東京Vの主砲・木村勇大に待望の今季初ゴール「もうこのポジションを譲るつもりはない。そのためにもチームを勝たせないと」
2025.03.09 06:30 Sun
【動画】いろんな思いが詰まった木村勇大の今季初ゴール
これがヴェルディのNo.10
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) March 8, 2025
先制ゴールは #木村勇大
開幕節以来のスタメン起用に応えた
明治安田J1第5節
新潟×東京V
#DAZN ライブ配信中#Jみようぜ #Jリーグ#新潟東京V pic.twitter.com/XJ9Rg6AmBS
PR
【編集部のオススメ】
PR
1
2
木村勇大の関連記事

東京ヴェルディの関連記事

J1の関連記事
記事をさがす
|
木村勇大の人気記事ランキング
1
東京Vの主砲・木村勇大に待望の今季初ゴール「もうこのポジションを譲るつもりはない。そのためにもチームを勝たせないと」
東京ヴェルディのエースストライカーに待望の今季初ゴールが生まれた。 東京Vは8日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた明治安田J1リーグ第5節でアルビレックス新潟と対戦し、2-2で引き分けた。 敵地での下位対決で今季2勝目を目指したなか、望んだ勝ち点3を持ち帰ることはできなかったが、開幕4試合で1得点と得点力不足にあえいでいたチームは、今季初の複数得点に加え、ビハインドの状況で初めてゴールを記録。勝ち点1とともにいくつかのポジティブなものを持ち帰った。 とりわけ、チームにとって大きかったのは、FW木村勇大の今季初ゴール。 京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入した昨季はJ1初ゴールを含めキャリアハイの10得点を記録。16年ぶりのJ1の舞台で躍進を見せた緑の名門の攻撃の核としてブレイクを果たした。 そして、シーズン終了後には国内外からオファーが舞い込んだなか、東京Vへの完全移籍を決断。今季は10番を背負いエースストライカーの重責を担う覚悟を示してシーズンをスタートしたが、清水エスパルスとの開幕戦でチームとともに不甲斐ないパフォーマンスに終わると、以降の3試合ではスタメンを外れていた。 この間にチームは1勝2敗も、代役として起用されたFW山田剛綺が得点こそなかったものの、城福ヴェルディのセンターフォワードに求められるプレーを体現。だが、前節のガンバ大阪戦で左ヒザ複合じん帯損傷および半月板損傷という全治8カ月の重傷を負い、無念の戦線離脱となっていた。 関西学院大学の同期で、大学時代も東京Vでも切磋琢磨してきた盟友の長期離脱によって開幕戦以来のスタメンのチャンスを得た木村は、試合序盤に魂のこもった強烈な一撃でゴールネットを揺らした。 10分、MF綱島悠斗がグラウンダーの斜めのパスを差し込むと、ボックス手前右で受けたFW染野唯月がスムーズな反転からDF2枚の間を通すスルーパスをボックス右に走り込む木村に供給。緑の新10番は豪快な右足対角シュートをゴール左隅に突き刺した。 「ボールをもらってシュートを打つことしか考えていなかった」との試合後コメントは、形こそ違えども昨季の柏レイソル戦で11戦ぶりに決めた10点目の豪快な一撃後の言葉と重なるものがあった。 「ボールをもらってシュートを打つことしか考えていなかったので、たぶん1回もゴールを見てないですけど感覚でニアハイを狙うイメージだけで打ったら、いいところに飛んでくれたという感じです」 「あいつ(染野)が出してくれると信じて走ったので、あいつがめちゃくちゃいい位置でボールを受けて前を向いてくれたので、『来るかな』と思って動き出したら、欲しい位置に来たので、思い切って振り抜けてよかったです」 開幕5戦目での初ゴールとなったが、木村自身に安堵の気持ちは薄く、ここまでの自身のパフォーマンスや立ち位置への悔しさがよりにじみ出た。 「本当は開幕から決められたらよかったですけど、そこからスタメンを外れていろいろと思うところがあり、怪我人が出てというなかで、今日はそういう選手の思いを背負いつつ、自分としては出られない状況に悔しさを感じていました」 「今日は何が何でも結果を残す。そういう思いでやっていたので、ちゃんと出場時間をもらったときに結果を残せたのはよかったかなと思うので、もっと決められるようにやっていきたいです」 また、この試合では得点以外の部分でもハードワークという部分で意識の変化が見受けられ、前線からの献身的なプレスやボールがなかなか出てこない状況でも動き出しを続けるシーンが目立った。 その点について木村も「今日のデータを見たら11km以上走っていて、今までの人生で一番走ったので、これ以上は無理ですけどもっと頑張ります(笑)」と、前向きに自身の課題に向き合っている。 試合後の城福浩監督は「今日どのようなプレーをするかという意味で、今までに比べれば本当にハードワークしてくれた。ただ、彼のポテンシャルからすれば、もっとやれる選手というふうに思っています」と、その特大のポテンシャルを認めるだけに、相変わらずその評価は厳しい。 一方で、キャプテンであり、ピッチ内外で良い関係性を築くMF森田晃樹は「(木村)勇大自身もここ数試合はなかなか試合に絡めていない状況で、(山田)剛綺がケガをしてしまって久々のスタメンというところでしたけど、点を決めることによって自信も取り戻すと思いますし、また去年みたいにどんどん決めてくれると思っています」と、ここまで燻っていた主砲の復活に期待を寄せる。 裏表がない性格が魅力でもあるストライカーは、開幕戦後はフラストレーションを溜めている様子も窺い知れたが、周囲の支えや昨季の苦しい時期を乗り越えた経験を活かし、悔しさや憤りといったマイナスの感情を、少しずつ自身の成長や原動力に変える術を見いだしつつある。 