【ラ・リーガ注目プレビュー】リーガ覇権争いを左右する重要なマドリード・ダービー!
2021.03.07 12:00 Sun
ラ・リーガ第26節、アトレティコ・マドリーとレアル・マドリーによるダービーが、日本時間7日24:15にワンダ・メトロポリターノでキックオフされる。リーガ覇権争いを左右する重要な今季2度目のマドリード・ダービーだ。1試合未消化ながら首位を快走するアトレティコ(勝ち点58)は前節、ビジャレアルとの上位対決をオウンゴールとFWフェリックスのゴールによって2-0の快勝。公式戦連敗をストップすると共に、公式戦9試合ぶりのクリーンシートを記録する実りある結果を手にした。さらに、今節からは賭博問題による母国FAからの処分によって10週間の出場停止を科されていたDFトリッピアーが戦列に復帰することになり、一部主力をケガで欠くものの、ほぼ盤石の状態で宿敵との大一番を迎える。
対する3位のレアル(勝ち点53)は前節、レアル・ソシエダとの上位対決を1-1のドローで終えた。試合を通して上々の試合運びを見せたが、後半に指揮官が施した3バックへの変更で流れを失い先制を許すと、試合終了間際にFWヴィニシウスのゴールでドローに持ち込むことが精いっぱい。この結果、ラ・リーガでの連勝が「4」でストップし、敵地でのダービーを5ポイント差で迎えることになった。また、逆転での連覇に向けては勝ち点3が必要な状況だが、頼れるカピタンのDFセルヒオ・ラモス、DFカルバハル、FWアザールら主力数名が遠征メンバーを外れており、より厳しい戦いが予想される。
なお、昨年12月に行われた前回対戦ではアトレティコが開幕10戦無敗と最高な状態でアルフレド・ディ・ステファノに乗り込んだ中、決して本調子ではなかったレアルが昨季王者の意地を見せ、MFカゼミロのセットプレーからのヘディングゴールと、カルバハルのスーパーミドルが演出したオウンゴールによって2-0の完勝を収めている。今季2度目のダービーではアトレティコがリベンジを果たしてリーグ制覇に近づくか、あるいはレアルが敵地でも返り討ちとするか。
◆アトレティコ・マドリー◆
【3-5-2】
▽アトレティコ・マドリー予想スタメン

GK:オブラク
DF:サビッチ、フェリペ、エルモソ
MF:トリッピアー、マルコス・ジョレンテ、コケ、サウール、カラスコ
FW:スアレス、フェリックス
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては軽傷を抱えるカラスコ、レマルに復帰の目途が立ったことから負傷のホセ・ヒメネス、個人的な事情で直前の練習を回避したエレーラを除く全選手が起用可能な状況だ。ただ、賭博問題で母国FAから10週間の出場停止を科されていたトリッピアーに関してはサスペンション明けで今節から起用可能となるが、マッチフィットネスが懸念されるところだ。
前回対戦では[3-5-2]が嵌らず、途中から[4-4-2]に変更していたが、今回の一戦では[3-5-2(3-4-2-1)]で臨む可能性が高い。スタメンに関してはトリッピアーを即復帰させ、ジョレンテを本職の右インテリオールに戻すとみる。それ以外ではレマル、ロージ、コレアがスタメンで起用される可能性もありそうだ。
◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】
▽レアル・マドリー予想スタメン

GK:クルトワ
DF:ルーカス・バスケス、ヴァラン、ナチョ、メンディ
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
FW:アセンシオ、ベンゼマ、ヴィニシウス
負傷者:DFカルバハル、セルヒオ・ラモス、FWアザール、ベンゼマ、マリアーノ
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはカルバハル、セルヒオ・ラモス、アザールに加えて、直近の試合で負傷したマリアーノが欠場となる。その一方で、直近の公式戦3試合を欠場していたエースのベンゼマが2日前に全体練習に復帰しており、スタメン復帰が期待される。
ベンゼマがスタメンで起用できない場合はイスコの“ファルソ・ヌエベ”起用、唯一のストライカータイプのFWウーゴ・ドゥロを代役に据える形になるが、前述の11人をスタメン予想とした。また、MFバルベルデを中盤に置き中盤ダイヤモンドの[4-3-1-2]の採用もオプションとしてありそうだ。
