【J1開幕直前ガイド|ガンバ大阪】本気度伝わる“攻めの補強”で10個目の星を目指す

2021.02.26 14:15 Fri
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©︎J.LEAGUE
2021シーズンの明治安田生命J1リーグは2月26日に開幕。昨シーズンは降格がなくなったため、今シーズンは史上初の20チームでのJ1リーグとなる。昨シーズンに引き続きコロナ禍でのリーグ戦開催となるなか、各クラブは積極的な補強や、チームの改革を行っている。


そこで、開幕を前に超ワールドサッカー編集部がチームのノルマや補強達成度、イチオシ新戦力、そしてJリーグの開幕キャッチコピーとして発表された「#2021のヒーローになれ」にあやかり、今シーズンのヒーローになるべき選手をピックアップした。

第19弾は昨季J1・2位のガンバ大阪を紹介する。

◆基本布陣(予想)[4-3-3]
©CWSBrains,LTD.

◆補強動向《A》※最低E~最高S
【IN】
GK林瑞輝(24)←レノファ山口FC/期限付き移籍終了
DF佐藤瑶大(22)←明治大学/新加入
MFチュ・セジョン(30)←FCソウル(韓国)/完全移籍
FWレアンドロ・ペレイラ(29)←松本山雅FC/完全移籍
FWチアゴ・アウベス(28)←サガン鳥栖/完全移籍
FW一美和成(23)←横浜FC/期限付き移籍終了

【OUT】
GK谷晃生(20)→湘南ベルマーレ/期限付き移籍
GK猿田遥己(21)→柏レイソル/期限付き移籍終了
GKイ・ユノ(21)→ベガルタ仙台/期限付き移籍終了
DF山口竜弥(21)→東京ヴェルディ/完全移籍
DF松田陸(21)→ツエーゲン金沢/完全移籍
DFタビナス・ジェファーソン(22)→川崎フロンターレ/期限付き移籍終了
DF新里亮(30)→ジュビロ磐田/期限付き移籍終了
MF高宇洋(22)→アルビレックス新潟/完全移籍
MF高江麗央(22)→FC町田ゼルビア/完全移籍
MF市丸瑞希(23)→FC琉球/完全移籍
MF芝本蓮(21)→SC相模原/期限付き移籍
MF遠藤保仁(41)→ジュビロ磐田/期限付き移籍
FW高木大輔(25)→レノファ山口FC/完全移籍
FW高木彰人(23)→ザスパクサツ群馬/完全移籍
FW渡邉千真(34)→横浜FC/完全移籍
FWアデミウソン(27)→無所属/契約解除
FW中村敬斗(20)→FCジュニアーズ(オーストリア)/期限付き移籍

昨季も無冠に終わり、圧倒的な強さでJ1リーグを制した川崎フロンターレに大きな差をつけられたものの、2位に食い込み、天皇杯でも準優勝という成績を収めたG大阪。今オフはG大阪にとっても例外でない新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経営的な難しさがあったはずだが、その躍進をさらなる復権の足がかりにしようとする姿勢が補強からひしひしと伝わってくるものとなった。

その補強では迫力不足を如実に露呈した攻撃面を徹底的に強化。得点ランキング3位の15ゴールを挙げたFWレアンドロ・ペレイラをはじめ、鋭い仕掛けや強烈な左足を持つFWチアゴ・アウベス、長短の展開力に秀でた現役韓国代表MFのチュ・セジョンを獲得したほか、2年間の武者修行で確かな成長曲線を描くFW一美和成もレンタルバック。近年になき積極的かつ好補強を施した。

既存メンバーからも不祥事で契約解除のFWアデミウソンや横浜FCに旅立ったFW渡邉千真以外に主力からの流失なし。穴は埋まったどころか、パワーアップを感じさせ、さらにフルミネンセからMFウェリントン・シウバの加入も決定的と報じられている。昨季限りで活動終了のU-23を主戦場にした将来性溢れる選手の移籍は残念だが、タイトルを狙う上での陣容は整ったといえるだろう。

