最終予選の分岐点となる重要な2試合に挑む日本代表、森保一監督が意気込む「準備の質を上げていかなければ」
2021.09.28 22:30 Tue
28日、10月のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選に臨む日本代表メンバー25名が発表された。
9月に開幕したカタールW杯アジア最終予選。日本は補選のオマーン代表戦でホームで敗戦を喫するという最悪のスタートを切った。
その後、カタールでの中国代表戦ではしっかりと勝利を収めた中、10月にはグループの大きなライバルであるサウジアラビア代表、オーストラリア代表との連戦が控えている。
非常に重要な2試合を迎える日本代表。メンバー発表会見に臨んだ森保一監督は、9月の反省も含めて2試合のマネジメントについて語った。
「アウェイで非常に厳しい戦いになるということ、難しい戦いになるということは覚悟して試合に向けて準備、戦わなければいけないと思っています」
「サウジアラビアは攻撃力のあるチームですし、ホームのアドバンテージで多くのサポーターの後押しで、我々に圧力をかけてくると思うので、そこでまずは相手のアウェイの雰囲気の中でもしっかり戦っていけるようにメンタル的にも戦術的にもしっかり準備しなければいけないと思います」
「チームのコンセプトの中で、我々の戦い方、良い攻撃から良い守備をしようという中で、アウェイの地でも発揮して戦いたいなと思っています」
前回はヨーロッパ組はシーズン開幕直後の招集、戦い方やコンディション面での調整を失敗し、オマーン戦では低調なパフォーマンスに終わっていた。
その点について、今回変更することやチャレンジすることを含めて、クオリティを上げたいと語った。
「試合に向けてやらなければいけないことはたくさんあると思いますが、できるだけ細部を詰めて、準備をして戦いに臨むということを9月の経験も踏まえて、さらに準備の質を上げていかなければいけないと思っています」
「その中でも1つ大切なことは、9月の代表活動の後に選手たちが所属クラブに戻って、それぞれのクラブで果たす役割を監督であったり、チームから求められている部分、代表とは違う、ギャップがあると思うので、まずは限られた時間の中で、代表活動を始めるときに、代表としての戦うコンセプト、個々の役割を選手たちに所属チームから代表チームに切り替えてもらわなければいけないと思います」
「9月の反省では試合の入り方、戦い方等々、クラブと代表のギャップをしっかり埋められなかったところがあると思うので、今回は選手としてしっかりクリアになってもらうための働きかけをしたいと思います」
「まずはサウジ戦に向かうに当たって、ヨーロッパも気候的にだいぶ涼しくなってきて、日本も夏から比べれば随分涼しい気候となっていますが、日本やヨーロッパの気候とサウジアラビアの暑い中での戦いは厳しくなると思うので、試合に向けた暑さの中でも戦うということ。どういう戦い方をしなければいけないのか。暑さの中でなかなかパフォーマンスの連携、連動ということは難しいことが出てくると思うので、距離感を意識したいと思います」
今回は初招集選手はいないものの、東京五輪組からはMF田中碧(デュッセルドルフ)、DF橋岡大樹(シント=トロイデン)、MF三好康児(アントワープ)が招集されている。
新たなメンバーについては「まずは新しく加わってくれた選手たちには、個々の良さを最大限発揮しながら、チームとして連携・連動して戦えるようにということで、自分の良さを発揮しながらチームとして組織的に戦えるようになってほしいと思います」とコメント。「新たにと言えるメンバーかもしれませんが、これまでも活動にいたメンバーですし、少しでも早くチームに馴染んでもらって、自分の力を思い切り発揮してもらいたいと思います」と語り、「スカウティングをして、一緒に活動してきたメンバーなので心配はしていませんが、より力を発揮できるようにチームに馴染んでほしいと思います」と、A代表にしっかりと馴染んでもらいたいと語った。
大事な2試合となればプレッシャーも大きく、W杯最終予選でいきなり起用することは二の足を踏みたくなる可能性もある。
しかし、森保監督は「選手をどう起用するかというのは試合の流れ等々、状況等々で使ってあげられる選手、そうでない選手が出てくると思いますが、招集した選手に関しては、これまでも見てきていますし、一緒に活動してきていますので、起用については全く問題ないと思っていますし、心配もしていません」と信頼を寄せているとコメント。「周りとの連携・連動に関しても、これまでの経験であったり、活動期間ですり合わせをしてもらえれば、本人の力も十分発揮できると思いますし、チームとしても機能できると思っています」と、期待を口にした。
また「今回招集できなかった選手も含めて、これまで代表のラージグループとして多くの選手を招集させてもらいながら、チームとして誰が出ても機能で着るということで準備してきたので、今回の10月の戦いにおいて、全員が自分の持っている力を発揮してくれていると思います」とし、持っているものを出す努力をしてほしいと語った。
特に注目も集まるのが海外に挑戦して招集された田中。東京オリンピックではMF遠藤航(シュツットガルト)とボランチコンビを形成し、高いパフォーマンスを見せていた。
すでにA代表は経験しているが、定着のためにしっかりと戦って欲しいと期待よ口にした。
「まずはアグレッシブにプレーできる選手ですし、攻守に絡める選手ですので、練習から自分の良さをアピールしてもらいたいです」