★注目選手
◆アトレティコ・マドリー:FWルイス・スアレス

アトレティコの注目プレーヤーはエースストライカーのスアレス。昨夏にバルセロナから電撃加入して以降、早くもロヒブランコのエースに君臨するウルグアイ代表FWは今季ここまでのリーグ戦21試合の出場で盟友メッシに次ぐ2位の16ゴールを挙げている。ただ、直近の4試合ではノーゴールが続き、チャンピオンズリーグ(CL)を含め、チームが守勢を強いられてロングカウンター一辺倒となる強豪クラブとの対戦で1点も奪えていない点は気がかりなところだ。
前回対戦ではチーム全体が相手のハイインテンシティの戦いに苦しめられたことで、スアレスもほとんど良い形でボールを受けられず、試合から完全に消されてしまった。だが、現在のレアルは過密日程と多くの負傷者によってあれほどのプレー強度を再現するのは困難。したがって、ボールを持たれる展開は変わらないにしろ、自分たちの形で攻撃できる機会は十分にあるはずだ。その少ないチャンスの中で持ち味の決定力を発揮したい。
なお、バルセロナ時代にはラ・リーガ通算12度の対戦で9ゴール3アシストと見事な数字を残しており、今回のダービーでは対マドリー通算10ゴール目が期待されるところだ。
◆レアル・マドリー:MFトニ・クロース

レアルの注目プレーヤーはクロース。今シーズンここまで公式戦31試合に出場するなど、カゼミロ、モドリッチと共にエルブランコの中盤の要に君臨する31歳のドイツ代表MF。世界屈指のキック精度、パスセンスを武器に、多くの試合で90%を超えるパス成功率を誇る精密マシーンは盟友モドリッチと共に相手のプレスを無効化すれば、守備の局面でも正確なポジショニングに加え、“ゲルマン魂”とも形容できる強度の高いプレーで防波堤として機能。とりわけ、前回のダービーやクラシコを含めビッグマッチにおける存在感は絶大だ。
今回の一戦に向けてはセルヒオ・ラモス、カルバハルを欠く最終ライン、復帰間もないベンゼマの状態が懸念される前線と、レアルにとっては満身創痍の中での戦いとなる。そのため、敵地から勝ち点3を持ち帰るためには前回対戦以上に中盤の3選手のパフォーマンスが重要となる。その中でコケやサウールらタフな相手守備陣の徹底監視を掻い潜り、いかにクリーンなボールを前線に送り届けられるかが、レアル勝利の鍵を握る。さらに、前回対戦同様に得意のプレースキックから相棒カゼミロの決定機を演出したい。
対する3位のレアル(勝ち点53)は前節、レアル・ソシエダとの上位対決を1-1のドローで終えた。試合を通して上々の試合運びを見せたが、後半に指揮官が施した3バックへの変更で流れを失い先制を許すと、試合終了間際にFWヴィニシウスのゴールでドローに持ち込むことが精いっぱい。この結果、ラ・リーガでの連勝が「4」でストップし、敵地でのダービーを5ポイント差で迎えることになった。また、逆転での連覇に向けては勝ち点3が必要な状況だが、頼れるカピタンのDFセルヒオ・ラモス、DFカルバハル、FWアザールら主力数名が遠征メンバーを外れており、より厳しい戦いが予想される。
◆アトレティコ・マドリー◆
【3-5-2】
▽アトレティコ・マドリー予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:オブラク
DF:サビッチ、フェリペ、エルモソ
MF:トリッピアー、マルコス・ジョレンテ、コケ、サウール、カラスコ
FW:スアレス、フェリックス
負傷者:DFホセ・ヒメネス
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては軽傷を抱えるカラスコ、レマルに復帰の目途が立ったことから負傷のホセ・ヒメネス、個人的な事情で直前の練習を回避したエレーラを除く全選手が起用可能な状況だ。ただ、賭博問題で母国FAから10週間の出場停止を科されていたトリッピアーに関してはサスペンション明けで今節から起用可能となるが、マッチフィットネスが懸念されるところだ。
前回対戦では[3-5-2]が嵌らず、途中から[4-4-2]に変更していたが、今回の一戦では[3-5-2(3-4-2-1)]で臨む可能性が高い。スタメンに関してはトリッピアーを即復帰させ、ジョレンテを本職の右インテリオールに戻すとみる。それ以外ではレマル、ロージ、コレアがスタメンで起用される可能性もありそうだ。
◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】
▽レアル・マドリー予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:クルトワ
DF:ルーカス・バスケス、ヴァラン、ナチョ、メンディ
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
FW:アセンシオ、ベンゼマ、ヴィニシウス
負傷者:DFカルバハル、セルヒオ・ラモス、FWアザール、ベンゼマ、マリアーノ
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはカルバハル、セルヒオ・ラモス、アザールに加えて、直近の試合で負傷したマリアーノが欠場となる。その一方で、直近の公式戦3試合を欠場していたエースのベンゼマが2日前に全体練習に復帰しており、スタメン復帰が期待される。
ベンゼマがスタメンで起用できない場合はイスコの“ファルソ・ヌエベ”起用、唯一のストライカータイプのFWウーゴ・ドゥロを代役に据える形になるが、前述の11人をスタメン予想とした。また、MFバルベルデを中盤に置き中盤ダイヤモンドの[4-3-1-2]の採用もオプションとしてありそうだ。
★注目選手
◆アトレティコ・マドリー:FWルイス・スアレス

Getty Images
アトレティコの注目プレーヤーはエースストライカーのスアレス。昨夏にバルセロナから電撃加入して以降、早くもロヒブランコのエースに君臨するウルグアイ代表FWは今季ここまでのリーグ戦21試合の出場で盟友メッシに次ぐ2位の16ゴールを挙げている。ただ、直近の4試合ではノーゴールが続き、チャンピオンズリーグ(CL)を含め、チームが守勢を強いられてロングカウンター一辺倒となる強豪クラブとの対戦で1点も奪えていない点は気がかりなところだ。
前回対戦ではチーム全体が相手のハイインテンシティの戦いに苦しめられたことで、スアレスもほとんど良い形でボールを受けられず、試合から完全に消されてしまった。だが、現在のレアルは過密日程と多くの負傷者によってあれほどのプレー強度を再現するのは困難。したがって、ボールを持たれる展開は変わらないにしろ、自分たちの形で攻撃できる機会は十分にあるはずだ。その少ないチャンスの中で持ち味の決定力を発揮したい。
なお、バルセロナ時代にはラ・リーガ通算12度の対戦で9ゴール3アシストと見事な数字を残しており、今回のダービーでは対マドリー通算10ゴール目が期待されるところだ。
◆レアル・マドリー:MFトニ・クロース

Getty Images
レアルの注目プレーヤーはクロース。今シーズンここまで公式戦31試合に出場するなど、カゼミロ、モドリッチと共にエルブランコの中盤の要に君臨する31歳のドイツ代表MF。世界屈指のキック精度、パスセンスを武器に、多くの試合で90%を超えるパス成功率を誇る精密マシーンは盟友モドリッチと共に相手のプレスを無効化すれば、守備の局面でも正確なポジショニングに加え、“ゲルマン魂”とも形容できる強度の高いプレーで防波堤として機能。とりわけ、前回のダービーやクラシコを含めビッグマッチにおける存在感は絶大だ。
今回の一戦に向けてはセルヒオ・ラモス、カルバハルを欠く最終ライン、復帰間もないベンゼマの状態が懸念される前線と、レアルにとっては満身創痍の中での戦いとなる。そのため、敵地から勝ち点3を持ち帰るためには前回対戦以上に中盤の3選手のパフォーマンスが重要となる。その中でコケやサウールらタフな相手守備陣の徹底監視を掻い潜り、いかにクリーンなボールを前線に送り届けられるかが、レアル勝利の鍵を握る。さらに、前回対戦同様に得意のプレースキックから相棒カゼミロの決定機を演出したい。
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style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍進ラ・レアルのベストプレーヤー。マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェとレアル・マドリーからの武者修行先ではチームスタイルや指揮官との相性に加え、フィジカル面の未熟さもあって完全な主力にはなり切れず。それでも、昨夏完全移籍したソシエダでは個人としてのパフォーマンス向上はさることながら、ようやく自身の特長を生かせる指揮官、チームメイトと巡り合えた。2トップの一角や右ウイングを主戦場に35試合出場でキャリアハイの9ゴールを記録し、巧い選手から怖い選手に変貌。アシスト数は「4」にとどまったものの、味方が着実に決定機を決めていれば、その数字は少なくとも倍にはなっていたはずだ。卓越したテクニックに加え、スピードとパワーの向上で個での局面打開の場面が増え、シルバを中心に周囲とのコンビプレーも強力で対峙する守備者にとっては抑え込むのが難しい一線級のアタッカーに成長。また、右ウイングが主戦場となったシーズン終盤戦では守備面の貢献度の高さも際立っていた。 MF マルティン・スビメンディ(24歳/レアル・ソシエダ) 出場試合数:36(先発:35)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍進ラ・レアルの要。一昨季の主力定着以降、安定したパフォーマンスを継続し、国内屈指のピボーテに成長した。バルセロナがブスケッツの後継者、クラブOBでもあるアルテタ率いるアーセナルも関心を示す逸材は、シーズンを通して躍動。守備では強度の高い対人守備、カバー範囲の広さを生かしてフィルター役を完遂。攻撃では巧みなポジショニングと視野の広さを武器にボールの循環の基準点として機能した。メリーノやブライス・メンデスが一時パフォーマンスを落としていた中、久保と共に安定したパフォーマンスで4位チームを支え続けた。来季も愛するクラブに残り、イジャラメンディの背番号4を継承する見込みだ。 MF アントワーヌ・グリーズマン(32歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:38(先発:31)/得点数:15 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今季の最優秀フィールドプレーヤー。得点ランキング4位タイの15ゴールに、最多アシストとなる16アシストを記録し、今季のラ・リーガで最も多くのゴールに関与した。シーズン序盤戦では保有元のバルセロナの契約条項の影響で30分以内限定の起用を強いられたが、クラブ間の交渉がまとまってフル稼働が可能となって以降は不振のチームを攻守に牽引。とりわけ、後半戦ではフランス代表での役割に近いトップ下でフリーロールを与えられると、卓越した戦術眼とテクニック、献身性を遺憾なく発揮し、驚異的なパフォーマンスを披露し続けた。 MF フレンキー・デ・ヨング(26歳/バルセロナ) 出場試合数:33(先発:29)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw9.jpg" style="max-width: 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style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初挑戦のラ・リーガでいきなりのピチーチ獲得。昨夏、新生バルセロナの目玉補強としてバイエルンから鳴り物入りでの加入となったポーランド代表FW。これまで多くの超一流ストライカーが適応に苦しんだバルセロナだけに一抹の不安もあったが、第2節のソシエダ戦でドブレーテを達成すると、そこからは6試合連続を含めゴールを量産。さすがの存在感でブラウグラナの攻撃をけん引した。中断前後はW杯の疲労や3試合のサスペンションの影響でパフォーマンスを落としたが、終盤戦で再びギアを上げ直した。守備の貢献度や運動量に関してはチームメイトから冗談交じりで注文も付けられたが、さすがの決定力に加えて7アシストと確度の高いポストワークでも存在感を示した。 2023.06.14 18:01 Wed3
