インサイドハーフの新たな可能性…原口元気、鎌田大地という選択肢が持つ意味/日本代表コラム

2022.06.06 06:40 Mon
©超ワールドサッカー
世界一のチームと言っても良いブラジルと対戦する日本代表。これまで12試合を戦い、2分け10敗と歯が立っていない。

しかし、ワールドカップ(W杯)開催の年に、それも大会に向けた準備が進んでいる段階で対戦するのは初めて。今まで以上に、豪華な主軸が顔を並べている。
カタールW杯では、日本はドイツ代表、スペイン代表と世界でも有数の強豪国とグループステージで同居している。いわゆる、“死の組”と言われても良いようなグループだ。

もう1チームはニュージーランド代表かコスタリカ代表かはまだ決定していないが、下馬評はドイツとスペインの勝ち上がりであることは間違いない。実力的に考えても当然の結果と言える。

しかし、その壁を打ち破るべく日本は準備。「ワールドカップでベスト8」という目標を掲げているが、その目標を達成するには遅かれ早かれ、世界の強豪国と対戦することにはなる。
その大きな2試合を前に、ブラジルと対戦できることは、現在地を測るという意味でも非常に大きい。そして、何が通用し、何が通用しないのか。どの戦い方ならば勝機が見出せるのかを見つけるにも良い機会と言えるだろう。

その中で1つポイントとして見たいのが、インサイドハーフの選択だ。

2日に行われたキリンチャレンジカップ2022のパラグアイ代表戦では、控えメンバーが中心となり、原口元気(ウニオン・ベルリン)と鎌田大地(フランクフルト)がインサイドハーフで起用された。

7大会連続7度目のW杯出場に黄信号が灯った日本は、それまでの[4-2-3-1]から[4-3-3]にシステムを変更。それに伴い、インサイドハーフには守田英正(サンタ・クララ)と田中碧(デュッセルドルフ)を起用。アンカーの遠藤航(シュツットガルト)との3人の中盤で守備の強度をあげ、中盤を制圧することに成功した。

この3人は、元々ボランチでプレーしており、守備の強度が高く、運動量も豊富。さらに、後方からのビルドアップの能力に長けており、ポジションを前後しながらも互いに補完しあい、チームとしてスムーズにビルドアップして流れを掴むことができていた。

ボールを握る時間が長くなるアジアでの戦いには確かに適しており、中盤で守備強度をあげ、奪って一気にカウンターという戦い方も合っていた。サウジアラビア代表やオーストラリア代表といったアジアの強豪に手こずることが多かった日本だが、[4-3-3]が成熟した結果、今まで以上にコントロールでき、アウェイでのオーストラリア戦初勝利でカタールW杯行きを決めたということからも、安定感が増したことはわかる。

ただ、世界の強豪と戦う上では、それだけでは物足りないと言える。

確かにビルドアップ能力だけでなく、守田も田中もポジショニングが優れていたり、それぞれの特徴を持っている。しかし、ボールを握る時間は強豪相手には確実に減る。さらに、ビルドアップも思うようにさせてもらえないだろう。中盤の強度という点では五分に近い形で戦える可能性はあるが、アジア仕様の人選と言える可能性もある。

そこで注目したいのがパラグアイ戦でプレーした2人。クラブではインサイドハーフでもプレーしながら、代表ではほとんど試されることがなかった。いや、試せる状況でもなかったと言えるのかもしれない。

ただ、原口はレギュラーとして1年間戦い、ウニオン・ベルリンはブンデスリーガで5位フィニッシュ。鎌田も決定的な仕事が増え、特に優勝したヨーロッパリーグでは数字も残していた。

この2人、今回の合宿ではトレーニングでも常にと言って良いほど横にいて、よく話したり絡んでいる姿を見た。さらに、クラブでの充実感から来るものなのか、顔つきがこれまでの代表活動とは違い、鎌田は自信がついたのかリラックスしながらも精悍な顔つきに、原口も闘志を秘めた良い顔をしていた。

