離脱者重なる苦境で臨む新潟戦へ東京Vの城福監督「チームのためにぶらさずにやりながら、自分の特長を出していく。あの姿勢をみんなが引き継いでいく」
2025.03.07 19:00 Fri
苦境の中で新潟戦臨む城福浩監督
東京ヴェルディの城福浩監督が、8日にデンカビッグスワンスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第5節のアルビレックス新潟戦に向けた会見を実施した。
東京Vは前々節のFC町田ゼルビア戦で待望の今季初勝利。しかし、味の素スタジアムでの開幕戦で連勝を狙った前節のガンバ大阪戦では、前半にDF千田海人、FW山田剛綺の2選手、後半にMF福田湧矢が脳震とうで負傷交代するアクシデントが続出。後半終盤に失点を喫した結果、0-1での敗戦となった。
町田戦同様にパフォーマンス自体に悲観すべき点はないものの、4試合中3試合で無得点に終わり、0-4で敗れた鹿島アントラーズ戦以外は勝ち点1は取れそうな展開ではあっただけに、粘り強さが光った昨季に比べると厳しい状況だ。
また、6日にはG大阪戦で負傷した千田が左ハムストリング腱膜損傷で全治約6週間、山田が左ヒザ複合じん帯損傷および半月板損傷で全治約8カ月という厳しい内容のリリースが発表された。福田に関しても、脳震とう疑いでの交代によるプロトコル遵守によって、少なくとも今節の起用は不可能。(クラブは過去の既往歴を考慮し、復帰へ細心の注意を払っている)
昨季からスカッドのスリム化を図ったチームにおいて主力3選手の離脱は大きな痛手となっており、今回の新潟戦では結果とともに、ここまでベンチを温めてきた、あるいはメンバーに絡めなかった選手たちの今後に向けた奮起や台頭が求められるところ。
「成長というのは、努力しながら足りないところを克服していったり、長所をよりストロングなものにしていくということ。もっと言えば、自分の才能にまだ気がついてないという言い方がいいか、自分の才能を出し切れていないことに気がついてない選手。もう後がない状態で実際に自分が責任あるピッチに立つような状況になったとき、彼らがそういう自分のポテンシャルというのをフルに出すということが、どういうことなのかということを気づかせられる場でもあると思っているので、そこの背中を促したいなと」
「実際にピッチに立たないと、当事者にならないと、なかなか気づけない。我々は、自分のポテンシャルをまだ出し切れてないことを気づいていない選手に気づかせる、出し切らせるというところに注力しないといけない」
城福監督は「自分が何かを言わずも」と、無念の思いでピッチを離れた前述の選手の代役を担うであろう選手たちの試合に臨む姿勢について、あえて自ら働きかける必要はないと考えている。
「彼らがどれだけ無念だったかは、サッカー仲間でありライバルであれ、プレーヤーとして身近にいれば、それはわかることであり、それをどういうふうに受け止めて、各々がチームのプラスに変えていけるか」
「もちろん気負いすぎることなく、我々がやってきたことをやりますが、自分たちがやろうとしている一丁目一番地のこと。一丁目二番地のことを、チームのためにぶらさずにやりながら、自分の特長を出していくという山田剛綺や、千田海人のあの姿勢をみんなが引き継いでいくということだと思います」
一方、出番に飢えるがゆえに爪痕を残すべく周りが見えずに空回るという、ありがちな状況も危惧し、選手たちに最も求める指針もしっかりと示す。
「ケガをして戦列を離れるというデメリットというか起きた現象と、新しい選手が気持ちを持ってそこに加わっていくという、このプラスマイナスでプラスにしなければいけないと思います。それは単にその選手の戦力的なもの。持っているポテンシャル的なもの。あるいは特長的なもののプラスマイナスだけではない」
「山田剛綺、千田海人もそうですけれども、どんな努力をして、奥歯を噛みしめるような日々を過ごして勝ち取ったものがあって、ある意味で我々の開幕の試合は本当に危機感を持たなければいけないような試合内容だった。そこから2戦目は負けましたけども、我々らしさを取り戻せた。その原動力になった選手が離脱するということになったときに、自分にチャンスが来るという思いはみんなあると思いますけど、彼らのその残念な思いも含めて、彼らがエクストラ(控え選手メインの個別練習)でどんな思いをしてやってきたか」
「そういうことも踏まえた上で、このプラスマイナスをメンタル的なところも含めてプラスにしなければいけないので、今まで出なかった選手が出るという、いわゆる技術的なところ、特長的なところだけのプラスマイナスではダメ。どういう気持ちで今のこのチームを自分が救うんだと、そのためにチームのために何をやるんだという思いが、より強くなった状態で合流させられるようにしたいです」
新たな力への台頭を期待しつつ、1勝3敗の序盤戦でより結果が求められる今回のアウェイゲーム。新潟は樹森大介新監督の下、2分け2敗の未勝利で厳しい船出となっているが、城福監督は「非常に短期間で新潟らしさを確立している」と対戦相手を評価。守備面において警戒すべき点が多いと語る
「去年のボールを丁寧に扱うというか、我々で言うところの“へそ”をしっかり使って、センターバックもしっかりサポートにきた選手を見ながらサッカーをするというのは変わらないと思います。それに加えて縦の意識が強くなっている」
「センターバックやサイドバックにロングフィードできる選手がいて、前で動き直しをしてランニングをする。ただ単にランニングをするのではなく、動き直しをしてランニングをしてくる。ここに合わせてくる。そこから非常にテンポの早い、早いタイミングでクロスが入ってくるというところは、去年に加えて新たな武器として機能しているなと思います。実際そういう形で点も取っている。ただ、それだけではなくて足元でつなぐこともできるという意味では、非常に新潟らしさというのを非常に短期間で確立しているなと思います」
対戦相手の対策は意識しながらも、まずは自分たちにベクトルを向けるなか、今季の課題のひとつとなっている、途中出場でバトンを引き継ぎつつ流れを変える“ゲームチェンジャー”についても言及。
チームとして交代選手の活かし方は当然のことながら意識しつつも、あくまで最優先はチームを助けるハードワーク、出場時間に関わらず、自身のすべてを出し切ることだと、改めて自身の考えを明確に主張した、
「まずは立ち位置とか、交代選手の特徴によって、それが最大のメッセージになりますし、我々もそこはピッチでやっている選手に外からの声かけで共有しながらやらなければいけないと。これはこの前の最後の最後のアディショナルタイムはうまくいかなかったので、そこはすごく残念だなと思います」
