逆転勝ちで皇后杯初戦突破!早稲田の後藤史監督と三谷和華奈「できることを尽くした結果」「個人としては悔しさもある」

2023.11.20 21:50 Mon
©超ワールドサッカー
初戦を突破した早稲田大学の後藤史監督と、ゲームキャプテンを務めたMF三谷和華奈が試合を振り返った。18日、栃木県グリーンスタジアムでは第45回皇后杯1回戦の2試合が行われ、第2試合では関東地区第6代表の早稲田大学と、中国地区第2代表の吉備国際大学Charme岡山高梁が対戦。延長戦の末に、2-1で早稲田大が勝利を収めた。

[3-4-3]でスタートした早稲田大は序盤からボールを握りながらも、18分にワンチャンスを生かされ、吉国大Cに先制を許した。
ただ、「失点の仕方はあまりいい形ではなかったのですが、取られた時間が非常に早かったので、大丈夫かなとは思っていました(後藤監督)」、「私自身もチームとしてもガクっと下がることはなかったですし、盛り返す力はリーグ戦を通して身に付けてきました(三谷)」との言葉通り、失点後も焦れずに相手陣内でのプレーを続けると、44分に笠原綺乃がボックス手前左からの右足ミドルを突き刺し、試合を振り出しに戻す。

GK石田心菜の負傷交代というアクシデントにも見舞われたが、後半もミドル攻勢や4バックへのシステム変更を駆使して主導権を掌握。ただ、ゴールは奪えず試合は延長戦に。延長戦でも三谷和華奈ら個々の強みを生かしたサイド攻撃を軸にボックス内への侵入回数を増やすと、突破を契機に得た右CKから109分に築地育が渾身のヘディングを叩き込み、勝負あり。苦しみながらも1回戦突破を決めた。
試合を振り返った指揮官は、「中はしっかり閉められている状態だったので、どうしてもサイド展開にはなるような予想はしていました。加えて、私たちにはワイドに突破もできる選手たちがいるので、比重が多くなるかなという感じです。選手たちは相当きつかったと思いますが、(勝利は)最後まで自分のできることをやり尽くしてくれた結果かなと思います」と、中央のエリアをうかがいつつも、自分たちの強みで勝負したと残した。

印象に残ったのは試合中の佇まいだ。多くの監督は常時テクニカルエリアに出て指示を伝えることが多いが、後藤監督が声を張り上げる場面は皆無。代わりにピッチ内では選手同士の声掛けが頻繁に行われ、さらには控えメンバーからの声も絶え間なく聞こえたことに感銘を受けた。

「やることを変える場合や何か相手に狙われていて、そこを修正したい場合には声はかけますが、基本的には自分たちのやるべきことは頭の中に入っているところが大きいです」

試合前のスカウティングに関しても選手たちが行い、それを踏まえて監督とのすり合わせをする。この試合に限ったことではなく、選手の自主性を重んじ、促すのは「早稲田のというか、ア女の文化」とのことだ。

決勝点につながるCKはサイドからの仕掛けで獲得したもの。早稲田大のストロングの1つであるサイド攻撃を牽引した三谷は、右ウイングバックでスタートし、後半途中から左サイドハーフに。序盤は積極的にシュートを放ち、左に回ってからも果敢な突破でチームに活力を与えた。

「前半の入りはチームも緊張している中で、しっかり流れを作りたいという意味もあってかなり前向きにいけましたが、後半は相手も慣れてきて対応される中で、ロストするシーンがちょっと多かったです。なので、チームとしては勝ったんですけど、個人的な評価としては悔しさもあります。でも同期の子と後輩の子に本当に助けられたので、感謝したいなと思います」

2回戦の相手は昨年のなでしこリーグ1部優勝チームのスフィーダ世田谷。25日に鳥取県のAxisバードスタジアムで顔を合わせる。

指揮官とゲームキャプテンはそれぞれ、「次も確実にタフな相手なので、まずはこの120分のケアをし、どう戦うか整理して、自分たちの力をしっかりとぶつけられるようしっかり準備したいと思います(後藤監督)」、「今日も決して圧倒できた試合ではなく、課題もたくさんありました。この1勝があったからこそ、いい課題感が自分自身もチームとしてもあると思うので、しっかり一週間準備して、また早稲田らしいサッカーを見せたいなと思います(三谷)」と、次戦への意気込みを語ってくれた。

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