「素晴らしい対応」断食中の選手に主審が“気遣い”…日没後に試合を一時中断「とても助かるだろう」

2022.04.13 06:35 Wed
Getty Images
ブンデスリーガの舞台で、珍しい理由で試合が止まることがあった。イギリス『GIVE ME SPORT』が伝えている。
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その出来事があったのは、6日に行われたブンデスリーガ第26節のアウクスブルクvsマインツの試合の65分。ボールがタッチラインを割り、マインツボールでのスローインになる場面だった。主審のマティアス・イェレンベック氏がこのタイミングで試合を止めると、マインツのフランス人DFムサ・ニアカテがドイツ人GKロビン・ゼントナーからボトルを受け取り、水分補給。試合が少しだけ止まることとなった。
ニアカテは敬虔なイスラム教徒。イスラム教では4月1日から1ヵ月間ラマダン期に入っており、日の出前から日没まで飲食をしない。

アウクスブルク戦では試合の途中に日が沈んでおり、イェレンベック主審は飲食が可能になったニアカテのために水分補給の時間を設けたという形だ。のどを潤したニアカテはイェレンベック主審に謝意を示し、両者はハイタッチを交わしている。
ドイツ『ビルト』によると、ニアカテはハーフタイムにイェレンベック主審に相談していたようで、それが拒否されても受け入れたと話している。

「62分以降は断食する必要がないと分かっていた。ハーフタイムに審判のもとへ行き、短いタイムアウトが可能かどうか尋ねた。彼にはその義務はなかったし、もしも拒否されたとしても僕は彼の決断を完全に理解できた」

一方のイェレンベック主審は試合後のインタビューで、今回のようなことが審判キャリアで初めてだったと明かしている。

「彼は日没後、60分から70分の間に何か飲むことができるか私に尋ねた。これまで誰にも聞かれたことはなかったが、もちろん私は受け入れた。私は彼に合図を送り、終わるのを待った」

同様のシーンは、10日に行われたRBライプツィヒvsホッフェンハイム戦でもあったが、11日にドイツ審判委員会のコミュニケーション・ゼネラル・マネージャーであるミヒャエル・フレーリヒ氏が見解を述べている。

「この点に関する一般的な指示はないが、もちろん、ラマダン中の選手の要求に応じて今回のような水分補給を許可するレフリーをサポートしている。選手たちがこうした扱いを受けるのはいいことだ」

ニアカテとイェレンベック主審のやり取りにはファンも感激。「素晴らしい対応だ」、「これこそ多様性」、「アウクスブルクにも拍手を」、「ラマダンの大変さは想像できない。彼はとても助かっただろう」といった反応が寄せられている。



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