「ただ、間違えてはいけないのは、交代選手で再点火させるのは攻撃も守備。攻撃の選手が入ったから攻撃だけしておけばいいという状況になれば、この前(G大阪戦)みたいになってしまう。出た選手がまず全員でボールを奪うんだと。それは立ち位置とかポジションに関係ない。これは今後もベースとしてみんなが持たなければいけない。それが何分であろうが、短ければ短いほど、『人生でこんなに試合で走ったことがない』というようなマインドで入らない限りは、立ち位置とか、活かし方とか、それは自分のなかで何番目か(の優先順位)だと思います」
「そもそもが、全員が火の玉のようにというか、まず全員でボールを奪わないと攻撃できないということ。途中から出た選手は何分かしかなではなくて、それで全てを出すんだというメンタリティを持つこと。これはみんなでもう一度共有しないと、誰が出ようが、システムをどう変えようが変わらない。あのような失敗はもう繰り返したくないなと思います」
前節のアクシデントを含め開幕から苦境が続く東京Vだが、昇格組ながら6位に躍進した昨季はブレずに信念・スタイルを貫き厳しい時期を乗り越えてきた。それゆえに今後を占う新潟戦においても、初志貫徹の姿勢で愚直に勝ち点3を目指す。
東京Vは前々節のFC町田ゼルビア戦で待望の今季初勝利。しかし、味の素スタジアムでの開幕戦で連勝を狙った前節のガンバ大阪戦では、前半にDF千田海人、FW山田剛綺の2選手、後半にMF福田湧矢が脳震とうで負傷交代するアクシデントが続出。後半終盤に失点を喫した結果、0-1での敗戦となった。
町田戦同様にパフォーマンス自体に悲観すべき点はないものの、4試合中3試合で無得点に終わり、0-4で敗れた鹿島アントラーズ戦以外は勝ち点1は取れそうな展開ではあっただけに、粘り強さが光った昨季に比べると厳しい状況だ。
昨季からスカッドのスリム化を図ったチームにおいて主力3選手の離脱は大きな痛手となっており、今回の新潟戦では結果とともに、ここまでベンチを温めてきた、あるいはメンバーに絡めなかった選手たちの今後に向けた奮起や台頭が求められるところ。
この苦境に際して、逆境でこそ燃える指揮官は「このチームは成長が一番のキー。彼らを成長させる機会として、こういう機会を逃してはいけない」と、この窮地において以前から課題として挙げる選手層の底上げを期す。
「成長というのは、努力しながら足りないところを克服していったり、長所をよりストロングなものにしていくということ。もっと言えば、自分の才能にまだ気がついてないという言い方がいいか、自分の才能を出し切れていないことに気がついてない選手。もう後がない状態で実際に自分が責任あるピッチに立つような状況になったとき、彼らがそういう自分のポテンシャルというのをフルに出すということが、どういうことなのかということを気づかせられる場でもあると思っているので、そこの背中を促したいなと」
「実際にピッチに立たないと、当事者にならないと、なかなか気づけない。我々は、自分のポテンシャルをまだ出し切れてないことを気づいていない選手に気づかせる、出し切らせるというところに注力しないといけない」
城福監督は「自分が何かを言わずも」と、無念の思いでピッチを離れた前述の選手の代役を担うであろう選手たちの試合に臨む姿勢について、あえて自ら働きかける必要はないと考えている。
「彼らがどれだけ無念だったかは、サッカー仲間でありライバルであれ、プレーヤーとして身近にいれば、それはわかることであり、それをどういうふうに受け止めて、各々がチームのプラスに変えていけるか」
「もちろん気負いすぎることなく、我々がやってきたことをやりますが、自分たちがやろうとしている一丁目一番地のこと。一丁目二番地のことを、チームのためにぶらさずにやりながら、自分の特長を出していくという山田剛綺や、千田海人のあの姿勢をみんなが引き継いでいくということだと思います」
一方、出番に飢えるがゆえに爪痕を残すべく周りが見えずに空回るという、ありがちな状況も危惧し、選手たちに最も求める指針もしっかりと示す。
「ケガをして戦列を離れるというデメリットというか起きた現象と、新しい選手が気持ちを持ってそこに加わっていくという、このプラスマイナスでプラスにしなければいけないと思います。それは単にその選手の戦力的なもの。持っているポテンシャル的なもの。あるいは特長的なもののプラスマイナスだけではない」
「山田剛綺、千田海人もそうですけれども、どんな努力をして、奥歯を噛みしめるような日々を過ごして勝ち取ったものがあって、ある意味で我々の開幕の試合は本当に危機感を持たなければいけないような試合内容だった。そこから2戦目は負けましたけども、我々らしさを取り戻せた。その原動力になった選手が離脱するということになったときに、自分にチャンスが来るという思いはみんなあると思いますけど、彼らのその残念な思いも含めて、彼らがエクストラ(控え選手メインの個別練習)でどんな思いをしてやってきたか」
「そういうことも踏まえた上で、このプラスマイナスをメンタル的なところも含めてプラスにしなければいけないので、今まで出なかった選手が出るという、いわゆる技術的なところ、特長的なところだけのプラスマイナスではダメ。どういう気持ちで今のこのチームを自分が救うんだと、そのためにチームのために何をやるんだという思いが、より強くなった状態で合流させられるようにしたいです」
新たな力への台頭を期待しつつ、1勝3敗の序盤戦でより結果が求められる今回のアウェイゲーム。新潟は樹森大介新監督の下、2分け2敗の未勝利で厳しい船出となっているが、城福監督は「非常に短期間で新潟らしさを確立している」と対戦相手を評価。守備面において警戒すべき点が多いと語る
「去年のボールを丁寧に扱うというか、我々で言うところの“へそ”をしっかり使って、センターバックもしっかりサポートにきた選手を見ながらサッカーをするというのは変わらないと思います。それに加えて縦の意識が強くなっている」
「センターバックやサイドバックにロングフィードできる選手がいて、前で動き直しをしてランニングをする。ただ単にランニングをするのではなく、動き直しをしてランニングをしてくる。ここに合わせてくる。そこから非常にテンポの早い、早いタイミングでクロスが入ってくるというところは、去年に加えて新たな武器として機能しているなと思います。実際そういう形で点も取っている。ただ、それだけではなくて足元でつなぐこともできるという意味では、非常に新潟らしさというのを非常に短期間で確立しているなと思います」
対戦相手の対策は意識しながらも、まずは自分たちにベクトルを向けるなか、今季の課題のひとつとなっている、途中出場でバトンを引き継ぎつつ流れを変える“ゲームチェンジャー”についても言及。
チームとして交代選手の活かし方は当然のことながら意識しつつも、あくまで最優先はチームを助けるハードワーク、出場時間に関わらず、自身のすべてを出し切ることだと、改めて自身の考えを明確に主張した、
「まずは立ち位置とか、交代選手の特徴によって、それが最大のメッセージになりますし、我々もそこはピッチでやっている選手に外からの声かけで共有しながらやらなければいけないと。これはこの前の最後の最後のアディショナルタイムはうまくいかなかったので、そこはすごく残念だなと思います」