「A代表の経験もありますが、A代表でこれから定着していくためには経験の浅い選手なので、自分がポジションを掴み取るというハングリーな気持ち、アグレッシブな気持ちを見せてもらいたいなと思います」
また三好と橋岡も久々の招集となるが「A代表と東京オリンピックチームの監督をさせてもらって、監督として幅広く選手を見させてもらいました。彼らのような経験が浅い選手に対しても心配なく招集できていると思います」と語り、「1チーム2カテゴリーで活動してこれたことは、選手たちを幅広く状況を見て、心配なく招集できることに繋がっていると思います」と、五輪代表で見てきたこともプラスに働いているとした。
また、今回は国内組が5名と少なく、レギュラークラスの選手に留めた。その理由にはコロナ禍での戦いということも考慮したと語り、ヨーロッパ組は隔離生活がないものの、国内組はその点を考慮したとした。
「ヨーロッパで活動している選手では、代表活動の後で隔離措置があるということはありません。代表が終わった後には所属クラブに戻る。家にも戻れて、家族と一緒に生活をすることはできます。通常の状態で生活できると思っています」
「国内組の選手たちは代表活動を終えて隔離期間がありますので、これまでの代表の活動であったり、直近の9月の活動後に隔離期間でかなり制限ある生活をしています」
「コンディション等々はフィジカル的には練習にも試合にも参加できますが、家族と一緒に2週間生活できず、ホテルから練習場、ホテルから試合会場ということで、ホテル暮らしの中で食事が思うように取れなかったり、普段であれば家族や大切な人とゆっくり過ごしてメンタル的にもリラックスしたり回復できたりする部分では、そういう状況で生活できていません。かなりきつい生活をしているかと思います」
またコンディション面については、しっかりと把握できているとのこと。国内組は連戦などの影響もあり、やはり問題も多少あったようだ。
「選手たちのコンディションの把握については、私は今回の招集の前にはヨーロッパで多くの選手を直接見ている中で、選手たちはコンディション的にも上がってきている、良い状態にあるなということを直接見させてもらって、感じています」
「国内組の選手たちは、私は映像で確認させてもらっていますが、コーチングスタッフがJリーグの方を視察に行っていますし、報告は上がっています」
「コンディションが良いということと、シーズンも終盤に差し掛かっている中、夏場であったり、連戦であったりという調子が良い選手、疲労が見えている選手ということで、選手たちの報告をもらっています」
「それを見極めながら、9月がコンディション的にわからなかったというよりも、気候であったり時差であったりというところで、本来の力を発揮しづらい中でどう戦うかの絵を合わせることがオマーン戦では足りなかったところだと思います」
「そこは私の責任であるので、今度の10月の部分も同じように気候の違う中で完全アウェイの中でしっかりチームで持てるようにと考えています」
9月に開幕したカタールW杯アジア最終予選。日本は補選のオマーン代表戦でホームで敗戦を喫するという最悪のスタートを切った。
その後、カタールでの中国代表戦ではしっかりと勝利を収めた中、10月にはグループの大きなライバルであるサウジアラビア代表、オーストラリア代表との連戦が控えている。
「アウェイで非常に厳しい戦いになるということ、難しい戦いになるということは覚悟して試合に向けて準備、戦わなければいけないと思っています」
「その中でも、勝ち点3を目指して戦うということを準備しながら、結果はどうなるか分かりませんので、勝ち点1を拾ったりという結果になり得ることはあると思います。ただ、勝ち点3を目指して戦うことには変わりません」
「サウジアラビアは攻撃力のあるチームですし、ホームのアドバンテージで多くのサポーターの後押しで、我々に圧力をかけてくると思うので、そこでまずは相手のアウェイの雰囲気の中でもしっかり戦っていけるようにメンタル的にも戦術的にもしっかり準備しなければいけないと思います」
「チームのコンセプトの中で、我々の戦い方、良い攻撃から良い守備をしようという中で、アウェイの地でも発揮して戦いたいなと思っています」
前回はヨーロッパ組はシーズン開幕直後の招集、戦い方やコンディション面での調整を失敗し、オマーン戦では低調なパフォーマンスに終わっていた。
その点について、今回変更することやチャレンジすることを含めて、クオリティを上げたいと語った。
「試合に向けてやらなければいけないことはたくさんあると思いますが、できるだけ細部を詰めて、準備をして戦いに臨むということを9月の経験も踏まえて、さらに準備の質を上げていかなければいけないと思っています」
「その中でも1つ大切なことは、9月の代表活動の後に選手たちが所属クラブに戻って、それぞれのクラブで果たす役割を監督であったり、チームから求められている部分、代表とは違う、ギャップがあると思うので、まずは限られた時間の中で、代表活動を始めるときに、代表としての戦うコンセプト、個々の役割を選手たちに所属チームから代表チームに切り替えてもらわなければいけないと思います」
「9月の反省では試合の入り方、戦い方等々、クラブと代表のギャップをしっかり埋められなかったところがあると思うので、今回は選手としてしっかりクリアになってもらうための働きかけをしたいと思います」
