「ユナイテッド移籍は間違いだった」出番の少なさに苦しむファン・デ・ベークを同胞レジェンドが嘆く
2020.10.26 17:39 Mon
オランダ代表のレジェンドであるマルコ・ファン・バステン氏が、今夏にアヤックスからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したオランダ代表MFドニー・ファン・デ・ベークの決断は間違いだったと断言した。イギリス『デイリー・ミラー』が伝えている。
ファン・デ・ベークは2018-19シーズンにアヤックスでチャンピオンズリーグ(CL)準決勝進出を果たすなど活躍。一時期はレアル・マドリー移籍が噂されるなど、強豪クラブが熱い視線を注ぐ存在だった。
結局、ファン・デ・ベークは今夏にユナイテッドが3500万ポンド(約47億円)+ボーナスの移籍金で獲得。しかし、ここまでプレミアリーグ5試合で出場時間は61分のみと、期待された活躍はできていない。
こうした現状を受け、ファン・バステン氏はオランダ『Rondo』に出演した際、ファン・デ・ベークのユナイテッド移籍は「間違いだった」と厳しく指摘している。
「ドニーはマンチェスター・ユナイテッドに行くべきではなかった。良い選手であれば、毎週のようにプレーしたいものだろう。ドニーのような選手が今年になって6、7試合しかプレーしていないのは、本当に悪いことだ(エールディビジの2019-20シーズンは新型コロナウイルスの影響により4月で打ち切り)。自分のリズムにも衝撃を与えるだろう」
ファン・デ・ベークの現状に厳しい考えをもっているのは、ファン・バステン氏だけではない。イギリス『スカイ・スポーツ』に出演したユナイテッドのレジェンド、パトリス・エブラ氏も「ユナイテッドに必要な選手ではなかった」と語った。
「なぜファン・デ・ベークを獲得したのかわからない。彼は毎試合、スタンドから試合を見ている。我々にとって彼は必要ではない。それが真実だ」
また、同じく『スカイ・スポーツ』に出演していたユナイテッドOBであるギャリー・ネヴィル氏も、オランダ代表MFの移籍を奇妙に感じているようだ。
「彼は毎試合、オーレ・グンナー・スールシャールのプランの最前線にいるようには見えない。彼が先発せず出番がないほど、『4000万ポンドも出した彼を、普通はチームに入れるだろう』と考えてしまう。彼もきっとこの瞬間、『自分はここで何をしているのだろう』と考えているに違いない」
ファン・デ・ベークは9月の終わりに代理人がスールシャール監督の起用に不満を表明するなど、周辺が騒がしくなっている。ここから自身の価値を証明し、移籍が間違いだったとするレジェンドたちを見返すことはできるだろうか。
ファン・デ・ベークは2018-19シーズンにアヤックスでチャンピオンズリーグ(CL)準決勝進出を果たすなど活躍。一時期はレアル・マドリー移籍が噂されるなど、強豪クラブが熱い視線を注ぐ存在だった。
結局、ファン・デ・ベークは今夏にユナイテッドが3500万ポンド(約47億円)+ボーナスの移籍金で獲得。しかし、ここまでプレミアリーグ5試合で出場時間は61分のみと、期待された活躍はできていない。
「ドニーはマンチェスター・ユナイテッドに行くべきではなかった。良い選手であれば、毎週のようにプレーしたいものだろう。ドニーのような選手が今年になって6、7試合しかプレーしていないのは、本当に悪いことだ(エールディビジの2019-20シーズンは新型コロナウイルスの影響により4月で打ち切り)。自分のリズムにも衝撃を与えるだろう」
「彼が以前よりも多くの収入を得ているのは知っている。しかし、トッププレーヤーとして新しいクラブと契約する際は、プレーのチャンスを見極めなければならない。ドニーはもっと良い展望を待って、他のクラブと契約すべきだった」
ファン・デ・ベークの現状に厳しい考えをもっているのは、ファン・バステン氏だけではない。イギリス『スカイ・スポーツ』に出演したユナイテッドのレジェンド、パトリス・エブラ氏も「ユナイテッドに必要な選手ではなかった」と語った。
「なぜファン・デ・ベークを獲得したのかわからない。彼は毎試合、スタンドから試合を見ている。我々にとって彼は必要ではない。それが真実だ」