「ただ、間違えてはいけないのは、交代選手で再点火させるのは攻撃も守備。攻撃の選手が入ったから攻撃だけしておけばいいという状況になれば、この前(G大阪戦)みたいになってしまう。出た選手がまず全員でボールを奪うんだと。それは立ち位置とかポジションに関係ない。これは今後もベースとしてみんなが持たなければいけない。それが何分であろうが、短ければ短いほど、『人生でこんなに試合で走ったことがない』というようなマインドで入らない限りは、立ち位置とか、活かし方とか、それは自分のなかで何番目か(の優先順位)だと思います」
「そもそもが、全員が火の玉のようにというか、まず全員でボールを奪わないと攻撃できないということ。途中から出た選手は何分かしかなではなくて、それで全てを出すんだというメンタリティを持つこと。これはみんなでもう一度共有しないと、誰が出ようが、システムをどう変えようが変わらない。あのような失敗はもう繰り返したくないなと思います」
前節のアクシデントを含め開幕から苦境が続く東京Vだが、昇格組ながら6位に躍進した昨季はブレずに信念・スタイルを貫き厳しい時期を乗り越えてきた。それゆえに今後を占う新潟戦においても、初志貫徹の姿勢で愚直に勝ち点3を目指す。
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東京ヴェルディの城福浩監督が、多くの課題が出たなかでの今季ホーム初白星を振り返った。 東京Vは15日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第6節で名古屋グランパスと対戦し、2-1で逆転勝利した。 今季初の複数得点を奪って2-2のドローに持ち込んだアルビレックス新潟戦と同じメンバーで臨んだ一戦。[3-4-2-1]のミラーゲームという構図の下、球際のデュエルとマンマーク気味の相手の守備に対して、効果的にずれを生み出すことをテーマに掲げたなか、前半は相手の勢いを受ける難しい展開となった。 立ち上がり数分の劣勢を撥ね返し、徐々にボールを保持して攻撃を仕掛けたいところだったが、21分には自陣でのビルドアップを引っかけられてMF森島司に先制点を奪われた。その後、MF森田晃樹の負傷によってMF平川怜のスクランブル投入を余儀なくされたなか、前半は攻撃の糸口を見いだせず。 それでも、後半に入ってDF宮原和也を下げてFW山見大登を投入し前がかりの戦いを見せると、押し込んだ時間帯の63分にFW染野唯月の中盤でのボール奪取からカウンターを発動。左サイドを突破してボックス内に持ち込んだ山見のニア下を狙ったシュートがGK武田洋平の脇を抜けてゴールネットを揺らし、同点に追いついた。 以降は完全に試合の主導権を握り、73分には山見の右CKをゴール前のMF綱島悠斗がゴール右上隅へヘディングシュートで流し込み、2試合連続ゴール。以降は開幕から未勝利でヘッドダウンしたアウェイチームの反撃を危なげなく凌ぎ切り、今季初の逆転勝ちで待望のホーム初白星を挙げた。 一見すると、ハーフタイムの修正と交代策が機能した指揮官の手腕光る逆転勝利と言えるが、「ホームで勝てていなかったので、サポーターと一緒に喜び合えたのは本当によかった」と会見の冒頭で語った後の城福監督からは自身を含めたチームの問題点に関する言葉が並んだ。 「前半は相手が特に中盤のところで非常に激しく来るのはわかっていました。そのなかでこのチームの課題ではありますけれども、どうしても受けてしまう。やり合わないというか、このチームの課題が露呈したような前半でした」 「ハーフタイムにそこを修正して、ピッチに送り出しましたけれど、あの後半頭からの気迫とサッカーを、前半から自分たちがしっかりやれるというところを、このチームが表現できれば、もっともっと高いものを目指せるチームになり得ると思います」 「殴られてから目が覚めるという部分では、そこは人がいいというのか、ピッチ内のリーダーがいないと言うべきか、そこをちょっと育てきれていない自分がいるので、ここは自分としてもチームとしても課題かなと思っています」 試合後に選手たちも口々に不甲斐なさを語った前半に関しては、単純な球際、ハードワークの部分での劣勢に加え、効果的な立ち位置や相手の守備の矢印を折れていない状況にも関わらず、“へそ”に固執した戦い方。嵌る状況が続くなかでの後ろ向きなプレー選択を問題視。「伝わっていないということは伝えていないと同じ」と勝利した上で今後に向けた戒めとした。 「後ろへの選択が極力少なくなるような準備をしてきたつもりですけど、あの前半を見たら、全く準備をしていなかったと言われてもしょうがないですし、それぐらい私も悔しいです。伝わっていないということは伝えていないと同じなので、自分ももっともっと精進しなければいけないなと思います」 「ヴェルディが抱えるひとつの課題。綺麗にかわそうとするというか、戦い合ったなかで、90分間あのインテンシティにはならないので、どこかでへそを使って我々らしくサッカーはできるはずですけど、来られれば来られるほどに、まずそこに選択が行ってプレッシャーがあるので、当たり前ですけど前を向けないのでバックパスになる」 「まずはファイティングポーズを取って戦い合うところからスタートするというところは、このチームが相手を見ながらそれを選択できるようになれば、チームの伸びしろになるかなと思います」 普段の水準を下回った前半の出来、後半の名古屋のトーンダウンも逆転劇の要因ではあるが、絶望的な前半から本来のパフォーマンスを取り戻させた指揮官の修正は見事と言うべきだろう。 そのハーフタイムの修正、選手たちを奮い立たせた“檄”の内容について問われた指揮官は、「僕が彼らに伝えられるかどうかの勝負なので、そこはお察しください(笑)」と明言を避けたが、「守備でも攻撃でも中途半端なポジショニング、プレーが多かったという指摘があった(平川)」、「これはいつもの俺らじゃないという話があった(綱島)」と短い映像を使ったロジカルな修正とともに、選手の心に響く声掛けがあったことは想像に難くない。 大きな手応えを得たものの勝ち点1に終わった新潟戦に対して、勝ち点3は得たもののより多くの課題が出た名古屋戦と、若さゆえのムラっ気をはらむ東京Vの序盤戦。 ひとまず今季2勝目を手にした城福監督だが、「まだ五分の星に持っていけていない」と、次節に控える上位の柏レイソルとの戦いが今後に向けた重要なものになると気持ちを切り替えた。 「まだ五分の星に持っていけていないので、まずはそこに早く到達したいなと。そこからが勝負だと思っていますし、このチームが今年を迎える難しさであったり、我々が目指す超野心的なものを表現するという部分においては、まず星を五分に戻さないと話にならないというふうに思っているので、次がものすごく大事かなと思います」 「開幕で負けて以来は内容的に全否定するものではなかったけれども、勝ち点という意味では追いついてきていないので、まずは五分に戻してからが、我々が今年見せたいものを地に足をつけてしっかりと見せていくということが大事かなと思っています」 なお、前半に左足を痛めて負傷交代したキャプテンの森田に関しては、悪化を防ぐ予防的な意味合いもあってか、試合後に松葉杖を使用しピッチを後にする姿も確認された。 開幕から負傷者が続出するなかでの主将の状態は大きな懸念材料となるが、指揮官は「ちょっと強い打撲と聞いています。ただ、打撲の場所であったり症状からして、今はおそらく普通に歩行ができない状況。どれぐらい長引くかというのはちょっと様子を見なければいけないかなと思います」とコメントしている。 2025.03.15 22:05 Sat4