「まずはサウジ戦に向かうに当たって、ヨーロッパも気候的にだいぶ涼しくなってきて、日本も夏から比べれば随分涼しい気候となっていますが、日本やヨーロッパの気候とサウジアラビアの暑い中での戦いは厳しくなると思うので、試合に向けた暑さの中でも戦うということ。どういう戦い方をしなければいけないのか。暑さの中でなかなかパフォーマンスの連携、連動ということは難しいことが出てくると思うので、距離感を意識したいと思います」
今回は初招集選手はいないものの、東京五輪組からはMF田中碧(デュッセルドルフ)、DF橋岡大樹(シント=トロイデン)、MF三好康児(アントワープ)が招集されている。
新たなメンバーについては「まずは新しく加わってくれた選手たちには、個々の良さを最大限発揮しながら、チームとして連携・連動して戦えるようにということで、自分の良さを発揮しながらチームとして組織的に戦えるようになってほしいと思います」とコメント。「新たにと言えるメンバーかもしれませんが、これまでも活動にいたメンバーですし、少しでも早くチームに馴染んでもらって、自分の力を思い切り発揮してもらいたいと思います」と語り、「スカウティングをして、一緒に活動してきたメンバーなので心配はしていませんが、より力を発揮できるようにチームに馴染んでほしいと思います」と、A代表にしっかりと馴染んでもらいたいと語った。
大事な2試合となればプレッシャーも大きく、W杯最終予選でいきなり起用することは二の足を踏みたくなる可能性もある。
しかし、森保監督は「選手をどう起用するかというのは試合の流れ等々、状況等々で使ってあげられる選手、そうでない選手が出てくると思いますが、招集した選手に関しては、これまでも見てきていますし、一緒に活動してきていますので、起用については全く問題ないと思っていますし、心配もしていません」と信頼を寄せているとコメント。「周りとの連携・連動に関しても、これまでの経験であったり、活動期間ですり合わせをしてもらえれば、本人の力も十分発揮できると思いますし、チームとしても機能できると思っています」と、期待を口にした。
また「今回招集できなかった選手も含めて、これまで代表のラージグループとして多くの選手を招集させてもらいながら、チームとして誰が出ても機能で着るということで準備してきたので、今回の10月の戦いにおいて、全員が自分の持っている力を発揮してくれていると思います」とし、持っているものを出す努力をしてほしいと語った。
特に注目も集まるのが海外に挑戦して招集された田中。東京オリンピックではMF遠藤航(シュツットガルト)とボランチコンビを形成し、高いパフォーマンスを見せていた。
すでにA代表は経験しているが、定着のためにしっかりと戦って欲しいと期待よ口にした。
「まずはアグレッシブにプレーできる選手ですし、攻守に絡める選手ですので、練習から自分の良さをアピールしてもらいたいです」
「A代表の経験もありますが、A代表でこれから定着していくためには経験の浅い選手なので、自分がポジションを掴み取るというハングリーな気持ち、アグレッシブな気持ちを見せてもらいたいなと思います」
また三好と橋岡も久々の招集となるが「A代表と東京オリンピックチームの監督をさせてもらって、監督として幅広く選手を見させてもらいました。彼らのような経験が浅い選手に対しても心配なく招集できていると思います」と語り、「1チーム2カテゴリーで活動してこれたことは、選手たちを幅広く状況を見て、心配なく招集できることに繋がっていると思います」と、五輪代表で見てきたこともプラスに働いているとした。
また、今回は国内組が5名と少なく、レギュラークラスの選手に留めた。その理由にはコロナ禍での戦いということも考慮したと語り、ヨーロッパ組は隔離生活がないものの、国内組はその点を考慮したとした。
「ヨーロッパで活動している選手では、代表活動の後で隔離措置があるということはありません。代表が終わった後には所属クラブに戻る。家にも戻れて、家族と一緒に生活をすることはできます。通常の状態で生活できると思っています」
「国内組の選手たちは代表活動を終えて隔離期間がありますので、これまでの代表の活動であったり、直近の9月の活動後に隔離期間でかなり制限ある生活をしています」
「コンディション等々はフィジカル的には練習にも試合にも参加できますが、家族と一緒に2週間生活できず、ホテルから練習場、ホテルから試合会場ということで、ホテル暮らしの中で食事が思うように取れなかったり、普段であれば家族や大切な人とゆっくり過ごしてメンタル的にもリラックスしたり回復できたりする部分では、そういう状況で生活できていません。かなりきつい生活をしているかと思います」
またコンディション面については、しっかりと把握できているとのこと。国内組は連戦などの影響もあり、やはり問題も多少あったようだ。
「選手たちのコンディションの把握については、私は今回の招集の前にはヨーロッパで多くの選手を直接見ている中で、選手たちはコンディション的にも上がってきている、良い状態にあるなということを直接見させてもらって、感じています」
「国内組の選手たちは、私は映像で確認させてもらっていますが、コーチングスタッフがJリーグの方を視察に行っていますし、報告は上がっています」
「コンディションが良いということと、シーズンも終盤に差し掛かっている中、夏場であったり、連戦であったりという調子が良い選手、疲労が見えている選手ということで、選手たちの報告をもらっています」
「それを見極めながら、9月がコンディション的にわからなかったというよりも、気候であったり時差であったりというところで、本来の力を発揮しづらい中でどう戦うかの絵を合わせることがオマーン戦では足りなかったところだと思います」