欲を言うと、DF高尾瑠以外に本職がいない右サイドバックも補強できれば申し分なしだったが、宮本恒靖監督は先のFUJI XEROX SUPER CUP 2021でMF小野瀬康介をそのポジションで起用。右サイドバックとしてのプレー実績があるMF福田湧矢、MF奥野耕平もいる。スペシャリストでないだけに、脆さも懸念されるが、駒不足の問題に関してはローテーションでうまく補填できそうだ。

そのなかで、攻撃力アップを目指して今季から[4-3-3]の布陣にも挑戦しており、初の公式戦だったFUJI XEROX SUPER CUP 2021の川崎F戦でお披露目。結果的に2-3で打ち負けたものの、一時0-2から追いついてみせるなど、リーグ戦に向けて“ひと味違う姿”を披露した。火力アップに期待が持てる陣容は揃っただけに、あとは宮本監督の手腕、新たな戦い方の浸透具合がカギになる。

◆目標:優勝争い
©J.LEAGUE
今季の目標はもちろん、2014年以来のJ1覇権奪回だ。上述のとおり、G大阪は今オフ、コロナ禍で難しい立ち回りを強いられるなか、課題の攻撃陣をピンポイント補強。しかも、質も伴う補強となり、今季に期待が持てる陣容が整い、宮本監督にとっても選択肢が昨季以上に増えた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を並行して戦うシーズンとだけあって、より選手管理も大事になるが、陣容を見ると、J1リーグでも優勝を目指さないわけにいかない。

◆超WS編集部イチオシ新戦力
FWレアンドロ・ペレイラ(29)
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攻撃力アップに特化した補強を重点的に施した今オフの目玉はやはりレアンドロ・ペレイラだろう。昨季のG大阪は躍進を遂げた一方で、攻撃陣は4年ぶりに二桁得点選手がゼロ。最多はFWパトリックの9得点にとどまり、絶対的なスコアラーを欠き続けたG大阪からしてみれば、この上ない新戦力と言って良い。

そんなレアンドロ・ペレイラは身長190cmの大型ストライカー。ただ、エアバトルだけでなく、足元も器用で、レンタル先のサンフレッチェ広島で昨季に記録した15ゴールのうち、両足で6得点ずつを奪ったようにバランスの良さも併せ持つ。G大阪にとって、待望のボックスで勝負できるフィニッシャーだ。

政府による来日後の自主隔離義務により、キャンプ途中から合流と出遅れた感こそあるが、Jリーグでの実績は十分。もちろん、昨季6得点にとどまったエースのFW宇佐美貴史にも奮起したいところだが、このブラジル人ストライカーが得点源として早々に馴染めば、チームとして悲願の10個目となる星も近づくはずだ。

◆2021年期待のヒーロー
MF井手口陽介(24)
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ヒーローに推したい選手が数多くいるG大阪だが、最も代えが効かない部分を考慮すると、MF井手口陽介にかかる期待はより大きい。太もものトラブルで昨年11月初旬のセレッソ大阪戦後から天皇杯決勝までを全休したが、今季開幕に向けて全快。キャンプもフルメニューを消化した。

大卒ルーキーだった昨季に新たな司令塔に名乗りを上げたMF山本悠樹に続いて、今季も新たにチュ・セジョンという実力者が加わった中盤のポジション争いは熾烈さを極めるが、井手口のダイナモぶりは依然、異彩。先のFUJI XEROX SUPER CUP 2021でそれを遺憾なく発揮した。

チームが今季から新たに導入する[4-3-3]の右インサイドハーフに入った井手口は守りの局面で鋭い出足を武器に狩人役を担いつつ、攻めの局面に切り替わると、前線のスペースを突く動き出しでボールの引き出し役に。アンカーに入る山本の脇を埋める役割も遂行して、躍動した。

