16年ぶりJ1での東京ダービーに挑む東京Vの城福浩監督…「何を目指しているかを示す」、「大きな自信を持てるような試合に」

2024.04.12 19:20 Fri
古巣とのダービーに臨む城福浩監督
©超ワールドサッカー
古巣とのダービーに臨む城福浩監督
東京ヴェルディ城福浩監督が、16年ぶりに実現したJ1での東京ダービーへの思いを語った。

昨シーズンのJ2リーグを3位でフィニッシュし、昇格プレーオフを制して16年ぶりのJ1昇格を果たした東京V。
その久々のJ1の舞台では、1993年のJリーグ開幕戦と同じ横浜F・マリノスとの国立開催での“クラシコ”となった開幕戦が5万3000人以上の観客を集めるなど、序盤戦から大きな注目を集めている。

そういった中、ここまで1勝4分け2敗の16位に位置する昇格組は、13日に味の素スタジアムで開催される明治安田J1リーグ第8節で7位のFC東京との東京ダービーに臨む。

昨年7月12日に行われた天皇杯3回戦でのダービーに際して、「同じリーグで戦うのがキラーコンテンツになる」と語り、PK戦の末に敗れた際にはJ1でのリベンジを誓っていた城福監督。
その言葉通りにチームを昇格に導き、リベンジの舞台を整えた百戦錬磨の指揮官は、奇しくも自身が対戦相手を指揮した2008年以来、16年ぶりのJ1でのダービーへの強い思いを語った。

11日にクラブハウスで行われた会見に出席した城福監督は、昨年の天皇杯での対戦を踏まえた上で、「劇場」、「シアター」と形容する、J1での“本物”のダービーへ意気込む。

「去年のあの天皇杯で、ダービーというものを垣間見たという言い方が正しいと思いますが、平日のナイターで、天皇杯でという中であれだけの熱気を感じられた。これが同じリーグで本物のと言い方がいいかどうかはわかりませんが、ダービーを戦ったときにどんな感じになるのかというのは、ある意味みんなが少し覚悟ができたという言い方がいいか、心の準備ができた状態で、J1でのダービーを迎えられるというのは本当に嬉しいことです」

「それは選手だけでなく、おそらくクラブにとっても初めて経験する人間がほとんどだと思います。あの熱量の中で、いわゆる劇場というか、シアターというか、そういう状況の中で試合ができる。そういうダービーがあるということを、クラブとして選手として感じられるのは本当に幸せなことだと思いますし、この一戦を大事にしたいなと思います」

FC東京の立ち上げから参画し、2度のトップチームの指揮官を務めた63歳の指揮官は、2022年6月にクラブからの2度目のオファーを受け入れる形でライバルである東京Vの監督に就任。

「自分にとってリスクしかなかった」と強い覚悟を持って緑の名門の復権の仕事に就いたことを語っており、その中で実現させた古巣とのJ1でのダービーに向けて、さまざまな想いを抱いていることは想像に難くない。

ただ、「自分のことや私情を試合に挟むつもりは全くない」と、あくまで東京Vの指揮官として「自分たちが何を目指しているかというのを示す試合にしたい」と語っている。

「とにかく大事な試合であることは間違いないですけど、だからこそ、自分たちが何を目指しているかというのを示す試合にしなければいけない。それはもちろん開幕戦もそうですし、毎試合そうですが、注目をしてくださる方、熱量を持って応援してくださる方が多ければ多いほど、我々がどういうサッカーをするのか、何を目指しているのかを、そこでこそ示して自分たちの歩む道というものに自信を得たいというか、そういうターニングポイントになるぐらい大きな自信を持てるような試合にしたいと思います」

一方で、「キラーコンテンツになり得る」と語ってきた東京ダービーについて、誰よりもその複雑なバックグラウンド、重要性を知り抜く指揮官は、「東京ダービーのあの熱量というのを、今のサッカーファに感じてほしい」と改めてその価値、魅力について発信した。

「もちろん他にもダービーと言われるようなカードというのはありますし、そこと比較するというのは意味のないこと。ただひとつ言えるのは、東京ダービーというのは、歴史的に見てというか、チームの成り立ちというか、そのプロセスを見ても、ある意味対極にあるという言い方がいいか、お互いがお互いをものすごく意識した中で、クラブを作ってきている。そういう状況だと思います」

「それを支えるサポーターもそれを認識しながら、Jリーグの歴史の中で、この空間を作ってきたと思うので、あの空気感というのは、やっぱりあの場にいないとわからないもので、東京ダービーのあの熱量というのを、ぜひ今のサッカーファンというか、サッカーに関わる方に感じてほしいですし、それが試合の内容も含めて価値のあるものにできれば、東京ダービーというものを、より世の中の人が注目してもらえることになると思います」

「もちろん、FC東京とヴェルディのファンの方以外でも、あるいはサッカー界以外でも、サッカーにこんな熱量の多い試合がある、こういう空間があるということを発信できる可能性があると思う。そういう試合にしたいと思います」

その熱いダービーを共に作り上げる対戦相手については、「経験豊富で個人のレベルの高い成熟した選手たちと、若い選手たちというのが、ここ何試合かで融合してきた」、「ものすごくバランスの良いチーム」とその印象を語る。

さらに、自身と共に2008年のダービーを唯一知る選手である教え子のDF長友佑都にも言及。昨年の天皇杯での対戦後には、「絶対J1に上がって戦うから、お前も絶対にやれよ」とダービーでの再会を約束していた。

結果的に現役続行を決断し、先日には日本代表にも返り咲くなど健在ぶりを示す37歳DFとの当時のやり取りについて城福監督は、「今から考えると失礼だった」、「改めて大したものだな」と、教え子に対して敬意を示した。

「今にして思えば、彼は4回ワールドカップに出場して、終わった後だったですし、いろんなものを成し得た選手なので、プレーヤーとして続けるという以外のこともあるのかもしれないと、僕の方の想像でした」