その結果、パラグアイ戦で原口は2アシスト、鎌田は1ゴール1アシストを記録。インサイドハーフでもパフォーマンスが出せることを示しただけでなく、日本にとって新たなパターンを生み出す可能性を見せたのだ。

守田、田中に比べ、確実に前のポジションでのプレー経験が多い原口と鎌田は、攻撃面で圧倒的に違いを出せることを証明した。ボックス付近で絡むだけでなく、ボックス内にまで入っていくプレーを何度となく行い、ゴールに近いポジションでプレーするという、本来インサイドハーフに求められるプレーを見せた。

そこで言えるのが、戦い方を相手によって変えるために、インサイドハーフの組み合わせを変えるということだ。

ビルドアップ力に長け、守備の強度を高められる守田と田中、ボックス内でのプレーも厭わず、より攻撃に絡むことが得意な原口と鎌田。この4人が組み合うことができると大きな作用が生まれるはずだ。

パラグアイ戦の後半途中に選手交代の流れで鎌田と田中がインサイドで組む時間があった。田中は森田に比べてパスで局面を変えることができ、攻撃への判断が早いため、ボックス付近にポジションをとった鎌田を生かしていた。また、ミドルシュートでゴールを決めた田中だが、そのパスを送ったのは鎌田。互いの特徴を理解し、ポジションを取れれば、いつもと違う組み合わせでも結果を出せるのだ。

また、ボールを保持する時間が減り、ビルドアップも簡単に行かないことが想像される強豪国との対戦では、奪ってからのショートカウンターという選択肢もある。守備強度の高い2人を使って奪う力を増すのか、攻撃的にプレーできる2人を使って、よりカウンターの推進力を増すのか。最終予選では試せなかった戦い方のトライをぜひ見てみたい。