「そこは私の責任であるので、今度の10月の部分も同じように気候の違う中で完全アウェイの中でしっかりチームで持てるようにと考えています」
森保一の関連記事
日本の関連記事
ワールドカップの関連記事
記事をさがす
|
|
森保一の人気記事ランキング
1
日本代表スタメン発表! ターンオーバーで中国戦は5名変更、伊東純也&中村敬斗のランスコンビや久保建英がスタメン【2026W杯アジア最終予選】
19日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第6節の中国代表戦に臨む日本代表のスターティングメンバーが発表された。 ここまで5試合を戦い、4勝1分けの無敗で首位を独走している日本。15日にはアウェイでインドネシア代表と対戦し、0-4で勝利を収めていた。 中国戦に勝利すれば、3月にもW杯出場が決まる可能性がある日本。ホームでは7-0と圧勝を収めていた中、森保一監督はインドネシア戦から5名を変更しターンオーバーを敢行してきた。 中国戦で新たに起用された5名は、DF瀬古歩夢(グラスホッパー)、MF田中碧(リーズ・ユナイテッド)、MF伊東純也(スタッド・ランス)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF中村敬斗(スタッド・ランス)となった。 また、ベンチ外はインドネシア戦と同様。DF長友佑都(FC東京)、DF関根大輝(柏レイソル)、DF高井幸大(川崎フロンターレ)、MF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)となった。 中国戦はこの後21時キックオフ。『DAZN』で独占配信される。 <h3>◆日本代表スタメン</h3> GK 鈴木彩艶(パルマ) DF 板倉滉(ボルシアMG) 町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ) 瀬古歩夢(グラスホッパー) MF 遠藤航(リバプール) 南野拓実(モナコ) 中村敬斗(スタッド・ランス) 伊東純也(スタッド・ランス) 田中碧(リーズ・ユナイテッド) 久保建英(レアル・ソシエダ) FW 小川航基(NECナイメヘン) <h3>◆ベンチ入りメンバー</h3> GK 大迫敬介(サンフレッチェ広島) 谷晃生(FC町田ゼルビア) DF 菅原由勢(サウサンプトン) 橋岡大樹(ルートン・タウン) MF 守田英正(スポルティングCP) 三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン) 堂安律(フライブルク) 前田大然(セルティック) 鎌田大地(クリスタル・パレス) 旗手怜央(セルティック) FW 古橋亨梧(セルティック) 大橋祐紀(ブラックバーン) <h3>◆メンバー外</h3> 長友佑都(FC東京) 関根大輝(柏レイソル) 高井幸大(川崎フロンターレ) 藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン) 2024.11.19 19:49 Tue2
森保監督続投で歴代最長監督はというと…/六川亨の日本サッカーの歩み
まだ正式決定ではないが、森保一監督の『2年間の』続投が決まったようだ。正式には来年のJFA(日本サッカー協会)理事会での承認待ちになる。その頃にはコーチ陣などのスタッフの詳細も決定しているだろう。 93年のJリーグ誕生以降、日本代表の監督は基本的にW杯の4年サイクルで交代してきた。例外は94年のアジア大会で韓国に敗れたロベルト・ファルカン氏、97年のアウェー中央アジア2連戦で更迭された加茂周氏、07年に病に倒れたイヴィチャ・オシム氏、15年に契約解除されたハビエル・アギーレ氏、そして18年に解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏の5人しかいない。 そうした過去30年の歴史のなかで、初めて『続投』が決定的となったのが森保監督である。目標としていた「ベスト8」には届かなかったものの、大国ドイツとスペインに逆転勝ちを収めたことが高く評価されたことは言うまでもない。 そこで過去の歴代監督の任期を振り返ると、上には上がいるもので、長沼健氏(元JFA会長)は1962年から69年までの7年間と、さらに72年から76年までの4年間、トータル11年間も日本代表の監督を務めた。「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、おそらく2度と破られることのない記録と言っていいだろう。 長沼氏が“長期政権"を担うことになったのには理由がある。64年に東京五輪があったからだ。このため62年に33歳の若さで監督に抜擢された。そして東京五輪ではグループリーグでアルゼンチンを倒して決勝トーナメントに進出。準々決勝で銀メダルに輝いたチェコスロバキアに0-4で敗れたが、ベスト8進出で日本に“第1次サッカーブーム"を巻き起こした。 さらに4年後のメキシコ五輪では、アジア勢初となる銅メダル獲得の快挙を達成。その再現を半世紀後の21年東京五輪で森保監督は期待されたが、残念ながらメダルにはあと一歩届かなかった。 長沼氏は69年のメキシコW杯アジア1次予選で、韓国とオーストラリアの後塵を拝したことで監督の座をコーチだった岡野俊一郎氏(元JFA会長)に譲る。しかし岡野氏が71年のミュンヘン五輪予選で韓国とマレーシアに負けたことで、日本サッカーの復権は再び長沼氏に託されることになった。 