木村は今後の自身・チームの巻き返しへ力強い言葉を発し、改めてエースストライカーとしての覚悟を示した。 「去年は夏の3試合で外れて、今回も3試合外れましたけど、試合に出られないというのは本当にしんどかったですし、こうやってピッチに立って長い時間プレーできるというのが、サッカー選手の一番の喜びだなというのを今日は改めて思いました」 「もうこのポジションを譲るつもりはないですし、そのためにもチームを勝たせないと、ストライカーはダメなので、もっとゴールを決められるようにもっとシュート打てるようにやり続けたいです」 <span class="paragraph-title">【動画】いろんな思いが詰まった木村勇大の今季初ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">これがヴェルディのNo.10<br><br>先制ゴールは <a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E5%8B%87%E5%A4%A7?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#木村勇大</a><br>開幕節以来のスタメン起用に応えた<br><br>明治安田J1第5節<br>新潟×東京V<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%9C?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jみようぜ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#新潟東京V</a> <a href="https://t.co/XJ9Rg6AmBS">pic.twitter.com/XJ9Rg6AmBS</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1898245433228402797?ref_src=twsrc%5Etfw">March 8, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.03.09 06:30 Sun2
東京Vの城福監督「ヴェルディが示そうとしているものが、この前より一歩も後退してはいけない」手応え得た町田戦ベースにG大阪戦で連勝へ
東京ヴェルディの城福浩監督が、2日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第4節のガンバ大阪戦に向けた会見を実施した。 開幕2試合では不完全燃焼のパフォーマンスで連敗を喫した東京V。しかし、先月26日に行われた第3節のFC町田ゼルビア戦ではMF齋藤功佑が挙げたゴールを無失点で守り抜き、1-0の勝利。志向するハイライン・ハイプレス、ハイインテンシティのスタイルを前面に押し出した、泥臭くも躍動感あるパフォーマンスで、昨季6位躍進時の姿を取り戻した。 城福監督は2月28日にクラブハウスで行われた会見の場で、改めて町田戦を総括。追加点や、防戦一方で押し返せなかった後半最終盤の戦い方への課題を口にしながらも、チームとしてポジティブな振り返りができたと語る。 「もちろん一番ほしかったのは勝ち点3という結果ですけれども、何よりも大きな収穫は我々が目指すサッカーをしっかり具現化できたということ。前半もそうですけど、後半の最終盤のラスト10分ぐらいのところまでは、本当に自分たちが表現したいことを攻守においてやってくれたと思います。あれだけのサッカーを80分やったのであれば、やはり2点目を取らなければいけない。そういう課題がみんなで認識できるほど我々が追求するサッカーを表現できたというところが、非常に大きなことだったかなと思います」 具体的な部分では得点の形、球際の勝負を信条とする町田相手に互角以上の攻防を見せたデュエルの部分を評価。 最前線に入ったFW山田剛綺がプレスのスイッチを入れ、中盤、ディフェンスラインもラインアップで呼応し、連動したプレスによって仕掛けたショートカウンターでの今季初ゴールに関しては、「我々のやろうとしていることが本当に詰まっているシーン」と手応えを語った。 「前線から最終ラインまでの連動した守備と、圧縮したエリアがあって、そこに狙いを定めたチームの守備があって、そこから後ろに下げないで、ボールを前に運んでそれを前に引き出す選手たちがいた、という意味では、我々が攻守において連動して点を取っていくというひとつの形を示してくれたなと思います」 同じく球際で優位に立てた理由についても、「なぜこの前の試合があれほどまでに我々らしいボールの奪い方ができたかというのは、前線から中盤から最終ラインまでの連動。それが繋がっているんだということをもう一度共有しました」と守備面における全体の意思統一を挙げている。 一方で、試合終了間際のDF谷口栄斗の決定的なシュートブロックを含め、決死のゴールカバーが印象的だった後半終盤の守備に関しては、「ボールプレッシャーが最良のディフェンス」と、逆にチームとしての課題を強く感じたという。 「自分たちのゴール前がスクランブルになったときに何を優先するかというのは、我々はずっと共有してきましたし、最後のシュートの場面でさえも、誰が行くのかということも含めて、ずっと痛い目に遭いながらやってきたので、それを表現できたと言えばできた」 「ただ、僕らの原則で大事なのは、ボールに行くこと。ボールにプレッシャーに行くことが最大の守備。大事なのはボールに誰が行っているか。結果として見えるのは、ゴールカバーもしているということであって、それはボールにプレッシャーに行けない人間がゴールカバーするのであって、我々が一番に最優先しなければいけないのは、ボールに行けているかどうか。