ブラジル相手にも攻撃タイプのインサイドハーフが通用するのかは、限られた時間帯でも見て見たいものだ。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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2020年に発生した新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック。日本でも緊急事態宣言が出されて外出ができなくなったほか、世界中でロックダウンとして街が静まりかえる現象が発生した。 あれから4年。すっかり世の中は元に戻っているが、その影響を諸に受けたのがパリ五輪世代。世代別のワールドカップを含む国際大会がなくなり、その経験値の低さは、大きな不安材料として彼らにのしかかった。 そんな中迎えたAFC U23アジアカップ。パリ・オリンピックの最終予選を兼ねた大会だったが、これもコロナの影響を受けて開催時期が変更となり、1月から4月へズレ込むことに。そして、海外組の招集が非常に困難な事態となった。 もちろん、日本だけが受けた影響ではない。難しい世代だったが、日本は見事に優勝という結果を残し、パリ・オリンピックにアジア王者として乗り込むこととなった。 そのU-23日本代表は4日に帰国。国内組の選手のみが帰ってきたが、今大会で評価を大きく上げた選手は複数いる。その中の1人がFW平河悠(FC町田ゼルビア)だろう。 佐賀東高校出身の平河は、高校時代はほとんど知られない存在。3年次のインターハイで注目されて山梨学院大学へと進学したが、東京都大学1部リーグと、大学サッカーでは3階層目のリーグでプレーしていた。 「あの時から考えたら本当に想像もできなかったことが起きていますけど、やり続ける努力とか、若さ特有の伸びだったりというのは、自分が思っているよりも上にいくんだなと思うことがありました」 「その自信を過信にすることなく、これから地に足つけて、一歩一歩あげていければ、自分の最終的な目標にも辿り着けると思います」 それまで世代別の代表経験もなかった平河だが、町田が目をつけ3年次に加入内定。特別指定選手としてJリーグデビューを果たし、2023年にはプロ1年目でチームのJ1昇格に貢献した。その2023年6月には、この世代で初の代表招集となった平河だが、今大会では全6試合に出場。両サイドで攻撃のアクセントをつける存在感を見せた。 「6試合の中で3試合先発で3試合途中出場で、全ての試合に関わらせてもらいましたけど、波なく全ての試合で自分のパフォーマンスは出せていたと思いますし、通用する部分もたくさんあった中で、数字をつけるところの重要性も感じています」 「そこが今の自分の一番の課題だと思うので、自チームに持ち帰って、すぐにJリーグ始まりますけど、そこでスタメン争いをして、チームで勝って、課題を克服できればと思います」 細かいステップと緩急をつけた仕掛けは、相手のサイドバックを翻弄。ゴールやアシストこそ記録できなかったが、間違いなく攻撃の流れを変えた存在だった。 パリ・オリンピック世代ではサイドは激戦区。今回招集できなかったメンバーでは、MF斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)がおり、MF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)やMF鈴木唯人(ブレンビー)らもプレーするポジション。今大会メンバーではMF佐藤恵允(ブレーメン)とポジションを争い、いずれも海外でプレーする選手たちだ。 無名の存在から、着実にステップアップを果たしている平河。今シーズンはJ1でもデビューを果たし、初ゴールも記録。そしてアジア王者にも輝く経験をした。 平河は今大会での成長を自身でも感じるとコメント。「この活動で、対戦相手ではなくチームメイトからもかなり刺激を受けましたし、試合を重ねていくごとに成長するところだったり、逆に出場機会が得られない選手もいる中で、1つの方向を向くことも難しい中でもみんなが100%の力を出して良い準備をしたことが、この結果に繋がったと思います。「23人」という言葉を大会通して監督、スタッフ、選手がよく使っていましたけど、一体感を持ってやれた結果が繋がったと思いますし、このチームメイトで受けた刺激というのも、負けていられないなという方が強く感じました」と語り、チーム一丸となりながらも、その中での競争や切磋琢磨することを肌で感じられたようだ。 その存在感は、観ている人たちも魅了。メッセージも大量に届いたと言い「一番はおめでとうとか、気をつけてとか、体を休めてねというのはたくさん来ました」と、労いのコメントや、パリ・オリンピック出場を決めた祝福のコメントが来たようだ。 ただ、ここにも実直な平河らしさが。よくある話では通知が溜まりすぎているというものがあるが「溜めるのが好きじゃないので、全部返しました」と、1つずつ対応は済ませているという。着実に目の前のことをやっていくスタンスは、ピッチ外でも変わらない。 着実に1段ずつ階段を上がっている平河。次なる階段は、18名という狭き門の本大会メンバーに残ることだ。オーバーエイジ枠も3名まで使用可能というルールの中、仮に3名とも呼ぶのであれば、枠は15名に。通常GKを2名招集するため、13名の枠を争うこととなる。 今大会に臨んだメンバーで考えても10名が落選。今大会招集されていない選手も候補になる状況を考えれば、さらに減る可能性がある中で、ポジションを掴まなければいけない。 その点で平河が考える課題は「数字」。「やっぱりゴール前の質、落ち着くところなど個人戦術になりますけど、自分の良さを出しつつ、そこで数字を残せればより怖い選手になると思いますし、より一個上のレベルに立てると思います」とコメント。「他の選手や前線の選手は数字がついてきている選手もいますし、自分もそこには負けない武器を持たないといけないなと思います」と、数字を求めつつも、より自分の武器を身につけていきたいと考えているようだ。 その武器の1つは「仕掛け」。局面を打開するプレーは、先発でもベンチからでも貴重な存在となり、今大会も6試合で起用された理由はそこにあるはずだ。 「ドリブルは1つの武器だと思いますし、今大会で言えば、ドリブルで優位性を持つ選手が少ない分、自分が違いを作れたなと考えています」 「逆に、そういう選手が絡んでくるのであれば、違う武器を違う形で出せば良いと思うので、やることは変わらないと思います」 自分の武器を1つに絞らず、複数持つことでより価値を高めていきたい平河。成り上がりの選手がどこまで上り詰めていくのか、まずは町田でさらに磨きのかかった仕掛けでJリーグでの活躍を見せてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2024.05.05 22:25 Sun