ところが73年の西ドイツW杯アジア予選はイスラエル(当時はアジアに所属し、中東勢が対戦を拒否したため予選は東アジアに組み込まれた)とマレーシアに敗れ、76年のモントリオール五輪アジア予選も韓国とイスラエルに敗れて監督から退くことになった。 当時の日本サッカーは、「W杯予選は負けても当たり前」であり、五輪予選で敗退するたびに監督は交代していた。Jリーグ開幕以前では、92年のバルセロナ五輪アジア最終予選で敗れた横山謙三総監督、88年ソウル五輪アジア最終予選で中国に逆転負けを喫した石井義信氏(故人)、80年モスクワ五輪アジア予選で韓国とマレーシアに及ばなかった下村幸男氏らである。 しかし96年のアトランタ五輪に28年ぶりに出場して以来、五輪出場は7大会連続して出場。その間には12年ロンドン五輪と21年東京五輪ではメダルまであと一歩に迫った。もう五輪は出場するのは当たり前で、次の24年パリ五輪は「メダル獲得」がノルマになるだろう。 同じようにW杯も98年以降7大会連続して出場中で、さらに2026年のアメリカ・カナダ・メキシコ大会は出場国が48に増えるため、出場権を失うことはまず考えられない。森保監督にとっては「ベスト8」への再チャレンジになるが、その前に横内昭展ヘッドコーチは磐田の監督に、上野優作コーチはFC岐阜の監督に転身するなどスタッフの陣容は一新せざるを得ない。 果たして新たなスタッフの顔ぶれはどうなるのか。そこに外国人コーチが入るのかどうかなどは楽しみなところ。 そして森保監督は、23年こそ秋まで親善試合しかない“静かな"一年になるものの、21年東京五輪は「金メダル」を目標に掲げながらも4位に終わり、カタールW杯も「ベスト8」が目標だったがラウンド16で敗退した。このため、まだ先の話ではあるが、24年のアジアカップでは『優勝』がW杯まで続投するためのノルマにすべきではないだろうか。 2022.12.26 22:00 Mon3
6番+8番+10番。鎌田大地がボリビア戦で示した“シン・ボランチ像”
ゴール前で輝く決定力と、中盤を支える戦術眼。その両方を併せ持つ“新しいボランチ像”を、日本代表のMF鎌田大地がボリビア代表戦で体現した。開始4分、MF久保建英のクロスを胸で収め、左足で冷静に流し込んだ先制点。ボランチでありながらペナルティエリアへ侵入し、フィニッシュまで持ち込む――。クリスタルパレスと日本代表では求められる役割は異なる。それでも鎌田は、6番・8番・10番をひとつに束ねた“自分だけのポジション”を研ぎ澄ませている。 ■“6番”の位置から、ペナルティエリアへ ボリビア戦の開始4分。試合は、MF鎌田大地が切り拓いた。 MF久保建英が右サイドで深くえぐる。相手がゴール前へ引き寄せられる一瞬の隙を、鎌田は逃さなかった。ペナルティーエリアにスッと入っていき、浮き球のクロスを胸でコントロールすると、左足で逆サイドネットへ流し込んだ。 「チームとして、あそこが空くっていうのは分析でもやっていた。ボランチですけど、ああいうところに何回か入っていくことが大事だと思っていたので。ボールが来てシュートチャンスができたのは良かったかなと」 クリスタルパレスではリスク管理が徹底され、センターラインより前に踏み込む回数は限られる。しかし日本代表では、森保一監督の戦術が鎌田に自由度を与えている。 「自分がある程度自由に前に行けるような、6番だけじゃなくて8番や10番くらいの役割までできる方が、やっていて躍動感はある。そっちの方が自分には合っていると思いますし」 相手の守備ラインが一歩下がった瞬間、鎌田は3列目の位置からスッと前へ出ていき、いつの間にか最前線に顔を出す。ボランチでありながらフィニッシュまで関与できる稀有な才能が、日本の攻撃に奥行きをもたらす。先制点は、その象徴だった。 ■自由と責任の狭間で描く“シン・ボランチ像” 鎌田のプレーは、単なる攻撃的ボランチではない。試合の状況に応じて6番(ボランチ)にも8番(インサイドハーフ)にも10番(トップ下)にもなる。 「パレスはボランチがリスク管理で、余ってる選手を捕まえたり、後ろ5枚で守る形。こっち(日本代表)はもっと攻撃に関われる。やり方の違いが大きいと思います」 その言葉通り、ボリビア戦では攻撃でも守備でも表情を変えた。後半、相手のカウンターを鎌田がつぶした場面は象徴的だった。厳しいプレスを受け続けた前半の疲労が残る中でも、最後のところで身体を投げ出し、相手の芽を摘んだ。 ガーナ戦をコンディション不良で欠場したものの、ボリビア戦で本来の実力を示した。 「しっかりプレーできるレベルには戻ってきているので、そこは問題なかったと思います」 守備強度とゲームメイク、そして得点力。これらを同時に要求されるのは酷にも思えるが、鎌田はその領域に自ら踏み込んでいる。 この日のミックスゾーンでは、鎌田らしい“脱力感”ある一幕も。 「ゴールの後に森保さんのところに行こうとチームで話していたそうですが?」という質問を受けた時のこと。 それまで淡々と話していた鎌田の表情がゆるむ。 「僕は聞いてなかったんで。集中していたので、全然頭になくて。(森保監督に)申し訳ないというか……(笑)」 周囲に笑いが起きる。プレッシャーの中にあっても自然体でいられること。それもまた、鎌田の強みだろう。 チーム内のポジション争いは激しい。MF佐野海舟をはじめ、鎌田の主戦場にもライバルが台頭し、代表チームは新しいフェーズへと進んでいる。ただ、鎌田には慢心も不安もない。 「日本人選手は頭が良くて、どのポジションでもある程度できる選手が育っている。監督にとっても理想的じゃないですかね」 6番+8番+10番。ボランチの概念を超えた鎌田が、森保ジャパンをさらなる高みへ導いていく。 取材・文=北健一郎 2025.11.19 00:45 Wed4
