【特集】アジアのライバル“マチルダス”

▽28日早朝、なでしこジャパンはカナダ女子ワールドカップ(W杯)2015の準々決勝でオーストラリア女子代表と対戦する。連覇を目指し今大会に挑んでいるなでしこジャパンは、グループステージの3試合、そしてラウンド16のオランダ女子代表戦と今大会の4試合全てを1点差で勝利している。ディフェンディングチャンピオンながらも“チャレンジャー”として今大会に臨み、結果も快勝とは言えない試合が続いているなでしこの次なる相手は、アジアのライバルでもあるオーストラリアだ。今回は手の内を知り尽くしたオーストラリア女子代表を掘り下げていきたい。◆女子アジアカップ決勝の再現
▽オーストラリア女子代表とは、これまで何度も対戦しており良く知った相手。通算21度対戦しており、日本の9勝7分け5敗と勝ち越している。さらに、佐々木則夫監督が就任した2008年以降の対戦では、6勝1分け1敗と対戦成績で圧倒。しかし、気を抜けない相手ではある。▽昨年5月の女子アジアカップではグループステージで同居し2-2のドロー。その後の決勝でも対戦し、1-0で日本が勝利しアジアカップ初優勝を成し遂げた。1勝1分けと直近の公式戦で負けていないものの、どちらの試合も厳しい展開であり、気を抜けないという印象だ。
◆スピードと運動量に気をつけろ
▽オーストラリアの特徴は何と言っても縦へのスピードと豊富な運動量だ。90分間動きを止めない豊富な運動量は、試合終盤に集中力を欠くことの多いなでしこにとって脅威となるだろう。さらに、ディフェンスラインの裏を付く攻撃もなでしこにとってはやりにくい。なでしこの最終ラインは決してスピードがあるわけではないため、ラインコントロールが非常に重要になる。

▽また、身体のサイズもオーストラリアは有利だ。裏へのボールだけでなく、クロスから前線の選手に合わせる攻撃は男子同様武器としている。スピード、高さともになでしこの最終ラインを苦しめることになる。守備陣も粘り強さを見せ、高さでもなでしこを圧倒するだろう。手の内を知り尽くしてはいるものの、最もやり辛い相手になりそうだ。◆注目選手
No.7 DFステファニー・カトリー(21)

▽初のW杯出場となるカトリー。若手有望株で、MFからDFにポジションを移し才能が開花した。タックルが得意で、強烈な左脚のキックも持っている。今大会も4試合にフル出場し、日本の攻撃陣にとっては脅威だ。

No.11 FWデ・バンナ(30)

▽156cmと小柄ながら、裏への飛び出しとスピードを武器にゴールを奪うベテランストライカー。今大会も2得点を奪っており、日本にとっては警戒しなくてはいけない相手だ。