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.46 3強時代への入り口、“チョリスモ”の浸透/アトレティコ・マドリー[2013-14]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.46</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2013-2014シーズン/アトレティコ・マドリー ~チョリスモ~</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2013-14atletico.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ディエゴ・シメオネ 獲得タイトル:リーガエスパニョーラ 攻撃力7:★★★★★★★☆☆☆ 守備力10:★★★★★★★★★★ タレント7:★★★★★★☆☆☆ 連係10:★★★★★★★★★★ 選手層8:★★★★★★★★☆☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">2強時代に終止符</div> アトレティコ・マドリー、バルセロナ、レアル・マドリーの三つ巴となったリーガの優勝争いは、バルセロナとの天王山を引き分けで終えたアトレティコに軍配が上がった。終盤は取りこぼしの目立つ優勝争いとなったが、最後はシーズンを通して最も安定していたアトレティコが18シーズンぶり10度目の戴冠を果たしている。 バルセロナとレアル・マドリーの2強に比べて戦力面で劣ることから、終盤に息切れするのではないかとみられていたが、大方の予想に反してチャンピオンズリーグとの二束の草鞋を履きこなし、シメオネ監督の下で戦う集団と化したロヒ・ブランコスがネプトゥーノ広場まで駆け抜けた。 2011-12シーズン途中に就任したシメオネ監督は、豊富とは言えない戦力のなか、運動量が求められる中盤を上手く入れ替えながら長丁場を乗り切った。また、モチベーターとしての手腕をいかんなく発揮し、並行して行われたCLで結果を残しつつ、最後までチーム全体のモチベーションとインテンシティを落さなかったあたりも流石だ。その存在の大きさは、選手たちから聞こえてくる称賛の声からもうかがえた。 アトレティコ・マドリーは、このシーズンにレアル・マドリーとバルセロナの2強時代に終止符を打ち、その後はスペインに留まらず欧州屈指の強豪にまで上り詰めた。シメオネイズム=チョリスモを体現したチームは現在もそのスタイルで戦いを続けている。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">“チョリスモ”を体現</div> GKティボー・クルトワが抜群の安定感と存在感を示し、守護神として君臨。ゴールマウスに鍵をかけ、個人としても2年連続でサモラ(最少失点GK)賞を獲得した。 ディエゴ・ゴディンとミランダの長身センターバックコンビが、最後尾からチームの守備をオーガナイズした。また、両者とも空中戦でも強さを発揮し攻撃面でもチームに貢献した。サイドバックでは攻撃力抜群のフィリペ・ルイスがコケやアルダ・トゥランと好連携を見せ、シメオネ監督から大きな信頼を寄せていたフアンフランは右サイドで攻守に効いていた。 中盤では、キャプテンを務めたガビが中盤の底でハードワークをこなし、相方をチアゴやマリオ・スアレスらが務めていた。サイドは、左をアルダ、右をラウール・ガルシアが担当することが多く、前者は攻撃の仕上げ役としてアシストを量産。後者は空中戦の強さを武器に2トップの一角にポジションを移すなど、シーズン17ゴールを挙げた。 2トップには強力な2人が配置され、前線守備とポストプレーを行う“野獣”ジエゴ・コスタが覚醒しリーグ戦で27ゴールを記録。バルセロナから格安で移籍してきたベテランのダビド・ビジャも堅実にチャンスを決め、シーズン15ゴールを記録した。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">FW:ジエゴ・コスタ(24)</span> アトレティコの快進撃は、この男の存在を抜きにして語ることはできない。最前線でボールを収め、対峙するDFを振り切りながらゴールを量産。得点数ではロナウドとメッシに及ばなかったものの、34試合に出場しての27得点は立派な数字だ。 また、ジエゴ・コスタの素晴らしさは、攻撃力だけにとどまらない。チームの一員として、最前線からプレスをかけることも厭わない。彼の献身性があったからこそ、アトレティコがリーグ最少失点を記録できたと言っても過言ではないだろう。 2019.04.26 12:00 Fri4