インサイドハーフでのプレーは中盤でどっしりと構えるよりも向かっていく方が持ち味を発揮していける井手口にとって、うってつけの役割。チームとして昨季の躍進に繋がった[4-4-2]も併用して戦っていきそうな今季、井手口の存在はタイトルを狙う上でどの布陣でも不可欠だ。
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キッカケは”靴飛ばし”、「神様の指示」と語る81歳のサッカー指導者に起きた変化【#これから私は】

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日本代表で見たい!ここまで躍動するJリーガー5名をピックアップ

昨年10月、11月の欧州遠征以来の日本代表の活動が行われる3月。そのメンバーが18日に発表される。 今回は国内での久々の代表戦となること、さらに韓国代表との親善試合、カタール・ワールドカップ予選のモンゴル戦ということもあり、注目が集まる。 一方で、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、海外からの入国者に関して「アスリート・トラック」が適用されるされるが、Jリーガーを招集する可能性は高いだろう。 オール海外組で臨んだ昨年の欧州遠征と同じメンバーを招集することは実質不可能な状況。そこで、今Jリーグでノリに乗っている招集すべき選手をピックアップする。 <span class="paragraph-title">◆中央起用で得点力爆発</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_maeda.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎CWS Brains,LTD.<hr></div> FW前田大然(23) 所属:横浜F・マリノス 今季成績:J1/5試合6得点 日本代表歴:A代表/2試合 東京オリンピックに臨むU-24日本代表に招集される可能性もある前田。今シーズンから横浜FMに完全移籍すると、開幕からゴールを量産中だ。 昨シーズンは左ウイングが主戦場だったが、今シーズンはセンターフォワードとして起用され、ここまで5試合で6得点。現在は4試合連続ゴール中と、最も勢いに乗っているストライカーだ。 従来からもつ爆発的なスピードを生かした最前線からのプレスで相手のビルドアップを封じ、ちょっとしたミスをゴールにつなげるスタイルを確立。また、ショートカウンターから一気にゴールに迫れ、シュート精度も今シーズンは上げている。 <div id="cws_ad"><script src="//player.daznservices.com/player.js#44a12140e3dda008f998a5a1a9.1tybkqliqmgvi1ndbmyxnzxqc3$videoid=1mrnfz7iuxx9412odltjrua0m4" async></script></div> 2019年のコパ・アメリカで日本代表に初招集された前田。U-24日本代表の活動に参加する可能性もあるが、A代表で見てみたいストライカーだ。 <span class="paragraph-title">◆Jリーグで敵なしのドリブラー</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_mitoma.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎CWS Brains,LTD.<hr></div> MF三笘薫(23) 所属:川崎フロンターレ 今季成績:J1/6試合1得点 日本代表歴:招集なし 昨シーズン最もインパクトを与えたJリーガー。ルーキー記録となるシーズン13得点は圧巻で、川崎フロンターレのJ1優勝に大きく貢献していた。 今シーズンはここまでまだ1得点に終わっているが、ドリブルの切れ味は健在。昨シーズン同様に相手チームは止める術がなく、チャンスメイクでここまで違いを見せている。 前田と同様にU-24日本代表の活動に招集される可能性が高いが、やはりA代表でのプレーを見たい選手の1人。遅かれ早かれ、間違いなくA代表に名を連ねる1人であり、今回のタイミングで呼ばれることを期待する人は少なくない。 <span class="paragraph-title">◆ゴラッソ2発のダイナモ</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_inagaki.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©J.LEAGUE<hr></div> MF稲垣祥(29) 所属:名古屋グランパス 今季成績:J1/5試合2得点 日本代表歴:招集なし クラブ史上初となる開幕5連勝を飾った名古屋グランパスで、中盤を支える稲垣も日本代表で見たい1人だ。 ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島と所属したチームでは中盤の守備的なポジションを任され、豊富な運動量で大いにチームを支えてきた。 今シーズンも堅守の名古屋を支える1人。さらに、強烈なミドルシュートで2試合連続ゴールを記録するなど、攻撃面でも頼もしさを見せている。 海外組が名を連ねる中盤でJリーガーが入ることはなかなかないが、稲垣が持つ運動量とカバー範囲の広さ、危険察知能力はピカイチ。日本代表でもそのプレーを見たい1人だ。 <span class="paragraph-title">◆泥臭くもゴールへ向かうファイター</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_hayashi.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©J.LEAGUE<hr></div> FW林大地(23) 所属:サガン鳥栖 今季成績:J1/5試合3得点 日本代表歴:招集なし 開幕から20クラブ中唯一となる5試合連続無失点を記録しているサガン鳥栖。その鳥栖を牽引するストライカーの林も勢いのある選手だ。 プロ1年目の昨シーズンは31試合に出場し9得点。勢いよくゴールに向かう姿が印象的で、ゴールを奪うことを最優先に考えているスコアラータイプのFWだ。 今シーズンはここまで5試合に出場しすでに3得点を記録。17日に行われた第5節の柏レイソル戦では、カウンターから先制ゴールを奪うと、後半にも落ち着いてネットを揺らし、2得点の活躍を見せた。 抜群のスピードとゴールへ向かう推進力も魅力の1つ。FW岡崎慎司を感じさせるゴールへ向かう姿勢があり、東京五輪世代の1人ではあるがA代表でも見てみたい存在だ。 <span class="paragraph-title">◆久々に現れたパワー系CB</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_kikuchi.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©J.LEAGUE<hr></div> DF菊池流帆(24) 所属:ヴィッセル神戸 今季成績:J1/4試合2得点 日本代表歴:招集なし 今シーズンのJ1で最も成長を感じるセンターバックの1人。レノファ山口FCから昨シーズン神戸に加入した菊池は、14試合の出場にとどまっていた。 しかし、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではポジションを掴みアジアの強豪クラブ相手に対等に渡り合うと、今シーズンはレギュラーとしてプレーしている。 ここまで4試合に出場しており、すでに2得点を記録。持ち前の対人能力の強さと、競り合いの強さを存分に発揮し、迫力満点だ。 17日の川崎フロンターレ戦でも、1点ビハインドの後半アディショナルタイムに豪快にヘディングでゴールを奪い、チームに勝ち点1をもたらした。 かつては田中マルクス闘莉王や中澤佑二など空中戦に強く、フィジカルに優れたCBがいたが、久々のタイプだけに期待も高まる。 2021.03.18 12:40 Thu
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今季はCL無得点…過去にチェルシーを敗退に追いやったルイス・スアレスがアトレティコの命運を握る

