「悪意はなかった」スペイン女子代表のW杯優勝後に唇にキスで大騒動、サッカー連盟会長が謝罪「私は確かに間違っていた」

2023.08.22 09:50 Tue
Getty Images
自身の行動が騒動に発展しているスペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長が謝罪と共に苦しい弁明をして話題となっている。なでしこジャパンの奮闘も記憶に新しいオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)。20日に決勝が行われ、なでしこが快勝したスペイン女子代表が、イングランド女子代表を下して見事初優勝を決めていた。
様々なドラマもあった女子W杯だったが、優勝決定後に問題視される行動が。選手たちがメダルを受け取っている最中、ルビアレス会長が壇上でジェニファー・エルモソの口にキスをするという行動に出た。

欧米ではハグやキスが挨拶がわりに行われ、喜びを分かち合う際にも使われるが、唇にキスをするというのはなかなかないもの。「好ましくはなかった」とエルモソは自身のインスタライブで語っており、「予想はしていなかった」とも語っていた。

想像を超える行為には大きな批判が殺到。スペインの文化スポーツ大臣のミケル・イセタ氏は「選手を祝福するために唇にキスをするのは容認できない」と厳しいコメントを残し、「彼がしなければならないのは、自分の論理を示すこと」と、説明責任があると追及していた。
その他にも世界各地で批判的な意見が起こる中、ルビアレス会長はRFEFを通じてビデオメッセージを公開。自身の行為について説明をし、「悪意はなかった」と弁明。謝罪をしながらも、内部のことであり外野が騒ぐことではないと批判に反論。優勝を祝うべきだと主張した。

「これは歴史的な出来事であり、世界チャンピオンであるスペインサッカーにとって最も幸せな日の1つだ。とんでもないことだ。このために我々はスペインサッカー連盟で長年活動しており、誇りに思っている」

「ただ、私が後悔しなければならない事実もある。それが私と選手の間で起こった全てのことであり、2人の間だけでなく、他の人たちとの素晴らしい関係においても、私は確かに間違っていた」

「私が認めざるを得ないのは、悪意が全くなく、最大限の熱狂の瞬間にあったからだ。何が起きたのかというと、とても自然に起こったということだ。ここからは、我々がそれを自然なこと、普通のこととして見ていたために理解されなかった。悪意はない」

「外野では騒動が起こっているようだが、もちろん、このことで傷ついた人がいるならば私は謝罪しなければならないし、他に選択肢はなく、また、今回のことから学び、このように会長である時の振る舞いを理解する必要がある。連盟は重要な機関であるため、式典やこの種の問題ではより慎重になる必要がある」

「この文脈の中で、『私にとって馬鹿馬鹿しいことだと思える』という私の発言もいくつかある。なぜならば、この中では誰もそれを少しも重要視していなかった。外では彼らが重要視している」

「申し訳ないと思う。女子サッカー界における我々の歴史の中で、最大の成功であり、一般的にも最も偉大な成功の1つであることを考えると、我々が優勝したのは2回目であり、この祝賀会に少しの汚点を与えてしまったことが残念だ」

「これらの女性たち、そしてホルヘ・ビルダが率いるチームの功績を讃えるべきであり、これは盛大に祝われなければならない」

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