また、同じく『スカイ・スポーツ』に出演していたユナイテッドOBであるギャリー・ネヴィル氏も、オランダ代表MFの移籍を奇妙に感じているようだ。
「彼は毎試合、オーレ・グンナー・スールシャールのプランの最前線にいるようには見えない。彼が先発せず出番がないほど、『4000万ポンドも出した彼を、普通はチームに入れるだろう』と考えてしまう。彼もきっとこの瞬間、『自分はここで何をしているのだろう』と考えているに違いない」
ファン・デ・ベークは9月の終わりに代理人がスールシャール監督の起用に不満を表明するなど、周辺が騒がしくなっている。ここから自身の価値を証明し、移籍が間違いだったとするレジェンドたちを見返すことはできるだろうか。
マルコ・ファン・バステンの関連記事
マンチェスター・ユナイテッドの関連記事
プレミアリーグの関連記事
記事をさがす
|
|
マルコ・ファン・バステンの人気記事ランキング
1
「Netflixを見た方が有意義」アトレティコの[5-5-0]をファン・バステンが一刀両断「面白くない」
オランダ代表のレジェンドFWマルコ・ファン・バステン氏は、アトレティコの守備的戦術がお気に召さないようだ。 5日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグで、アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が採用した[5-5-0]。最終的にはベルギー代表MFケビン・デ・ブライネにゴールを許して0-1で敗れたものの、極端な守備的戦術は相当にシティを苦しめた。 革命的とも前時代的とも評された戦い方を、過去のCL覇者はどう見たのか。ミランでCLの前進であるチャンピオンズカップ2連覇を果たし、1980年代にオランダ代表などで活躍した伝説的なストライカー、マルコ・ファン・バステン氏はオランダ『ZiggoSport』で「このスタイルのサッカーは面白くない」と、バッサリ切り捨てた。 「アトレティコ・マドリーのやり方は合法だし許可もされているが、90分間、ボールの後ろに10人もの選手を並べ、ゴールを許さないようにしていたのは驚きだ」 「FIFAなどは、サッカーをもっと楽しくする方法を考え始めるべきだ。このスタイルのサッカーは面白くない。誰かがチャンネルを回して、Netflixを見た方がよほど有意義だよ」 ファン・バステン氏は以前、イギリス『スカイ・スポーツ』のインタビューで「オフサイドルールは無い方が良い」と、以下のような驚きの提案をしていた。 「オフサイドラインをなくしてしまえば、ディフェンスはより深くまで下がることになる。相手が背後から入ってくることを恐れて、前には行けなくなるだろう。しかし、後ろに下がりすぎると、ボックスが乱戦になる。GKは何も見えなくなり、チームはそれが解決策ではないことを知るだろう」 「その結果、GKは全員をボックスの外に追い出したいと思うようになる。それこそが、このゲームが面白くなるポイントだ。もし、アタッカーがディフェンダーの背後に回ることができれば、ゴールの可能性はもっと広がる。守備もより難しくなるだろう」 オフサイドのルールは撤廃されていないものの、ファン・バステン氏の思惑通り、ボックス内に人数が集まる状態までは達成された1stレグ。13日の2ndレグでは満足のいく試合内容となるのだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】CLシティ戦で、アトレティコが採用した[5-5-0]</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">O 5-5-0 de Diego "Cholo" Simeone no Etihad Stadium. <a href="https://t.co/iiTq6vYkjI">pic.twitter.com/iiTq6vYkjI</a></p>— Higor Santos (@HigorSantos_10) <a href="https://twitter.com/HigorSantos_10/status/1511427395403886592?ref_src=twsrc%5Etfw">April 5, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2022.04.13 21:22 Wed2
