【2022年カタールへ期待の選手vol.91】ベトナム戦は左サイドバックでチャンス?酒井高徳も認める才能を遺憾なく発揮せよ!/旗手怜央(川崎フロンターレ/DF)

2021.11.11 11:45 Thu
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2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の行方を大きく左右する11月アウェー2連戦の初戦・ベトナム戦(ハノイ)が11日に迫ってきた。日本代表は長友佑都(FC東京)ら国内組第1陣の5人が8日に現地入りし、トレーニングを開始。9日には第2陣の12人が合流した。が、同日到着予定だった吉田麻也(サンプドリア)ら欧州組11人がオランダ発チャーター便の遅れによって十分なトレーニングができず、ほぼぶっつけ本番で大一番に挑むことになった。

9月のオマーン戦(吹田)、10月のサウジアラビア戦(ジェッダ)と前回・前々回の2連戦の初戦を落としている日本にしてみれば、今回こそは万全の準備をして一発目のゲームに挑みたかったはず。だが、またしても森保一監督のアテが外れた格好だ。

となれば、コンディションを重視したメンバーを組むか、あくまで主力級にこだわるかは指揮官の判断となる。ハノイが想定よりも気温が低く、爽やかな気象条件という追い風はあるものの、できるだけ前者を採った方がよさそうだ。

となれば、3日にJ1連覇を達成した川崎フロンターレ勢にもチャンスが巡ってきそうだ。とりわけ、マルチ型の旗手怜央などは非常に有効なピースになり得る。左サイドバック(SB)としても使えるし、左MFやインサイドハーフ、場合によってはFWとしても起用できるからだ。高いレベルで1人何役もこなしてくれる人材がいれば、さまざまな事態に対応できる。予期せぬアクシデントに見舞われている今回のような試合の場合、旗手は貴重な戦力になるだろう。

メンバー発表時にDF登録だったため、森保監督は左SBを第一に考えていると見られる。ここには代表キャップ数129試合の長友がいるが、直近のJ1の試合で横浜F・マリノスに0-8で大敗し、彼自身も失点に絡むなど、必ずしも絶好調というわけではない。長友のバックアップ役には中山雄太(ズウォレ)もいるが、ベトナム到着遅れの便に搭乗しているうえ、日本が主導権を握る展開を考えると、旗手の方がベターなチョイスと言っていい。酒井高徳(神戸)も「旗手君は非常にいい選手」と絶賛していた。それだけのポテンシャルを秘めているのは間違いないのだ。

「ベトナムはブロックを作って中を締めてくるけど、外は勝負できるなという印象がある。中もそこまで大きい選手がいないので、クロスも質のいいボールを上げられれば、必ず点にはつながると思う」と長友も攻略法を語っていたが、やはり今回はサイドアタックが1つの肝。そこでアグレッシブな攻守のできる人材は必須だ。

旗手ならそのイメージにピタリと合うし、状態も悪くない。東京五輪の時は1・5軍のような扱いだったが、その後、川崎で目に見える成長を遂げ、決定的な仕事をする回数も増えた。三笘薫(ユニオン・サン=ジロワーズ)と田中碧(デュッセルドルフ)という2人の主力が海外移籍した後、彼が主力の自覚をもってチームをけん引したからこそ、9月のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)直後のリーグ5連戦も乗り切れた。傍目から見ると、チーム得点王のレアンドロ・ダミアンやベテラン・家長昭博らの活躍が目立つかもしれないが、旗手の成長なくして、川崎の早期優勝決定はなかったといっても過言ではない。

その経験値を今こそA代表に還元すべき時だ。本人も長い間、この舞台に立つことを夢見ていた。静岡学園の卒業式の時には日本代表になりたいと目標を掲げていたという。

「僕がこういうふうになると思っている人は誰もいなかったと思います。ただ、僕だけは自分に期待しているというか、信じていたし、なれると思っていました」と東京五輪メンバー発表時にこう語ったが、U-24日本代表を経て、A代表に飛躍したのだから、自身のビジョン通りに階段を駆け上がっているということだ。

ただ、A代表というのは、選出されるだけで終わりではない。高校と川崎の先輩でもある大島僚太もたびたび日の丸を背負い、2018年ロシアW杯に参戦したが、大会直前のケガが響いて出番なしに終わっている。川崎の偉大なレジェンド・中村憲剛(JFAロールモデルコーチ)にしても、2010年南アフリカW杯ではパラグアイ戦の後半36分からしかピッチに立てなかった。A代表で出場機会を得て、結果を残し、主力へ上り詰めていくのがいかに難しいことかを旗手はひしひしと感じているはずだ。

それでも、静学時代の恩師・川口修監督から「UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)決勝トーナメントに出られるような選手になれ」とハッパをかけられたことを本人は忘れてはいないはず。間もなく24歳になる旗手が成功街道を歩もうと思うなら、ここから一気にA代表での地位を固め、主力として日本をカタールへと導き、活躍するのが近道だ。

もしかするとその前にアンジェ・ポステコグルー監督率いるセルティックへの移籍話が決まる可能性もあるが、スコットランドへ行けたとしてもUCL上位のビッグクラブへのステップアップには強烈なインパクトが必要になる。カタールW杯は絶好の舞台。それを貪欲に取りに行くことが肝心なのだ。

さしあたって、フォーカスすべきは直近のベトナム戦だ。スタメンかサブかは分からないが、与えられた時間でキッチリ結果を残すことから全てが始まる。旗手怜央のA代表デビューが華々しいものになることを願ってやまない。

【文・元川悦子】
長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。



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【2022年カタールへ期待の選手vol.93】29歳で見えてきたカタールW杯への道。遅咲きボランチは大激戦区に食い込めるのか?/稲垣祥(名古屋グランパス/MF)