日本代表のスタメン発表!両ウイングバックは堂安律&三笘薫…初招集の大橋祐紀はベンチ入り【2026W杯アジア最終予選】
サウジアラビア代表戦に臨む日本代表のスターティングイレブンが発表された。 10日、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第3節で日本はアウェイでサウジアラビアと対戦する。 9月に行われた中国代表戦、バーレーン代表戦で大勝での連勝スタートを切った日本。過去一度も勝ったことがないアウェイでのサウジアラビア戦に臨む。 森保一監督は9月に引き続き[3-4-2-1]のシステムを採用。GKに鈴木彩艶(パルマ)、3バックに板倉滉(ボルシアMG)、谷口彰悟(シント=トロイデン)、町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)を起用した。 ボランチには遠藤航(リバプール)と守田英正(スポルティングCP)を起用し、ウイングバックには堂安律(フライブルク)と三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)を起用。2シャドーに鎌田大地(クリスタル・パレス)と南野拓実(モナコ)、トップに上田綺世(フェイエノールト)と並んだ。 なお、DF長友佑都(FC東京)、DF関口大輝(柏レイソル)、DF望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)、MF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)がメンバー外。初招集のFW大橋祐紀(ブラックバーン)はベンチ入りを果たしている。 サウジアラビア代表戦は10日(木)の27時にキックオフ。DAZNが独占ライブ配信する。 ◆日本代表スターティングメンバー GK 鈴木彩艶(パルマ) DF 板倉滉(ボルシアMG) 谷口彰悟(シント=トロイデン) 町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ) MF 遠藤航(リバプール) 守田英正(スポルティングCP) 三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン) 南野拓実(モナコ) 堂安律(フライブルク) 鎌田大地(クリスタル・パレス) FW 上田綺世(フェイエノールト) ◆ベンチ入り GK 大迫敬介(サンフレッチェ広島) 谷晃生(FC町田ゼルビア) DF 菅原由勢(サウサンプトン) 瀬古歩夢(グラスホッパー) MF 堂安律(フライブルク) 田中碧(リーズ・ユナイテッド) 久保建英(レアル・ソシエダ) FW 前田大然(セルティック) 中村敬斗(スタッド・ランス) 小川航基(NECナイメヘン) 大橋祐紀(ブラックバーン) ◆メンバー外 DF 長友佑都(FC東京) 望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア) 関口大輝(柏レイソル) MF 藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン) 2024.10.11 02:19 Fri5
「本当に泣ける…」スペイン相手に劇的勝利、日本代表選手たちが勝利後のロッカー&バスで歌った曲は?久保建英がスピーカー持ってファンの前に
スペイン代表を劇的な逆転勝利で下し、ラウンド16に駒を進めた日本代表。日本サッカー協会(JFA)が、公式YouTubeチャンネルでスペイン戦の「Team Cam」を公開した。 1日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)グループE最終節の日本vsスペイン。日本は勝てば自力でグループステージ突破を決められる試合となった。 初戦でドイツ代表を下す大金星を挙げ、世界中の注目を集めることとなった日本。スペインも撃破することは難しいとの見方が強かった中、試合は前半にアルバロ・モラタにヘディングを決められて失点。その後も支配されるが、1点ビハインドで前半を終えた。 1失点はプラン通りだという言葉が試合後には語られたが、ハーフタイムに投入された途中出場の堂安律が豪快な左足ミドルを決めて追いつくと、三笘薫の執念の折り返しを田中碧が押し込み逆転。その後、スペインに押し込まれ続けるが、集中して守り切り、2-1で逆転勝利。ドイツに続きスペインも撃破した。 試合前とハーフタイムにはキャプテンの吉田麻也が選手たちに気合いを入れる声をかけ、森保一監督も声を懸けた中、選手たちの頑張りで見事に勝利。そして、グループ首位でラウンド16に駒を進めた。 試合後のドレッシングルームでは選手たちがそれぞれ勝利を噛み締めると、ケツメイシの「仲間」を流し、板倉滉と川島永嗣がタオルを振って喜ぶ姿が。選手たちも抱き合って喜びを露わにしていた。 そしてスタジアムからホテルに戻る道中のバスでもケツメイシの曲が。久保建英がスピーカーを抱えて流れていたのは「涙」。選手たちは歌いながらバスを降り、ファンが出迎えるホテルに入って行った。 ホテルの外、ホテテルの中でも多くのファンが日本代表を歓迎。そして、日本以外のファンもしっかりと祝福してくれる事態となった。 <span class="paragraph-title">【動画】日本代表選手たち、勝利を祝いみんなで歌った曲は?</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="G5XuGhH4wYU";var video_start = 1071;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2022.12.03 23:05 Sat日本の人気記事ランキング