「まだまだ信用されていない」東京Vの2年目FW白井亮丞は冷静に立ち位置理解も「献身性もありつつ結果残す」出場機会確保へぎらつく
緑の若武者が前線の相次ぐ離脱者を受け、虎視眈々とチャンスを窺う。 ジュニアユースから東京ヴェルディの下部組織に在籍するFW白井亮丞は、プロ2年目で飛躍が期待される185cmの本格派ストライカー。 2種登録選手として2023年6月に行われた天皇杯2回戦のザスパクサツ群馬戦でトップチームデビュー。さらに、翌月に行われた天皇杯3回戦のFC東京との東京ダービーでは初ゴールを挙げる活躍を見せ、同シーズンにJリーグデビューも果たした。 だが、プロ1年目となった2024シーズンは第5中足骨疲労骨折および、有痛性三角骨障害の全治3カ月のケガを負うなどシーズンを通して負傷に悩まされ、公式戦出場なしのほろ苦いルーキーイヤーとなった。 捲土重来を期して臨む今シーズンは、昨年の離脱期間に集中して取り組んだ筋力アップによって上半身を中心に体の厚みを増しつつ、プレシーズンもハイインテンシティを志向するチームスタイルに順応すべく運動量、プレー強度の改善に取り組んできた。 そして、明治安田J1リーグ開幕節の清水エスパルス戦では途中出場でプロデビューとともにJ1デビューも果たしたが、「正直何もできなかった」とピッチに送り出した城福浩監督の言葉通り、白井自身も不甲斐なさを反省した。 以降のリーグ戦3試合はベンチ外となったが、この間にチームでは最前線のファーストチョイスとなっていたFW山田剛綺が左ヒザの重傷によって長期離脱が決定。8日に行われた第5節のアルビレックス新潟戦では白井に4試合ぶりのベンチ入りのチャンスが訪れた。 この試合でチームは今季初の複数得点を記録し、一時逆転を許したアウェイゲームで2-2の同点に追いつくポジティブな勝ち点1という結果を持ち帰ったが、19歳のストライカーは「まだ信用されていない」と出番なしに終わった悔しさを強く感じた。 「1-2、2-2の状況で、自分が選択されなくてまだ信用されていないということはわかりました。あの状況(点が必要な状況)で使われる。そういう使われ方をするのかなと自分では思っていたので、そこでまだ自分が使われないということは、まだまだ信用されていないということです」 下部組織時代からエースFWを担ってきた矜持を滲ませつつ、チームが序盤戦で負け越している状況において、ストライカーとして得点という結果で貢献できないもどかしさがあったことは想像に難くない。 それでも、反骨心とともにあくまで自身の成長にベクトルを向ける若武者は、その新潟戦翌日に行われた清水エスパルスとのトレーニングマッチでフル出場。ゴールという目に見える結果に加え、90分間走り抜いて攻守にハードワークもこなした。 白井自身も「ここで少しでも信用を勝ち取るために、まず守備から主力と比較しても遜色なく、さらにまた一段階ギアを上げて出られる選手と思わせるようなプレーができたらなと思ってやっていたので、点を取ることもできて、90分走り続けることもできたので、そこは良かったかなと思います」と清水戦の手応えを口に。 「練習からコロコロと転んでしまうことが多いので、そこは城福さんにも指摘されていて、『簡単に転ぶな』という部分を言われてきたので、その部分での力強さや(木村)勇大くんが最後にガス欠したときに、自分が出ても前で体を張ることができるということを意識してやりました」 「高橋(祐治)選手が出てくるのもわかっていて、以前から知っている選手ですし、そういう選手に対して通用できれば、J1でもやっていく自信がついてくるかなと思っていたので、そこで体を張ってうまくできたので、フィジカルの勝負のところでの自信はついたと思います」 城福監督もいくつかの課題を挙げつつも「自分の特徴とチームの求めるものというのを合わせられたシーンがたくさんあった」、「早く戦力になってほしい」と開幕戦からの成長を認めた。 今後出場機会を得ていく上では攻守にわたるベースアップは当然のことながら、指揮官も自身も想定する、得点が必要な状況での決定的な仕事。前線の駒が不足するなか、試合終盤における前線でのハードワークという“ゲームチェンジャー”としての役割をこなせるか否かがポイントとなるはずだ。 清水戦を含めトレーニングマッチにおける得点能力、日々のトレーニングでもシュートに関して非凡なものを見せているが、ポジションを争う両エースに比べて「まだまだ」とさらなる改善を訴える。 「シュートの部分に関しては毎日練習が終わった後とか、フォワードの選手たちと一緒にやったり、仁志さん(森下仁志コーチ)とやっているので、精度は上がってきていると思います。ただ、まだまだソメくん(染野唯月)とかに比べたら低いので、もっともっと練習していこうと思います」 「ソメくんは両足蹴れますし足の振りも速い。勇大くんも一瞬の動きで外してシュートをファーにうまく打てるので、参考になる部分が多いです。もちろん真似したいところはありますが、シュートに関しては真似というよりも、自分の感覚でやった方がいいかなと思っているので、たくさん打っていきながらフィーリングを合わせていけたらなと思います」 同じく185cmの恵まれた体躯をまだまだ活かし切れていない空中戦についても「やっぱり(山田)剛綺くんがそういう部分で、勇大くんからポジションを奪って出ていましたが、今はケガをしてしまい、そういうことできる選手が1人欠けたので、自分は空中戦がそこまで得意ではないですけど、そこはやらなければいけない、絶対に求められているものだと思うので、成長できたらなと思います」と、真摯に課題に取り組む。 前線のコマ不足と清水戦のアピールによって、15日に控える第6節の名古屋グランパス戦、20日控えるJリーグYBCルヴァンカップのAC長野パルセイロでの今季2試合目の出場も期待される。 緑の背番号27は「ポジション的にも前線の選手が足りない状況で、ルヴァンカップも含めてチャンスが回ってくると思うので、この前の清水戦みたいな献身性もありつつ得点という形で結果を残して、もっと城福さんにJリーグでも通用するぞというアピールに繋げられたらなと思っています」と、今後の戦いに向けた決意を示した。 2025.03.14 17:05 Fri5