今週の4試合で今シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)のベスト8が決定。後半の4試合も熱戦が予想される中、最も注目を集めるのがチェルシーvsアトレティコ・マドリーの一戦だろう。 1stレグはアトレティコのホーム扱いだったが、ワンダ・メトロポリターノではなく、ルーマニアのブカレストで開催。チェルシーが0-1で勝利していた。 2ndレグは17日に予定されているが、場所はロンドンのスタンフォード・ブリッジ。アトレティコとしては、勝ち抜けのためにはゴールが必要な状況。2点以上奪っての勝利で逆転突破が可能となる。 今シーズンはラ・リーガで首位を快走。2位のレアル・マドリーに勝ち点差「6」をつけている状況で、リーグ優勝も見えている状況だ。 しかし、チェルシー戦は別の大会。その中でもゴールを奪う必要があるとなれば、自ずと期待を懸けられるのがエースのウルグアイ代表FWルイス・スアレスだろう。 ラ・リーガでは今シーズンのここまでで18ゴールを記録しリーグ2位。しかし、CLではここまで5試合に出場しているが、ゴールをまだ決められていない。 2月23日に行われた1stレグもフル出場を果たしていたが、ここでもゴールを決められずにいた。 スアレスはここまでCLで通算65試合に出場し26ゴールを記録。実はそれほど得意としておらず、リーグ戦での得点率よりは大きく下がってしまう。 世界でも有数のストライカーでありながら、今シーズンも結果が出ていないように、あまりCLとの相性は良くない。リーグ戦でゴールを奪っていても取れないという難しさがあるのだろう。 しかし、アトレティコが勝ち上がるためには2ゴールが必要。そのため、スアレスに懸かる期待は否応無しに増していくこととなる。 そのスアレスは、リバプールに在籍していたこともあり、チェルシーとはこれまで10試合対戦経験がある。リバプール時代にはプレミアリーグで6試合、FAカップで1試合対戦。バルセロナ時代にはCLで2試合しか対戦しておらず、アトレティコでの1試合を合わせて10試合だ。 しかし、記録したゴールはプレミアリーグでの2ゴールのみ。チェルシーも決して得意としているわけではない。 それでも、バルセロナ時代に対戦した2017-18シーズンのCLでは、今回と同じラウンド16で対戦。1stレグを1-1のドローで終えていたが、2ndレグはスアレスがゴールこそ挙げなかったものの、2アシストとお膳立て。バルセロナは3-0で勝利し、勝ち抜けを決めていた。 ストライカーでありながら、バルセロナ時代はアシストでも勝利に貢献してきたスアレス。今回の2ndレグでも、ゴールに絡むプレーでチームを救えるのか。今季のCLでの初ゴールにも期待が集まる。 2021.03.15 22:45 Mon
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本当の「地域に根ざしたスポーツクラブ」へ 塩釜から日本サッカー改造を目指し続ける81歳・小幡忠義の想い【#あれから私は】