1
日本代表が離脱の南野拓実の代役にオナイウ阿道を追加招集、フランス2部で現在2試合連続ゴール中で背番号は南野の「10」に
日本サッカー協会(JFA)は4日、トゥールーズのFWオナイウ阿道を日本代表に追加招集することを発表した。背番号は「10」を付ける。 日本代表は2日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオマーン代表戦で0-1と敗戦。中国代表戦を戦うため、カタールへと移動した。 オマーン戦を負傷欠場していたMF南野拓実(リバプール)がケガのためそのまま離脱。攻撃陣が手薄となっていた。 なお、DF板倉滉(シャルケ)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)に続いて3人目の離脱となっていた。 オナイウは今シーズンの明治安田生命J1リーグで20試合に出場し12得点を記録。夏にリーグ・ドゥ(フランス2部)のトゥールーズへと完全移籍すると、6試合で2ゴールを記録。2試合連続ゴール中と好調を維持していた。 2021.09.04 22:05 Sat2
「まさに死闘ってカンジ」歴史に残るバーレーンとの4-3の激闘!2004年大会プレイバックに反響「このゴールで中澤佑二に惚れた」
31日、日本代表はアジアカップ2023のラウンド16でバーレーン代表と対戦する。 過去の対戦成績は日本の8勝2敗となっているが、アジアカップの舞台で最後に対戦したのは2004年の中国大会での準決勝。記憶に残る激闘だった。 MF小野伸二、FW高原直泰ら当時の主力選手が欠場していた当時の日本は、開催国の中国サポーターにブーイングを浴びせられながらも決勝トーナメントに進出すると、準々決勝ではPK戦途中でのサイド変更とGK川口能活の神がかり的なセーブが印象深いヨルダン代表戦に勝利し、準決勝でバーレーンと対戦した。 しかし、バーレーン戦では開始6分に先制ゴールを許すと、40分にはMF遠藤保仁が不可解な判定で一発退場。日本はビハインドの状況で数的不利を負ってしまった。 数的不利の状況でもMF中田浩二とFW玉田圭司のゴールで逆転した日本だったが、その後2失点。2-3と1点ビハインドで試合終盤を迎えた。 それでも日本は最後まで諦めず。DFも攻めあがって同点ゴールを狙うと、90分にDF中澤佑二が値千金の同点ゴール。不屈の精神で同点に追いつくと、延長前半には玉田の独走ゴールが決まり、4-3で激闘を制していた。 なんとか決勝に進出した日本は、決勝で中国代表を撃破。見事に大会連覇を成し遂げていた。 久しぶりの対戦を前に『DAZN』は当時の試合映像をプレイバック。SNS上のファンも「このゴールで中澤佑二に惚れた」、「バーレーン戦といえばこの試合よな」、「痺れたね、玉田」、「まさに「死闘」ってカンジだった!」、「2004の大会は激熱だった」と当時を思い返している。 ベスト8を懸けた一戦は、31日の20時30分にキックオフ。『DAZN』で視聴が可能だ。 <span class="paragraph-title">【動画】当時の記憶が蘇る!2004年大会でのバーレーンとの激闘ハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>「バーレーンvs日本」<br>過去対戦をプレイバック<br>\<br><br>アジアカップ2004年大会で起きた<br>奇跡の大逆転劇<br><br><a href="https://twitter.com/hashtag/AFC%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#AFCアジアカップ</a> ラウンド16<br>バーレーン×日本<br>1/31(水)20:30(19:45配信開始)<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> 独占配信<br>出演:水沼貴史/小野伸二/佐藤寿人/下田恒幸/桑原学 <a href="https://t.co/x7Sals8iKu">pic.twitter.com/x7Sals8iKu</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1752609401201189348?ref_src=twsrc%5Etfw">January 31, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.31 18:45 Wed3
日本代表、南野拓実がケガで離脱…代替選手は決定次第発表