超野心的な目標掲げる東京Vの城福監督、ルヴァンカップ初戦へ「ひとつ何かを勝ち取れば大きな自信に」
東京ヴェルディの城福浩監督が、AC長野パルセイロ戦に向けた会見を実施した。 東京Vは先週末に行われた明治安田J1リーグ第6節の名古屋グランパス戦を2-1で逆転勝利。待望のホーム初白星とともに今季リーグ2勝目を手にし、インターナショナルマッチウィークの中断期間に入った。 その中断明けには、ここまで4位と好調を維持する柏レイソルとのアウェイゲームを控えるなか、20日に長野Uスタジアムで行われるJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド第1回戦でJ3の長野と対戦する。 名古屋戦では前半45分間で1点ビハインドに加え、シュート2本枠内0本と低調なパフォーマンスに終始。ハーフタイムでは攻守の4つのシーンを映像で見せたロジカルな修正とともに、指揮官からの“雷”が落ち、本来のアグレッシブさを取り戻したチームは劇的な変化の末に逆転勝利を収めた。 元来の熱血漢であり、就任4年目となれば、選手に“檄”を響かせる上で工夫も必要と思われるが、その問いかけに対して城福監督は「まだ選手がそれ(雷)に慣れているかどうかは選手に聞かないとわからないですけど、そこまで彼らが慣れるほど雷は落としていないと」とニヤリと返答。 細かい内容への言及は避けたものの、名古屋戦では東京Vの指揮官就任後初めてのアプローチを行ったことを明かした。 「この前の試合は選手たち自身も不甲斐ない思いをしたというか、悔しい思いをしながらロッカールームに帰ってきました。選手が言い合いをしているのも、怒鳴り合っているのも聞こえてきますし、選手自身がこのままではいけないという思いがあったと思います」 「基本的に選手は試合前もハーフタイムも各々にルーティーンがある。シャワーを浴びる選手もいれば、全部着替える選手もいれば、いろんなルーティングがある。それを全て中断させたのは初めてです」 その試みも嵌り、多くの課題はありながらも白星を取り戻し、良い状態で臨む今季のルヴァンカップ初戦。 昨季J1で6位躍進を果たしたなか、今季は超野心的な目標を掲げる東京Vにおいてカップ戦でのタイトル獲得は明確に定める目標のひとつ。指揮官は初陣を前に「ひとつ何かを勝ち取ったら、それは自分たちにとってすごく自信になる」と改めてルヴァンカップへの思いを語った。 「簡単にタイトルを取りたいと言って取れるものではないですし、特にカップ戦というのは選手層の厚さというのが、非常に大きく物を言う。そこに向けて一試合一試合、積み重ねていって一試合でも多く痺れる試合をすることが、このチームの成長に繋がることだと思っています」 「まだ始まってもいないので、偉そうなことは言えないですけれども、ひとつ何かを勝ち取ったら、それは自分たちにとってすごく自信になる。もちろんリーグ戦という長丁場の中での成果が、一番成果として重いものなのかもしれないですけど、何かのトーナメントの頂点に立つというのは、やってきたこと、やろうとしていることの確信であるとか、選手に与える自信。あるいはクラブが感じる自信とかも含めると、非常に大きなものがある。そこは諦めずに最後までたどり着けるところまで行きたい」 「あとはファイナルに行って、多くの両チームのサポーターが、あるいは全国のサッカーファンがその試合だけに注目するという状況がカップ戦の決勝。そういう雰囲気を味わわせてあげたいですし、その舞台に立たせたいなという思いもあるので、緩みなくというか、とにかく自分たちの全てを出せるようないい準備をすることが一番大事です」 対戦相手の長野とは昨季の天皇杯初戦で対戦し5-0で勝利。ただ、今季からロアッソ熊本で大木武監督の副官を務めていた藤本主税監督が新指揮官に就任しており、その熊本を彷彿とさせるチームを警戒。 「監督が代わって、熊本の大木監督の下でやっていたということもあり、その影響を大きく受けているとも想像がつきますし、立ち位置とか取り組んでいることも、それをベースにしながら、長野の今いる選手たちの力を引き出そうとしているなというのは見て取れます」 「そういう意味では捕まえづらい立ち位置であったり、パスの距離感だったり、湧いて出てくるタイミングであったりというのは、熊本と対戦したときも相当厄介だったので、それに近いものを表現されると、なかなか難しい試合になるかなと思っています」 ただ、「自分たちに、自分たちのサッカーにフォーカスして、あるいは選手個人のポジションを取りに行く、その意気込みだったりというところをしっかりと呼び覚ましてあげれば、相手がどういう立ち位置でやりやすいとか、やりにくいというのは二の次になっていく」と相手のカテゴリーに関係なく、自分たちにベクトルを向けて勝利を目指す。 気になるメンバー選考に関しては「中4日は連戦と考えていない」と、コンディション面を極端に考慮してのターンオーバーを考えていない指揮官。 だが、「コンディションと、あとは3月の終わりから連戦が続いてくる。そこに向けてトライしておきたいこと。それが単体のポジションのトライだったり、組み合わせだったり、歯を食いしばって頑張っている選手を登用することだったり、次のリーグ戦、連戦に向けてトライしたい」と、今後を見据えた起用法も示唆した。 なお、名古屋戦で左足首に打撲を負って負傷交代となったMF森田晃樹については「まだ何とも言えないというのが、正直なところ」と明言を避けたものの、「ケガをした直後の患部の腫れとか、本人の痛がり具合はかなりの打撲だなと。ちょっと時間がかかるかなと思いましたが、一日ごとに回復している姿を見たら、最初にちょっと覚悟したよりは少し早まってくれたらいいなと、早まってくれるのかなと期待をしています」と、試合後の会見に比べて、やや楽観的な見立てを語っている。 2025.03.19 16:20 Wed東京ヴェルディの人気記事ランキング
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【J1注目プレビュー|第6節:東京Vvs名古屋】目指すは今季2勝目or初勝利、下位に沈む両者のカギは攻守のバランス