「向かいの交番の所長が『小幡さんこれ大変なことになったよ』と泥だらけになってやってきた。隣の七ヶ浜の海水浴場とか町が全滅して、『とんでもねえよ。何千人って死人が出るよって』それで俺の店に来てぐったりしているわけですよ」 そう当時を振り返ったのは、塩釜市在住の小幡忠義氏。宮城県の塩釜市生まれ塩釜市育ちで、現在も地元の塩釜市で小学生たちにサッカーを教えている。現在81歳のサッカー指導者だ。 2011年3月11日、東北地方を中心に大きな被害をもたらした東日本大震災から10年。小幡氏は当時の様子を振り返ってくれた。 「俺自身津波がそんなにひどいものなのか分からなかった。次の日にその凄さが分かった」 塩釜市は、仙台市の東に位置する海に面した街。10年前の東日本大震災では最大震度6強を観測し、4メートルの津波が発生。沿岸部の住宅や漁船などが被害に遭い、市民47人が犠牲となった。また、18人が関連死と認定され、最大避難者数は8771人にも及び、大きな被害を受けていた。 小幡氏を語る上で欠かせないのが、「塩釜FCの創設者」というフレーズだ。1964年に「仁井町スポーツ少年団」という名で立ち上げられ、小幡氏の類まれな行動力とリーダーシップのもと、塩釜FCに発展する。 人口わずか5万6千人の塩釜市から、元日本代表の加藤久氏(京都サンガF.C.強化本部長)や、鹿島アントラーズで活躍するMF遠藤康、モンテディオ山形、ガンバ大阪などJリーグで活躍した佐々木勇人氏ら、多くのJリーガーを輩出してきた実績がある。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/obata20210311endo.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎CWS Brains,LTD.<hr></div> その小幡氏だが、クラブを持っている中での震災発生。さらに、当時は宮城県サッカー協会の会長を務めていたため、安否確認や対応に追われたという。 「俺たちは何をしていいのか分からないし、いろいろな人が支援に来てくれているし、そこで初めてツイッターを覚えて、情報収集だよね。まず、クラブのメンバーの情報を、安否確認。後はうちの親戚とかいろいろな情報を取りながら、次の手を考えていたんだ」 「その間にいろいろな人たちが集まってきて、作戦練ったりして動いていた。宮城県サッカー協会が県のサッカー場にあったんだけども、サッカー場も被災が凄くて、ひび割れしてたり、そこを(一般に)開くわけにはいかないから、近いから俺のところにみんな集まって来ることになったんだよ」 <span class="paragraph-title">◆「地域に根ざす」 </span> 東北、宮城のサッカー界で知られた存在になっただけでなく、厚い人望や行動力、リーダーシップにより周囲の人に支えられている小幡氏の信念には「地域に根ざす」が存在している。 時は遡り1993年、小幡氏は教え子でもあり、ブランメル仙台(現・ベガルタ仙台)の初代監督である鈴木武一氏らとともにドイツへと赴く。そこで小幡氏は「素晴らしいスポーツ環境」を目の当たりにし、「人間が変わった」と語るほど大きな影響を受けたという。 「どんな場所でもサッカーコート2面あって、テニスコートあってプールがあってさ。グラウンドの脇にはクラブハウスがあってシャワールームがあって、ミーティングルームがある」 「日本は土のグラウンド1つだけでさ、シャワーどころか泥だらけのまま帰るんだもの」 ドイツと日本はともに第二次世界大戦の敗戦国であるものの、その後のスポーツへの考え方、そしてそこから作られた環境のあまりの違いに愕然としたと当時を振り返る。 「『なんでこんなに作ったの』と聞いたとき、『小幡良く聞けよ。日本とドイツは同じ敗戦国だ。「健全なる精神は健全なる体に宿る」。もっといい考えを生み出すために、健康な体を作ろう。そして将来高齢化社会が来る。そこで医療費に金かけないためにということで、そのスポーツ施策をやった』とね。それ聞いたときに驚きしかなかったよ」 ドイツで大きな感銘を受けた小幡氏は帰国後、スポーツ文化施設の拡充に尽力。国、ひいては地域に根ざしたクラブを目標とするようになり、宮城県を中心にいくつものグラウンドの造設に携わった。多くのJリーガーを輩出してもなお、塩釜FCのスローガンは「地域に根ざしたスポーツクラブ」のままだ。 <span class="paragraph-title">◆塩釜を襲った大地震 </span> こうして、ベガルタ仙台の発足にも携わった小幡氏は、後にベガルタ仙台の役員になるとともに、宮城県サッカー協会会長という地位に就く。そんな中で起きたのが東日本大震災だった。 「地域に根ざしたスポーツクラブ」であった塩釜FCは、震災直後には機能がストップした役所に代わって復興の拠点となる。 「九州から車で来たり、山形の鶴岡から大雪の中ガソリンと食料を持ってきてくれたり、岩手や秋田からも運んできてくれたり、いろいろな思いで、友達のありがたみといういか、助けられてきた」 関わってきた人々に助けられた小幡氏だが、同時に「もの凄い勉強させてもらいましたね。ありがたいとか、いろいろな嫌なこととか。人間の性を見たりさ」と、やや沈痛な面持ちで当時を回想してくれた。 小幡氏は、震災当時、なでしこリーグに所属していた東京電力女子サッカー部マリーゼの引受先探しに奔走した。マリーゼの前身は、1997年に宮城県で設立されたYKK東北女子サッカー部フラッパーズで、2004年にチームを東京電力が引き継いだ過去がある。 2005年からはマリーゼとして活動するも、活動拠点が福島県双葉郡楢葉町および広野町にあるJヴィレッジにあったため、東日本大震災と原発事故を受けて活動が停止した。当時は、MF鮫島彩(現大宮アルディージャVENTUS)やDF長船加奈(現浦和レッズレディース)らなでしこジャパンのメンバーも所属。タレントとして活躍する丸山桂里奈さんも所属していた。 最終的には震災翌年の2012年にベガルタ仙台が新たな移管先となり、ベガルタ仙台レディースに。2021年秋から開幕するWEリーグに参戦するにあたり、マイナビ仙台レディースとして今に至っている。 YKK時代からチームを知る小幡氏は、震災当時はクラブ会員が会費を払うバルセロナのソシオ方式の導入を提案していたという。 「そういうもの使ったら面白いでしょ。面白いと言ったら悪いけど、今がチャンスだと。この女子チームを助けてくれと。みんなでソシオ制度を作って、今でいうクラウドファンディング。例えば年間1万円ずつくらい出してもらってね」 小幡氏は具体的な金額まで考えていたが、その想いは「地域に根ざしたスポーツクラブ」にするため。しかし、小幡氏の発想が先を行き過ぎていたのか、その提案は受け入れられず。その後、小幡氏は自ら公職を降りることとなった。 「どのクラブも地域に根ざしたと言っている。ただ、果たして本当に地域に根ざしているのかと。そこが一番の疑問点だった」 「日本のプロスポーツは社長が金集めに奔走しなければならない。大企業におんぶにだっこだね。だからいつまで経っても本当のクラブはできないんじゃないかと思っている」 <span class="paragraph-title">◆公職を離れ原点へ </span> その後の小幡氏は「地域に根ざしたスポーツクラブ」という原点に戻り、継続して塩釜市で子供たちを教えている。 