中国スーパーリーグ崩壊…11クラブが給与遅延で最悪は8カ月未払い、元Jリーガーも悲惨な事態に
2021.11.25 07:25 Thu
中国サッカー界のバブルは完全に崩壊してしまっているようだ。
かつては莫大な資金をバックに、各国の代表クラスの選手やヨーロッパで実績のある選手を獲得する“爆買い”で知られた中国スーパーリーグ。しかし、金銭にものを言わせた戦略は徐々に弱体化していった。
さらに、コロナ禍の影響などもあり、クラブの解体が進み、最強を誇りアジアでも結果を残した広州FC(かつての広州恒大)も経営難に陥り、高年俸のファビオ・カンナバーロ監督が契約解除を申し出るなど混乱が続いた。
そんな中、中国メディアの『捜狐』が中国スーパーリーグ16クラブの財政状況をレポート。なんと11クラブが給与の支払いで遅延していると報じており、リーグ全体として崩壊の一途を辿っていることが判明した。
遅延がなく給与が支払われている5クラブは、深圳FC、河南嵩山龍門、大連人職業、山東泰山、上海海港とのこと。残りの11クラブは遅延しており、最も酷いクラブは重慶両江競技で8カ月以上の遅延があるという。
その他、2018年1月に浦和レッズから加入したFWラファエル・シルバや今夏北海道コンサドーレ札幌から加入したFWアンデルソン・ロペスが所属している武漢FCは7カ月の遅延だという。
半年以上遅延しているクラブは他にもあり、悲惨な状況が続いているようだ。
◆中国スーパーリーグ16クラブの給与支払い状況
【1.北京国安】
5カ月以上の遅延。ここ半年で1カ月分の給与のみ支払い
【2.上海申花】
給与の一部が遅延
【3.広州FC】
2カ月遅延。9月3日以降は支払われていない。トップチームは活動停止で、選手は自発的にトレーニングすることしかできない状況
【4.広州城】
2カ月の遅延。9月にストップした。給与支払いが滞ったのはクラブ史上初
【5.武漢FC】
7カ月以上の遅延。2021年に入ってからは3カ月分しか給与が支払われていない。また、2020シーズンの給与も一部は支払われていないまま
【6.重慶両江競技】
8カ月以上の遅延。2021年に入ってからは2カ月分しか給与が支払われていない。チームはトレーニングも中断
【7.青島黄海】
6カ月以上の遅延。できるだけ早く支払うことが約束されているが、実行されていない
【8.天津津門虎】
2カ月の遅延。経営陣は中国スーパーリーグの第2ステージが始まる前に支払うことを選手へと伝えていた
【9.滄州FC】
6カ月の遅延
【10.長春亜泰】
約4カ月の遅延。数カ月ごとに2カ月分が支払われている
【11.河北FC】
少なくとも6カ月以上の遅延。より深刻な状況で、クラブのオフィスは封鎖。トレーニング施設の電気代も支払えない事態に。
【12.深圳FC】
11月まで支払われる予定だが、11月に通常通り支払われるかは不明。ただ、中国政府の年次補助金がクラブに発行されるという
【13.河南嵩山龍門】
通常通り支払われている。株式の改革のプロセスの問題で2カ月遅延していたが、埋め合わせられている状況
【14.大連人職業】
新たな給与システムに従い、通常の給与を支払い
【15.山東泰山】
給与は通常通り支払われている
【16.上海海港】
給与は通常通り支払われている
かつては莫大な資金をバックに、各国の代表クラスの選手やヨーロッパで実績のある選手を獲得する“爆買い”で知られた中国スーパーリーグ。しかし、金銭にものを言わせた戦略は徐々に弱体化していった。
さらに、コロナ禍の影響などもあり、クラブの解体が進み、最強を誇りアジアでも結果を残した広州FC(かつての広州恒大)も経営難に陥り、高年俸のファビオ・カンナバーロ監督が契約解除を申し出るなど混乱が続いた。
遅延がなく給与が支払われている5クラブは、深圳FC、河南嵩山龍門、大連人職業、山東泰山、上海海港とのこと。残りの11クラブは遅延しており、最も酷いクラブは重慶両江競技で8カ月以上の遅延があるという。
重慶両江競技はかつてコンサドーレ札幌(現:北海道コンサドーレ札幌)や大宮アルディージャで指揮した張外龍監督が指揮を執るクラブだ。
その他、2018年1月に浦和レッズから加入したFWラファエル・シルバや今夏北海道コンサドーレ札幌から加入したFWアンデルソン・ロペスが所属している武漢FCは7カ月の遅延だという。
半年以上遅延しているクラブは他にもあり、悲惨な状況が続いているようだ。
◆中国スーパーリーグ16クラブの給与支払い状況
【1.北京国安】
5カ月以上の遅延。ここ半年で1カ月分の給与のみ支払い
【2.上海申花】
給与の一部が遅延
【3.広州FC】
2カ月遅延。9月3日以降は支払われていない。トップチームは活動停止で、選手は自発的にトレーニングすることしかできない状況
【4.広州城】
2カ月の遅延。9月にストップした。給与支払いが滞ったのはクラブ史上初
【5.武漢FC】
7カ月以上の遅延。2021年に入ってからは3カ月分しか給与が支払われていない。また、2020シーズンの給与も一部は支払われていないまま
【6.重慶両江競技】
8カ月以上の遅延。2021年に入ってからは2カ月分しか給与が支払われていない。チームはトレーニングも中断
【7.青島黄海】
6カ月以上の遅延。できるだけ早く支払うことが約束されているが、実行されていない
【8.天津津門虎】
2カ月の遅延。経営陣は中国スーパーリーグの第2ステージが始まる前に支払うことを選手へと伝えていた
【9.滄州FC】
6カ月の遅延
【10.長春亜泰】
約4カ月の遅延。数カ月ごとに2カ月分が支払われている
【11.河北FC】
少なくとも6カ月以上の遅延。より深刻な状況で、クラブのオフィスは封鎖。トレーニング施設の電気代も支払えない事態に。
【12.深圳FC】
11月まで支払われる予定だが、11月に通常通り支払われるかは不明。ただ、中国政府の年次補助金がクラブに発行されるという
【13.河南嵩山龍門】
通常通り支払われている。株式の改革のプロセスの問題で2カ月遅延していたが、埋め合わせられている状況
【14.大連人職業】
新たな給与システムに従い、通常の給与を支払い
【15.山東泰山】
給与は通常通り支払われている
【16.上海海港】
給与は通常通り支払われている
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日本人が目指すべきCB像、“希少なバロンドーラー“ファビオ・カンナバーロ
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超豪華!CL優勝なしのベストイレブンにはバロンドール受賞者4人も!