ファン・バステン氏が古巣ミランに言及「イタリア人選手を積極的に登用すべきかもね」
元オランダ代表FWのマルコ・ファン・バステン氏が、古巣ミランに言及した。 80年代から90年代初頭にかけての欧州サッカーを彩ったスーパースター、マルコ・ファン・バステン氏。ケガによる30歳での引退決断からもうすぐ30年…氏は、今年60歳となった。 今回、古巣ミランの殿堂入りでサン・シーロを訪れたファン・バステン氏は、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで栄誉を祝福されつつ、現ミランに関する質問も。 “イタリア”への愛着も深いのか、イタリア代表も含めて憂慮している点を明かした。 「言うまでもなく、ミランとは素晴らしいクラブ。素晴らしいスタジアムとサポーターを有し、オランダに住む私は、いまだに朝起きて最初にミランの試合結果をチェックする」 「しかし、残念なことに、現在のミラノで主導権を握っているのはインテルだ。ミラニスタの心臓にはよくないね」 「もしかすると、ミランは『イタリア人』を積極的に登用すべきかもしれない。今のミランはイタリア人が少なく、イタリア代表が閉塞感を拭いきれない点とも繋がる。もっとイタリア人がいれば、空気が変わるかもしれないね」 “ミランとイタリア人選手”については先日、90年代に活躍したOBの元イタリア代表MFデメトリオ・アルベルティーニ氏も「ミランにはいま、イタリア人選手が少ない。私は帰属意識を大事にする」と寂しさを吐露している。 今回、ファン・バステン氏はミラン訪問でフトゥーロ所属の世代別イタリア代表FWフランチェスコ・カマルダ(16)と対面。カマルダにも期待を寄せる格好のコメントとなった。 2024.12.17 20:27 Tue3
オランダ路線強化? インドネシア代表のシン・テヨン監督が解任…後任候補にファン・バステン氏らオランダのレジェンド並ぶ
6日、インドネシア代表を率いるシン・テヨン監督(54)の解任が発表された。進行中の2026年W杯アジア最終予選で健闘するなか、オランダ路線を強化するという方向性か。 6日、表題の通り、日本代表も最終予選C組で同居するインドネシア代表のシン・テヨン監督(54)が、解任の憂き目に。 同国サッカー協会のエリック・トヒル会長は取材対応にあたり、解任は「すべての関係者と熟考を重ねた結果」と簡単に説明。「12日には後任を発表できる」という旨も話している。 昨年を通じて、旧宗主国オランダからの国籍取得が激増し、スタメンの大半がオランダ人となったインドネシア代表チーム。 今回のシン・テヨン監督解任はまず、解任発表に先立って欧州メディアから情報が出ており、トヒル会長は「欧州で情報がリークされた」という旨をコメント。「そういう話は確かにある」と、欧州に後任候補がいることを窺わせた。 具体的な名前としては、パトリック・クライファート氏(48)、ルイス・ファン・ハール氏(73)、マルコ・ファン・バステン氏(60)と、インドネシア『Kompas.com』など各国紙が報道。オランダ路線を強化することが限りなく濃厚か。 インドネシア代表は最終予選C組で6カ国中3位と健闘も、昨年末のASEAN杯は国内の若手中心で臨んでグループステージ敗退。3月の最終予選再開初戦は、アウェイでオーストラリア代表との勝ち点「1」差、2位vs3位対決となっている。 2025.01.06 17:17 Monマンチェスター・ユナイテッドの人気記事ランキング
1
「絶対に謝らない」ハーランド父に復讐したロイ・キーンが“報復”タックルを否定