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【2022年カタールへ期待の選手vol.92】試合ごとに出場時間増。東京五輪世代のリーダーは長友佑都との競争に勝てるか?/中山雄太(ズヴォレ/DF)

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【2022年カタールへ期待の選手vol.90】勝負の11月ベトナム、オマーンのアウェー2連戦。日本の秘密兵器はズバリこの男!/三笘薫(サン=ジロワーズ/FW)

10月12日のオーストラリア戦(埼玉)を2-1で辛勝し、安堵したのもつかの間、11月には絶対に落とせないアウェー2連戦がやってくる。 2022年カタールワールドカップ(W杯)アジア最終予選B組で目下、4位に沈む日本にとって、最下位・ベトナム、3位・オマーンは確実に6ポイントを手にしなければならない相手。ここで躓くようなことがあれば、本大会ストレートインの2位以内はおろか、プレーオフ圏内の3位すら危うくなりかねないからだ。 9月は欧州視察に出向いていた森保一監督は目下、日本に残ってJリーグや福島で開催されたAFC・U-23選手権に足を運んでいる。その一方で、横内昭展・斉藤俊秀両コーチは欧州で目ぼしい人材のチェックに奔走中だ。 その筆頭が三笘薫(ユニオン・サン=ジロワーズ)。東京五輪の後、イングランド・プレミアリーグのブライトン&ホーヴ・アルビオンに完全移籍し、英国労働ビザの関係もあってベルギー1部のユニオン・サン=ジロワーズにレンタルされたが、9月12日のデビュー以降、試合をこなすごとに存在感を高めているのだ。 とりわけ、インパクトが大きかったのが、10月16日のRFCセラン戦だ。後半2分に出場してハットトリックの離れ業を達成。「サン=ジロワーズに三笘薫あり」をサポーターに力強く示したのである。続く23日のKASオイペン戦では加入後初先発のチャンスをつかみ、先制PKにつながるドリブル突破で見る者を魅了。さらには3点目の起点になるパス出しも披露した。 ルーキーイヤーだった2020年の川崎フロンターレで見せていた緩急自在の「ヌルヌルドリブル」は異国でも健在。屈強で大柄な相手DFを次々とかわしてゴール前に侵入していく姿はまさに痛快というしかない。本人も「やれる」という手ごたえを深めているはずだ。 こういう絶好調の人間を呼んで使うことが、停滞中の日本代表の活性化につながるのは明らかだ。過去の実績や経験値に固執しがちな森保監督だが、崖っぷちに追い込まれたオーストラリア戦でついに[4-3-3]の新布陣を採用し、田中碧(デュッセルドルフ)と守田英正(サンタクララ)を中盤に抜擢した。11月シリーズで4-3-3をそのまま使うか、[4-2-3-1]に戻すのかは対戦相手との噛み合わせを見てからだろうが、三笘は田中碧や守田との共存は問題なくできる。川崎やサン=ジロワーズでの起用法を見ていても分かる通り、先発でもサブでも柔軟に対応できるところも魅力だ。 長年、絶対的1トップと位置づけられてきた大迫勇也(神戸)が負傷離脱中で11月シリーズに間に合う保証がないだけに、南野拓実(リバプール)が最前線に上がる可能性も大いにある。古橋亨梧(セルティック)もゴールにより近いポジションで使った方が怖さを発揮できる。となれば、左サイド要員は手薄になる。原口元気(ウニオン・ベルリン)や浅野拓磨(ボーフム)もいないわけではないが、敵を欺く意味でもA代表実績ゼロの三笘は大きなサプライズになる。ここは思い切って呼んで使うべきだ。 本人も不完全燃焼に終わった東京五輪の悔しさを晴らすチャンスが巡ってくるのを待ち望んでいるに違いない。 「五輪を迎える年が24歳というのは、決して若くない。五輪がW杯に続く大きな大会だと認識してますし、人生の大きな転換点になるとも思ってます。でも五輪に選ばれることがゴールではない。大学からプロに入った遠回りした選手でも活躍できることを示さないといけない」と東京五輪前にも語気を強めていたが、ベルギーに渡ったことで「今、結果を出さなければ埋もれてしまう」という危機感はより強まったことだろう。 確かに世界のサッカー界で見れば、24歳という年齢は中堅。2010年南アフリカW杯で日本をベスト16へと導いた本田圭佑(スドゥーヴァ kjl)が24歳だったのだから、今からA代表のキャリアを始めるというのは、少しスタートが遅いのも事実だ。しかしながら、川崎の偉大なレジェンド・中村憲剛(JFAロールモデルコーチ)のように25歳で初キャップを記録し、30代まで日の丸を背負い続けた選手もいる。大卒の三笘は同じような軌跡を辿れるだけのポテンシャルがある。遅咲きでも大成できることを自らの実力で証明してほしいのだ。 「自分の特徴は1人はがすところだったり、アイディアのあるプレー。評価されやすくて評価されやすいですけど、批判もされやすいところ。そこは難しい部分ではありますけど、『日本に貢献したいって気持ち』がプレーに出ると思う。つねにそういう意識を持ったプレーを見せたいです」 三笘はこうも話している。単にドリブル突破でチャンスメークをするだけでなく、チームの勝利のために献身的な守備はハードワークを厭わないという強い覚悟を持って戦っているのだ。そういうメンタリティがあれば、必ずA代表でも役に立てる。 貪欲に泥臭くボールを追い、相手をつぶし、そのうえでドリブルからゴールを奪う…。タフさを増した三笘薫が救世主となる11月シリーズをぜひ見てみたい。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。</div> <span class="paragraph-title">【動画】11月に初招集なるか!? 三笘薫の圧巻ハットトリックを全てチェック!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/CVGwQ4tqbcB/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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