタフェとのマドリード自治州ダービーに臨む。難所サン・マメスでのアスレティック戦では相手のパフォーマンスを褒めるべき部分は多分にあったが、ラツィオ戦の影響もあってか運動量の少なさに加え、相手の強度の高いプレスを前にミスが目立った。再三のパラドンで勝ち点に望みを繋いだ守護神オブラクを除きチーム全体で課題が残る試合となっており、短い準備期間のなかでメンタル面を中心に立て直しは必須だ。対戦相手のヘタフェは非常に相性が良い相手ではあるが、ファウルを辞さないハードなプレーと得点ランク2位の10ゴールを挙げるFWマジョラルの決定力は侮れないものがあり、気を引き締めて戦いたい。
MF久保建英を擁する6位のソシエダは、16位のカディスを相手に2試合ぶりの白星を目指す。前節のベティス戦では久保やFWオヤルサバルを起点に良い形でチャンスを作るシーンもあったが、際どいオフサイド判定などもあって相手の集中した守備を最後まで崩し切れず。ゴールレスドローで連勝のチャンスを逃した。今回の一戦では引き続き久保らを起点にチャンスを作りつつ、ムラのあるFWサディクやFWアンドレ・シウバといったセンターフォワード陣の仕上げの仕事に期待したい。
その他ではキケ・フローレス率いる新生セビージャと19位のグラナダによる下位対決に注目。ディアゴ・アロンソ前体制では多くの負傷者に加え、指揮官の攻守両面で定まらぬ戦いぶりが目に付いたが、準備期間はほぼないものの、明確なフィロソフィーを持つ経験豊富な指揮官の下でこの初陣ではポジティブな変化を見たいところだ。
《ラ・リーガ第18節》
▽12/19(火)
《27:00》
ラージョ vs バレンシア
《29:30》
アトレティコ・マドリー vs ヘタフェ
グラナダ vs セビージャ
▽12/20(水)
《27:00》
バルセロナ vs アルメリア
《29:30》
アスレティック・ビルバオ vs ラス・パルマス
ビジャレアル vs セルタ
▽12/21(木)
《27:00》
ベティス vs ジローナ
カディス vs レアル・ソシエダ
《29:30》
マジョルカ vs オサスナ
アラベス vs レアル・マドリー
2023年最後のミッドウィーク開催となる今節は、首位のジローナと4位のアトレティコが7位のベティス、8位のヘタフェという曲者と、2位のレアル・マドリーと3位のバルセロナが13位のアラベス、最下位のアルメリアと下位チームと対戦する。
目下8勝1分けの9戦無敗で3強を抑えて首位に立つミラクル・ジローナは、2節を残した段階ではあるもののシーズン首位ターンの可能性が高まる。前々節、バルセロナに会心の勝利を収めたミチェル率いるチームは、マンデーナイト開催となったアラベス戦も上位争いの重圧に屈することなく3-0で快勝。DFヤン・コウトが見事な仕掛けから3ゴールに絡み、ドブレーテのFWドヴビクは今季のゴール数を二桁に乗せた。そして、好調継続の首位チームは直近レアル・マドリー、レアル・ソシエダ相手に2試合連続ドローに持ち込んだ難敵ベティスとのアウェイゲームでさらなる連勝を狙う。
現時点でアンチェロッティ監督は今冬の補強に否定的な発言を見せているが、チュアメニらのセンターバック起用を含め今後数試合でのディフェンスラインの起用法に注目が集まるところだ。ただ、今回のアラベス戦に関しては自慢の攻撃陣で押し切る形の試合が想定される。
公式戦3試合未勝利と不振が続くバルセロナは、今季未勝利が続く最下位相手のホームゲームで停滞感を振り払う大勝が求められるところだ。前節のバレンシア戦は直近2試合に比べてパフォーマンスが改善されたものの、最後の部分で決め手を欠いて1-1のドローに終わった。MFフレンキー・デ・ヨングを累積警告で欠くなかで臨む一戦では、中盤で代役に入る選手のパフォーマンスに加え、FWレヴァンドフスキやFWフェラン・トーレスらの決め切る仕事に注目したい。
前節、アスレティック・ビルバオに完敗したアトレティコは、公式戦20連勝中のメトロポリターノでヘタフェとのマドリード自治州ダービーに臨む。難所サン・マメスでのアスレティック戦では相手のパフォーマンスを褒めるべき部分は多分にあったが、ラツィオ戦の影響もあってか運動量の少なさに加え、相手の強度の高いプレスを前にミスが目立った。再三のパラドンで勝ち点に望みを繋いだ守護神オブラクを除きチーム全体で課題が残る試合となっており、短い準備期間のなかでメンタル面を中心に立て直しは必須だ。対戦相手のヘタフェは非常に相性が良い相手ではあるが、ファウルを辞さないハードなプレーと得点ランク2位の10ゴールを挙げるFWマジョラルの決定力は侮れないものがあり、気を引き締めて戦いたい。
MF久保建英を擁する6位のソシエダは、16位のカディスを相手に2試合ぶりの白星を目指す。前節のベティス戦では久保やFWオヤルサバルを起点に良い形でチャンスを作るシーンもあったが、際どいオフサイド判定などもあって相手の集中した守備を最後まで崩し切れず。ゴールレスドローで連勝のチャンスを逃した。今回の一戦では引き続き久保らを起点にチャンスを作りつつ、ムラのあるFWサディクやFWアンドレ・シウバといったセンターフォワード陣の仕上げの仕事に期待したい。
その他ではキケ・フローレス率いる新生セビージャと19位のグラナダによる下位対決に注目。ディアゴ・アロンソ前体制では多くの負傷者に加え、指揮官の攻守両面で定まらぬ戦いぶりが目に付いたが、準備期間はほぼないものの、明確なフィロソフィーを持つ経験豊富な指揮官の下でこの初陣ではポジティブな変化を見たいところだ。
《ラ・リーガ第18節》
▽12/19(火)
《27:00》
ラージョ vs バレンシア
《29:30》
アトレティコ・マドリー vs ヘタフェ
グラナダ vs セビージャ
▽12/20(水)
《27:00》
バルセロナ vs アルメリア
《29:30》
アスレティック・ビルバオ vs ラス・パルマス
ビジャレアル vs セルタ
▽12/21(木)
《27:00》
ベティス vs ジローナ
カディス vs レアル・ソシエダ
《29:30》
マジョルカ vs オサスナ
アラベス vs レアル・マドリー
バルセロナの関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
|
バルセロナの人気記事ランキング
1
「ほぼ準備はできていた」バルサFWハフィーニャはイタリア代表だった人生も? 現在はブラジル代表で主軸に「幸運だった」
バルセロナのブラジル代表FWハフィーニャが、イタリア代表としてプレーしていたキャリアがあったことを明かした。 ポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスでプロキャリアをスタートさせたハフィーニャはスポルティングCP、スタッド・レンヌ、リーズ・ユナイテッドでプレー。2022年7月にバルセロナへと完全移籍で加入した。 今シーズンはラ・リーガで32試合に出場し16ゴール11アシストを記録。チャンピオンズリーグ(CL)でも13試合で12ゴール9アシストを記録しており、公式戦52試合で31ゴール25アシストと50ゴール以上に絡む活躍を見せている。 バルセロナは3冠の可能性も残っている中で、バロンドール受賞に最も近いとされるハフィーニャだが、ジャーナリストであるイサベラ・パリアリさんのYouTubeに出演。意外な事実を明かし、イタリア代表としてプレーしていた可能性を語った。 「イタリア代表への招集を受け入れるところだった。ほぼ準備はできていた。でもパスポートが届かなかったので、幸運だった」 「イタリア代表から電話があった。ジョルジーニョ(アーセナル)は、いつだって電話をくれた。イタリアのスタッフが僕のために素晴らしいプロジェクトを用意してくれていて、本当に感銘を受けた」 「でも同時に、心の奥底ではブラジル代表のユニフォームを着られるという1%の希望がまだ残っていた。そして幸運なことに、イタリアのパスポートが間に合わなかったんだ」 ハフィーニャはブラジルとイタリアの2つの国籍を保有。父親もブラジル人でありながら、イタリアのパスポートを持っていた。 アーセナルのMFジョルジーニョやウェストハムのDFエメルソン・パルミエリのように、ブラジル人ながらイタリア代表でプレーする可能性も十分にあったが、手続の問題でなれずにいた。 その後リーズでの活躍が認められ、2021年10月にブラジル代表デビュー。イタリア代表を逃してから1年後に心の底にあった夢を叶え、現在では主軸としてプレーしている。 2025.05.05 23:05 Mon2
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.47 “MSN”ここにあり、2度目の3冠達成!/バルセロナ[2014-15]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.47</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2014-2015シーズン/バルセロナ ~“MSN”ここにあり&3冠~</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2014-15barca.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ルイス・エンリケ 獲得タイトル:リーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグ 攻撃力10:★★★★★★★★★★ 守備力9:★★★★★★★★★☆ タレント10:★★★★★★★★★ 連係9:★★★★★★★★★☆ 選手層9:★★★★★★★★★☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">バルサ復活を遂げる3冠</div> 2013-14シーズンに指揮を執ったヘラルド・マルティーノ監督の下では、リーガエスパニョーラ2位、コパ・デル・レイ準優勝、チャンピオンズリーグベスト8と無冠に終わっていた。これはフランク・ライカールト監督が率いていた2007-08シーズン以来の出来事であり、タイトル獲得に慣れてきたチームとしては、屈辱のシーズンでもあった。 このシーズンは、前年の王者であるアトレティコ・マドリーがつまづく中、レアル・マドリーとの一騎打ちのシーズンとなった。両者の差を分けたのはアウェイゲームの戦績。シーズン終了時の勝ち点差は「2」であり、優勝争いは第37節まで続いていた。 シーズン序盤はバルセロナ、バレンシア、セビージャがリーグを牽引。一方でマドリーは開幕5試合で2敗を喫するなど、躓いたスタートとなる。そのままバルセロナが首位をキープしていく中、迎えた第9節のクラシコでマドリーが3-1と快勝。バルセロナにとってリーグ初黒星となり、ここから調子を落とす。続くセルタ戦でも敗れ連敗を喫すると、マドリーが首位に浮上。ここからはマドリーが常にリードしたまま終盤に入る。 迎えた第26節でバルセロナが首位に返り咲くと、そのまま首位を守りきり2シーズンぶりのリーグ優勝。コパ・デル・レイでもアスレティック・ビルバオを決勝で下し、国内2冠を達成する。 チャンピオンズリーグでは、史上初の快挙が。グループステージではアヤックス、パリ・サンジェルマン、APOELと各国リーグの王者と同居。決勝トーナメントでは、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、バイエルンとこれまた各国王者と対戦。決勝まで勝ち上がると、待ち受けていたのはイタリア王者のユベントスだった。決勝でも王者を倒したバルセロナが、史上初となる各国王者を全て下しての優勝。また、史上初の2度目の3冠達成を果たし、無冠から見事に返り咲いた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">“MSN”が誕生</div> クラブOBであるルイス・エンリケを監督に迎え、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長としても正式に会長職についた1年目。夏の移籍市場では、落ち目であったセスク・ファブレガス、アレクシス・サンチェスを放出し、当時のクラブ市場最高額でウルグアイ代表FWルイス・スアレスを獲得。これが後に大当たりの補強となる。また、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンやイバン・ラキティッチなど補強に動いた。 リオネル・メッシ、ネイマールに加え、リバプールから加入したスアレスの影響で攻撃力が増大。3人はそれぞれ、58ゴール(メッシ)、39ゴール(ネイマール)、25ゴール(スアレス)を記録し、公式戦合計122ゴールを記録。スペインサッカー史上最多ゴールの3トップとなり、3人の頭文字をとって“MSN"と名付けられた。 攻撃陣の破壊力に目がいってしまいがちだが、守備陣もかなり強固だったことを忘れてはいけない。リーガエスパニョーラでは、シーズンで21失点とリーグ最少。チャンピオンズリーグでも決勝までの13試合を戦い11失点と堅い守備をみせ、見事にタイトルを獲得している。 また、このシーズンから加入したテア・シュテーゲンとクラウディオ・ブラーボの両守護神をルイス・エンリケ監督は完全分業制に。テア・シュテーゲンはカップ戦で、ブラーボはリーグ戦で起用し、それぞれの活躍で全タイトルを獲得したことも注目すべきポイントとなった。 なお、チームの生え抜き選手であり、このシーズンもチームを支え続けたチャビ・エルナンデスがシーズン終了後に対談。カタールのアル・サッドへと活躍の場を移している。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">FW:リオネル・メッシ(27)</span> このシーズンのバルセロナを語る上では、この3人を外すことはできない。どの1人が欠けていても、3冠は達成できなかったと言えるだろう。しかし、その中でも“MSN”を機能させたのはメッシ以外にはあり得ない。 このシーズンから加わった「S」ことスアレスは、ブラジル・ワールドカップでの噛みつき事件の影響でシーズン序盤が出場停止に。出場機会を得ても、メッシとネイマールのコンビネーションにどことなく遠慮気味であった。一方の「N」ことネイマールは、バルセロナで2シーズン目のシーズンを過ごしていた。チームのスタイルに慣れ、ゴール数も増加。その多くを助けたのはメッシだった。 そもそも、メッシはスアレスの加入にも影響を与えている。ワールドクラスのFWを獲得してほしいという要望に対し、クラブが獲得したのがスアレス。アルゼンチン代表のチームメイトであるセルヒオ・アグエロが第一希望だったとのことだが、スアレスという相棒は今となっては欠かせない存在だ。 シーズン中にはルイス・エンリケ監督との確執も明るみに出たものの、シーズン後半戦で21試合28ゴールという驚異的なペースでゴールを記録。また、3トップの並びもスアレスに中央を譲ること、そしてスアレスへのアシストを増やすことで、チームに3つのタイトルをもたらせた。 2019.04.28 12:10 Sun3