マンチェスター・ユナイテッドのOBであるロイ・キーン氏が現役時代にアルフ=インゲ・ハーランド氏を負傷させたタックルについて語った。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えている。 キーン氏は、ハーランド氏がリーズ・ユナイテッドに在籍していた1997年にタックルを受けて前十字じん帯損傷の大ケガを負っていた。 しかし4年後、2001年4月21日に行われたマンチェスター・シティとの試合で、ハーランド氏の右ヒザに悪質なタックルを敢行。レッドカードが提示された後にファウルが意図的だったとコメントしたため、5試合の出場停止処分を受けていた。 なお、ハーランド氏はドルトムントに所属するノルウェー代表FWアーリング・ハーランドの実の父親だが、このタックルの影響もあり2年後の2003年に31歳で現役を引退している。 『スカイ・スポーツ』の番組内で、シティにも在籍した元イングランド代表DFマイカ・リチャーズ氏が、キーン氏に現役時代の後悔について質問。話の流れの中で、この件に言及した。 「言わせてもらっていいかな? サッカーのピッチでやったことで後悔したことは一度もない。一度もだ」 「聞いてほしい。私は退場になりチームを失望させた。私は人々と戦っていた。私はピッチの真ん中にいたんだ」 リチャーズ氏が「ハーランド氏を傷づけようとしたわけではないでしょう」と尋ねるとキーン氏はさらに続けた。 「違う。当然だ。だが選手を傷つけようとしたかと言われればそうだ」 「それについては絶対に謝らない。そして人々は私を痛めつけてきた。私は人生で選手をケガさせようとしたことはないが、選手を傷つけようとしたことはある」 「ピッチの真ん中でボールを取りに行けば、誰かが傷つくこと可能性は大いにある」 そう話したキーン氏は、最後に「(君は)私の精神科医みたいだ。胸のつかえが降りたよ」と語っている。 キーン氏は、ハーランド氏個人ではなく対戦相手の“選手”を狙ってのタックルであり、それについての後悔はないと考えているようだ。 <span class="paragraph-title">【動画】ロイ・キーンがハーランド父に繰り出した“悪質”タックル</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr"> <a href="https://twitter.com/hashtag/OnThisDay?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#OnThisDay</a> in 2001: Roy Keane committed a horror challenge when he studded Alf-Inge Haaland's knee.<a href="https://t.co/eX85rW9hhV">pic.twitter.com/eX85rW9hhV</a></p>— The Sportsman (@TheSportsman) <a href="https://twitter.com/TheSportsman/status/1252565333577269248?ref_src=twsrc%5Etfw">April 21, 2020</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.06.11 07:05 Fri2
フレッチャー氏の双子の息子がユナイテッドとプロ契約 シティのアカデミーから昨夏加入
マンチェスター・ユナイテッドがクラブOBの息子たちとプロ契約を交わしたようだ。 そのクラブOBとは元スコットランド代表MFのダレン・フレッシャー氏だ。ユナイテッドではアカデミー出身の選手として2003〜2015年まで活躍。当時のチームが華やかなメンツで彩られるなか、豊富な運動量と献身性をもってして中盤の主力としてプレーした。 そんなフレッシャー氏も40歳となり、古巣ユナイテッドのテクニカルディレクターを務める傍ら、私生活では大きく育った息子たちのパパ。双子のジャックとタイラーは昨夏にマンチェスター・シティのアカデミーからユナイテッドのアカデミーに移籍し、話題を集めた。 イギリス『デイリー・メール』によると、2人はユナイテッド入りして以来、印象的で、ジャックの方はエリク・テン・ハグ監督に好印象を与えてシニアチームの練習に急きょ参加したほど。今年3月19日が17歳の誕生日だった両者は揃ってプロ契約にサインしたという。 今季のシニアチームではマーカス・ラッシュフォード、スコット・マクトミネイ、アレハンドロ・ガルナチョに続き、アカデミー出身選手からコビー・メイヌーが台頭。ジャックとタイラーも父を追うように将来のシニアチームで活躍が期待されるが、いかに。 2024.04.04 13:15 Thu3