北朝鮮に苦しみながらもアジアカップから一歩前進、躊躇しなかった5バック采配に選手たちも呼応【日本代表コラム】

21日、日本代表は国立競技場で2026北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選第3節で、北朝鮮代表をホームに迎えた。 2月になでしこジャパンが戦ったパリ・オリンピック アジア最終予選と同様、この日も3000人近い北朝鮮の同胞たちがスタンドを埋め、バルーンスティックを使った統率の取れた応援で声援を送った。 そんな中、彼らの目の前で開始2分に日本が先制。左サイドから崩すと、堂安律のアシストから田中碧が見事にシュートを決め切った。ただ、これが唯一生まれたゴールとなった。 「前半開始早々に得点を上げられたことがまずは試合を勝ち切る上では非常に大きかったと思います」 こう語ったのは森保一監督。難しい試合になることが予想された中、開始2分でスコアを動かしたことは大きい。 アジアカップでは立ち上がりの悪さが目立ち、相手の圧力に屈する場面もあったが、その時間すら与えない中でのゴール。「選手たちが入りの部分から自分たちが積極的に戦っていこうという思いを持って、相手のゴールに向かってというプレーの選択がゴールに繋がったと思います」と、選手たちのパフォーマンスを称えた。 まさに出鼻を挫いた日本は、その後も主導権を握り続ける。ロングボールを跳ね返し、左右のサイドから攻撃を仕掛けていく。ボールをあまり長く保持せず、スピード感のあるパス交換でプレスをあまりかけさせないようにした。 空中戦ではなかなか勝てなかったが、地上戦では日本に分が。堂安が何度となくゴールに迫ったが、追加点を挙げることができなかったことは課題だろう。本人も「自分が決めていれば後半はもっと楽な展開になった」と反省した。 攻撃面ではアジアカップから満足いく結果は出せているとは言えない。チャンスこそ作るも決定力に欠け、どこか攻め急ぐ感じもありミスも目立った。田中は「蹴らなくていい部分も蹴ったりとか、少し距離が遠くなって繋げなかったりとかもあった」と、反省を口に。まだまだ精度を上げる必要があることは明白だった。 ポイントは後半の頭にあった。リードを許していた北朝鮮はギアを上げて後半立ち上がりからよりタフに戦うことに。47分には結果としてファウルとなったが、ポストを強襲したシュートの後にネットも揺らした。ファウルがなければ、同点ゴールという状況であり、そこまで持ち込ませてしまったことは反省が必要だろう。 後半の序盤は完全に北朝鮮ペース。「圧力を受けていた時間帯はあった」と森保監督も認め、アジアカップのことが蘇った人は少なくなかったはずだ。ポイントはそこで手を打てたことだと思う。 日本は守田英正(スポルティングCP)を下げて遠藤航(リバプール)を投入。中盤にフレッシュさをもたらせ、システムも[4-2-3-1]から[4-3-3]に変更。田中が高い位置を取れるようになり、前にボールを運べるようになった。 それでも、ミスが目立ち、北朝鮮が押し込む展開は変わらず。相手のプレー精度にも助けられ、決定的なピンチはなかったが、徐々にセットプレーも増えていき、いつ追いつかれてもおかしくない状況でもあった。 すると73分に森保監督は大きく動くことを決断。堂安を下げて谷口彰悟(アル・ラーヤン)を投入してシステムを5バックに変更し、橋岡大樹(ルートン・タウン)、浅野拓磨(ボーフム)を入れて右サイドを活性化させた。後ろの枚数を増やしつつ、左の前田大然(セルティック)、右の浅野とスピードを武器にする両翼でカウンターを仕掛けていくことにした。 森保監督は「守備を安定させて、その上でカウンター攻撃を仕掛ける、相手が出てきているところにスピードのある浅野を投入することによって、耐えながらも攻撃を仕掛けていくという狙いを持って投入しました」と選手起用を説明。前田のスピードに手を焼いていた中、逆サイドにもスピードをもたらせることで流れを掴みに行った。 徐々に押し戻すことができた日本だったが、後半も決定力は欠いてしまった。北朝鮮の粘り強い守備、GKの好セーブと理由は様々だが、よりチャンスが作れないレベルが上の国との対戦も考えれば、フィニッシュワークの精度は上げなければいけない。 ただ、相手に合わせて躊躇せず、わかりやすい采配を決断したことで、ピッチ上の選手たちはハッキリしたはずだ。町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)は「5枚になるとチャレンジ&カバーがしやすくなる」とコメント。板倉滉(ボルシアMG)も「後ろ3人が思い切っていけるポジショニングを取れたのが良かった。5バックにしたことでもう一度前からプレスに行こうという意図も感じられた」と、監督の意図を汲めていたと振り返った。特に守備面では約束事があることは重要であり、チームも安定感が増していった。 森保監督は「今日の試合は簡単な試合ではなかったですし、押し込まれて失点してもおかしくないようなシーンを何度も作られながらも、粘り強く守り、無失点で終われたということは、彩艶含めてチームの自信になったと思います」とコメント。アジアカップでは悔しい試合が続いたGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)もクリーンシートを達成。チームとして、押し切られなかったことは大きな自信となることは間違いない。課題はありながらも、一歩前進できたと言えるだろう。 続いては26日に一度も勝ったことがないアウェイ平壌での試合に息巻くところだったが、試合中に突然の中止が決定。開催されるのかどうか、どこで開催されるのかなど、突如として不透明に。日本代表は22日に中国経由で移動する予定だったがキャンセルし、国内で調整を続けることが決定。果たして第2戦があるのかどうか。選手たちには回復とコンディション維持に努めてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 <span class="paragraph-title">【動画】日本代表が電光石火の先制劇! 北朝鮮相手に勝利し3連勝</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="KSPqzhJr4Xc";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.03.22 12:55 Fri