日本サッカー協会(JFA)は4日、MF南野拓実が日本代表から離脱することを発表した。 現在、カタール・ワールドカップ(W杯)に向けたアジア最終予選に臨んでいる日本代表。2日に行われた初戦のオマーン代表戦は、相手のインテンシティの高さに為す術なく敗戦を喫した。 7日にカタールのドーハで行われる中国代表戦に向けて調整中の日本だが、南野はケガのため離脱することが報告された。オマーン戦も左太ももの問題でベンチ入りも出場していなかった。 なお、JFAは追加招集選手に関しては決定次第知らせると伝えている。 今回の活動では、すでにMF板倉滉(シャルケ)とDF酒井宏樹(浦和)が離脱しており、南野で3人目となった。 2021.09.04 15:11 Sat4
「日本代表を熟知している」妻は日本人、過去に京都所属のモンゴル代表指揮官が意気込む《カタールW杯アジア2次予選》
日本代表は10日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップ予選のモンゴル代表戦を行う。 試合に先立ち、モンゴル代表のドイツ人指揮官、ミハエル・ワイス監督が記者会見に出席した。 ワイス監督は、会見の冒頭に「どっちが良いですか?日本語ですか?」と日本語を披露。「どちらでも良いですが、英語で話しましょう」と語ると、日本人女性と結婚していることを明かした。 2000年7月から2004年6月までは、京都パープルサンガでゲルト・エンゲルス監督、ピム・ファーベーク監督の下でアシスタントコーチを務めていた。 日本との関わりも深く、日本代表も熟知しているワイス監督は、日本代表戦に向けた意気込みを語った。 ◆ミハエル・ワイス監督(モンゴル代表) 「では、英語で話しましょう。モンゴル代表監督として、アジアでベストのチームと試合ができることを誇りに思っています。それから個人的に思い入れがありまして、実は21年間神戸に住んでいる日本人の女性と結婚しているので、今回の凱旋に関しては特別な思いがあります」 「しかし、それは脇に置いておいて、チームは明日日本代表と戦うわけですが、若い選手が多く、このレベルで試合をした経験があまりない選手もいますので、明日の雰囲気に飲まれないように、日本に怖気付かないように、立派なプレーができるように望んでいます」 ──日本代表を熟知しているかと思いますが、日本代表の印象は。またモンゴル代表の強みをどう生かしたいか 「まず、私自身、随分前になりますが、京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)で仕事をしていましたので、日本に住んでいたことがあります。あとは家族の関係もありますので、日本代表や日本のサッカーはずっとフォローしていますし、多くの知人もいます。日本代表については深い知識があると思っています」 「今、日本代表はちょうど過渡期にあって変革の時にあると思います。若いワクワクするような選手が台頭しています。中島選手、堂安選手、南野選手たちです。それから、コパ・アメリカから始まって、最近2試合のミャンマー戦、パラグアイ戦もしっかりとモニタリングしました」 「そうした色々な自分たちの知識に基づいて、我々は攻撃的なリスクをとるのではなく、守備的な試合を明日はします。選手たちが明日圧倒されないように、そして自分たちが持っているベストの能力を最大限にしっかりと発揮できるようにしたいと思います。あとは、どれだけモンゴルのサッカーが発展しているかを見せたい」 ──明日の試合は、監督、選手にとって良いパフォーマンスをすることと、良い結果を残すことのどちらが大事か 「もちろん、我々はしっかりとしたパフォーマンスを見せること、我々のやり方を見せることが大事です。そして、明日の試合で多くを学びたいと思います。そして、我々モンゴル代表の優れたパフォーマンス、長所をしっかり出していきたいと思います」 「日本の攻撃的なアクションにあふれたプレーに対して、しっかりと照準を合わせて、メンバーの面でも日本代表にしっかりと対応していく準備ができています。準備を実践することが大事だと思っています」 ──明日は元横綱の朝青龍も観に来ると言っていますが、何かチームに影響はあるのか 「とてもポジティブだと思います。自分たちの存在をしっかりと認めてくれていて、横綱が応援してくれる、サポートしてくれるということは、代表にとって心強いです。素晴らしいパフォーマンスを見せようとやる気が出ると思うので、良いことだと思います」 ──今回のメンバーの中でベストと考える選手のコンディションが起用に影響するか 「私はあまりたくさんのことを変えることは好きではなく、継続性を大事にしています。ただ、対戦相手のスタイルに合わせて、早い動きができる選手、経験のある選手、フィジカルに強い選手、ヘディングが強い選手を選びます。我々の日本代表のリサーチに基づいて、明日の選手をしっかり選んでいきます」 ──この日に向けてはどれぐらいの期間調整をして、準備をしてきたのか 「実は2年半前から準備を始めました。このレベルに達するために、私は2017年3月に監督に就任した時から、まず最初の目標はW杯の2次予選に出ることでした。そして6月にブルネイ戦の結果、目標が達成できました」 「明日の試合の準備に関しては、先週金曜日に集合して開始しました。モンゴルはリーグ戦が4月から10月までしかありません。その他の季節は寒すぎてプレーできません。ですので、年の初めやモンゴルでプレーできないときは、海外で合宿をしたりして、しっかりとした一環のプロセスの下、一連の準備を行っています」 「JFAの皆様が、我々モンゴル代表、そして女子サッカーに対しても、非常に大きなサポートをしてくださっています。モンゴル協会と日本サッカー協会は良い関係を育んでおり、常日頃のご支援に感謝します」 2019.10.09 20:15 Wed5