「もちろん本当のところはわからなかったですけど、『いやいや、お前まだ東京ダービーをやる。まだやることがあるでしょ』という意味で、だから『待っててくれよ』というふうに言ったのは、今から考えると、失礼というか、彼はプレーヤーとして続ける。あの年齢で、あれだけのことを成し遂げて、続けること自体は大変なことですけど、それは彼自身が決断をして、しかも試合に出て、しかも代表に選ばれてという意味では、改めて大したものだなと思います」

「2008年に同じチームメイト(監督と選手)として東京ダービーを戦った以来で言えば、あの場にいたのは自分と長友佑都だけなので、そういう意味で感慨深いものがあるし、改めて彼はすごいなと思います」

「彼が自分で求めているものであるとか、サッカーに向き合う姿勢であるとか、それがあるからこそ、それがおそらくはトップトップのレベルにあるからこそ、今の彼があると思います。それをやり続けてきたということだと思いますし、Jリーグの世界だけではなくて、スポーツに携わる、スポーツを生業としようとする人たちの目標であり続けているというのは、自分も尊敬していますし、1年でも長くやってほしい。今度の試合も、彼らしいプレーというのは、ある意味楽しみです」

最後に、勝利と共に“戦う”ことが強調される重要な一戦に向けてはあくまでチャレンジャーとして自分たちらしい戦いで勝利を掴みたいと意気込みを語った。

「お互いが負けられないという思いでやると思うので、そこ(球際)の激しさというのは増すだろうなと。それは来てくださる両チームのサポーター含めて作り出すものですし、だからこそレベルが上がってしかるべきだなと思います」

「あとは、個の戦いプラス自分たちが追い求めるものというのを、恐れずに突き詰め続けるというチャレンジが大事で、僕らは次のFC東京に対してもそうですし、このリーグにおいてもチャレンジャー以外の何者でもないので、我々が追い求めるものはチャレンジし続ける中で、当たり前だけど局面は戦う。これをやるのみですし、それをキックオフからやって、力尽きて、次の選手にバトンを渡していくというサイクルを、高いレベルでやり切るのみ」

「とにかく我々はチャレンジャーとして自分たちの目指すものを示す。それを見に来てくれた方に、サッカー界に示すんだという、この強い思いを選手にもうまく伝えて送り出したいです」

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東京Vのサイド牽引する翁長聖、次節柏戦へ「立ち位置の優位性の握り合い」、「スピーディーな攻撃の中でクオリティの高い選手が揃っている」

東京ヴェルディのサイドを牽引する29歳MFが、ここにきてさらに存在感を高めている。 昨シーズンの明治安田J2リーグでFC町田ゼルビアの優勝に貢献したMF翁長聖は、今シーズンから同じ昇格組である東京Vへ完全移籍。その新天地ではここまでリーグ戦27試合に出場し、2ゴール1アシストを記録。左右のサイドバックにサイドハーフ、現在は左ウイングバックを主戦場にサイドの職人としてチームを支える。 ホームの名古屋グランパス戦での芸術的なループシュート、アウェイのサガン鳥栖戦での体を張ったスーパークリアという印象的なプレーに加え、無尽蔵のスタミナを活かした攻守両面のハードワーク、若手の多いチームにおいてポジティブな声掛けなど、ここまでの貢献度の高さはチームトップクラスだ。 前節、鹿島アントラーズを2-1で破り、4試合ぶりの得点と共に勝利を挙げた一戦においても、相手の攻撃のキーマンの一人である右サイドバックのDF濃野公人を周囲との密な連携で封じ込め、積極的に高い位置を取ってマッチアップ相手の背後を突いて攻撃に厚みを加えた。 翁長は「相手の配置を考えれば、ああいった戦い方になるのは当然そうなるとわかっていましたけど、特に濃野選手だからというわけではなくて、いろいろとコミュニケーションを取れれば、(谷口)栄斗や(齋藤)功佑、(森田)晃樹と山見と周囲の選手とコミュニケーションが取れれば、大丈夫かなと思っていました」と、対鹿島や対濃野という部分は意識しなかったものの、チームとしてしっかりと整理した戦い方ができたと前節を振り返った。 ちなみに、その鹿島戦で殊勲の2ゴールを挙げた山見は今シーズンから本格的にウエイトトレーニングを始めたことを明かしていたが、そのきっかけを作ったのは翁長だった。 プレシーズンの時期に江尻篤彦強化部長が、非常にストイックな振る舞いを獲得の一因と語っていた29歳MFは、キャンプや普段のトレーニングにおいても、そのストイックさを窺わせる姿を見せてきたが、翁長自身は「自分1人ではやめてしまう」とその周囲からの見方を謙遜と共に否定。そして、山見を誘った意外な経緯を明かしてくれた。 「(筋トレは)1人ではできないので。個人的に1人でずっと筋トレやっているのはなんかちょっと気持ち悪い感じなので…。ジョギングとかは別にいいんですけど、1人でトレーニングルームで汗かきながらというのは、なんか気持ち悪い感じじゃないですか(笑)」 「あとは自分1人だと『もういいや』という感じでやめてしまうので、それはどこのチームでもそうですけど、大体チームメイトで筋トレをやらなそうなやつを捕まえて一緒にやっています。町田のときも一緒にやっていましたし、大宮でもやっていたと思います」 「こいつ筋トレ嫌いそうだなというやつを誘って一緒にやるのは好きですね。自分も似たような感じで、誰かいなかったらやらないと思うので…」 徹底された日々のコンディション調整に関しても「こだわりがないだけで、自分で思ったことをやっている」と語る翁長だが、東京V加入後から能城裕哉コンディショニングコーチのアドバイスによって試合後のウエイトトレーニングを新たに取り入れたという。その効果については「わからない」としながらも、シーズン序盤に比べて対人戦において力強さを増した印象もあり、日々のひたむきな努力は着実にパフォーマンスに結びついているはずだ。 チームは5月に行われた第16節のヴィッセル神戸戦後、[4-4-2]から[3-4-2-1]に変更した中、FW木村勇大、FW染野唯月の両エースの得点ペースの鈍化と共に、主にミラーゲームの試合ではウイングバックの攻撃参加を効果的に使えない状況が続いたが、この鹿島戦と前々節のFC東京戦では4バックの相手にミスマッチを活かせただけでなく、チームとして攻撃の形が整理された印象だ。 翁長は「ミラーゲームが今まで多かった中で、サイドバックとサイドハーフの[4-4-2]の相手のときに、そこは相手も同じですけど自分たちの立ち位置で両方とも優位性の取れる配置だと思うので、そこの鍵の握り合いかなとはいつも思っています」と、現状の戦いにおいて4バックの相手に対してミスマッチの優位を活かせていると感じている。 一方、城福浩監督は同じ質問に対して、ウイングバックに入る各選手の立ち位置の改善に加え、中盤の底でボールの循環の基準を担う“へそ”の位置をうまく使えている相乗効果があると説明。今後の戦いに向け、チームの課題であるクロスからのチャンスメイク、得点をより増やしていけると考えている。 「基本的にこのシステムで言えば、ウイングバックが幅を取る役目になると思いますが、その幅を取る高さが大事で、高ければ高いほどいいかというと、高く取るとそのぶんボールを受けづらいタイミングのようなシチュエーションもあるので、高いポジションを意識しながらもいつ引いてくるかと、そこで起点になるかというところのポジションを取るタイミングというのはどの選手も理解してきたのかなと思います」 「もうひとつは、幅を取るということは、相手がそれに対応してきたら中が空く。我々の言うところの“へそ”がうまく使えていれば、さらにウイングバックが活きる。ウイングバックが活きているということは、へそをうまく使えているということにもなる。そうすると相手はどちらを抑えればいいのかがわからなくなる。この状況をもっと長い時間作り出せると、さらにウイングバックがより高い位置でプレーできるようになるのかなと。ウイングバックからのクロスを逆サイドのウイングバックが押し込むような展開というのは、この前もそれに近い展開があったと思いますけど、もっともっと作り出していけるのかなと思います」 鹿島戦の勝利で降格圏との勝ち点差を「10」に広げ、10位に浮上した東京Vは31日に三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第29節の柏レイソル戦で約3カ月ぶりのリーグ連勝を狙う。 その一戦に向けて翁長は「スピーディーな攻撃の中で個人のクオリティの高い選手が揃っていて、そこは注意しないといけない」と、FW細谷真大、MFマテウス・サヴィオが牽引する相手の攻撃を警戒しつつ、目の前の試合での勝利を誓った。 1-1のドローに終わった前回対戦では後半アディショナルタイムの途中出場となった翁長だが、今回の一戦ではマッチアップが予想されるMF山田雄士、MF島村拓弥らを抑え込みながら、DF関根大輝、DF古賀太陽らが不在となる相手ディフェンスラインを揺さぶる攻撃面の仕事を期待したいところだ。 2024.08.30 15:15 Fri
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「結果を残せて良かった」鹿島撃破する殊勲2発の山見大登…東京V指揮官は「今まで彼の頭の中の辞書にはなかった」と地味な貢献を称える