苦戦したアジアカップで冨安健洋が指摘した「熱量」の問題、日常にある選手と指導側の解離【日本代表コラム】

「良くない時の日本がそのまま出たなと思いますし、そこはなんというか、僕が代表に入ってからという意味では、成長できていない部分なんだろうなと思います」 イラン代表相手に2-1で敗戦を喫した日本代表。アジアカップ2023で優勝を目指した中、ベスト8での失意の敗退となった中、試合後の取材でDF冨安健洋(アーセナル)が語った言葉だ。 FIFAランキングはアジアで1位。カタール・ワールドカップ(W杯)では優勝経験のあるドイツ代表、スペイン代表に勝利し世界を驚かせ、2023年は3月の2試合こそ勝利がなかったが、その後は連勝を続けてきた。「史上最強」とも言われたチームだったが、連勝した中での公式戦は2026年の北中米W杯予選の2試合のみ。いずれも親善試合だった。 それでも優勝候補筆頭として各国から注目され、それと同時に今まで以上の警戒と対策をされた中で臨んだアジアカップでは苦戦の連続。準々決勝までの5試合で理想の展開になった試合は1つもなかったと言える。 アジアサッカーのレベルが向上したことも1つ。また、日本に対して完璧に準備をする相手との対戦がいかに難しいかも思い知ったはずだ。ベトナム、イラク、インドネシア、バーレーン。この4カ国は日本をリスペクトし、日本対策をしての戦いという傾向が強かった。ただ、イラン戦はそれとは違うものだった。 イランもアジアカップで3度の優勝を誇り、FIFAランキングでは日本位次ぐアジア2位。優勝候補の一角でもあり、日本対策ではなく自分たちの戦いを貫き通してきた。それが日本が得意としないロングボール主体のパワープレー。ただ、それを十分に頭に入れた中で戦った日本だったが、後半は完全に相手にペースを握られ、最後に散ることとなった。 冒頭の冨安のコメントは、その後半戦を主に指している。「熱量」という言葉を使い、冨安はチームへの想いを語った。 「悪い時の日本が出て、それを変えようとする選手が何人いるかということで熱量の足りなさをピッチ上で感じました」 「勝ちに執着するべき時にできないというのは、それが日常なのかが分からないですけど、勝ちへの執着心が足りなかったです」 明らかに悪い流れになり、イランのやりたいこともハッキリとしていた中、日本は修正できずに試合を終えてしまった。前半はペースを握れていたが、後半相手にペースを握られると盛り返せない。これはイラン戦に始まったことではなく、イラク戦でも同様の展開でそのまま敗れた。 冨安の言う「良くない時の日本」とは、その流れを変えるアクションを起こす選手が少ないこと。「後半のような難しい展開の時に、黙ってやるというか、ただ淡々とやるのではなく、何かを変えようとする選手がいたり、今耐えるぞと声をかける選手がもっといないと勝てないよなと思います」と語った。 これは大きな話で言えば国民性とも言える。「大人しい選手が多い」と森保ジャパン発足時にはベテラン勢が口にしていたこともあった。互いに要求する声、チームを鼓舞する声が少なく、チームの戦い方、自身のタスクは遂行するものの、チームとして機能させるためにアクションを起こす選手は多くなかった。 冨安が指摘したのも同様のことだろう。そしてこれは、堂安律(フライブルク)も言及。「押し込まれているというのは見ている人もやられそうと思っている中で、中の選手からも声をかけきれなかったことは感じていました」と声は少なかったという。 