「しっかり力を発揮したい」新たなディフェンスリーダーへ、南萌華はローマでチームメイトとなった熊谷紗希からも学ぶ「限られた時間を大事に」

なでしこジャパンのDF南萌華(ローマ)が、アルゼンチン女子代表戦に向けて意気込みを語った。オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)でベスト8の成績を残したなでしこジャパン。W杯後初の試合は、日本での凱旋試合となる。同様にW杯に出場していたアルゼンチンとの対戦となる中、南が試合に向けてメディア取材に応対した。
なでしこジャパンで守備を支える1人に成長した南。ローマでもチームを支える存在となっている。

アルゼンチン戦に向けては「W杯は終わりましたけど、チームとしては一からというよりは積み上げていくということなので、W杯が終わってからのチームに新しい挑戦、目標を考えてチャレンジできればと思います」とコメント。新たなチャレンジについても言及した。[3-4-2-1]から[4-3-3]にシステムを変えているなでしこ。過去にもシステム変更を経験している南は「(最終ラインが)3枚に挑戦したことがあるので、どんな挑戦も怖くないというか、チームとしてチャレンジすることにはポジティブに捉えられていると思います」と語り、「いかに質を高くできるかだと思うので、その質を突き詰めていければと思います」と、クオリティを高めたいとした。

自身の役割の変化については「システムが変わることで、役割も少し変わってくるので、自分の役割を理解するところと、単純に個の強さはどのフォーメーションでも必要なので、そこは海外に行って、自分としても成長して来れているところなので、そこをしっかり生かしながらチームの形、臨機応変に対応できるように頭の回転もついていきながら、チームのためにしっかり力を発揮したいと思います」と語り、新たなことにもしっかり対応できると自信を見せた。

前線からのプレスに関しても言及。「新しいシステムでやるとなると、タイミングや距離感で違いが出てくるので、新たに修正しなければいけないところがありますが、後ろが少しリスクを冒してでも前から行かせることも大事になるので、そこでしっかりと前の選手たちが後ろの選手たちを信頼していけるような声掛け、個の強さを見せつけていかなければいけないと思います」とコメント。「後ろとしては前線の守備の行き方の声掛けも必要ですが、前から行っても大丈夫という信頼をチームとしても個人としても得ていきたいと思います」と、最終ラインが安定感を見せることで、ハイプレスに行けるようにしたいと語った。

このアルゼンチン戦はパリ・オリンピックのアジア2次予選前の最後の試合となる。

厳しい戦いとなるアジア予選については「オリンピック予選に向けてということでチームはやっているので、みんなにパリ、パリと言われますが予選で勝ち上がっていけるようなチームとしてのメンタル、自信を持っていけるように、明日の試合は色々なことを試して前向きにトライしていきたいです」とコメント。予選を戦う上での準備としてしっかり見せたいとした。

改めてアジア予選についてコメント。「A代表になってからオリンピック予選は経験していないですけど、アンダーの時もW杯よりもアジア予選がきついことは経験しているので、なんでかわからないですが、アジア予選が今までで一番キツイと思っていたので、アンダー世代で戦っている選手も多いですし、(熊谷)紗希さんからも声掛けはあると思いますけど、もう一回チームとしても気を引き締めてやっていければと思います」と、難しさを口にした。

その南は代表のチームを支えるDF熊谷紗希が移籍してきたことで、ローマでチームメイトになった。過ごす時間が長くなったことでの変化については「一緒にいることで、ピッチ外のところでの紗希さんの良さも知ることができていますし、サッカー以外のこともプライベートの話もできています」とコメント。「結局サッカーの話の方が多いのかなとは思いますが、いつも近くでプレーしている分、そういうところでコミュニケーションが多く取れるのは良いことです。紗希さんもこの先10年サッカーをやることはないと思うので、限られた時間を自分は大事に過ごしていきたいと思います」とコメント。守備のリーダーを引き継ぐべく、多くを吸収したいと語った。

なでしこジャパンは23日(土)の12時から、北九州スタジアムでアルゼンチンと対戦する。