東京ヴェルディのFW山見大登が、チームに4試合ぶりの得点と勝利をもたらす殊勲の働きを見せた。 東京Vは25日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第28節の鹿島アントラーズ戦を2-1で勝利した。 直近3試合連続無得点で1分け2敗と苦境に立つ昇格組は、4試合ぶりの白星を目指して3位の鹿島を迎え撃った。 前回対戦では0-3から3点差を追いつく劇的ドローに持ち込んだものの、今季いずれもシーズンダブルを喫したサンフレッチェ広島、FC町田ゼルビアと同様に力の差を感じさせられた相手に苦戦必至とみられた。 しかし、蓋を開けてみれば、球際の勝負で互角以上に渡り合った上、中央をしっかり絞めて攻撃的な相手サイドバックの背後を狙ったカウンターが機能。自分たちのペースで試合を進めた。 ただ、攻守に圧倒しながらも0-0のドローに終わった前節のFC東京戦同様に肝心のゴールにはあと一押しが足りない状況だった。 そんななか、苦境のチームを救ったのが、ヴェルディ伝統の背番号11を着用する快速アタッカー。 前半から再三の鋭い突破で攻撃の起点となっていた山見は63分、直前の交代で[3-4-2-1]の右シャドーにポジションを移していたなか、3バックの右に入ったMF綱島悠斗の意表を突く持ち上がりからのスルーパスに抜け出し、ボックス右からニア上を射抜く豪快なシュートで待望の先制点を奪取。 さらに、75分にはMF齋藤功佑のミドルシュートをGK早川友基がファインセーブではじいたこぼれ球を冷静に押し込んで追加点を記録。その後、攻守に渡るハードワークによって足が攣ってしまい、82分に途中交代となったが、鹿島の反撃をFW鈴木優磨のPKによる1点に抑え込んだチームは、上位相手に4試合ぶりの白星を挙げた。 同試合後、殊勲の“緑の稲妻”は「両方とも決めて当たり前ぐらいのドフリーだった」と謙遜しながらも、前線の選手として3試合連続無得点の責任を痛感していたなかでの勝利を喜んだ。 「勝ちが取れていなかったですし、ダービーではああいう自分たちのいい流れのなかで無得点に終わってしまったというのは、前線の責任だと思っていた。それが今節こういう形で結果を残せてすごくよかったです」 奇しくも東京VにとってJ1通算800点目のメモリアルゴールとなった先制点はチームとしての狙いに加え、ブラジル人守護神からのアドバイスが生きた。 「自分は左でも右でもシュートまで行くことができると思うので、それがうまく形にできた。こっちは5バックでやっているので、相手の4バックは自分たちのシャドーとかウイングバックのところを掴みにくいと思うので、うまくその間を使えたかなという感じです」 「前の試合で(FC東京の)野澤大志ブランドン選手に止められたときに、ああいう形になったときにキーパーはファーに飛びやすいからニアは空いているよと、マテウスに試合が終わってから言われました」 2点目の場面は一見すると、うまくこぼれてきたボールを押し込む“ごっつぁんゴール”のようにも見えたが、山見自身は城福浩監督がチームに要求するファンダメンタルな部分を体現したものだったとその価値を主張する。 「相手が準備していなかったからこそ、(齋藤)功佑くんがああいうふうな形でシュートまで持って行けたと思いますし、相手はキーパーが取って当たり前だろうという気持ちがあったからこそ、自分の方が安西選手の前に入れたと思うので、そういう準備のところを怠らずにできたことが2点目につながったと思います」 この一戦では得点以外の場面でも切れ味鋭い仕掛けで鹿島の脅威となり、「攻撃のところは自分のやりたいことを好きなようにできた」と自身のパフォーマンスに満足感を示した山見。その一方で、「守備の部分では前半最後の方は少しやられてしまったので、そこのところを改善していけたらと思います」と、チームプレーヤーとして反省の弁も述べた。 その姿勢を見ると、東京V加入後から城福監督や森下仁志コーチらコーチ陣から口酸っぱく指摘され続け、山見自身もスタメンでプレーする上で何よりも重要なハードワーク、守備の貢献という部分が体にしっかりと染み込んでいることを窺わせる。 城福監督も試合後の会見で、山見の攻撃面での貢献に関して“これぐらいはやれる”というような反応を示した一方、守備面での細かなプレーをピックアップし、その成長を称えた。 「今日も地味ではありますが、相手のセンターバックのフィードをしっかり中を締めて自分の外側にボールを出させて、そこからプレッシャーに行くとか、今までの彼の頭の中の辞書にはなかったというか、それを表現できなかったことが、ゲームのなかでそれを表現しながら攻撃の良さを出す。そうやってピッチに立つ時間が長くなる」 「ピッチに立つ時間が長くなれば、自ずとチャンスが増えるわけで、彼がそれを一つ一つの歩みとして自分のなかで確かめながら、今前に進んでいるのではないかなと思います。それには誰も気づかないような地味なプレーからいつもスタートするということは忘れないでやってほしいなと思います」 妥協を許さない指揮官の下で磨きをかけ続けるハードワークに、現在のスカッドで随一の局面打開力、今季6ゴールと数字面でも存在感を示し始めた背番号11は、残り試合において昇格組の浮沈のカギを握る重要な存在となりそうだ。 <span class="paragraph-title">【動画】山見大登が2得点! 豪快な一発で均衡破る</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>この笑顔が見たかった<br>\<a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%B6%B1%E5%B3%B6%E6%82%A0%E6%96%97?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#綱島悠斗</a> ドリブル突破から見事なラストパス<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%B1%B1%E8%A6%8B%E5%A4%A7%E7%99%BB?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#山見大登</a> 豪快すぎる右足ゴール<br><br>明治安田J1リーグ第28節<br>東京V×鹿島<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E4%BA%ACV%E9%B9%BF%E5%B3%B6?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#東京V鹿島</a><br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> &DAZN Freemiumで配信中<br>無料視聴はこちら<a href="https://t.co/aLxvTmOujJ">https://t.co/aLxvTmOujJ</a> <a href="https://t.co/jJqxvMiL8x">pic.twitter.com/jJqxvMiL8x</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1827655462155673948?ref_src=twsrc%5Etfw">August 25, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.08.26 07:02 Mon
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【J1注目プレビュー|第28節:東京Vvs鹿島】オリジナル10対決! 3選手が起用できない東京V、消耗激しい鹿島と激突