今の日本代表はヨーロッパの5大リーグでプレーする選手が多く、5大リーグ以外でプレーする選手もチャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)など欧州を舞台にした戦いを日常的にしているクラブに所属している。そこで要求されること、スタンダードになっていることは、遥かに高いレベルだろう。 一方で、日本代表となれば所属チームが違う以上、基準はバラバラになる。チームのレベルの差、立場の差、リーグのレベルの差などあげればキリがないが、それでも高い基準を持てなければ、目標であるW杯優勝は達成できるはずがない。 冨安はこの「熱量」についてアーセナルでの日常に言及。「言わずとも勝手に勝ちへの執着心が備わっているというか、誰も何も言わなくてもそれが当たり前という感じ」と、やはり選手個々の基準が高いことを語った。ただ、そう語る中で口をつぐむ瞬間も。アーセナルにおいて言えば、ミケル・アルテタ監督がその「熱量」を完全にチームに植え付けており、試合中はもちろんのこと、試合前、試合後、トレーニングでも「勝利」に向けてのアプローチを選手にかけている。日本代表においては、ここが不足している可能性が高い。 森保一監督は、2018年からチームを率い、東京オリンピック世代も兼任していたことで、今の日本代表の中心選手である選手たちとは付き合いが長い。そのスタンスは「ボトムアップ」と言って良いだろう。選手たちの声に耳を傾け、そこから意思決定をしていくというスタイルだ。完全にそうというわけではないが、普段の発言からもそれが垣間見える。 一方で、選手たちがプレーするクラブチームでは「トップダウン」の方式がメイン。基本的には監督が掲げるサッカーを選手たちが学び、ピッチ上で体現する。そのサッカーに必要な選手を補強することも含まれるが、指導者側が最も強い「熱量」を持っており、選手補強に関して決定権を持つ監督も中にはいる。それほど自身のフットボールスタイルで「勝つ」という強い信念を持っており、そこでプレーする選手たちには日常的に「勝利への熱量」が備わってくるのだろう。 これを同じ代表チームで持たせることは簡単ではない。ただ、今大会で感じた日本が後手に回ったパターンはいずれも同じ。中東勢が持つあくなき勝利への「熱量」に押し込まれ、監督がチームに植え付けた「スタイル」を出し切られて負けている。 日本代表も当然のことながら、スタイルや戦術、戦略は持っている。攻撃のパターン、形もいくつかは持っている。ただ、最後まで信じ抜いて出し続けられるものがあるかと言われると挙げ難い。「熱量」がないわけではないが、相手の「熱量」を越えなければ負けるのは当然。チームとしてその「熱量」を持たせることができているのか。森保監督含めたスタッフ陣のスタンスも変化が必要になると言えそうだ。 森保監督はイラン戦後に「私自身ももっともっと選手たちの熱量を上げていくための働きかけをして、選手たちに任せるのではなく、環境作りを含めてやっていかなければいけないと思います」と語った。これまでのやり方ではある種の限界が見えたアジアカップ。掲げている目標に向かって成長していくためにも、変化が必要だと痛感させられたのかもしれない。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2024.02.04 23:15 Sun

失意のベスト8で敗退…後手に回った交代策に疑問、選手の能力を信じての起用はできなかったか【日本代表コラム】

アジアカップ2023の準決勝が3日に行われ、3大会ぶりの優勝を目指した日本代表はイラン代表と対戦。後半アディショナルタイムにPKを与えてしまい、2-1で敗れてベスト8で敗退となった。 9大会連続でベスト8入りを果たした日本。初戦から苦しんだ今大会でも勝ち上がってきたが、2大会ぶりにベスト8で去ることとなった。 試合後のフラッシュインタビューで森保一監督は「今日の試合は私自身が交代カードをうまく切れなかったことが敗因だと思います」とコメント。自身の采配ミスを認めた。 カタール・ワールドカップ(W杯)での活躍もあり、今大会は優勝候補筆頭に挙げられ、他国からの警戒もより一層高まっていた日本。2023年は6月から親善試合ではあるが連勝を続けていたことも後押しとなり、自信をもって大会に臨んだはずだ。 しかし、グループステージから苦戦の連続。初戦のベトナム代表戦では逆転を許すも勝利、2戦目のイラク代表戦では相手の策にハマり敗戦、インドネシア代表戦とバーレーン代表戦は結果こそ快勝にも見えるが、戦いの中では相手の脅威に晒されるシーンが多かった。 圧倒して勝てた試合はなく、苦しい印象が続いていた中、負けられないノックアウトステージで力尽きることに。冨安健洋(アーセナル)は「1試合目、2試合目は間違いなく、アジアのチームへの油断はあったと思います」と緩みも感じていたことを語った。 イラン戦に関しては、前半はしっかりと戦えた印象。左サイドに入ったFW前田大然(セルティック)のプレスバックはイランを混乱させ、何度もチャンスに繋がるボール奪取を見せていた。圧倒とまでは言えなかったが、地上戦で挑んできたイランに対してしっかりとケアをし、タフな戦いの中でMF守田英正(スポルティングCP)のゴールで先制。プレスにも耐えながらビルドアップした末のゴールは狙い通りと言えるだろう。 しかし、後半は繋ぐことを放棄したイランが前線のFWサルダール・アズムン(ローマ)をターゲットにロングボールを蹴り、セカンドボールを拾って攻撃を仕掛ける形を繰り返した。この戦い方についてはすでに織り込み済みだったが苦戦。特に狙われていたのがDF板倉滉(ボルシアMG)とDF毎熊晟矢(セレッソ大阪)のサイドだった。 見ていても明らかに冨安ではなく板倉のサイドを狙い、対角のボールも入れて攻め込んだ。板倉は「個人としての能力をまず上げないといけない」とコメント。耐え続ける中でも、跳ね返し続けて相手を諦めさせる必要があると振り返った。 ボールを保持できなくなり、守備でも狙いが明らかになった中で、森保監督はなかなか動くことを決断しなかった。その理由に関しては「守備の部分で弾き返せる選手はいますので、交代の部分をどうしようかと思っていましたが、相手が全然交代カードを切っていない中で、時間の推移を見て延長での勝負になることも考えられた中で、どうやって勝負するという部分では、相手の出方も見ながら、我々はどうやって相手を上回っていけるかとカードを切ろうと思っていました」と試合後に語った。 この考え方こそが、自ら「敗因」と口にしたところだろう。相手の出方に合わせようとしてしまったが、本来は自分たちのスタイルで押し切りたいはず。ましてや世界を獲るのであれば、より強豪国と争う中で、常に相手に合わせて行かなければならなくなる。自分たちのストロングポイントを出すことも必要になってくるし、相手に合わせるのであれば目の前の事象を解消する必要もあっただろう。 