不変なのはボールに行くこと。ボールプレッシャーが最大の最良のディフェンスだということは変わりないです」 大敗した鹿島アントラーズ戦から中3日で劇的な変貌を示したチーム。全体的に戦い方が整理された部分は間違いなくあったが、選手たちは森下仁志コーチの準備期間における示唆に富んだ激励を含め、メンタル面の変化が大きな理由だったと語っていた。 そのメンタルの変化について指揮官に改めて問うと、「自分がもし選手だったとしても、これは簡単なことではない」と自ら擁護の姿勢を見せつつも、「ハングリー精神」という言葉を使って以下のように説明した。 「スキルのアドリブとハードワークのアドリブ、あるいは犠牲心とか、魂のこもったプレーというのは、大体抽象的な言葉ですけど、去年で言えば、我々はこの舞台に立てることの思いがどこよりも強くなければいけないクラブだった」 「それを一言で表すとすれば、ハングリー精神だと思います。自分たちは個人にしてもチームにしてもハングリーであること。これがどのように動くか、いつ動くかというロジックと重ね合わせたときには、やはりものすごくパワーを発揮する。逆に、ハングリーさがちょっとでも欠けると難しくなる」 「2、3年前の自分の境遇とチームを取り巻く環境。去年プレーをしているときに、いくつかの大きなクラブから話があって、そういう状況のもとで、今年勝ち取った自分の周りの状況があって、これはハングリーさが欠けるのが普通。去年のようなハングリーさで、一昨年から去年にかけてのハングリーさを保て、と言っても難しい。いくら言葉で言ったからといって、これを痛い目に遭うという言い方がいいのか、本当に自分の心に心底そういうふうに思えるかどうかというのは、僕のアプローチが拙かったというのももちろんありますけど、一人の人間として、自分がもし選手だったとしても、これは簡単なことではないです」 それでも、開幕戦で敗れた清水エスパルス、鹿島というライバル。より現状への危機感を与えてくれたサポーターの存在が、チームに新たな変化をもたらしてくれたと考えている。 「この(開幕)2試合で、『いや自分たちもやっているじゃないか』と思ってやってきたところが、そうではなかったという言い方がいいのか、『もっとやらなければいけないんだ』というふうに思わせてくれた相手がいて、我々のサポーターがいて、自分たちの去年の成功体験があって、もっと去年よりもサプライズを起こしたい、もっと高いところで高いポジションで我々のサッカーをチャレンジしたいという思いが、彼らの中にまた改めて湧いてきた」 「この舞台を維持し続けるということが、どれだけ大変かということも彼らは思い知ったと思う。なのでこの前のゲームというのは、町田戦に至る日々の準備から含めて、いろんな我々の変わり得るチャンスがあったと思うし、そこのマインドが変わったと思うので、そこで得られた手応えと結果というのはすごく大きかったなと思います」 今後は町田戦で見せた姿勢・パフォーマンスをベースに、巻き返しを図る。その決意を示す上で、味スタでの開幕戦となる昨季4位のG大阪との一戦は非常に重要なものとなる。 同じ1勝2敗と厳しい船出となった対戦相手だが、「やはり(町田戦の)得点のような守備を何度も見せないと、ガンバの守備を崩すことはできないだろうなというふうに思っていますし、個の技術のレベルは高いので、じりじり下がって我々がペナの周辺で、中を閉じてゴール前で何とか守ろうとしても、おそらくボールホルダーにプレッシャーが行けなければ、いいようにやられるだろうなと思います」。「針の穴を通すようなスルーパスを持っている選手もいますし、ミドルを打てる選手もいますし、ピンポイントでクロスを合わせられる選手もいるので、ズルズルと我々が下がらないようにしなければいけないなと思います」と、昨季は2戦ともにドローだった相手のクオリティを警戒している。 その難敵相手に勝ち点3を手にするためには、FW木村勇大とFW染野唯月のダブルエースを含め、町田戦をベンチやベンチ外で過ごした選手の奮起を大きなポイントに掲げている。 「あのゲームでピッチに関わった選手が何を感じて、ピッチに関われなかった選手が何を感じるか。それがこのチームの非常に大きなポイント。当事者意識を持って、自分がそこにどういうふうに食らいついていくのか、どういうふうに入り込んでいくのか。そのためには何から始めるのか、何をやり続けるのか。試合は11人だけでは絶対できないので、これを全員が持つことが本当に大事だなと思います。基本的には中3日なので、この前多くの時間出た選手はリカバリーに費やしますけども、それ以外の選手がどう過ごすかというのが、今思いつく一番のキーになる」 「産みの苦しみではありましたけれども勝ち点3を取れたので、これは大きな自信にはなります。ただ、我々は1勝2敗で負け越していますし、自分たちが目指すものを考えれば、誰も満足してないと思うので、ここでやったベースというのをしっかりと見せたい。少なくともヴェルディが示そうとしているものが、この前より一歩も後退してはいけないと思っています」 2025.03.01 15:01 Sat3
ホームで2戦連続逃げ切り失敗…開幕5戦未勝利の新潟・樹森監督「いつも以上に物足りなかった」