【明治安田J1リーグ第6節】 2025年3月15日(土) 14:00キックオフ 東京ヴェルディ(16位/4pt) vs 名古屋グランパス(20位/2pt) [味の素スタジアム] <h3>◆攻撃の改善は? 今季2勝目目指す【東京ヴェルディ】</h3> 前節はアウェイでのアルビレックス新潟戦。未勝利の相手との戦いとなった中、2-2のドローに終わり、勝ち切ることができなかった。 昨シーズンとは異なり、シーズン序盤は苦しい戦いが続き、5試合を終えてわずか1勝。特に攻撃の部分では安定して結果を残せていないという状況だ。 ただ、前節は木村勇大が開幕戦以来となる先発起用で豪快ゴール。チームも今季初の複数得点を記録し、徐々にエンジンがかかってきた様子。ホームに戻る今節では爆発も期待したい。 対戦相手の名古屋は今季未勝利の最下位チーム。沖縄キャンプでトレーニングマッチですでに対戦している相手だが、しっかりと勝利を収めたいところだ。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:マテウス DF:綱島悠斗、林尚輝、谷口栄斗 MF:宮原和也、森田晃樹、齋藤功佑、翁長聖 FW:染野唯月、新井悠太 FW:木村勇大 監督:城福浩 <h3>◆今季初勝利を掴めるか【名古屋グランパス】</h3> 昨シーズンのカップ王者であり、大きな戦力ダウンもないはずの名古屋だが、ここまで未勝利の最下位。想定外と言えるだろう。 ケガ人に泣かされてきた部分もあるが、やはりここ数年の課題でもある攻撃の改善ができていない印象。豊富なタレントがいながらもまだまだ完成度は低いと言えるだろう。 安定感のあった守備も、GKミッチェル・ランゲラックの退団の影響が絶大であり、頼みのGKシュミット・ダニエルが開幕前に重傷。守備陣もケガ人が少なくなく、不安定さを露呈。5試合で12失点はリーグワースト。まずは守備から入りたいところだろう。 明るい材料は少なく、FW山岸祐也とDF 徳元悠平の離脱が発表された。泣きっ面に蜂の状態だが、まずは1勝目を目指す。 ★予想スタメン[3-4-1-2] GK:武田洋平 DF:原輝綺、佐藤瑶大、宮大樹 MF:野上結貴、稲垣祥、椎橋慧也、和泉竜司 MF:森島司 FW:浅野雄也、永井謙佑 監督:長谷川健太 2025.03.15 09:00 Sat2
今季東京V加入の平川怜&鈴木海音、ルヴァンカップ長野戦をポジション奪取足掛かりに「ギラギラした気持ちはずっと持ち続けている」
東京ヴェルディは20日、長野Uスタジアムで行われるJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド第1回戦でAC長野パルセイロと対戦する。ルヴァンカップ初戦をポジション奪取への足掛かりとしたい今季新加入のMF平川怜、DF鈴木海音が意気込む。 東京Vは先週末に行われた明治安田J1リーグ第6節の名古屋グランパス戦を2-1で逆転勝利。待望のホーム初白星とともに今季リーグ2勝目を手にし、インターナショナルマッチウィークの中断期間に入った。 その中断明けには、ここまで4位と好調を維持する柏レイソルとのアウェイゲームを控えるなか、J3の長野と対戦する。 超野心的な目標を掲げる城福浩監督は、昨季はいずれも2戦目で敗退したカップ戦の戦いを重要視。タイトルを目指すなかで序盤戦においても若手や控えメンバーに“チャンスを与える”は考えはなく、その門戸を広げながらも“チャンスを掴む”ことを求めている。 とはいえ、「次のリーグ戦、連戦に向けてトライしたい」と今後に向けた選手層の底上げや新たなオプションも考慮しており、いくつかのポジションで選手の入れ替えも見込まれる。 そんななか、加入後初スタメンが有力視されるのが、ジュビロ磐田から新加入の平川だ。 開幕から3試合連続で途中出場の背番号16は、以降2試合で出番なしに終わったものの名古屋戦ではMF森田晃樹の負傷を受けて前半半ばに途中出場。ボランチの一角で安定したパフォーマンスを披露し、チームの逆転勝利に貢献。少なくとも今回の一戦に関して森田の出場は難しく、ボランチの一角で初スタメンを飾る可能性は高そうだ。 「移籍してきた立場なのでチャンスを活かさないといけないですし、そこ(名古屋戦)はターニングポイントであることは間違いないです」 名古屋戦で手応えを得た平川だが、「ただ、そこで(最低限の役割を)こなしているだけでは、立ち位置を掴めないと思うので、自分の良さを出して勝利に繋げるというのが、常に求められています」。「ボールにしっかり関わり続けることはやっていかないといけないですし、それは守備も攻撃もですけど。そこから自分たちが常に主導権を握れるようなプレーをしていきたい」と、より一層の存在感を示すことを自身に課す。 対長野という部分ではロアッソ熊本時代に指導を受けた藤本主税監督の存在も大きなモチベーションに。 「技術のところはもちろんですけど、気持ちが熱い指導者だと思いますし、メンタル的なところも大事にしていたと思います」と対戦相手の指揮官について触れた元ロアッソMFは、「かなりお世話になった指導者ですし、藤本さんが監督になってどういうサッカーをしてくるかというのはとても楽しみです」と語った。 ジャイアントキリングを目指してアグレッシブに臨むであろうJ3のチームに対して、受けに回る入りとなった場合、名古屋戦同様に厳しい戦いになることは間違いない。 そのため、平川は「自分たちが試合の入りから圧倒してというような戦いができたら、また次のリーグ戦にも繋がると思いますし、ここで温い入りをしていたらそのままというか、変わっていないと思うので、ここが大事なゲーム。相手も特徴のあるチームですけど、自分たちがどれだけできるかということが一番大事」と、試合の入りから相手を90分間圧倒する戦いを見せたいと意気込んだ。 その平川と同じ磐田から新加入となった鈴木は、より今回の一戦で自身の価値を証明しなければならない選手の一人だ。 昨年のパリ・オリンピックに出場した実力者だが、ハイレベルのポジション争いを覚悟して加入した新天地では第5節のアルビレックス新潟戦の後半終盤の出場でデビューを果たしたが、ベンチ外も3試合と想定以上の苦戦を強いられている印象だ。 それでも、日本一のトレーニングを掲げる指揮官、昨季も多くの選手を成長させてきた森下仁志コーチが主導する全体練習後の“エクストラ”と呼ばれるグループ・個別トレーニングを通じて心身ともに成長を実感する鈴木。 「自分がなかなかピッチに立てない。去年もずっとフルで試合に出ていたわけではないので、今年環境が変わってチームも変わって、やっぱりスタートからもちろん出る気持ちでいましたけど、なかなかそういう機会というのが回ってこない中でも、周りの選手もベンチに座っている選手とかも、自分がいつ出てもいいというような準備をしていますし、全体練習が終わった後のそういったメンバーの練習も、すごくみんなが熱量を持ってやっていますし、そこはすごくいい環境だなと思っています」 そして、「ワンプレーのこだわり」、「練習中も考える時間が増えた」と新たな気づきもあったなか、自身の課題を克服しながら手応えを得始めている段階にある。 「スライドの部分だったり、もっと周りを動かして自分がディフェンスラインを統率するところだったり、ヘディングも元々は短所の部分だと感じていましたが、ここで出られない期間で、去年よりも明らかに練習する時間が増えていると思いますし、サッカーを見る時間も増えて今すごくサッカーに集中できています」 「間違いなく最初に来たときよりも自分の良さというものは出せていると思いますし、チームのやることもだんだん理解できてきて、それにプラスアルファで自分の良さを最近はすごく出せていると思いますし、コンディションもいい状態です」 ただ、「若いと思っていない」、「今日の練習だったり、次の試合が自分にとってサッカー人生最後だったらと考えたら、もっとこだわらなければいけない」と悲壮感も漂わせる22歳は、「サッカー選手としてピッチで結果を残すことが一番。