“新しいイニエスタ”バルセロナを牽引する“バルサ育ちじゃない”逸材MFペドリの存在感

2021.02.13 20:30 Sat
Getty Images
バルセロナと言えば、計算され尽くされたポジショニングと、ピッチ上に立つ選手たちの連動による細かく正確なパスワークで試合をコントロールするスタイルを誰もが思い浮かべるだろう。
PR
そのスタイルは時代とともに変化を遂げながらも、ベースの部分では大きな変化はなく、ボールを大切にした戦い方、そして再現性の高いプレーで相手を圧倒していくスタイルだ。
それぞれの時代にはチームの核となる選手がいる。古くはジョゼップ・グアルディオラ、そしてチャビ・エルナンデスと類稀なパスセンスを持ち、ゲームをコントロールする選手がいた。

一方で、もう少しアタッカーに近いポジションでチームの核となったのが、現在はヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタ。高いパスの能力だけでなく、周囲との連携、ポジショニングで違いを生み出す天才と言えるだろう。

そのイニエスタの後継者とも言える存在が今のバルセロナに入る。それが、MFペドリだ。
ここまで名前を挙げたグアルディオラ、チャビ、そしてイニエスタの3名は、そのバルセロナスタイルが植え付けられたカンテラ出身選手。しかし、ペドリはバルセロナの下部組織とは関係なく、ラス・パルマスで育ったから異色と言えるだろう。

ペドリは、アフリカ北西部にあるカナリア諸島のテネリフェ島出身。小さな島で育ったペドリだが、実は大のバルサファンだったというから、驚きだ。そこに、ペドリがバルセロナで活躍できている理由がある。

2019年9月にバルセロナへ加入したペドリだが、そのシーズンは古巣のラス・パルマスへそのままレンタル移籍。今シーズンから本格的にバルセロナに加わると、ここまでラ・リーガで21試合に出場し2ゴール2アシスト。チャンピオンズリーグでも5試合に出場し1ゴールを記録している。

◆CLでバルサ初ゴールを決めたペドリ

18歳ながらすでにチームの主軸としてプレーするペドリ。カンテラ出身選手ならいざ知らず、ラス・パルマスという遠く離れた島から来た若きファンタジスタの才能は底が知れない。

そのバルセロナは、ラウンド16でパリ・サンジェルマン(PSG)と対戦。ラウンド16最大の注目カードとなった。

何かの陰謀なのではと勘ぐりたくなるようなこのカード。夏にはメッシがPSGへ移籍するのではと噂が立ち、予てからネイマールがバルセロナに復帰するのではと、移籍市場が開くたびに話題になる。

しかし、古巣対決となるネイマールは負傷により1stレグの欠場が決定。2ndレグも間に合うかは微妙なところだ。その他にも、レアル・マドリー行きの噂が消えないFWキリアン・ムバッペなど強力な攻撃陣を備えるPSGだが、この試合で一番注目したいのがペドリだ。

CLではデビュー戦となったフェレンツヴァーロシュ戦でいきなりゴールを記録。ユベントス戦でも数字こそ残さなかったが、パスにドリブルと持ち味を遺憾なく発揮していた。

さらに、バルセロナのでの先発デビューはラ・リーガの“エル・クラシコ”というから驚きだ。ロナルド・クーマン監督が信頼を寄せていることもだが、18歳でも大舞台でしっかりとパフォーマンスを残すあたり、大物の予感しかしない。

そしてそのクーマン監督は監督就任後の最初のトレーニングの前にペドリについて言及し「彼のことはわからないが、新しいラウドルップ、新しいイニエスタに違いないと言われている」と語り、「彼はスペイン全土で最高の才能だ」とコメントしていた。よく知った今、その評価は本当だったと感じていることだろう。

昨季のファイナリストとの対戦となるバルセロナだが、ペドリの正確なパス、そして何よりも優れている正確な判断はPSGの守備陣を翻弄することになるだろう。

そして、大エースのリオネル・メッシはラ・リーガではゴールを重ねはじめており、ここで一気に波に乗せたいところ。それを引き出せるのはペドリといえる。バルセロナ産ではない男が牽引するバルセロナというのも、新しい時代がやってきたことの現れか。PSGとのスペクタクルな戦いでの活躍に期待したい。