アルビレックス新潟の樹森大介監督が、開幕5戦未勝利となった東京ヴェルディ戦を振り返った。 新潟は8日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた明治安田J1リーグ第5節で東京Vと対戦し、2-2で引き分けた。 開幕からパフォーマンスの水準は一定以上を維持するものの、ここまで2分け2敗の未勝利と厳しい船出となった新生アルビレックス。 ホーム2戦目となった今回の一戦では土壇場の失点で勝ち点3を逃したセレッソ大阪戦の反省を踏まえ、新体制初勝利を目指した。 C大阪戦からは負傷のMF星雄次に代えてサスペンション明けのMF秋山裕紀を起用した1点の変更のみで臨んだ新潟。立ち上がりは相手の強烈なハイプレスに手を焼くと、10分には縦パス2本でボックス右への侵入を許したFW木村勇大に先制点を許す。 以降もGK藤田和輝も交えた下からの繋ぎで相手のプレス回避を試みたが、嵌る場面が多くショートカウンターからあわや2失点目という場面も招いた。 それでも、前半半ばを過ぎてMF長谷川元希や左のFW谷口海斗を起点にポケットへの侵入など良い場面を作ると、前半終盤の42分にはロングボールに対して東京V守備陣の連携が乱れると、DF谷口栄斗のヘディングクリアに反応した長谷川がGKマテウスが前に出ていたところを見逃さず。ボックス右角から見事な右足ハーフボレーシュートをゴール左上隅に突き刺し、好調アタッカーの2試合連続ゴールによって前半のうちに追いついた。 前半終盤の流れを継続し、後半も押し込む入りとなると、58分には右CKの場面でゴール前で混戦が生まれると、ゴール右でこぼれ球に反応したDF舞行龍ジェームズの右足シュートがゴール左隅に決まり、ベテランDFのゴールで逆転に成功した。 C大阪戦と同じ展開となったなか、追加点を狙いつつ2-1でのゲームクローズを目指したが、徐々に相手の勢いに晒されると、75分には左CKの二次攻撃からMF綱島悠斗にヘディングシュートを決められ、同点に追いつかれた。 以降はフレッシュな選手の投入で勝ち越しを目指したが、前節と同じ2-2のスコアで新体制初勝利を逃した。 同試合後、樹森監督は「ホームということで、たくさんのサポーターが来てくれたなかでの引き分けという結果は満足していません」と、この日も2万人以上を集めた中での消化不良の結果に悔しさを滲ませた。 チームのパフォーマンスに対しては、相手を上回るボール保持に狙いとするポケットの攻略からチャンスを作った一方、シュート数はわずかながら下回り、守備面でも前から奪いに行くアグレッシブな姿はあまり見受けられず。指揮官は攻守両面で「物足りなかった」と不満を示した。 「内容的にもアグレッシブな守備であったり、ゴールに迫る回数というのは、今回は非常に少なかったなという印象を受けているので、そこは同点なんですけど、いつも以上に物足りなかったという部分がある。そこは本当に修正していかないといけないなというところはあります」 「ゲーム自体は落ち着いた時間帯が多かったんですけど、そうではなくて今年は守備も攻撃も自分たちから奪いに行くし、自分たちから点を取りに行くという形で、キャンプからずっとやっていたので、その物足りなさがちょっと出てしまった試合だったので、そこは反省して次節につなげたいと思います」 ハイプレスを得意とする対東京Vという部分でボランチの距離感や立ち位置の問題にも触れ、「折り返しに対して人はいるのに誰も競りに行っていない」と昨季からの課題であるセットプレーや球際の寄せの改善も訴えた樹森監督。 とりわけ、物足りなさの原因となったボールを奪いに行く姿勢の欠如、ボールを保持できるゆえのテンポの問題を指摘する。 「この前のセレッソのときもそうだったんですけど、迫力あるプレスというのができない入りをしてしまったというのが、ひとつある。もっと怖がらずに自信を持って前の選手を押し出していくぐらいの迫力を持ってもよかったのかなと。若干後ろが重たかったシーンもあります」 「あとは攻撃もゆったりする時間帯が多かったので、そこら辺のテンポアップというところでは、攻守ともにちょっとゆっくりとなってしまったなという印象だったので、そこは変えていかないといけないなと思います」 チームとしては攻守に課題を残す一戦となったが、個人では2試合連発の長谷川が得点以外の場面でも存在感を示し、今季は攻撃の核として躍動の兆しを示している。 樹森監督は、その長谷川について「キャンプからアグレッシブに常に動き回って、攻守ともに関わってくれていた選手なので、そういった選手がこういった公式戦で表現できるというのは嬉しい」、「今年に関して言うと、攻守ともに本当に迷いなくプレーしてくれているなという印象があるので、そこは継続してやってもらいたいなと思います」と信頼とともにさらなる活躍を期待している。 ホーム連戦をいずれもドローで終えた新潟は、次節アウェイで行われるFC町田ゼルビア戦で今季初勝利を目指す。 2025.03.08 22:00 Sat4
「大事なのは、我々らしく戦って追いついたということ」東京Vの城福監督がアウェイ新潟戦での勝ち点1を評価
東京ヴェルディの城福浩監督が、敵地で引き分けたアルビレックス新潟戦に一定の評価を下した。 東京Vは8日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた明治安田J1リーグ第5節で新潟と対戦し、2-2で引き分けた。 3選手の負傷というアクシデントに見舞われ、0-1の敗戦に終わったガンバ大阪戦からバウンスバックを期して臨んだアウェイゲームでは、今季初先発となるDF林尚輝、FW染野唯月に加え、FW木村勇大を開幕戦以来のスタメンで起用した。 ホーム2戦目で新体制初勝利を目指す新潟相手に立ち上がりから2度追い、3度追いをいとわないアグレッシブなプレスを仕掛けると、10分にMF綱島悠斗がグラウンダーの斜めのパスを差し込むと、これをボックス手前右で受けた染野がDF2枚の間を通すスルーパスをボックス右に走り込む木村に供給。緑の新10番は豪快な右足対角シュートをゴール左隅に突き刺し、幸先よく先制に成功した。 先制後も前輪駆動の戦いを継続し、ショートカウンターの形から幾つか決定的な場面も創出。19分には連動したプレスでペナルティアーク付近まで飛び出したMF齋藤功佑がMF新井泰貴からボールを奪う決定的なシーンも。このファウルに関しては決定機阻止でのレッドカードの可能性もあったが、DF舞行龍ジェームズのポジショニングや東京Vの1点リードでの前半序盤の退場という試合の行方を決定づける判定を躊躇したか、難しい判定ながらもイエローカードにとどまった。 