もちろん成長にこだわるのもすごく大事ですけど、結果にもこだわってやっていきたいので、自分がいつ出てもいいように、そういうギラギラした気持ちはずっと持ち続けてやれているので、それをピッチに立ったときに出すしかないと思います」と、改めて公式戦出場への強い思いを示した。 「長い期間一緒にやっていた選手なのですごく楽しみ」と語る磐田時代の元同僚であるMF藤川虎太朗とのマッチアップもモチベーションに臨む長野戦に向けて鈴木は、チームの勝利とともに今後に向けてプラスアルファをもたらしたいと語った。 「どういうメンバーになっても、まず勝つことがすごく重要になってくると思いますし、相手が下のカテゴリーだからとか全く関係なく、自分たちが今まで積み上げてきたものを出すだけです。プラスアルファで、普段リーグ戦に絡めていない選手だったりが、突き上げというか、そういったものを見せなければいけないと思うので、そこを意識していきたいなと思います」 2025.03.19 18:00 Wed3
「伝わっていないということは伝えていないと同じ」逆転でホーム初白星も東京Vの城福監督は名古屋戦での多くの課題に言及
東京ヴェルディの城福浩監督が、多くの課題が出たなかでの今季ホーム初白星を振り返った。 東京Vは15日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第6節で名古屋グランパスと対戦し、2-1で逆転勝利した。 今季初の複数得点を奪って2-2のドローに持ち込んだアルビレックス新潟戦と同じメンバーで臨んだ一戦。[3-4-2-1]のミラーゲームという構図の下、球際のデュエルとマンマーク気味の相手の守備に対して、効果的にずれを生み出すことをテーマに掲げたなか、前半は相手の勢いを受ける難しい展開となった。 立ち上がり数分の劣勢を撥ね返し、徐々にボールを保持して攻撃を仕掛けたいところだったが、21分には自陣でのビルドアップを引っかけられてMF森島司に先制点を奪われた。その後、MF森田晃樹の負傷によってMF平川怜のスクランブル投入を余儀なくされたなか、前半は攻撃の糸口を見いだせず。 それでも、後半に入ってDF宮原和也を下げてFW山見大登を投入し前がかりの戦いを見せると、押し込んだ時間帯の63分にFW染野唯月の中盤でのボール奪取からカウンターを発動。左サイドを突破してボックス内に持ち込んだ山見のニア下を狙ったシュートがGK武田洋平の脇を抜けてゴールネットを揺らし、同点に追いついた。 以降は完全に試合の主導権を握り、73分には山見の右CKをゴール前のMF綱島悠斗がゴール右上隅へヘディングシュートで流し込み、2試合連続ゴール。以降は開幕から未勝利でヘッドダウンしたアウェイチームの反撃を危なげなく凌ぎ切り、今季初の逆転勝ちで待望のホーム初白星を挙げた。 一見すると、ハーフタイムの修正と交代策が機能した指揮官の手腕光る逆転勝利と言えるが、「ホームで勝てていなかったので、サポーターと一緒に喜び合えたのは本当によかった」と会見の冒頭で語った後の城福監督からは自身を含めたチームの問題点に関する言葉が並んだ。 「前半は相手が特に中盤のところで非常に激しく来るのはわかっていました。そのなかでこのチームの課題ではありますけれども、どうしても受けてしまう。やり合わないというか、このチームの課題が露呈したような前半でした」 「ハーフタイムにそこを修正して、ピッチに送り出しましたけれど、あの後半頭からの気迫とサッカーを、前半から自分たちがしっかりやれるというところを、このチームが表現できれば、もっともっと高いものを目指せるチームになり得ると思います」 「殴られてから目が覚めるという部分では、そこは人がいいというのか、ピッチ内のリーダーがいないと言うべきか、そこをちょっと育てきれていない自分がいるので、ここは自分としてもチームとしても課題かなと思っています」 試合後に選手たちも口々に不甲斐なさを語った前半に関しては、単純な球際、ハードワークの部分での劣勢に加え、効果的な立ち位置や相手の守備の矢印を折れていない状況にも関わらず、“へそ”に固執した戦い方。嵌る状況が続くなかでの後ろ向きなプレー選択を問題視。「伝わっていないということは伝えていないと同じ」と勝利した上で今後に向けた戒めとした。 「後ろへの選択が極力少なくなるような準備をしてきたつもりですけど、あの前半を見たら、全く準備をしていなかったと言われてもしょうがないですし、それぐらい私も悔しいです。伝わっていないということは伝えていないと同じなので、自分ももっともっと精進しなければいけないなと思います」 「ヴェルディが抱えるひとつの課題。綺麗にかわそうとするというか、戦い合ったなかで、90分間あのインテンシティにはならないので、どこかでへそを使って我々らしくサッカーはできるはずですけど、来られれば来られるほどに、まずそこに選択が行ってプレッシャーがあるので、当たり前ですけど前を向けないのでバックパスになる」 「まずはファイティングポーズを取って戦い合うところからスタートするというところは、このチームが相手を見ながらそれを選択できるようになれば、チームの伸びしろになるかなと思います」 普段の水準を下回った前半の出来、後半の名古屋のトーンダウンも逆転劇の要因ではあるが、絶望的な前半から本来のパフォーマンスを取り戻させた指揮官の修正は見事と言うべきだろう。 そのハーフタイムの修正、選手たちを奮い立たせた“檄”の内容について問われた指揮官は、「僕が彼らに伝えられるかどうかの勝負なので、そこはお察しください(笑)」と明言を避けたが、「守備でも攻撃でも中途半端なポジショニング、プレーが多かったという指摘があった(平川)」、「これはいつもの俺らじゃないという話があった(綱島)」と短い映像を使ったロジカルな修正とともに、選手の心に響く声掛けがあったことは想像に難くない。 大きな手応えを得たものの勝ち点1に終わった新潟戦に対して、勝ち点3は得たもののより多くの課題が出た名古屋戦と、若さゆえのムラっ気をはらむ東京Vの序盤戦。 ひとまず今季2勝目を手にした城福監督だが、「まだ五分の星に持っていけていない」と、次節に控える上位の柏レイソルとの戦いが今後に向けた重要なものになると気持ちを切り替えた。 「まだ五分の星に持っていけていないので、まずはそこに早く到達したいなと。そこからが勝負だと思っていますし、このチームが今年を迎える難しさであったり、我々が目指す超野心的なものを表現するという部分においては、まず星を五分に戻さないと話にならないというふうに思っているので、次がものすごく大事かなと思います」 「開幕で負けて以来は内容的に全否定するものではなかったけれども、勝ち点という意味では追いついてきていないので、まずは五分に戻してからが、我々が今年見せたいものを地に足をつけてしっかりと見せていくということが大事かなと思っています」 なお、前半に左足を痛めて負傷交代したキャプテンの森田に関しては、悪化を防ぐ予防的な意味合いもあってか、試合後に松葉杖を使用しピッチを後にする姿も確認された。 開幕から負傷者が続出するなかでの主将の状態は大きな懸念材料となるが、指揮官は「ちょっと強い打撲と聞いています。ただ、打撲の場所であったり症状からして、今はおそらく普通に歩行ができない状況。どれぐらい長引くかというのはちょっと様子を見なければいけないかなと思います」とコメントしている。 2025.03.15 22:05 Sat4