震災という一大事に小幡氏が最も強く感じたことは、子供たちを「自分で考えられる」ように育てなければならないということ。「指示を待つだけでなく、主体的に考えて行動する人物になってもらいたい」ということだった。 さらに、震災以降、小幡氏はあるポリシーを改めたという。それは保護者との関係性だ。 「今まで私は保護者と一切喋ってこなかったのね。えこひいき的なこともあるから。試合に出られない人もいるじゃないですか。でも、そこから保護者と何を目的にスクールをやるのかというところから話を始めたんですよ」 「問題は、世界が近代化されてAIが発達する時代になる。そうすると機械に使われる人間というのがいる。でも、機械を使うような人間を育てるべき。そのためには、自分で考えて行動できる子供たちを育てないと、いつまで経っても駄目だよね」 そこで、小幡氏が最初に選んだのはやはりサッカーだった。しかし、子供たちが前のめりになるまでは、時間がかかった。 「当初はサッカーを教えようとしたんですよ。ところがサッカーを教えると、みんな嫌な顔をするんですよ。『つま先を固めろ』とか。技術の話ね。でも、あんまり乗り気でなかった」 「そこで、たまたま子供たちが喜ぶように靴飛ばしをするようになった。そこから、俺も含めて変化が出てきてね。一番飛ぶ子が、体の使い方が上手いんですよ。スムーズに動くんだよね」 子供たちから学んだ体の使い方の重要性。小幡氏はその後、体の使い方に着目し、偶然にも“古武術”に出会ってのめり込んでいく。海外の恵まれた体格の選手たちに比べ常々フィジカルが弱いと言われる日本人選手にとっては、“古武術”の体の使い方を覚えることがサッカーの技術にも通じてくる“最適解”になる可能性があると考えているようだ。 こうした様々な出会いや考えの変化。これも震災が1つのきっかけになったと小幡氏は語る。 「こういういろいろなこともできるのもね。震災後に会っていろいろ指導を受けたり、震災を契機に、俺の進むべき道を変えてくれた。震災で亡くなった人たちのためにもそういうことを伝えていきたい。その思いで、今は遊びまわっています」 小幡氏は現在も、塩釜で1年生1人、2年生1人、3年生8人、4年生1人、5年生5人、6年生1人で全部で16人を教えている。規模が大きいとは言えないが、本人は「今が一番楽しい」と断言する。 「地域に根ざしたスポーツクラブ」。その根幹は揺らぐことなく、震災でより確固たるものとなった。小幡氏の目は未来を見据え、自らで体現し続けている。 <div style="text-align:left;" id="cws_ad"><hr>81歳になった小幡氏が、塩釜FC創設者になるまでの半生を綴った一冊『小幡忠義の子供とともに育つそれが私のサッカー』が電子書籍で発売中!<br /><br />指導者・小幡忠義はどのようにして生まれたのか。その精神の根幹に迫る。<br /><br /><div style="text-align:center;" id="cws_ad">Kindle版はコチラ<br /><a href="https://amzn.to/2OpERT3" class=""><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/obatabanner2.jpg" style="max-width: 100%;"></a></div></div> 2021.03.11 21:00 Thu
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追い込まれたバルサの救世主に!? 抜群の才能誇る“韋駄天”、ウスマーヌ・デンベレが覚醒か