すると、前半半ばを過ぎてプレス強度の低下、新潟のアジャストによってホームチームがプレスを回避してボールを前進し、完全に押し込む形に。それでも、決定機まで持って行かせなかった東京Vだったが、42分には守備陣のコミュニケーションも絡んだ形からボックス手前右のMF長谷川元希に見事な右足ハーフボレーシュートを決められ、1-1のスコアで前半を終えた。 後半は守備時に相手に合わせる形の[4-4-2]で臨むも、守勢は変わらず。序盤のタイミングでの2枚替えのタイミングで[3-4-2-1]に戻したが、直後の58分には左CKの流れからゴール前の混戦を制したDF舞行龍ジェームズに逆転ゴールを奪われた。 これで厳しくなったが、後半半ばを過ぎて再び前から圧力を強めたアウェイチームは75分に左CKの流れからボックス左でこぼれを回収した齋藤の判断力とクロス精度が光ったお膳立てからゴール前の綱島がヘディングシュートを左隅に流し込み、2-2の同点に追いついた。 その後、後半最終盤の攻防で逆転に持ち込むことはできなかったが、敵地から勝ち点1を持ち帰る成長を示した。 同試合後、城福監督は「ここまで来てくれたサポーターに勝ち点0という状況で帰らせるわけにはいかなかったので、勝ち点1という結果に関してはポジティブに捉えています」と最低限の結果に一定の評価を下した。 試合内容に関しては「イエローかどうかは、非常にいろんな思いがあります」と、前述の齋藤に対するファウルに関して少なからずの不満を示したものの、「次の勝ち点3につながるような戦いができた」とチームが示した姿勢、個々のプレーを含めポジティブな要素を受け取った。 「ゲームについては、我々が前からのプレスによって前で奪って、押し込んでサッカーをするところ。ある程度落ち着いて相手を引き込んで、中盤でコンパクトにするところも、メリハリというか、そこがちょっと前半は前の選手が頑張って追いかけてくれたなかで2点目を取れなかったのは、ちょっとその時点で我々がもう少し見極めて早めにミドルサードに落としてもよかったかなと反省しています」 「前からのプレスで決定機を作ってフリーキックになって、ああいう状況で2点目を取れれば、自分たちとしてはしっかり中盤に引き込んで、少しプレスのエリアを変えてサッカーをやるというプラン通りだったと思います。あの辺りぐらいから少し前線が疲れて、相手の後ろが余り気味になったというところで押し込まれたところは反省点ですし、多少立ち位置を変えたりして対応しましたけれど、ただ後半追いかけなければいけない状況になったときの盛り返し方は我々らしくやりましたし、選手個々も戦えていたので、次の勝ち点3につながるような戦いができたかなと思います」 開幕4試合で1得点と深刻な得点力不足にあえいでいたチームだが、この試合では初の複数得点を記録。さらに、ビハインドの状況での反発力、後半のパワーダウンが同じく課題に挙がっていたなか、セットプレー流れではあるものの、今季初めて後半にゴールをこじ開けた点もチームのわずかながらの前進を示すものとなった。 その点について指揮官は客観的な事実とともに、「大事なのは、我々らしく戦って追いついたということ」とその過程をより評価した。 「相手への圧力のかけ方が、へそを使いながら幅を使いながらも、ゴール前に迫りながらの同点だったので、内容的にも非常にポジティブだなと思います。前半からガス欠になるまで、前線の選手がインテンシティの高いサッカーをやって、後半あのような形でバトンを受け渡ししていく。そのようなところが、もう少し勝ち点3を持った状態(リードした状態)でスムーズにやっていくと、もっといい試合になると思うので、そこは我々の今後の宿題。ただ、前半の最初のフリーキックぐらいまでですかね。後半の2点目を取られた後のそこの間のところをしっかり修正して、また6節以降につなげたいなと思います」 これまでと違った姿を見せつつ、勝ち点1を拾って半歩前進した東京V。初勝利後のG大阪戦では後退する結果に終わったが、最下位の名古屋グランパスを味の素スタジアムで迎え撃つ次節はホーム初勝利によってその歩みを前に進められるか。 2025.03.08 21:00 Sat
5
木村勇大&長谷川元希が豪快弾も、新潟と東京Vの下位対決は痛み分け…【明治安田J1リーグ第5節】
8日、明治安田J1リーグ第5節、アルビレックス新潟vs東京ヴェルディがデンカビッグスワンスタジアムで行われ、2-2のドローに終わった。 新潟は前節、セレッソ大阪とのホーム開幕戦を土壇場の失点で2-2のドロー。開幕2分け2敗と、樹森大介新監督の下で厳しいスタートとなった。ホーム2戦目で初白星を期して臨んだこの一戦では前節から先発1人を変更。負傷の星雄次に代えてサスペンション明けの秋山裕紀を起用した。 一方、東京Vは前節、ホームで連勝を狙ったガンバ大阪戦で0-1の敗戦。今季3敗目を喫した。さらに、同試合では千田海人、山田剛綺、福田湧矢の3選手が負傷離脱する悪夢のような一戦となった。その敗戦からバウンスバックを図ったアウェイゲームでは先発3人を変更。負傷の千田と山田、山見大登に代えて林尚輝、染野唯月が初先発となり、木村勇大が開幕戦以来のスタメン復帰となった。 立ち上がりは互いにセーフティーファーストを心掛けながらも、アウェイの東京Vが新潟のビルドアップに対してアグレッシブにハイプレスを仕掛けていく。 その流れで東京Vはショートカウンター、新潟は要所で巧みなプレス回避からサイドに展開してのアーリークロスの形で攻め手を窺う。 すると10分、東京Vは右サイドでのパス交換から最後尾の綱島悠斗がボックス手前で落ちてボールを呼び込んだ染野にグラウンダーの斜めのパスを差し込む。すかさず染野がDF2枚の間を通すスルーパスをボックス右に走り込む木村に通すと、緑の新10番が豪快な右足対角シュートをゴール左隅に突き刺した。 