PR
関連ニュース

退任発表のチャビ監督が一転してバルサで続投決定! 来季も指揮に意欲「プロジェクトはまだ終わっていない」、続投決断の理由も語る

バルセロナは25日、チャビ・エルナンデス監督(44)の続投を発表した。 25日にトレーニング施設のジョアン・ガンペールでジョアン・ラポルタ会長が会見を行い、発表した。 「チャビがファーストチームの監督として続けていくことを発表でき、とても嬉しく思う」 「常にバルサの利益を見ている。チャビが続投することはとても良いニュースだ」 また、チャビ監督も同席。「やる気と期待感に溢れており、フロント、スタッフ、そして選手たちからの信頼感がある。それがバルサのベンチで続投するためのカギとなった」と、続投する決断の理由を語った。 チャビ監督は2021年11月にバルセロナの監督に就任。就任2年目にラ・リーガのタイトルを獲得していた。 しかし、今シーズンは苦戦が続き、1月にはコパ・デル・レイ、スーペル・コパで敗退。タイトルを逃すと、ラ・リーガのビジャレアル戦で大敗を喫し、その後に今シーズン限りでの退任を電撃発表して話題となっていた。 その後、何度となく続投への意思を聞かれても否定してきたチャビ監督だったが、バルセロナのフロント陣は引き留めに尽力。最終的には説得に成功することとなった。 チャビ監督は「プロジェクトはまだ終わっていない。続けていかなければならない」と語り、「クラブの安定を維持し、勝てるチームづくりを続けることだ」と目標を語った。 また、クラブ幹部との会談についても語り「昨日、会長とミーティングをした際、僕の進退をクラブのことを考えて預けた。会長、全てのフロント、スポーツエリアのスタッフからの信頼を感じるし、その期待感と信頼は相互のものだ」とし、自身への信頼の厚さが翻意した理由だと語った。 自身が1月に退任を口にしたことについては「方向転換を図るにあたり、あの当時は決断が正しかった」とコメント。「ただ、現在は状況が異なっている」と、様々な状況が変わったとのこと。「来年は再び期待が高まり、大きな成功を手にすることが近付くだろう」と、期待を寄せている。 <span class="paragraph-title">【写真】チャビ監督、ラポルタ会長、デコSDが手を取り合う</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ca" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/JoanLaportaFCB?ref_src=twsrc%5Etfw">@JoanLaportaFCB</a> : “És un orgull que Xavi segueixi sent l’entrenador” <br><a href="https://t.co/FOhVHXytjb">https://t.co/FOhVHXytjb</a> <a href="https://t.co/ugoEOLvyQK">pic.twitter.com/ugoEOLvyQK</a></p>&mdash; FC Barcelona (@FCBarcelona_cat) <a href="https://twitter.com/FCBarcelona_cat/status/1783480480014225543?ref_src=twsrc%5Etfw">April 25, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.04.25 22:02 Thu

チャビ監督が来季続投を決断…バルセロナ副会長「チャビは残るだろう」

バルセロナのチャビ・エルナンデス監督(44)が、来シーズンの続投を決断した。 ラポルタ会長やスポーツ・ディレクター(SD)のデコ氏ら首脳陣とチャビ監督の間で行われた24日の会談で、両者は2025年までの契約を履行することで合意に至ったという。 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、バルセロナのラファ・ユステ副会長は「チャビは残るだろう、彼は本当に幸せだ。我々は他の監督候補と交渉を開いたことがない。それに、デコはチャビを信頼している、それは保証だ」と、チャビ監督の続投を認めたとのことだ。 ラ・マシア出身で現役時代に輝かしいキャリアを残したチャビ監督は、ロナルド・クーマン前監督の解任に伴い2021年11月に指揮官として古巣に帰還。就任2年目にラ・リーガのタイトル奪還に成功し、今シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ突破に導いた。 しかし、今シーズンはラ・リーガでの苦戦に加え、今年1月にコパ・デル・レイ、スーペル・コパ・デ・エスパーニャでタイトルを逃すと、同月末に大敗したラ・リーガ第22節のビジャレアル戦後に今季限りでの退任を電撃発表。 その後、チームはチャンピオンズリーグ(CL)でベスト8敗退に、先日のエル・クラシコでの敗戦によってラ・リーガ連覇の可能性もほぼ潰えたが、チャビ監督の退任発表後はチームパフォーマンスの改善に、DFパウ・クバルシらカンテラーノの台頭など状況は好転しつつあった。 また、財政難のクラブにとって新指揮官招へいは財政面のリスクが大きく、噂される候補の招へいが難航していたこともあり、ジョアン・ラポルタ会長ら首脳陣は一時退任の意向を示していたチャビ監督の意思を尊重する意思を示したものの、ここ最近に入って改めて続投を要請。 これに対して徐々に態度を軟化した指揮官が最終的に当初の辞任から翻意し、続投を決断した形だ。 なお、クラブからの正式なアナウンスは25日にラポルタ会長によって発表される可能性が高いようだ。また、チャビ監督は29日に行われるバレンシア戦に向けた公式会見の場で、改めて自身の言葉で今回の決断を語ることになる。 2024.04.25 07:15 Thu