イラン戦の選手交代は失点してからだったが、その前にすでにイランの狙いはハッキリしており、守備陣に変更を加えることは可能だったはずだ。特に今の日本代表は守備陣にユーティリティ性を備えた選手が多く、イランの狙いに対応するのであれば、空中戦に強いDF渡辺剛(ヘント)、DF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)を投入することもできたはずだ。 「守備の対策を考えていた」と森保監督は語るが、それを決断できなかった。例えば、攻撃面では非常に高いパフォーマンスを見せていた毎熊晟矢(セレッソ大阪)も、押し込まれた展開では守備に回らされてしまい完全に狙われていただけに、クラブでサイドバックとしてプレーする冨安を右に出し、渡辺か町田をセンターバックに置くこともできただろう。何も守備的になっただけではなく、空中戦に対応しながら冨安の前に行く力は使えたはずだ。選手の能力を活かして自分たちの戦い方を保つということを選べなかったことは残念だった。 また、「推進力を持たせたかった」と三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)、南野拓実(モナコ)の投入について森保監督は語ったが、ファーストディフェンダーとして機能していた前田と久保建英(レアル・ソシエダ)を下げる策により、イランはロングボールを蹴りやすくなったことは間違いない。明らかに押し込まれる展開が強くなっていった。 後手に回れば良いようにやられてしまうのが今の日本。もちろん、世界を相手に戦った時にロングボール一辺倒で攻められることはないが、逆に日本が主導権を握りリードした展開であれば、ヨーロッパの国はそういった策に出るかもしれない。思い起こせば、2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)ラウンド16のベルギー代表戦はまさにその形。高さを使われ追いつかれると、最後はカウンターで仕留められ敗退となった。 ただ、W杯を戦うにもアジアの戦いを勝ち抜かなければいけない。パワープレーで戦う中東勢、完全にブロックを引いてくる格下の国々。それにどう対応するかということを突き詰めることは難しいが、選手個々の能力アップと、適した采配と狙いを持った戦略で臨めるかは非常に大きな要素なるだろう。 あと一歩のところで望まない結果に転ぶことが多い日本。ロシアW杯から5年半が経過しても、日本の弱点は変わらず、今大会ではイラクもイランも似た戦い方を選択して日本に勝ち切った。選手個々はそれぞれのクラブで日々研鑽を重ねてレベルアップしている。間違いなく、個人レベルでは史上最強だろう。ただ、課題はチームとしての戦い方の確立。パワープレーに弱いという側面だけでなく、その采配を信じて遂行できる選手たちがいる国に弱いとも言える。 もちろん、だからと言って森保監督を交代させれば良いかと言うわけでもない。それも策の1つかもしれないが、ここまで積み上げてきたものがあるのも事実。選手たちの基準が上がり、日常のレベルが上がり、相手もそこに対応してくる状況。そうであれば、指揮官やスタッフももう1つ、2つ高い基準に行く必要があるだろう。今のチームがさらに上に行くには、戦術・戦略面、そして活動時間が長くない中でスタイルを確立させていくことが必要だと感じさせられる大会となった。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2024.02.04 12:15 Sun
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