「まだまだ信用されていない」東京Vの2年目FW白井亮丞は冷静に立ち位置理解も「献身性もありつつ結果残す」出場機会確保へぎらつく
緑の若武者が前線の相次ぐ離脱者を受け、虎視眈々とチャンスを窺う。 ジュニアユースから東京ヴェルディの下部組織に在籍するFW白井亮丞は、プロ2年目で飛躍が期待される185cmの本格派ストライカー。 2種登録選手として2023年6月に行われた天皇杯2回戦のザスパクサツ群馬戦でトップチームデビュー。さらに、翌月に行われた天皇杯3回戦のFC東京との東京ダービーでは初ゴールを挙げる活躍を見せ、同シーズンにJリーグデビューも果たした。 だが、プロ1年目となった2024シーズンは第5中足骨疲労骨折および、有痛性三角骨障害の全治3カ月のケガを負うなどシーズンを通して負傷に悩まされ、公式戦出場なしのほろ苦いルーキーイヤーとなった。 捲土重来を期して臨む今シーズンは、昨年の離脱期間に集中して取り組んだ筋力アップによって上半身を中心に体の厚みを増しつつ、プレシーズンもハイインテンシティを志向するチームスタイルに順応すべく運動量、プレー強度の改善に取り組んできた。 そして、明治安田J1リーグ開幕節の清水エスパルス戦では途中出場でプロデビューとともにJ1デビューも果たしたが、「正直何もできなかった」とピッチに送り出した城福浩監督の言葉通り、白井自身も不甲斐なさを反省した。 以降のリーグ戦3試合はベンチ外となったが、この間にチームでは最前線のファーストチョイスとなっていたFW山田剛綺が左ヒザの重傷によって長期離脱が決定。8日に行われた第5節のアルビレックス新潟戦では白井に4試合ぶりのベンチ入りのチャンスが訪れた。 この試合でチームは今季初の複数得点を記録し、一時逆転を許したアウェイゲームで2-2の同点に追いつくポジティブな勝ち点1という結果を持ち帰ったが、19歳のストライカーは「まだ信用されていない」と出番なしに終わった悔しさを強く感じた。 「1-2、2-2の状況で、自分が選択されなくてまだ信用されていないということはわかりました。あの状況(点が必要な状況)で使われる。そういう使われ方をするのかなと自分では思っていたので、そこでまだ自分が使われないということは、まだまだ信用されていないということです」 下部組織時代からエースFWを担ってきた矜持を滲ませつつ、チームが序盤戦で負け越している状況において、ストライカーとして得点という結果で貢献できないもどかしさがあったことは想像に難くない。 それでも、反骨心とともにあくまで自身の成長にベクトルを向ける若武者は、その新潟戦翌日に行われた清水エスパルスとのトレーニングマッチでフル出場。ゴールという目に見える結果に加え、90分間走り抜いて攻守にハードワークもこなした。 白井自身も「ここで少しでも信用を勝ち取るために、まず守備から主力と比較しても遜色なく、さらにまた一段階ギアを上げて出られる選手と思わせるようなプレーができたらなと思ってやっていたので、点を取ることもできて、90分走り続けることもできたので、そこは良かったかなと思います」と清水戦の手応えを口に。 「練習からコロコロと転んでしまうことが多いので、そこは城福さんにも指摘されていて、『簡単に転ぶな』という部分を言われてきたので、その部分での力強さや(木村)勇大くんが最後にガス欠したときに、自分が出ても前で体を張ることができるということを意識してやりました」 「高橋(祐治)選手が出てくるのもわかっていて、以前から知っている選手ですし、そういう選手に対して通用できれば、J1でもやっていく自信がついてくるかなと思っていたので、そこで体を張ってうまくできたので、フィジカルの勝負のところでの自信はついたと思います」 城福監督もいくつかの課題を挙げつつも「自分の特徴とチームの求めるものというのを合わせられたシーンがたくさんあった」、「早く戦力になってほしい」と開幕戦からの成長を認めた。 今後出場機会を得ていく上では攻守にわたるベースアップは当然のことながら、指揮官も自身も想定する、得点が必要な状況での決定的な仕事。前線の駒が不足するなか、試合終盤における前線でのハードワークという“ゲームチェンジャー”としての役割をこなせるか否かがポイントとなるはずだ。 清水戦を含めトレーニングマッチにおける得点能力、日々のトレーニングでもシュートに関して非凡なものを見せているが、ポジションを争う両エースに比べて「まだまだ」とさらなる改善を訴える。 「シュートの部分に関しては毎日練習が終わった後とか、フォワードの選手たちと一緒にやったり、仁志さん(森下仁志コーチ)とやっているので、精度は上がってきていると思います。ただ、まだまだソメくん(染野唯月)とかに比べたら低いので、もっともっと練習していこうと思います」 「ソメくんは両足蹴れますし足の振りも速い。勇大くんも一瞬の動きで外してシュートをファーにうまく打てるので、参考になる部分が多いです。もちろん真似したいところはありますが、シュートに関しては真似というよりも、自分の感覚でやった方がいいかなと思っているので、たくさん打っていきながらフィーリングを合わせていけたらなと思います」 同じく185cmの恵まれた体躯をまだまだ活かし切れていない空中戦についても「やっぱり(山田)剛綺くんがそういう部分で、勇大くんからポジションを奪って出ていましたが、今はケガをしてしまい、そういうことできる選手が1人欠けたので、自分は空中戦がそこまで得意ではないですけど、そこはやらなければいけない、絶対に求められているものだと思うので、成長できたらなと思います」と、真摯に課題に取り組む。 前線のコマ不足と清水戦のアピールによって、15日に控える第6節の名古屋グランパス戦、20日控えるJリーグYBCルヴァンカップのAC長野パルセイロでの今季2試合目の出場も期待される。 緑の背番号27は「ポジション的にも前線の選手が足りない状況で、ルヴァンカップも含めてチャンスが回ってくると思うので、この前の清水戦みたいな献身性もありつつ得点という形で結果を残して、もっと城福さんにJリーグでも通用するぞというアピールに繋げられたらなと思っています」と、今後の戦いに向けた決意を示した。 2025.03.14 17:05 Fri5