今度こそスペインへ? ベルナルド・シウバのバルセロナ移籍説が再度浮上

バルセロナにマンチェスター・シティのポルトガル代表MFベルナルド・シウバ(29)獲得の可能性が出てきている。スペイン『スポルト』が報じた。 先日のラ・リーガ第32節レアル・マドリー戦の敗北により、逆転でのリーグ優勝が難しくなったバルセロナ。チャビ・エルナンデス監督が退任の意向を覆すのか、新たな指揮官を迎え入れるのかはまだはっきりしないが、来シーズンにも目を向けていく必要がある。 そんな中、今夏の獲得候補に挙がっているというのがベルナルド・シウバ。チャビ監督が昨夏獲得を望んだ上、バルセロナも指揮官が誰になろうと獲得を希望しているという。 また、ベルナルド・シウバもシティでの時間は終わったと考えている模様。家族の意向も踏まえ、以前と変わらずスペインでのプレーを希望しているようだ。 実際、ベルナルド・シウバはここ数カ月の間にバルセロナを数回訪れているとのこと。シティでチームメイトだったドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンや、ポルトガル代表でチームメイトのFWジョアン・フェリックス、DFジョアン・カンセロらに様子を尋ねているとのことだ。 一方、昨夏シティはベルナルド・シウバとの契約を2026年6月まで延長したが、クラブもジョゼップ・グアルディオラ監督も本人の移籍願望は承知。5000万ポンド(約5800万ユーロ/約96億3000万円)の契約解除条項が設けられているという。 昨夏、バルセロナと同様にベルナルド・シウバの獲得を目指していたパリ・サンジェルマン(PSG)は、別の補強計画を立てているようで、バルセロナがこの移籍を実現できるかどうかは自分たち次第。財政難やサラリーキャップ制限、選手登録に悩まされる状況を打破する必要があり、特に、選手の売却やそれによって浮いた年俸を100%費やすことができる「1対1」の状態に戻せるかどうかが肝となる。 また、現在ベルナルド・シウバはシティから1000万ユーロ(約16億6000万円)以上の年俸を受け取っているとのこと。本人や代理人との給与交渉も課題となるが、バルセロナ行きを熱望しているというこの29歳は、この点においても努力する可能性があるようだ。 2024.04.24 21:12 Wed

PSVがデスト慰留に動く! 昨夏にバルサから買取OP付きローン

PSVがアメリカ代表DFセルジーニョ・デスト(23)の慰留に努めているようだ。 バルセロナでは思ったようにいかず、ミラン行きの昨季に続くローンで昨夏からPSVに活躍の場を求めたデスト。エールディビジで首位を走り、2017-18シーズン以来の優勝に迫るチームで、ここまで公式戦37試合で2得点7アシストと重要なピースと化す。 スペイン『マルカ』によると、ゼネラルマネージャー(GM)のマルセル・ブランズ氏は出演した『Studio Voetbal』で「我々は先週、彼や代理人と交渉をした。正しい方向に進んでいるよ」と水面下での交渉を認めたという。 デストは当初こそPSV残留の意思が薄く、「我々は(残留に向けて)彼を説得しなければならなかった」とのことだが、今では本人が意欲的になり、「PSVにもっと長くいるために話し合いたがってくれた」そうだ。 そんなデストだが、21日のクラブによって、前日のトレーニングで長期避けられずのケガをした旨が明らかに。メディアでは来季にも影響必至の見方もあるが、ブランズ氏は復帰後の活躍も見込み、残留を願った。 「どうなるかは見てみないとだが、我々は信じているし、再び調子を取り戻してくれるはず。彼をPSVにとどめたいと強く思っている」 なお、バルセロナからのローン移籍は買取オプション付き。額は1000万ユーロ(約16億4000万円)といわれる。 イギリス『The Athletic』によると、痛めたのはヒザで、来る夏のコパ・アメリカを棒に振り、最大9カ月の戦線離脱となりうるという。 2024.04.23 15:35 Tue

クラシコで負傷交代のF・デ・ヨングの今季が終了、ユーロ出場は問題なしか

バルセロナのオランダ代表MFフレンキー・デ・ヨングが負傷により今季中の復帰が見込めないことになったようだ。オランダ『ESPN』が報じている。 F・デ・ヨングは21日に行われたラ・リーガ第33節レアル・マドリーとのエル・クラシコに先発。しかしMFフェデリコ・バルベルデとの接触で右足首を捻挫し、前半追加タイムに交代となっていた。 先月も足首の負傷で1カ月ほど離脱し、10日のチャンピオンズリーグ準々決勝1stレグのパリ・サンジェルマン戦で復帰したばかりのF・デ・ヨングだったが、再離脱となってしまった。 ただ、6月14日に開幕するユーロ2024への出場に問題はないと『ESPN』は報じている。 2024.04.23 00:30 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly