宮本恒靖氏がJFAナンバー3の専務理事に就任/六川亨の日本サッカーの歩み
2023.02.07 18:00 Tue
2月1日付けでJFA(日本サッカー協会)の専務理事に就任した元日本代表の宮本恒靖氏が、2月6日に初めてメディアの取材に都内で応じた。
21年5月にG大阪の監督を退任後、「引退して経営サイドに行くと思って、経営学や法律は10年前に学んでいた。いつかどこかで」と思っていたところ、22年3月からJFAの理事として田嶋幸三JFA会長の補佐となり、「思ったより早いタイミング」の1年で会長、副会長に次ぐナンバー3の専務理事に就任した。
理事に就任するまでは、「JFAは19部署に分かれていて263人もの職員が働き、年間予算が200億円もあることを知らなかった」と驚いたそうだ。そして専務理事に就任してみて、「回って来る決裁の資料も仕事量も多いので鍛えられる。課題も多いので取り組んで行きたい。やることは多い」と多忙な毎日を送っていることを明かした。
岡田武史JFA副会長はすでにS級ライセンスを返上したが、宮本専務理事は「持っているので監督、コーチは(今後)まったくしないと思わないが、いまは自分の立場で貢献したいと思っている。いまはいまで自分の立場で集中してやりたい」と専務理事職に専念することを明言。その一方で、「いつか小学生を教えたいと思うかもしれない」と指導者への憧憬も漏らしていた。
神戸での現役引退後の2012年にはFIFAマスター(大学院)第13期生に合格。日本人の元プロ選手としては初めてで、翌年には無事に卒業している。宮本専務理事の3年後にはパク・チソン氏がFIFAマスターに入学したそうだ。
そんな宮本専務理事について、田嶋JFA会長は次のような期待の言葉を送った。
「日本代表としてしっかりしたキャリアを積んで、海外でもプレー経験があり、FIFAマスターを取っていて、語学も堪能(FIFAマスター入学にはTOEFL iBT 100点以上)、Jの監督経験もある。しっかりJFAで学んでもらい、ヨーロッパも経験した人が日本のサッカーを変えて欲しい。その旗頭となる人材として期待しています」
選手時代を含めてキャリアは申し分ない。とはいえ専務理事には就任したばかりなので、当面はJFAという巨大組織を把握することと、Jリーグと密にコミュニケーションを取ることが当面の業務になるだろう。
その後も各種大会の視察や47FA(都道府県協会)への挨拶周りなど業務は山積だ。宮本専務理事が自分のカラーを出せるのは、早くても夏以降になるのではないだろうか。
しかしながら急ぐ必要はない。まずは“地に足をつけ"て、じっくりと自分自身の目でJFAという組織がどのような組織なのか分析して欲しい。そしてもしも課題や問題点があれば、改善策を見いだしていただきたいものである。
【文・六川亨】
21年5月にG大阪の監督を退任後、「引退して経営サイドに行くと思って、経営学や法律は10年前に学んでいた。いつかどこかで」と思っていたところ、22年3月からJFAの理事として田嶋幸三JFA会長の補佐となり、「思ったより早いタイミング」の1年で会長、副会長に次ぐナンバー3の専務理事に就任した。
理事に就任するまでは、「JFAは19部署に分かれていて263人もの職員が働き、年間予算が200億円もあることを知らなかった」と驚いたそうだ。そして専務理事に就任してみて、「回って来る決裁の資料も仕事量も多いので鍛えられる。課題も多いので取り組んで行きたい。やることは多い」と多忙な毎日を送っていることを明かした。
専務理事としての抱負はまだ就任したばかりとあって、「ベースにあるのはサッカーが大きくなって欲しいということ。そこに貢献したい」と話すにとどめた。
岡田武史JFA副会長はすでにS級ライセンスを返上したが、宮本専務理事は「持っているので監督、コーチは(今後)まったくしないと思わないが、いまは自分の立場で貢献したいと思っている。いまはいまで自分の立場で集中してやりたい」と専務理事職に専念することを明言。その一方で、「いつか小学生を教えたいと思うかもしれない」と指導者への憧憬も漏らしていた。
神戸での現役引退後の2012年にはFIFAマスター(大学院)第13期生に合格。日本人の元プロ選手としては初めてで、翌年には無事に卒業している。宮本専務理事の3年後にはパク・チソン氏がFIFAマスターに入学したそうだ。
そんな宮本専務理事について、田嶋JFA会長は次のような期待の言葉を送った。
「日本代表としてしっかりしたキャリアを積んで、海外でもプレー経験があり、FIFAマスターを取っていて、語学も堪能(FIFAマスター入学にはTOEFL iBT 100点以上)、Jの監督経験もある。しっかりJFAで学んでもらい、ヨーロッパも経験した人が日本のサッカーを変えて欲しい。その旗頭となる人材として期待しています」
選手時代を含めてキャリアは申し分ない。とはいえ専務理事には就任したばかりなので、当面はJFAという巨大組織を把握することと、Jリーグと密にコミュニケーションを取ることが当面の業務になるだろう。
その後も各種大会の視察や47FA(都道府県協会)への挨拶周りなど業務は山積だ。宮本専務理事が自分のカラーを出せるのは、早くても夏以降になるのではないだろうか。
しかしながら急ぐ必要はない。まずは“地に足をつけ"て、じっくりと自分自身の目でJFAという組織がどのような組織なのか分析して欲しい。そしてもしも課題や問題点があれば、改善策を見いだしていただきたいものである。
【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた
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