現役時代のシメオネ監督はどんな人物だった? かつての同僚が明かす
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督について、現役時代のチームメイトたちが振り返った。スペイン『マルカ』が伝えている。 現役時代セビージャやアトレティコ、そしてインテルなどで活躍したシメオネ氏。特に現在監督を務めるアトレティコには1994年から1997年までの3年間と2003年から2005年1月までの1年半の2度在籍し、公式戦155試合出場29ゴールを記録した。 <div id="cws_ad"><div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJKcDZqR25nZCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script></div> 監督としてピッチサイドで感情を全面に出したスタイルでチームを鼓舞するシメオネ氏だが、現役時代からこの情熱的なスタイルは一貫したもので、共にプレーした多くの選手たちに大きな印象を与えていたようだ。 アトレティコでのチームメイトだった元スペイン代表DFトニ・ムニョス氏は、選手時代のシメオネ氏の情熱を振り返っている。 「彼は全てにおいて情熱的で、ピッチ上でも自分が感じたことを表現していた。苦しむことを楽しんでいたし、全員に対して高い要求を持っていて、強いパーソナリティのある選手だった」 またムニョス氏は、シメオネ氏の優れた戦術眼が得点に繋がっていたと話す。 「戦術的にもとても優れていた。常に1シーズンで8から14ゴールくらいを決めていたが、それは彼がフリーキックや攻撃参加が上手かっただけでなく、試合を読む力に非常に長けていたからだ」 「彼のフットボールに対する思いはとても大きかった。私にシエスタすらさせてくれなかったよ。常にフットボールについて話していて、寝ていても起こされたものだ」 「彼のウォーミングアップは試合前のホテルから始まっていた。チームメイトに指示をして人を集めて、ランチやディナーの時、気付いたら相手がどういう風にプレーするのかという話をしていた」 またセビージャ時代のチームメイトである元スペイン代表DFマノーロ・ヒメネス氏も、シメオネ氏がピッチ上で見せる姿に感嘆していたと明かし、選手時代から名監督としての片鱗を見せていたと語った。 「彼は熱量に溢れていた。失敗した時には怒り、野心と高い要求を求める選手だった。彼はチームのみんなのリスペクトを勝ち取った。なぜなら、失敗しても自分の足でもう一度立ち上がることのできる、勇気ある選手だったからだ」 「彼はハードワーカーで、自分の持つ全てをピッチで出し尽くし、全てのボールを200%の力で追う、今で言うBox to Box タイプのMFだった」 「アグレッシブさとクオリティを兼ね備え、前線への攻撃参加もできた、完全な選手だった。彼が監督になる姿は容易に想像できた」 「選手の時も監督の時も、エル・チョロ(シメオネ愛称)は誇張して大袈裟に行動したりしない。あれが彼のそのままの生き方なんだ」 「彼はベンチで静かに座っているようなタイプではない。自分のメンタルの強さやウイニング・スピリットを常に示してきた人物で、それは彼のDNAの中にあるものなんだ」 また、同じくセビージャ時代の同僚でチームのCBであったホセ・ミゲル・プリエト氏も、シメオネ氏は選手時代からリーダシップを発揮していたと明かした。 「彼はよく試合の前、失敗はピッチに持ち込まずロッカールームに置いていけと私たちに言ったよ」 「常にフットボールのことを考えていて、その執着にも似た思いは今でも増していると思う」 「試合中は全てのプレーに関わっていたし、サッカーというものを理解していた。優れたMFがいれば、CBの力を引き出すことができる。私たちが活躍できたのは彼のおかげだ」 しかし、そんな情熱的なシメオネ氏だが、抜けている部分もあったとプリエト氏は語る。 「私たちはトレーニングに彼の車に乗って行ったことがあったが、車のタイヤがパンクしていたのにずっと変えていなかったんだ。だから私がタイヤの買い方を教えてやったんだ」 2020.06.10 12:45 Wed5