昨季の得点源だった染野と木村のダブルエースの連携によって幸先よく先制に成功したアウェイチーム。以降も前がかりな守備を継続し、中盤でのインターセプトや前向きなボール奪取からスムーズに攻撃に展開。森田晃樹、齋藤功佑がミドルレンジのシュートを放っていく。さらに、29分には森田の高い位置でのボール奪取からショートカウンターに持ち込み、最後はボックス右でパスを受けた染野にシュートチャンスも、ここは相手DFのブロックに阻まれた。 失点以降は相手の連動した守備に手を焼きボールの前進に苦しむ新潟。それでも、30分を過ぎた辺りからセカンドの回収を含めて盛り返すと、左の谷口海斗と2トップの連携でポケットに侵入し、際どいシーンを作り出していく。38分には堀米悠斗の左からのアーリークロスに反応した矢村健がヘディングシュートを枠に飛ばすが、これはGKマテウスの守備範囲。 前半終盤にかけて完全にボールを握って押し込む形となったホームチームは、好調のアタッカーの見事な一撃で同点に追いつく。ロングボールに対して東京V守備陣の連携が乱れると、DF谷口栄斗のヘディングクリアに反応した長谷川元希がGKマテウスが前に出ていたところを見逃さず。ボックス右角から見事な右足ハーフボレーシュートをゴール左上隅に突き刺した。 長谷川の2試合連続ゴールによって前半のうちに追いついた新潟は直後の長谷川のシュートがGKマテウスに防がれるなど逆転には至らなかったが、外回りの攻撃に加えて中央を崩すシーンも増やし、良い流れのなかで前半を終えた。 1-1で折り返した後半、追いつかれた東京Vが先に動く。メンバー交代は行わずも、綱島をボランチ、齋藤、新井を両サイドハーフに移して染野と木村を最前線に配置した[4-4-2]に布陣を変更した。 一方、前半の良い流れを継続する新潟はボールを保持しつつ、球際の勝負でも互角以上に渡り合って相手のカウンターを許さず。ポケットへの侵入から幾つか際どいシーンを作り出した。 後半序盤の展開を受けて城福浩監督は54分に2枚替えを敢行。新井悠太と染野を下げて松橋優安、山見を同時投入。並びを[3-4-2-1]の形に戻し、試行錯誤の戦いを強いられる。 そんななか、58分には攻勢の新潟が押し切る。右CKの場面でゴール前で混戦が生まれると、ゴール右でこぼれ球に反応した舞行龍ジェームズの右足シュートがゴール左隅に決まり、ベテランDFのゴールで逆転に成功した。 耐え切れずに試合を引っくり返された東京Vは、宮原和也に代えて食野壮磨を投入。再び選手の立ち位置に変化を加えて反撃を目指す。71分には中盤での攻防を制し、左サイドへの大きな展開から最後はペナルティアーク付近の綱島がミドルシュートを放つが、これは枠の左に外れた。 それでも、腹を括って前からの圧力を強めたチームは75分、左CKの二次攻撃からボックス左でこぼれ球を回収した齋藤が味方へのマイナスパスではなく意表を突く切り返しからゴールライン際に運んで正確なクロスを供給。これをゴール前の綱島がゴール左隅へヘディングで流し込んだ。 これで2-2の振り出しに戻った試合。追いつかれた新潟は失点直後に矢村に代えて奥村仁、太田修介に代えてダニーロ・ゴメスとアタッカーを続けて投入。さらに、負傷の稲村隼翔が下がった終盤の86分は3枚替えを敢行。切り札の小見洋太らをピッチに送り出した。 完全にイーブンで迎えたアディショナルタイム5分を含めた後半最終盤の攻防では、互いにフレッシュな交代選手を軸に最後まで勝ち点3への執念を見せたが、2-2のままタイムアップを迎えた。 この結果、新潟はホーム連戦を2試合連続2-2のドローで終え、またしても新体制初勝利はお預けに。一方、東京Vは今季初のドローとなった。 アルビレックス新潟 2-2 東京ヴェルディ 【新潟】 長谷川元希(前42) 舞行龍ジェームズ(後13) 【東京V】 木村勇大(前10) 綱島悠斗(後30) 2025.03.08 16:05 Sat東京ヴェルディの人気記事ランキング
1
G大阪戦で悪夢の3選手負傷…東京Vの城福監督が負傷者の状況を説明…「何箇所かの損傷がある」山田剛綺の長期離脱の可能性認める
東京ヴェルディの城福浩監督が、ガンバ大阪戦で負傷した3選手の状態について言及した。 東京Vは2日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第4節でG大阪と対戦し、0-1で敗戦した。 FC町田ゼルビア戦での初勝利の勢いを活かして連勝を目指した味スタでのホーム開幕戦だったが、同試合ではDF千田海人、FW山田剛綺、MF福田湧矢の3選手が相次いで負傷し、プレー続行不可能となる悪夢のようなアクシデントに見舞われた。 そのG大阪戦後の会見では「詳細はまだ聞いていない」と3選手の状態について明言を避けた指揮官だったが、5日に行われたトレーニング後の囲み取材の場で改めてケガの状態に言及。 いずれも前半に負傷した2選手に関して厳しい見通しを明かした。 前半10分過ぎの守備対応の際にハムストリングを痛めた千田に関しては、「(MRIの)画像も撮って診断もされたので、クラブからリリースを出さなければいけないぐらいのレベルの長さ」と、詳細への言及は避けたものの数週間以上の離脱となる見込みであると語った。 また、競り合いの際の着地で左ヒザを強く捻り、自力歩行が不可能で担架にのせられてピッチを後にした山田に関しては、負傷の様子を見た多くの人たちの予想通り、長期の離脱となることを認めている。 「ヒザの1箇所ではなくて、何箇所かの損傷がある。今は患部が腫れていることもあり、今はどの程度ということは言えない。もう少し様子を見て、どういう手法(治療法)が一番いいのかというのはジャッジするということになります」 一方、後半終盤に相手のシュートを至近距離から顔面に受け、脳震とう疑いでの交代となった福田については、G大阪時代に加え、東京V加入後も脳震とうを経験していたこともあり、状態が危ぶまれるところだ。 城福監督はそういった過去の経緯や福田自身の感覚を踏まえ、慎重な対応が必要であるとしながらも、今回のケースに関しては大事に至らなかったと説明。その上で最善を尽くしながら、復帰へのプロセスを進めていきたいと語った。 「彼のこれまでの経緯も含めて、ああいう状況に非常に過敏な状況であることは確か。今年に入っても何度かあったなかで、脳震とうと診断するかどうかというところが、ギリギリのところです」 「ただ、やっぱり慎重に対応しなければいけないし、慎重にジャッジしなければいけない。本人の症状とか、本人の感覚をしっかりとヒアリングしながら対応しなければいけないと思うので、メディカル的なジャッジと本人の認識というか自覚。ここを照らし合わせながら最短で復帰していくと」 「少なくとも過敏になっている部分と、脳震とうというのは違うので、そこはメディカル的にしっかり診断をしてもらって、あとはなるべく離れないように復帰させていくかというところのジャッジになっていくかなと考えています。ただ日々の彼の症状というか、状況を把握しながら、一歩ずつ進めていく感じなのかなと思います」 各選手の状況は異なるものの、少なくとも今後しばらくは主力クラスの3選手が不在となる上、開幕から1勝3敗と厳しいスタートとなった現状を鑑みれば、ここまでベンチを温める選手やメンバー外の選手たちのより一層の奮起が求められるところ。 そんななか、G大阪戦の翌日にはヴァンフォーレ甲府とのトレーニングマッチ(45分×2)を実施。結果は0-0と、得点力不足に喘ぐ状況において芳しいものとは言えなかったが、それでも指揮官は内容を含め、緊急事態の状況で選手たちが見せた姿勢に満足感を示した。 「チームがこういう状況だからこそ、『助けになりたい』、『その一員になりたい』という思いは、みんなが持って試合に臨んだと思います。内容としたら悪くなかったと思いますし、勝っておかしくない試合だったと思います。極寒の中で試合をやりましたが、集中を切らさずにやってくれたなというふうに思います」 「点が取れなかったところは反省しなければいけないですけど、姿勢としたら悪くなかったなと。(3選手の)ああいうケガもあって、それをどういうふうに受け止めて、もっと言えば、山田剛綺と千田海人、福田湧矢の心情も踏まえて、彼らがどうやって、どういうパフォーマンスを、どういう姿勢を示してくれるかなと思って見てましたけど、そこは彼らでしっかり思うところがあるな、という思いが伝わってきたし、それは大事なことかなと思います」 昨季の6位躍進からのJ1での2年目で不振と主力の相次ぐ負傷と、いきなり逆風に見舞われる東京Vだが、逆境でこそ手腕を発揮する闘将とともにチーム一丸となってここからの巻き返しを図る。 2025.03.05 15:38 Wed2
緑の絶対的な守護神がリーグ100試合連続出場の偉業…東京Vマテウス「ここに初めて来たことを思い出すと、本当にうれしい」苦境打破へチームを叱咤
偉業を達成した東京ヴェルディの絶対的な守護神が、新たな思いを胸に苦境のチームとともに巻き返しを図る。 ブラジル屈指の名門コリンチャンス育ちで、フィゲイレンセから2020年1月に東京Vへ加入したブラジル人GKマテウス。 加入1年目から正GKを担うと、ここまでの在籍6シーズンで公式戦182試合に出場し、驚異的なシュートストップや安定したハイボール処理に加え、ディストリビューションにもより一層磨きをかけて攻撃の起点としても機能。2023シーズンのJ1昇格、2024シーズンの6位躍進の立役者となった緑の絶対的な守護神だ。 とりわけ、2022シーズン途中に指揮官に就任した城福浩監督の下では全幅の信頼を得ており、今季はチーム最年長となった31歳は昨季に続いて副キャプテンを任されている。 そのブラジル人GKは、2日に行われた明治安田J1リーグ第4節のガンバ大阪戦でクラブ史上初の偉業を達成。2022年7月24日に行われたJ2リーグ第28節の横浜FC戦からリーグ戦連続出場を続けてきた守護神は、2023シーズンのJ2リーグ、2024シーズンのJ1リーグでも2年連続フルタイム出場し、今季開幕4年目のG大阪戦でリーグ戦100試合連続出場を達成した。 残念ながらその節目の一戦は0-1の敗戦に終わったが、その偉業達成にマテウスは感慨深さを感じたという。 「普段はそういったことを考えない人間ですけど、100試合連続出場というのを達成し、ここに初めて来たことを思い出すと、本当にうれしいことだなと思います。あとはここに来た当初はケガが多かったので、100試合連続で出ているというのは、そういった面でもすごくうれしいことなのかなと思います」 ここまでに至るなかで印象的だった試合について尋ねると、「カウントされているかわからない」と前置きした上で、記録的には含まれない2023シーズンのJ1昇格プレーオフ決勝の清水エスパルス戦。東京Vのキャリアにおけるターニングポイントとなった2022シーズンの天皇杯3回戦の川崎フロンターレ戦の2試合を挙げた。 とりわけ、川崎F戦は前指揮官の下で控えに降格し、苦しい序盤戦を強いられたなか、当時来日中だったブラジルA代表のトレーニングパートナーを務め、城福ヴェルディ初陣となったレノファ山口FC戦でシーズン初出場を果たした直後の一戦だった。 その試合で背番号1は試合を通して驚異的なビッグセーブを連発し、1-0のジャイアントキリング達成の立役者となっていた。そして、今回の記録達成の折に指揮官への感謝の思いも口に。 