「新しい歴史を作りたい」なでしこに続き延長戦でドイツ撃破のアメリカ、3大会ぶり5度目の金メダルへ指揮官が意気込み「次のステップへ進む」

2024.08.07 11:02 Wed
アメリカを決勝に導いたエマ・ヘイズ監督
Getty Images
アメリカを決勝に導いたエマ・ヘイズ監督
アメリカ女子代表エマ・ヘイズ監督が、ドイツ女子代表戦を振り返った。『ESPN』が伝えた。
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6日、パリ・オリンピックの女子サッカー準決勝が行われ、アメリカがドイツと対戦した。準々決勝で延長戦の末になでしこジャパンを下したアメリカ。ドイツとの試合も延長戦にもつれこみ、2試合連続で120分間を戦った中、ソフィア・スミスのゴールで1-0と勝利を収め、決勝進出を果たした。
エマ監督が就任してから8戦無敗のアメリカ。これがオリンピック6度目の決勝進出であり、過去5回のうち4回は全て金メダルを獲得している。

一方で、2016年のリオ・デ・ジャネイロ、2021年の東京と2大会連続で決勝を逃しており、3大会ぶりのファイナル進出となった。
エマ監督は「これは心と頭脳の問題であり、私たちのチームは自分たちで新しい歴史を作りたいと望んでいる」とコメント。「彼女たちは私たちを決勝に導くのに十分な働きをしてくれた。これは次のステップに過ぎない。次のステップに進まなければならない」と、久しく離れているタイトルを獲得したいとした。

また、試合に向けてはウルトラマラソン(42.195km以上のマラソン)のランナーであるコートニー・ドウォルターさんの映像を見せたとのこと。その中でドルウォーターさんが、アスリートたちが感じている痛みを溜め込み、力強く乗り越える「痛みの洞窟」を作ることについて語っているものだったという。

エマ監督は苦しみを共に乗り越えることを選手たちに求めているとし、その先に絆が深まると考えているとした。

「私は彼女たちに苦しんでほしい。彼女たちにそうした瞬間を味わってほしい。なぜなら、それなしでは勝てないと思うからです」

「素晴らしいバスケットボールの指導者であるカラ・ローソンが言ったように『困難に上手く対処しなさい』ということ。そして、私たちは困難な部分に上手く対処したと思う」

2試合連続の120分間という戦いを終え、3大会ぶりの決勝進出のアメリカ。エマ監督は、その中でもDFナオミ・ギルマを絶賛。2試合連続無失点に抑えている守備を称えた。

「彼女は私が今まで見た中で最高のディフェンダーです。彼女ほど優れたディフェンダーは見たことがない。落ち着き、冷静さ、守備力、先を読む力、リーダーシップなど、全てを兼ね備えている。信じられないほどに素晴らしい」

決勝の相手はブラジル女子代表。10日の24時にキックオフを迎える。

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