「ついに叶ったんだ」…デ・リフトが念願のユナイテッド移籍で決意 「次なる歴史の一翼に」
マンチェスター・ユナイテッドの新センターバックが加入後のインタビューでクラブ史に名を刻む活躍を誓った。 この夏はセンターバックのポジション強化が最優先事項だったユナイテッド。フランスの若き才能、レニー・ヨロに続いて、射止めたのがバイエルンの人員整理で売却候補に浮上していたマタイス・デ・リフトだった。 関心が明るみとなってから早々に個人合意の報も飛び出した後、クラブ間で綱引きが続いたが、基本金4500万ユーロ+アドオン500万ユーロの総額5000万ユーロ(約81億7000万円)で決着。13日に移籍が正式決定した。 この移籍を決意した理由は何だったのか。アヤックス時代に師事したエリク・テン・ハグ監督と再会できるのが1つの魅力だったことだろうが、プロジェクト面に共感したのもあったようだ。 「このプロジェクトを本当に気に入っている。どこかに行って、自分が新しいプロジェクトの一部であり、何かしら新しいものの一部であるを感じられるのはいつだって良いこととだ」 「僕だけじゃなく、この夏にやってくる選手たちもマンチェスター・ユナイテッドの次なる歴史の素晴らしいピースとなり、クラブが本来いるべき場所、つまりトップに戻せたらと思う」 「その上、アメージングなクラブだし、世界でも指折りのビッグクラブ。素晴らしい歴史に多くの素晴らしい選手、素晴らしいDFがいる」 「本当にワクワクするよ。実のところ、長いこと待っていた! 休暇中もずっと契約成立のメッセージを待っていたし、ついにそれが叶ったんだ。だから、スタートを切るのが楽しみだ」 また、クリスティアーノ・ロナウドをはじめ、同胞のエドウィン・ファン・デル・サールらを挙げながら、クラブの歴史を振り返りつつ、自身にとっても挑戦となるこの移籍に高揚した。 「イングランドで、世界有数のビッグクラブで、世界最大のリーグで、こういう可能性があるのは素晴らしい挑戦になる。僕にとって、新しい挑戦が原動力だし、チャレンジが好きなんだ」 「このチャンスをもらって、このレベルでプレーし、トロフィーに貢献できるなんて素晴らしいことだ。マンチェスター・ユナイテッドの次なる歴史の一翼を担えたらと思う」 アヤックスを出てから、ユベントス、バイエルンを渡り歩き、このたびからユナイテッドに舞台を移したデ・リフト。アヤックスから移籍後はやや伸び悩みの印象もあるキャリアだが、ユナイテッドで地位を築き、それも払拭したいところだ。 <span class="paragraph-title">【動画】デ・リフトが同じく新加入のマズラウィとともにユナイテッドのトレーニングに合流</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="WW5O8pkXprQ";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.08.16 14:05 Fri4
“ポピー”を着けられないマティッチがユナイテッド浮上のカギ/編集部コラム
▽日本名では「虞美人草(ぐびじんそう)」や「雛芥子(ひなげし)」と呼ばれる可憐な花。ヨーロッパ原産のケシ科の植物は「ポピー」の名で知られている。 ▽プレミアリーグを観る方やこの時期にイギリスへ行ったことがある方は、ユニフォームや監督の胸元に「ポピー」の花が飾られるのを目にしたことがあるだろう。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181106matic_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽11月11日は、イギリスでは“Remembrance Day(リメンブランス・デイ)”という記念日である。1918年11月11日の11時に第一次世界大戦の戦闘が集結し、イギリス国王のジョージ5世が定めた記念日。「戦没者追悼の日」とも言われ、今年で100年を迎えることになる。 ▽この日が近づくと、プレミアリーグのピッチには多くのポピーの花が咲く。日本で言うところの、「赤い羽根」に近いだろうか。選手たちだけでなく、一般の方も地下鉄の駅などでは募金をするとポピーの花がもらえるのだ。 ▽そんな中、週末に行われたプレミアリーグでは1人の選手の胸にポピーの花がなかった。それは、マンチェスター・ユナイテッドに所属するセルビア代表MFネマニャ・マティッチだ。 ▽かつてはチェルシーでプレーしたマティッチは、2017-18シーズンからかつての師であるジョゼ・モウリーニョ監督の下でプレーしている。そのマティッチは、3日に行われたボーンマス戦に先発出場。90分間プレーした。 ▽ユナイテッドの中盤を支えるマティッチだが、イギリスで通例となっているポピーの花をユニフォームにつけない理由がある。それは、自身が少年期に経験した戦争を思い出してしまうからだという。自身のインスタグラム(nemanjamatic)で明かした。 「僕にとっては、1999年にセルビアの爆撃によって母国が荒廃していた。個人的には、恐怖を抱いた12歳の少年のように、ヴレロに住んでいるような個人的な感情を思い出してしまうんだ」 ▽マティッチの故郷は、旧ユーゴスラビアのシャバツ。現在のセルビア西部に位置する都市だ。旧ユーゴスラビアでは、1998年からコソボ紛争が勃発。そして、翌1999年にNATO軍によって空爆が行なわれた。 ▽第一次世界大戦の終結を記念して定められた“リメンブランス・デイ”。そして、戦没者の象徴とされる「ポピー」を身につけることは、空爆を体験をしているマティッチには難しいことのようだ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181106matic_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽チェルシー同様に、ユナイテッドでもフィルター役を務めるマティッチ。鋭いタックルで相手を封じ、バイタルエリアで壁となるマティッチは、気の利いたプレーでチームを支える。そして、そのプレースタイル同様に、自身の考えを押し付けることはなかった。 「人々がなぜポピーを身につけているのかは十分に理解している。僕はみなさんの権利を完全に尊重するし、紛争のために愛する人を失った人には同情する」 ▽マティッチは、自身が「ポピー」を身につけていない理由を明かす前に、しっかりと戦没者へと敬意を払った。それもまた、空爆を経験しているからだろう。戦争で愛する人を失った人々の悲しみを理解しているからだ。そして続けた。 「これまで僕が行ってきたことを考えると、ユニフォームにポピーを着けることが正しいとは思わない」 「イギリスの誇りの象徴であるポピーを傷つけたり、誰かを怒らせたりはしたくない。ただ、僕たちはそれぞれの育ち方をしているし、示した通り、僕個人の選択だ」 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181106matic_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽誠実に、そして自身の考えをしっかりと説明したマティッチ。その投稿には、多くの反応があり、誠実な対応をしたマティッチへの称賛のコメントも残されている。 ▽マティッチといえば、決して裕福ではない故郷のヴレロでも英雄的な存在。地元の小学校に修繕費を支援したり、苦しんでいる人々の借金を肩代わりしたり、「いたわり」「思いやり」の心をもって活動を行なっている。 ▽苦しいシーズンスタートとなったユナイテッドだが、モウリーニョ監督の腹心であるマティッチの誠実さ、思いやりのあるプレーは、チームに安定感をもたらせ、必ずやチームを浮上させるカギとなるだろう。そして、マティッチもそれを望んでいるようだ。 「僕が説明した理由をみんなが理解してくれることを願っている。そして、僕はこの先に待つ試合でチームをサポートすることに集中できる」 ▽「ポピー」の花言葉は「いたわり」「思いやり」。さながら、中盤でチームのバランスを取りながらプレーし、相手のことを考えて行動し、多くの支持を受けるマティッチを表しているようだ。「ポピー」を着けられなくとも、その心にはポピーの花が咲いているのかもしれない。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.11.06 21:30 Tue5