【明治安田J1リーグ第28節】 2024年8月25日(日) 18:00キックオフ 東京ヴェルディ(12位/35pt) vs 鹿島アントラーズ(3位/48pt) [味の素スタジアム] <span class="paragraph-subtitle">◆3選手不在、4試合ぶり勝利を【東京ヴェルディ】</span> 前半戦は粘り強さを見せていた東京Vだが、後半戦に入り苦戦。8試合を終えて2勝2分け4敗と負けが混んできた。 直近3試合は1分け2敗。特に後半戦に入りゴールが奪えなくなっているのが課題だ。それでも今季初の連敗をダービーでストップできたことをキッカケにしたいが、今節は別の試練を迎える。 鹿島から3選手が期限付きでプレーしている東京V。チームの守備を支えてきた林尚輝、そして夏に加入した松村優太が契約上の理由で出場不可に。さらに、元々出場できない染野唯月も出場停止となった。 交代選手も含めてカードが限られる中、チーム一丸となって乗り越えられるか。前半戦では3点差を追い付いての引き分けとなったが、今節も粘り強く戦いたい。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:マテウス DF:宮原和也、千田海人、谷口栄斗 MF:松橋優安、齋藤功佑、森田晃樹、翁長聖 FW:山田楓喜、木村勇大、山見大登 監督:城福浩 出場停止:染野唯月 契約上出場不可:林尚輝、松村優太 <spanclass="paragraph-subtitle">◆3試合ぶり勝利で町田追走へ【鹿島アントラーズ】</span> 前節はホームに浦和レッズを迎えた中、熱のこもった試合は0-0のゴールレスドローとなった。 アウェイでジュビロ磐田に負けていた中、勝利が欲しかった一戦では引き分け止まり。ただ、悲観するような内容ではなかった。 チームとして気がかりなのはミッドウィークに天皇杯を戦ったこと。ヴァンフォーレ甲府との試合では主力がプレーしており、雨の中苦しんだ末になんとか勝利した。疲労は気になるが、勢いにも乗れたはずだ。 攻撃陣は想定より長い出場時間に、そして守備陣はフル出場をしており、しっかりと準備期間を設けられた東京Vとの差があることは間違いない。固定してメンバーを戦ってきた鹿島に重くのしかかる可能性があるが、優勝を果たすためには勝利以外はない。 ★予想スタメン[4-2-3-1] GK:早川友基 DF:濃野公人、植田直通、関川郁万、安西幸輝 MF:知念慶、柴崎岳 MF:師岡柊生、名古新太郎、仲間隼斗 FW:鈴木優磨 監督:ランコ・ポポヴィッチ 2024.08.25 10:15 Sun

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東京Vから期限付き移籍でJFLのヴェルスパ大分へ…宮本優25歳の苦悩と誓い「試合に出て活躍しないといけない」

ヴェルスパ大分のDF宮本優(25)が活躍を誓う。 1日、日本フットボールリーグ(JFL)第18節の高知ユナイテッドSCvsヴェルスパ大分が行われ、アウェイのV大分が0-1と勝利。敵地で首位を叩き、3連勝で4位をキープした。 東京ヴェルディからV大分へ期限付き移籍中のDF宮本は、1点リードの75分に途中出場し、試合のシャットアウトに貢献。昨季のレンタル先であった高知を封じ、チームとしても後半被シュートゼロという会心の勝利である。 宮本は自身のプレーを振り返り、「僕のタスクはまず『守り切る』ということ、隙あらば攻撃に持っていくということ。追加点はなかったけど、ゼロに抑えて勝ててホッとしました。相手も古巣の高知でしたし」と安堵する。 一方で実は宮本、今回が第18節にしてリーグ戦出場2試合目であり、ここまでは第12節で90+1分から途中出場したのみ。J3リーグ入会へ戦績面で好位置につけるチームの中、順風満帆でこの日を迎えたわけではない。 「JFLは能力の高い選手も多くて、自分の未熟さを感じます。ヴェルスパはJFLで以前から力があるクラブですし、僕はスタメンの座をとりたいけど、とれていない状況。素晴らしいクラブに入れたぶん、色んなものを吸収したいのですが、同時に試行錯誤も続いています」 「(保有元)ヴェルディは勢いがスゴいですね。J1でもしっかり、臆することなく、上位チームに勝つ試合をやっている印象です。僕は今もヴェルディの試合を全てチェックしていて、そこから刺激を貰う反面、やっぱり自分との差があるな…っていうのが正直なところです」 「それでも、ヴェルディにもヴェルスパにも所属している責任がありますし、人の目だってある。自分自身に“芯”をもって、試合に出て活躍できるようにしないといけない。今季残りの試合も頑張っていきたいです」 また、この日ホームに1万1085人を動員した“古巣”高知について尋ねてみると、「サッカーの底力というか…サッカーを通してここまで人が集まる、人に影響を与える、人を感動させられる…昨季はそこまでだった『高知の底力』みたいなものを感じました」と感慨深げ。 「ここまでの(首位高知の)戦績があって、多くの人たちを惹きつけた結果が、今日の観客席の光景なんだと思います」 「素晴らしいことですし、いち選手としてそういった雰囲気を作ることができる…僕もヴェルスパで結果を残したい。僕はもう高知の一員じゃないけど、なんだか嬉しかったですね」 中断期間明け初戦で加入後リーグ戦最長のプレータイム、古巣からも少なからず刺激を貰った様子の宮本。まっすぐに選手キャリアを歩む25歳は、ヴェルスパファンに後半戦の活躍を誓う。 「今日なんかも、直線距離で大分と高知はそこまで遠くないけど、必ずしもアクセスが良いわけではありません。それでも今日のように、アウェイでも毎試合来てくれる方々が、僕ら選手たちのチカラになっています」 「僕らもJ3昇格という目標があって、ファンの方々と一緒に突き進んでいます。少しでも多くの方に試合へ来てもらって、一緒に喜び合えるよう、全力プレーで表現していきます」 ◇JFL第19節 9月7日(土) 16:30キックオフ (H)ヴェルスパ大分 vs クリアソン新宿(A) レゾナックサッカー・ラグビー場 Aコート ◇DF23宮本優 1999年5月17日生まれ。熊本県出身。法政大学から2022年に東京ヴェルディへ入団。ルーキーイヤーのJ2リーグ出場9試合から、昨季は高知ユナイテッドSC、今季はヴェルスパ大分と、2年連続でJFLへ武者修行している。 2024.09.02 17:00 Mon
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「魂を見せてくれた」柏に泥臭く勝ち切った東京Vは勝ち点40超え…城福監督「残留はこのクラブで絶対的に与えられた使命」

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「いい悩ましさが出てきた」…約3カ月ぶり連勝狙う東京V、城福監督は「Jリーグ屈指」と語る柏の司令塔を警戒

東京ヴェルディの城福浩監督が、31日に三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第29節の柏レイソル戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、鹿島アントラーズとのホームゲームを2-1で制し、4試合ぶりの得点と共に中断明け初白星となる4試合ぶりの勝利を挙げた。これにより、降格圏との勝ち点差を「10」に広げ、今節の結果次第では今シーズン最上位となる7位まで順位を上げる可能性も出てきた。 DF林尚輝、MF松村優太、FW染野唯月(累積警告で出場停止)と鹿島から期限付き移籍加入中の主力3選手を契約の影響で起用できなかった中、「バトンの受け渡しが、今シーズンのなかでも本当に高いレベルを示せた」と試合後に振り返った総力戦での勝利の価値を改めて強調。 「その前も3試合勝っていなかったですが、手応えはあったけれども勝ちに繋げられていないという状況は、何かが足りないわけです。何かが足りないものを足していく作業と、鹿島の良さを出させないという作業と、この両方を先発で出た選手と、途中から出た選手が高い意識を持ってやったことで勝ち点3が取れたと思います」 「我々のやり方を何か変えたわけではなくて、前の試合で出た課題に取り組みながら、我々がやろうとしていることをやり抜くと、その延長線上に勝利があるんだということを実感できたことがすごくよかった」 個人の部分では2ゴールの活躍でチームを勝利に導いたFW山見大登、3バックの右での起用となった中で果敢な持ち出しで先制点をお膳立てしたMF綱島悠斗と、シーズン序盤はバックアッパーという位置付けながら、日々の過酷なトレーニングによって大きな進化を遂げた選手たちの充実ぶりが目を引く。 その点について問われた指揮官は、森下仁志コーチを中心に若手や控え選手の課題克服を目的とした“エクストラ”と呼ばれる居残りのトレーニングの効果を挙げている。 「我々にとって全体練習が終わった後の“エクストラ”というのは、基本的には非常に厳しいゲーム形式のトレーニングをやりますが、ほぼオールアウトするようなぐらい追い込んだ中で、ポジショニングであったり、判断というのを要求する。そういうトレーニングをメンバーをチョイスして、コンディションを見ながらやっています」 鹿島戦の先制点に繋がった山見の絶妙な抜け出しからのスムーズなボールコントロール、冷静にニア上へ突き刺したフィニッシュワークもそういった日々の取り組みが実った。 「前線の選手、2列目よりも前の選手はシュート練習を、どんなに厳しいトレーニングをした後でも、最後にルーティンとして持っていますが、我々はそこにも手を入れて、ただ単に気持ちよく止めて蹴るだけでは試合に繋がらないという意味で、森下コーチが強いパスを出しそこにコントロールをして、点で合わせるようなパスをコントロールしてシュートを打つという、少し刺激を入れてくれている」 「まさに山見の点もハイスピードの中でコントロールをして、しっかりコースに打ち抜いたという意味では、ゴール前でフリーになるとしても強いパスと、ミスのないコントロールがない限り足を振らせてもらえないので、そういうエクストラの中のエクストラも目的意識を持って今年はやっているので、ああいう得点が生まれると、さらに(練習の)最後の最後までみんなが意味を持ちながらやってくれるのではないかなと思います」 DF谷口栄斗を累積警告による出場停止で欠くものの、柏戦に向けては保有元相手に躍動感あるパフォーマンスで勝利を挙げたチームに大きな刺激を受けた前述の3選手がメンバー選考に戻り、よりハイレベルなポジション争いが繰り広げられる。 「非常に意識の高い練習ができた」と今週のトレーニングへの手応えを語った城福監督は、「いい悩ましさが出てきた」と18名のメンバー選考に嬉しい悲鳴を上げる。 「レンタルの選手が普段試合に出ている中、その選手たちが出られないという意味では、その前の週からチャンスを掴みたい選手たちは意欲に溢れていたと思いますし、それで勝ち点3をつかみ取った」 「次に誰が出るんだという意味で、選手がやれることは練習場で見せることしかないですし、我々もチームを成長させるためにはピッチの上でしかないので、いい相乗効果というか、非常に意識の高い練習が今週もできたなと。(メンバーの)チョイスに関しては最後の最後まで考えたいと思いますけど、全員が試合に対する意欲を出して練習に取り組んでくれているので、むしろいい悩ましさが出てきたなという感触」 そういった充実を感じながら臨む今回のアウェイゲームでは6月初旬以来、今季3度目のリーグ連勝を目指す。 前回対戦で1-1と引き分けた柏は勝ち点5差で16位と苦しい戦いが続いているが、日本代表に選出されたFW細谷真大、リーグ屈指のアタッカーであるMFマテウス・サヴィオを擁する難敵だ。 指揮官は直近の鹿島と「大枠において似ている」と語る次節の対戦相手に言及。その両エースへの警戒と共に、前節の反省を踏まえて相手の攻撃陣がより輝くオープンな展開を避けたい考えだ。 「もちろん細かいところは違いますけど、[4-4-2]という言い方がいいか、[4-2-3-1]の中でサイドバックがどう構えてくるか、2列目がどういう起点になるかという大枠において柏と鹿島は似ています。ただ当たり前ですけど選手が違って、本当にJリーグの中で屈指の外国人選手がいますし、日本の将来を担うと言われているスピードスターもいるので、特徴がハッキリしている」 「そこを強く意識をしなければいけないですし、クオリティ的にもおそらくオープンな展開が何分か続くと、フィニッシュまで持っていくクオリティというのを、柏の前線の選手は持っている」 「(鹿島戦の後半序盤で)なぜオープンになったのかと言えば、我々がPKではないかと手を広げている間に、一気にゴール前まで持って行かれた。彼らが手を広げている暇があったら、そこの何十メーターかを(守備に戻るため)フルスプリントすることが大事だというのは確認しました」 「おそらくそれを許していれば、柏のクオリティであれば、本当に決定的なところまで持っていくと思うので、もう一度そこの手綱を締めて鹿島戦のようにコンパクトにしながら、簡単に中を通させないというところは徹底しなければいけない」 さらに、前回対戦で途中出場から同点ゴールを決められたFW木下康介、鹿島から今夏加入のFW垣田裕暉、アタッキングサードでの局面打開に優れるMF島村拓弥ら多士済々の“ゲームチェンジャー”を警戒しつつも、やはり崩しの局面で全権を握ると言っても過言ではないブラジル人アタッカーへの対応を勝負のカギに挙げた。 「スピードが特徴の選手と高さが特徴な選手と、ドリブルが好きな選手といろんな特徴を持った選手がメンバーとしているので、どういう先発できて途中でどういうふうに変わっていくのかで様子が変わってくる。我々はいろんなことを想定しなければいけない」 「ただひとつ言えるのは、彼らのカウンターを発動するときにマテウス・サヴィオが軸になっているのは間違いないので、自由にポジションを取る彼をいかにチームとして制限をかけていくかというのは、肝になるかなと思います」 2024.08.30 15:00 Fri
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東京Vのサイド牽引する翁長聖、次節柏戦へ「立ち位置の優位性の握り合い」、「スピーディーな攻撃の中でクオリティの高い選手が揃っている」

東京ヴェルディのサイドを牽引する29歳MFが、ここにきてさらに存在感を高めている。 昨シーズンの明治安田J2リーグでFC町田ゼルビアの優勝に貢献したMF翁長聖は、今シーズンから同じ昇格組である東京Vへ完全移籍。その新天地ではここまでリーグ戦27試合に出場し、2ゴール1アシストを記録。左右のサイドバックにサイドハーフ、現在は左ウイングバックを主戦場にサイドの職人としてチームを支える。 ホームの名古屋グランパス戦での芸術的なループシュート、アウェイのサガン鳥栖戦での体を張ったスーパークリアという印象的なプレーに加え、無尽蔵のスタミナを活かした攻守両面のハードワーク、若手の多いチームにおいてポジティブな声掛けなど、ここまでの貢献度の高さはチームトップクラスだ。 前節、鹿島アントラーズを2-1で破り、4試合ぶりの得点と共に勝利を挙げた一戦においても、相手の攻撃のキーマンの一人である右サイドバックのDF濃野公人を周囲との密な連携で封じ込め、積極的に高い位置を取ってマッチアップ相手の背後を突いて攻撃に厚みを加えた。 翁長は「相手の配置を考えれば、ああいった戦い方になるのは当然そうなるとわかっていましたけど、特に濃野選手だからというわけではなくて、いろいろとコミュニケーションを取れれば、(谷口)栄斗や(齋藤)功佑、(森田)晃樹と山見と周囲の選手とコミュニケーションが取れれば、大丈夫かなと思っていました」と、対鹿島や対濃野という部分は意識しなかったものの、チームとしてしっかりと整理した戦い方ができたと前節を振り返った。 ちなみに、その鹿島戦で殊勲の2ゴールを挙げた山見は今シーズンから本格的にウエイトトレーニングを始めたことを明かしていたが、そのきっかけを作ったのは翁長だった。 プレシーズンの時期に江尻篤彦強化部長が、非常にストイックな振る舞いを獲得の一因と語っていた29歳MFは、キャンプや普段のトレーニングにおいても、そのストイックさを窺わせる姿を見せてきたが、翁長自身は「自分1人ではやめてしまう」とその周囲からの見方を謙遜と共に否定。そして、山見を誘った意外な経緯を明かしてくれた。 「(筋トレは)1人ではできないので。個人的に1人でずっと筋トレやっているのはなんかちょっと気持ち悪い感じなので…。ジョギングとかは別にいいんですけど、1人でトレーニングルームで汗かきながらというのは、なんか気持ち悪い感じじゃないですか(笑)」 「あとは自分1人だと『もういいや』という感じでやめてしまうので、それはどこのチームでもそうですけど、大体チームメイトで筋トレをやらなそうなやつを捕まえて一緒にやっています。町田のときも一緒にやっていましたし、大宮でもやっていたと思います」 「こいつ筋トレ嫌いそうだなというやつを誘って一緒にやるのは好きですね。自分も似たような感じで、誰かいなかったらやらないと思うので…」 徹底された日々のコンディション調整に関しても「こだわりがないだけで、自分で思ったことをやっている」と語る翁長だが、東京V加入後から能城裕哉コンディショニングコーチのアドバイスによって試合後のウエイトトレーニングを新たに取り入れたという。その効果については「わからない」としながらも、シーズン序盤に比べて対人戦において力強さを増した印象もあり、日々のひたむきな努力は着実にパフォーマンスに結びついているはずだ。 チームは5月に行われた第16節のヴィッセル神戸戦後、[4-4-2]から[3-4-2-1]に変更した中、FW木村勇大、FW染野唯月の両エースの得点ペースの鈍化と共に、主にミラーゲームの試合ではウイングバックの攻撃参加を効果的に使えない状況が続いたが、この鹿島戦と前々節のFC東京戦では4バックの相手にミスマッチを活かせただけでなく、チームとして攻撃の形が整理された印象だ。 翁長は「ミラーゲームが今まで多かった中で、サイドバックとサイドハーフの[4-4-2]の相手のときに、そこは相手も同じですけど自分たちの立ち位置で両方とも優位性の取れる配置だと思うので、そこの鍵の握り合いかなとはいつも思っています」と、現状の戦いにおいて4バックの相手に対してミスマッチの優位を活かせていると感じている。 一方、城福浩監督は同じ質問に対して、ウイングバックに入る各選手の立ち位置の改善に加え、中盤の底でボールの循環の基準を担う“へそ”の位置をうまく使えている相乗効果があると説明。今後の戦いに向け、チームの課題であるクロスからのチャンスメイク、得点をより増やしていけると考えている。 「基本的にこのシステムで言えば、ウイングバックが幅を取る役目になると思いますが、その幅を取る高さが大事で、高ければ高いほどいいかというと、高く取るとそのぶんボールを受けづらいタイミングのようなシチュエーションもあるので、高いポジションを意識しながらもいつ引いてくるかと、そこで起点になるかというところのポジションを取るタイミングというのはどの選手も理解してきたのかなと思います」 「もうひとつは、幅を取るということは、相手がそれに対応してきたら中が空く。我々の言うところの“へそ”がうまく使えていれば、さらにウイングバックが活きる。ウイングバックが活きているということは、へそをうまく使えているということにもなる。そうすると相手はどちらを抑えればいいのかがわからなくなる。この状況をもっと長い時間作り出せると、さらにウイングバックがより高い位置でプレーできるようになるのかなと。ウイングバックからのクロスを逆サイドのウイングバックが押し込むような展開というのは、この前もそれに近い展開があったと思いますけど、もっともっと作り出していけるのかなと思います」 鹿島戦の勝利で降格圏との勝ち点差を「10」に広げ、10位に浮上した東京Vは31日に三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第29節の柏レイソル戦で約3カ月ぶりのリーグ連勝を狙う。 その一戦に向けて翁長は「スピーディーな攻撃の中で個人のクオリティの高い選手が揃っていて、そこは注意しないといけない」と、FW細谷真大、MFマテウス・サヴィオが牽引する相手の攻撃を警戒しつつ、目の前の試合での勝利を誓った。 1-1のドローに終わった前回対戦では後半アディショナルタイムの途中出場となった翁長だが、今回の一戦ではマッチアップが予想されるMF山田雄士、MF島村拓弥らを抑え込みながら、DF関根大輝、DF古賀太陽らが不在となる相手ディフェンスラインを揺さぶる攻撃面の仕事を期待したいところだ。 2024.08.30 15:15 Fri
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「チームの勝利にやっとゴールで貢献できた」東京Vの木村勇大、2桁ゴール到達のゴラッソに「やっとここで動かすことができた」

東京ヴェルディのFW木村勇大が柏レイソル戦で決めたゴラッソは多くのネガティブなものを振り払う痛快な一撃となった。 東京Vは8月31日、三協フロンテア柏スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第29節の柏戦を3-2で勝利した。 前節、3位の鹿島アントラーズを2-1で下し、4戦ぶりの得点と共に4戦ぶりの白星を挙げた東京Vは、今回の勝利によって約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を成し遂げた。 チームとしては残留争いの目安のひとつである勝ち点40の大台を超え、暫定ながら7位に浮上した点は大きいが、悩めるエースストライカーに2カ月半ぶりのゴールが生まれたことは今後に向けて大きなプラス材料となった。 京都サンガF.C.からの期限付き移籍でアカデミー時代を過ごした古巣帰還を果たした木村。その京都、昨シーズン途中に期限付き移籍で加入したツエーゲン金沢でどん底を味わった中、新天地では主に守備面を中心に厳しい要求を受けながらも開幕直後の第2節の浦和レッズ戦で初ゴールを記録。 上々の滑り出しを見せると、以降もコンスタントにゴールを重ねつつ得点以外の部分でも著しい成長を遂げ、6月15日に行われた第18節サンフレッチェ広島戦では9ゴール目を挙げた。 そのため、自身初の2桁ゴール到達は時間の問題かに思われたが、以降は10試合ゴールから遠ざかることに。さらに、ジュビロ磐田戦での0-3の大敗をきっかけに3試合連続ベンチスタートも経験し、順風満帆だった新天地で初の挫折も味わっていた。 この間にチームでは木村の関西学院大学の1つ年上の先輩であるFW山見大登がゴールを量産し、横浜F・マリノス戦、アビスパ福岡戦、前節の鹿島戦でチームは貴重な勝利も挙げていた。 ただ、エゴイストであるべきストライカーらしい性格だけでなく、J1最年少スカッドにおいて決して若くない23歳は、勝敗に対するより大きな責任の芽生えによって「先週も勝てて嬉しかったですけど、少し歯がゆい部分があったりして、心の底から喜べていない自分がいた」とこの間の正直な胸の内を明かした。 そんななか、この柏戦には「どんな形でもシュートを打つというところをすごく意識して挑んだ」という言葉通りの豪快なゴールを決めた。 FW細谷真大のゴールによっていきなりのビハインドを背負った中、15分にペナルティアーク付近で山見から足元にボールを受けると、背負ったDF野田裕喜を振り切って反転しながら右に持ち出すと、視野に入っていたDF宮原和也、MF山田楓喜へのパスという選択肢を排除して右足を一閃。GK佐々木雅士の手をはじいた強烈なシュートがゴールネットへ突き刺さった。 そして、木村にとって11試合ぶり、待望の今季リーグ10点目は焦りやもやもや、迷いを振り払うものとなったようだ。 「焦りもありましたし、ずっとワントップで試合に出ている中で結果が残せないという責任もすごく感じていましたし、自分の中で焦りや責任を感じながら毎試合やっていました。今日はチームの勝利にやっとゴールで貢献できたというのが、なによりも大きかったです」 「(2桁ゴールは)あまり気にしないようにはしていましたけど、ずっと9点で止まっているというのは、正直心の中で引っかかっていました。周りからもそういう声が聞こえていたので、より余計に自分の中でもどかしい部分がありました。そういった9点だったので、やっとここで動かすことができて、そこもすごく嬉しいです」 ストライカーとしては常にゴールを決められることに越したことはないが、もがき苦しんだ苦しい日々、状況を好転させるための試行錯誤もそのプレーに新たな深みを与える重要なことにも思える。 木村はそんな経験はしなくてもいいというような雰囲気を漂わせながらも、ここ最近の経験が自身をもう一段階上のレベルにステップアップする契機になると感じている。 「なかなかしんどかったですけど、今まであまり自分はシュート練習とかしなかったですけど、最近は仁志さん(森下仁志コーチ)に付きっきりでやってもらっていますし、そういうゴールを取るために何が大事かとか、ゴールを取るメンタルというところをすごく言われて、自分もすごく意識してやっているので、今日も前向きな気持ちで試合に取り組めたので、そこがよかったかなと思います」 「今まではメンタルとかがあまり強くなくて、やっぱりよくないときに結構自分は気持ちの部分で落ちたり、沈んでいきがちなところがあった中で、ちょっとベンチになった期間とかはしんどかったですけど、そこを乗り越えてちゃんとこうやってまた結果を残せたというのは、そのしんどいときにどういう取り組みをするかとか、何をやり続けるかというところは、去年の自分とか今までの自分と比べてすごく大きく成長できたこの数カ月だったかなと思います」 そういったひたむきな取り組みを経て、PKや“ごっつあんゴール”ではなく豪快な一撃で自ら壁を破ったスケールの大きなストライカーは、残り9試合で再びゴールを量産し、J1残留と共に上位進出を狙う緑の名門の牽引車となりそうだ。 <span class="paragraph-title">【動画】豪快な一撃で待望の今季2桁ゴール到達!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>ついに決めた<br>今季10ゴール目<br>\<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E5%8B%87%E5%A4%A7?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#木村勇大</a> 自らドリブルで持ち出し右足一閃<br>今季10ゴール目を豪快なゴラッソで決めた<br><br>明治安田J1リーグ第29節<br>柏×東京V<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> でライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9F%8F%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#柏東京V</a> <a href="https://t.co/tx63auwso1">pic.twitter.com/tx63auwso1</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1829828975843066009?ref_src=twsrc%5Etfw">August 31, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.09.01 09:05 Sun

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