先週開幕を迎えた2020-21シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)。欧州最強のチームを決める戦いであるCLはサッカー選手であれば誰もが夢見る場所だ。 CLで優勝したチームにはビッグイヤーと呼ばれるトロフィーを掲げることが許されるが、イギリス『Squawka』がキャリアを通してビッグイヤーを掲げたことのない選手たちでベストイレブンを組んでいる。 GKには今も現役を続けるユベントスの元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンが選出。ブッフォンはパルマ、ユベントス、パリ・サンジェルマンとこれまで在籍した3クラブでCLに出場してきた。ユベントスでは2003年、2015年、2017年と3度のファイナル進出を果たしたが、いずれも準優勝に終わっている。 DFにもユベントスで活躍した選手が多く並ぶ。パルマでブッフォンとともに世界最高守備トリオと称されるほどの強固な守備を形成した元フランス代表DFリリアン・テュラム氏と元イタリア代表DFファビオ・カンナバーロ氏が選ばれている。この3人はユベントスでもトリオを組んでいた。 さらに、左サイドバックにもユベントスで活躍した元イタリア代表DFジャンルカ・ザンブロッタ氏が選出され、カンナバーロ氏とコンビを組むセンターバックにはフランスでテュラム氏とともに鉄壁を誇ったDFローラン・ブラン氏が並んでいる。 中盤にも往年の名手が揃っている。元ドイツ代表MFミヒャエル・バラック氏はレバークーゼンとチェルシーでファイナルに進出。レバークーゼン時代の2002年は、当時レアル・マドリーの選手だった元フランス代表MFジネディーヌ・ジダン氏のボレーに沈んだ。 同じく元ドイツ代表MFのローター・マテウス氏も2回決勝で涙を飲んでいる。1999年の決勝はマンチェスター・ユナイテッドが起こしたカンプ・ノウの奇跡だった。 さらに、2003年のバロンドール受賞者である元チェコ代表MFパベル・ネドベド氏と闘争心溢れるタイプの選手たちが中盤を占める。 最もメンバーが豪華なのがFWだ。多くの選手や指導者から史上最高の選手との声が挙がる元ブラジル代表FWロナウド氏に加え、同じく史上最高のストライカーの一人である元アルゼンチン代表FWガブリエル・バティストゥータ氏が選ばれている。 そして、3トップの最後にはミランの元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチの名がある。所属クラブでリーグ優勝を何度となく果たしてきた“優勝請負人”である反面、CL優勝の経験はない。イブラヒモビッチがインテルからバルセロナに移籍した2009-10シーズンにインテルがCLを制覇しており、巡り合わせが悪いのだ。 今回ベストイレブンに選出しなかった中でも、元オランダ代表FWデニス・ベルカンプ氏、元フランス代表MFパトリック・ヴィエラ氏、元イングランド代表DFソル・キャンベル氏、元イタリア代表MFロベルト・バッジョ氏、元オランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイ氏、そして元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティ氏といった錚々たる面子もビッグイヤーとは縁がなかった名手だ。 それがすべてではないが、フィオレンティーナで長く活躍したバティストゥータ氏やローマのレジェンドであるトッティ氏など、一つのクラブに長く在籍した選手が少し多いかもしれない。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/CL_pc.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;"><hr></div> ◆CL優勝経験のない選手で組んだベストイレブン[4-3-3] GKジャンルイジ・ブッフォン DFリリアン・テュラム DFローラン・ブラン DFファビオ・カンナバーロ DFジャンルカ・ザンブロッタ MFパベル・ネドベド MFローター・マテウス MFミヒャエル・バラック FWロナウド FWガブリエル・バティストゥータ FWズラタン・イブラヒモビッチ 2020.10.30 12:01 Fri5