2001年から続いたレアル・マドリーの“ジダン王朝”、三男テオがカスティージャ退団でとうとう終焉へ

2024.05.27 15:00 Mon
マドリーに残る最後のジダン、三男テオ・ジダン(22)
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マドリーに残る最後のジダン、三男テオ・ジダン(22)
レアル・マドリーから“ジダン”がいなくなる見通しに。スペイン『Relevo』が伝える。

2001年7月9日、レアル・マドリーで前年から第一次政権を発足させたフロレンティーノ・ペレス会長が、21世紀到来を控えてスタートした“銀河系軍団”構築の第2弾として、ユベントスから2000年のFIFA世界最優秀選手賞、ジネディーヌ・ジダン氏を当時史上最高額の9000万ユーロで獲得。全世界が仰天した。

その後、ジダン氏は2006年の現役引退までマドリーでプレーし、引退後は2度にわたって監督を歴任。その間の功績等は説明不要だろう。
一方、ジダン氏には4人の息子が。長男エンツォ・ジダン(1995年生まれ)、次男ルカ・ジダン(98年生まれ)、三男テオ・ジダン(02年生まれ)、四男エリアス・ジダン(05年生まれ)。エンツォとルカは父の現役時代からマドリー下部組織に所属し、テオとエリアスも兄2人を追うようにマドリーの一員となった。

現在もマドリーに残るはリザーブチーム「カスティージャ」でプレーする三男テオのみだが、一家の父が2001年7月にマドリー入りして以来、エル・ブランコには絶えず、”ジダン”が所属しているのだ。
しかし、2024年夏をもって、四半世紀近く続いてきた「マドリーにジダンあり」が終わる見通しに。テオの契約が6月末までとなっており、本人に延長の意志なし。トップチーム昇格を待たずして、キャリアで初めてマドリーを離れる決断を25日に下したとのことだ。

22歳テオは、父の盟友ラウール・ゴンサレスが率いるカスティージャで主力選手。今季のスペイン3部でセントラルハーフとして優れたパフォーマンスを披露し、他クラブのトップチームに羽ばたく目処が立ったとみられている。

なお、マドリートップチーム通算“1試合1得点”という29歳の長男エンツォは、現役引退を宣言せずとも現在サッカーから離れ、不動産業に従事。1月にマドリーからレアル・ベティスへ移籍した18歳の四男エリアスは、来季のトップチーム昇格が決定し、U-19フランス代表でも主力級という194cmの左利きセンターバックだ。

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「全員が回復したわけではない」激闘レアルはヴィニシウスが練習欠席、ラウール・アセンシオの代表初招集には「多くの招集の第一歩に」とアンチェロッティ監督祝福

レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が、チーム状態やDFラウール・アセンシオのスペイン代表初招集について語った。クラブ公式サイトが伝えた。 12日、PK戦までもつれ込んだマドリード・ダービーを制し、チャンピオンズリーグ(CL)でベスト8進出を決めたマドリー。激闘から中2日、ラ・リーガ第28節のビジャレアル戦に臨む。 試合前の会見では「全員が回復したわけではない」と語ったアンチェロッティ監督。ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールはトレーニングを欠席も、「もう1日休ませた」「何の問題もない。ただ疲れているだけだ」と状態を明かしている。 一方で朗報も。ケガ人多数の最終ラインにおいて救世主となった22歳のラウール・アセンシオが、初のスペイン代表入り。指揮官も喜びをあらわにした。 「我々は祝った。彼にとって非常に良いニュースだ」 「ここに来て以来示してきた仕事ぶりや真面目さから、この招集に値する。非常に良くやってきたし、多大なコミットメントを見せてきた。これが今後の多くの招集の第一歩になることを願っている」 2025.03.15 17:34 Sat
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アンチェロッティ監督が日程に不満爆発、改善されない場合はボイコットへ「72時間以内に試合をするのは今日が最後」

レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が15日にアウェイで行われ、2-1で逆転勝利したラ・リーガ第28節ビジャレアル戦後にコメントした。 チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16・2ndレグのアトレティコ・マドリー戦をPK戦の末に勝利したレアル・マドリーは中2日でビジャレアル戦に臨んだ。 試合はFWキリアン・ムバッペのドブレーテで逆転勝利としたが、アンチェロッティ監督は今後72時間以内に次の試合を行うことはないとし、仮に試合が開催される場合はボイコットすると明言した。 「72時間以内に試合をするのは今日が最後になる。今後は72時間の休息なく試合をすることはない。ラ・リーガには2度、試合時間の変更を要請したが、何もしてくれなかった。だが、これが最後だ」 そして記者から72時間以内に今後試合が開催される場合、ボイコットするかと聞かれると「もちろん、プレーしない」と返答した。 国際サッカー連盟(FIFA)は選手の健康を守るため試合の間隔を最低でも72時間空けることを推奨しているが強制力はなく、各リーグの主催団体に試合開催時間は一任されている。 放映権の問題が絡み、今回のレアル・マドリーのように割を食う日程が組まれてしまっているが、レアル・マドリーがボイコットを辞さない状況となり、ラ・リーガは日程の改善を迫られることになった。 2025.03.16 09:00 Sun

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