「いやいやこれじゃダメでしょ」前半沈黙も3発逆転の前橋育英、山田耕介監督がHTの修正語る「選手交代と選手たちが目を覚ましてくれて…」

2025.01.11 21:15 Sat
初の国立決勝に臨む前橋育英・山田耕介監督
©超ワールドサッカー
初の国立決勝に臨む前橋育英・山田耕介監督
決勝進出を決めた前橋育英山田耕介監督が東福岡戦を振り返った。前橋育英は11日、第103回全国高校サッカー選手権大会の準決勝で東福岡に3-1で勝利。序盤に失点し、前半はほとんどチャンスを作れなかったが、後半頭からの交代も功を奏し、FW佐藤耕太の2ゴールとMF白井誠也のゴールで逆転勝利を収めた。

ハーフタイムでの修正については、「いやいやこれじゃダメでしょ」と選手たちに発破をかけたという山田監督。48分から58分にかけての一挙3得点の要因を試合後に語った。
「やっぱり前半の出来は良くなくて。それで我々も思い切って2人交代してリズムを作っていこうとしました。その結果、10分間ぐらいでしたかね、トントンと点が取れた」

「その選手交代と選手たちが目を覚ましてくれて、いつもやっているサッカーをやってくれたということに繋がっていったのではないかなと思います」
「球際とか、攻守の切り替えのところとかはうちが良くなりつつあり、より良い攻撃ができるようになったのだと思います」

また、これで4度目の決勝進出となる前橋育英だが、過去3度は国立競技場が建て替え工事中の出来事。国立での初勝利については「いつも負けているので良かったです」と笑いを誘った。

さらに、前回の堀越戦からは1週間空いての準決勝。1回戦から準々決勝まで過密日程のなか勝ち上がってきたが、この間の調整がうまくいったことも勝利に結びついたようだ。

「うちは1回戦からだったので今日で5試合目になるんですけれども、4試合連続でやると1週間期間が空くのは本当に助かりました。コンディションが元に戻ってきたり、体調が不安定だった者も戻ってきたり」

「そして、群馬にも戻らなかった。1回群馬に帰って失敗したことがあるので、御殿場で調整をして今日のゲームを迎えることができたので本当に良かったです。我々にとってはメリットだったということになります」

「(期間があると)全然違います。コンディションも良くなって。その割には… (オノノジュ)慶吏あたりにはもう少しやってもらいたかったですけど(笑)」

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「PKぐらいじゃないと…」7年前の再現、流経大柏下して2度目の優勝果たした前橋育英・山田耕介監督は力の差を感じるも選手たちの成長を実感「大会に入ってもどんどん成長していった」

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スリリングな試合だった高校選手権決勝/六川亨の日本サッカー見聞録

1月13日、第103回全国高校サッカー選手権決勝、前橋育英対流経大柏の一戦は近年稀に見る好ゲームだった。90分では決着がつかずに1-1で突入した10分ハーフの延長戦もゴールは生まれず、PK戦もサドンデス10人目で決着がつくという熱戦だった。 かつて高校選手権の決勝は、延長戦でも決着がつかない場合は両校優勝という決まりだった。32校参加になって初の両校優勝は昭和41年の明星(大阪)と習志野(千葉)で、両校ともこれが選手権初優勝だった。 その後48校参加という現行のスタイルとなった58年度(83-84年)の第62回大会以降での両校優勝は、63回大会の帝京と島原商(帝京は連覇を達成)、第70回大会の四日市中央工と帝京、第74回大会の鹿児島実業と静岡学園の3例がある。 しかし初優勝を果たして表彰式に臨んだ四日市中央工や鹿児島実業の選手に笑顔はなく、両校優勝になってしまった悔しさがクローズアップされたことで、両校優勝という大会規定に疑問が呈された。 そして第82回大会から決勝戦だけ45分ハーフになり、翌第83回大会から決勝戦は延長、PK方式で優勝校を決定する現行のルールが採用され、鹿児島実業が0-0からのPK戦で市立船橋を4-2で下し、2度目の優勝を果たした。 今大会に話を戻すと、準決勝を見る限り、前橋育英が2度目の優勝を果たすのではないかと予想した。1月11日の準決勝第2試合に登場した流経大柏は、立ち上がりから東海大相模の攻勢に防戦一方。初出場の東海大相模は、傑出したタレントこそいないものの、全員が洗練されたサッカーセンスを発揮して流経大柏を苦しめた。 後半は流経大柏もMF柚木を中心に反撃を試みて決定機を作ったものの、追加点を奪うことはできず。前半42分に柚木があげたPKからのゴールを守り切って決勝の舞台まで勝ち上がった。しかしこの日のようなゲームでは、前橋育英相手にかなりの苦戦を強いられるだろうと思ったものだ。 対する前橋育英は、東福岡戦では本来左SBの竹ノ谷をボランチに起用したものの、機能したとは言い難い。彼だけの責任ではなく、チームの誰もがボールを持つとパスの出し所を探しているため攻めが遅く、リズムも生まれない。攻撃に時間をかけているため東福岡はリトリートして守備を固め、カウンターから追加点を狙うことにシフトしていた。 ところが後半開始と同時に竹ノ谷を左SBに戻し、2年生MF柴野をボランチに起用。さらに変幻自在のドリブラー白井を右MFに投入し、右MFの黒沢を左MFにコンバートすることで前橋育英の攻撃は劇的に変わった。SB竹ノ谷とMF黒沢が左サイドを活性化して突破口を開くと、エースFW佐藤が後半3分に同点弾。ルーズボールを東福岡MF佐藤に身体でブロックされながらも、背後から左足を伸ばしてコンタクト。GK後藤も意表を突かれたシュートだったに違いない。 さらに6分後、左サイドに流れたオノノジュ慶吏のアシストから佐藤が右足で巻くような芸術的な一撃で追加点を奪う。そして仕上げはドリブラー白井で、ハーフライン手前からドリブル突破を開始して前育ゴールに突進すると右サイドへパス。オノノジュ慶吏は少し溜めてからタテに持ち出しマイナスのクロスを送ると、これを白井はワンタッチシュートでゴール左スミに決めた。 今大会は4試合を無失点で勝ち上がってきた東福岡から3点を奪っての逆転勝利。準決勝の2試合を見た限りでは、前橋育英に“勢い”があったと判断したわけだ。 決勝戦での前橋育英は、竹ノ谷を左SBで、ボランチには柴野をスタメンで起用。白井は勝負どころの切り札としてベンチスタートとなった。これがベストの布陣なのだろう。対する流経大柏はスタメン2人を代えてきたが、準決勝とは見違えるハイプレスの攻守で前橋育英を苦しめた。これが優勝候補にあげられていたプレミアリーグ王者の大津を倒した流経大柏の、本来のサッカーなのだろう。 高校選手権の決勝戦が終わると、長かった2024年シーズンも終了という思いがある。最後にいい試合を見せてもらったという今年の選手権決勝だった。 文・六川亨 2025.01.16 14:30 Thu

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