長らくその能力に疑いの目を向けられ、時には自らの失態によりその評判を大きく落としていた男が、本来の能力を発揮しつつある。 いよいよ、チャンピオンズリーグ(CL)のラウンド16・2ndレグがスタート。ベスト8を決める大事な一戦が2週にわたって行われる。 その中でも最も注目を集めるカードが、パリ・サンジェルマン(PSG)vsバルセロナの一戦だろう。2月16日に行われた1stレグでは、バルセロナの本拠地であるカンプ・ノウで1-4とPSGが圧勝。アウェイゴールを4つも奪い、3点差をつけての勝利は、ベスト8進出がほぼ決まっていると言われてもおかしくないスコアだ。 バルセロナは、アウェイで3点を奪い、無失点に抑えても勝ち上がれないのだから、ほぼ不可能と見るのが当然だろう。最低でも4ゴールが必要な上、3点差以上をつけなくてはいけないミッション。成功の確率は限りなく低くなる。 しかし、バルセロナは4年前に同じ状況から這い上がっている。2016-17シーズンのラウンド16。1stレグをアウェイで戦ったバルセロナは4-0で敗戦。誰もが不可能だと感じていた中、ホームでの2ndレグでまさかの6ゴール。PSGの反撃を1点に抑え、6-1で勝利してベスト8に進出していた。 今回もそれと同じレベルの難しいミッションとなるが、そのカギを握りそうな男がいる。それが、ウスマーヌ・デンベレだ。 2017年8月、ドルトムントで名を挙げたデンベレは、1億500万ユーロ(約135億円)の移籍金でバルセロナへと加入。5年契約を結び、4億ユーロ(約515億5000万円)の契約解除金を設定した。 その値段からもわかるように大きな期待が寄せられていたデンベレだが、蓋を開ければまさかの不良債権となってしまった。 加入1年目はハムストリングの負傷が長引き、前半戦をほぼ棒にふる始末。公式戦23試合に出場し4ゴール8アシストの数字に終わった。 期待された2年目は出場機会を増やし公式戦42試合で14ゴール8アシストを記録したが、このシーズンもケガで離脱することに。3年目の昨シーズンはさらに悪化。ハムストリングや筋肉系のケガが相次ぎ、公式戦9試合に出場し1ゴールと最悪のシーズンとなり、“終わった選手”としての烙印を押されることもあった。 さらに、ケガ以外にも私生活や食生活の乱れが指摘。遅刻グセなど、悪いことは重なり、信頼を大きく失い、無駄な買い物になってしまったと揶揄されていた。 両足が使えること、そしてスピードやテクニックにも優れ、その才能はピカイチだった。ブラジル代表FWネイマールがPSGへ移籍した穴を埋めるための補強だったが、全くもって計算外。しかし、そのデンベレが真の実力を発揮しつつある。 ロナルド・クーマン監督が就任した今シーズンは、相変わらずハムストリングの負傷で2週間ほど離脱したが、コンスタントに出場機会を得ており、ここまで公式戦32試合に出場し、8ゴール4アシストを記録。最も結果を残した2年目に近い成績を残している。 右ウイングを主戦場に、左ウイングでもプレー。先日のコパ・デル・レイのセビージャ戦ではFWリオネル・メッシと2トップを組むなど、プレーの幅も広げており、リーグ戦のセビージャ戦に続いてゴール。センターフォワードで起用された試合では2試合連続ゴールを記録している。 コンディションも悪くなさそうなデンベレは、4ゴールが必要な今回のPSG戦においては救世主になる可能性もある。母国での試合。バルセロナでやっと本領を発揮しつつあるデンベレが火付け役になり、奇跡の逆転突破となる可能性もあるだろう。 前回の大逆転劇で貢献したDFセルジ・ロベルトがケガで欠場することが確定しており、新たなヒーローが必要なところ。バルサの大ピンチを救い、これまでの負債を一気に返済する姿が見たいものだ。 2021.03.08 22:30 Mon
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