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.39“ペップの6冠バルサ”フットボールの歴史に金字塔/バルセロナ[2008-09]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.39</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2008-2009シーズン/バルセロナ 〜ペップの6冠バルサ〜</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2008-09barca.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ジョゼップ・グアルディオラ(37) 獲得タイトル:CL、リーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイ 攻撃力10:★★★★★★★★★★ 守備力9:★★★★★★★★★☆ タレント10:★★★★★★★★★★ 連係9:★★★★★★★★★☆ 選手層9:★★★★★★★★★☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">無冠から6冠へ</div> フランク・ライカールトに率いられた2007-08シーズンを4シーズンぶりの無冠で終えたバルセロナは、下部組織を率いていた同クラブのレジェンド、ジョゼップ・グアルディオラにトップチームの命運を託す。規律を重んじるグアルディオラは、夏の移籍市場でロナウジーニョ、デコら個性の強い選手を放出し、ダニエウ・アウベスやピケ、セイドゥ・ケイタらを獲得し、チームを刷新する。 サポーターの大きな期待を背にスタートしたペップ・バルサだったが、リーグ開幕戦では昇格組のヌマンシアを相手に無得点に終わり、0-1とまさかの敗戦を喫する。さらに、ホーム開幕戦となった次節のラシン戦でも1-1で引き分け、早くも不協和音が響いた。しかし、第3節のヒホン戦を6-1で圧勝すると、チームは一気に軌道に乗る。そこから9連勝を記録したチームは、第22節までに19勝を挙げて首位を快走。第34節では、宿敵のレアル・マドリーを相手にサンチャゴ・ベルナベウで2-6の歴史的大勝を収めると、そのまま逃げ切りに成功。2位レアル・マドリーに勝ち点9差をつけて、3シーズンぶりにスペイン王者に輝いた。 ペップ・バルサの快進撃はリーガだけにはとどまらなかった。CLではリヨン、バイエルンを撃破して4強入り。準決勝のチェルシー戦では、カンプ・ノウでの試合をゴールレスで終えて迎えた2ndレグ、試合終盤のイニエスタのゴールで1-1と引き分けて決勝に進出。決勝では、前回王者のマンチェスター・ユナイテッドを寄せ付けず、2-0で完勝した。さらに、1991-92シーズン以来となる欧州王者の座についたチームは、コパ・デル・レイでも決勝でビルバオを撃破。スペイン史上初となる3冠を達成する偉業を成し遂げた。そして、同年にはスーペル・コパとUEFAスーパーカップ、クラブ・ワールドカップをも制覇し、前人未到の6冠を達成。フットボールの歴史に金字塔を打ち立てた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">隙のないタレント集団</div> システムは、ライカールト時代の4-3-3を踏襲したが、プレッシングやパス回しの流動性など、パフォーマンスは前シーズンよりも大きく向上した。 バルデスは元々、足下が拙いタイプのGKだったが、着実に技術を磨いてビルドアップに貢献できるようになった。センターバックは、ガブリエル・ミリートが長期離脱を強いられたが、ユナイテッドから復帰したピケ、そしてマルケスの復調もあって大きな穴とはならなかった。また、右サイドバックでは、ダニエウ・アウベスを獲得したのが大きかった。セビージャから加入したブラジル人サイドバックは、メッシと好連係を築き、シーズン通して活躍。1年目から、チーム最多の公式戦52試合に出場した。 中盤ではチャビとイニエスタという世界屈指のプレーメーカーに加え、グアルディオラは自身が率いていたバルセロナBからブスケッツをトップチームに引き上げた。また、ヤヤ・トゥーレはアンカーポジションをブスケッツとシェアするとともに、最終ラインもこなすなど、チームとしての安定感を押し上げる存在となった。 前線では、右サイドが主戦場だったメッシが中央でプレーする機会を増やしていったシーズンだった。また、デコ&ロナウジーニョのストロングポイントを失っていた左サイドでは、アンリとエトーが好調を維持。新たなラインを確立し、対面する相手を恐怖に陥らせた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">MFアンドレス・イニエスタ(24)</span> この男がいなければ、バルセロナの3冠はなかったはずだ。2009年5月6日に行われたCL準決勝2ndレグ、スタンフォード・ブリッジでのチェルシー戦ではチームを救った。1stレグを0-0で終えていたバルセロナは、90分が過ぎた時点で1点ビハインドという苦しい状況。しかし、アディショナルタイム3分、メッシからボールを受けた小柄なMFは、ボックス外から右足を一閃。鋭いシュートがチェルシーゴールに突きささり、枠内シュート1本のバルセロナがアウェイゴール差で決勝に進出した。あのイニエスタの一撃は、当時のシーズンだけでなく、その後のバルサの栄光にも影響を与えるほどのものだった。まさに、バルセロナの歴史上で最も重要なゴールのうちのひとつと言えるだろう。 2019.04.22 22:00 Mon4