「天皇杯のフロンターレ戦は自分のなかでは本当に忘れられない試合だったのかなと思います」 「自分のキャリアを、今この日本で築けているのは間違いなく城福さんのおかげと言っても過言ではないですし、その城福さんに対しては本当に最大のリスペクトが常にあります」 自身の記録について比較的穏やかな表情で語った守護神だったが、G大阪戦直後に「この状態だと、J1に残るのは難しい」と、あえて厳しい言葉で現状のチームへの物足りなさを口にしており、8日にデンカビッグスワンスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第5節のアルビレックス新潟戦に向けてもその厳しい姿勢は変わらない。 改めて4試合1得点の得点力の改善、開幕から苦戦が続く交代選手を含めた後半のギアアップの課題克服を訴えた。 「ガンバ戦だけではなくて、シーズン開幕からの4試合ではなかなかいろんなチャンスを作れていない。ガンバ戦だけであれば、そこまで問題視する必要はないと思いますが、4試合を通して、なかなか得点のところでチャンスが作れていないのがチームの現状。そこに対してはしっかりフォーカスして、問題視していかないといけないのかなと思います」 「あとは後半から途中交代で入ってくる選手だったり、流れを変えるプレーだったりというのは去年と比べても、ここ4試合では後半になかなか押し込めていないと思うので、そういったところも踏まえてよくしていかないといけない」 個人としてさらなる連続出場記録更新を目指す新潟戦では、頼れる緑の守護神が相手の攻撃陣の前に立ちはだかる。その上で指揮官同様にピッチ上で誰よりも要求する最後尾からの声に、開幕から湿りがちな攻撃陣が応えることができれば、必ずや今季2勝目に繋がるはずだ。 2025.03.07 17:11 Fri3
手応え得た初勝利の勢いに乗れず今季3敗目…東京Vの城福監督「再点火をしていける底上げは緊急の課題」守護神は厳しい言葉で攻撃の改善促す
手応えを得た今季初勝利から上昇気流に乗りたい東京ヴェルディだが、連勝のチャンスを逃した。 東京Vは2日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第4節でガンバ大阪と対戦し、0-1で敗戦した。 開幕連敗スタートとなったチームだが、前節はFC町田ゼルビア相手にヴェルディらしさ全開の痛快さと泥臭さに溢れたパフォーマンスで1-0の勝利。城福浩監督を始め、多くの選手もこのパフォーマンスをベースにここからの巻き返しへポジティブな反応を示した。 その町田戦から中3日で臨んだ今節は味スタでの開幕戦で、1勝2敗の戦績で並ぶG大阪と対戦。3連戦の最終戦となったが、指揮官は各自の状態を見極めつつも町田戦と同じスタメンをチョイス。対してファジアーノ岡山に0-2で完敗したダニエル・ポヤトスのチームは、ディフェンスリーダーのDF中谷進之介らに加え、エースでキャプテンのFW宇佐美貴史がベンチ外となった。 前半は両者の直近のフォーム、飛車角抜きで攻守にチグハグ感が否めないアウェイチームに対して、東京Vが優勢に試合を進めた。 背後へのボールと“へそ”と呼ばれる中盤の底を使ったビルドアップを効果的に使い分けながら押し込みつつ、連動した前線からのプレスで相手に効果的な前進を許さず。狙いとするポケットへの侵入、ショートカウンターからフィニッシュに繋げていくが、最後の精度を欠いた。 また、10分過ぎの守備対応の際にハムストリングを痛めたと思われるDF千田海人、前半終盤には競り合いの際の着地で左ヒザを痛めたFW山田剛綺がいずれもプレー続行不可能となり、3バックの中央と最前線で躍動していた2人をアクシデントで失う不運に見舞われた。 後半はサンフレッチェ広島から新加入のMF満田誠、DF佐々木翔悟のハーフタイム明けの投入でボールの前進を改善しつつ、前線からの圧力を強めたG大阪に押し返されながらも、町田戦同様の粘りの守備でイーブンの状況を維持。しかし、後半から投入したMF福田湧矢が至近距離で相手のシュートを顔面で受けると、脳震とうでこの試合3人目の負傷交代に。 すると、3度目のアクシデントの直後の85分には右サイドでの満田とMF山下諒也のパス交換からFWイッサム・ジェバリを経由してボックス手前左でボールを受けた途中出場のMFファン・アラーノに狙いすました右足インスウィングのクロスを供給されると、ファーに走り込んだジェバリにヘディングシュートを決められ、土壇場での失点となった。 それでも、後半アディショナルタイムは9分と、同点だけでなく逆転まで持って行くチャンスは十分にあったが、昨季“ヴェルディ劇場”と称された最終盤での爆発力を欠くチームは、試合巧者のG大阪を前にスタンドを沸かせるような見せ場を作れず。今季3敗目を喫することになった。 同試合後、城福監督は「現場をやっていればアクシデントはある」と、1試合で異例と言える3度のアクシデントを言い訳にすることなく、自ら敗戦の責を負った。 「現場をやっていればアクシデントはあるものですけれども、そういうアクシデントをプラスに変えられなかったというのは、本当に残念ですし悔しいです。自分に何ができたかというところは、もう1回俯瞰して振り返りたいと思いますけれども、サポーターが本当に背中を押してくれている姿を見て、やはり今日のようなアクシデントがあったなかでも勝ち点を取らなければいけないと改めて思いました」 試合内容に関しては自分たちの時間帯で仕留め切れない攻撃面の課題、「自分たちのペースにならないのであれば、どう耐えて勝ち点を取っていくか」と失点場面を含めたゲームマネジメントの改善を要求。 とりわけ、開幕から大きな課題となっているビハインド時の反発力という部分で“ゲームチェンジャー”の台頭を強く求める。 「前半と後半で全く様変わりしたゲームをしてしまったので、ここはやはり選手層のレベルの底上げをしなければいけないと改めて思いました。公式記録だとシュート数が(ヴェルディが)5本、(相手が)1本という前半のなかで、2回ぐらい決定的なシーンがありました。ただ後半になると、我々の2本に対して、10何本も打たれている。この様変わりが後半にパワーがなくなった証拠ですし、もちろん交代の難しさはありましたけれども、エネルギーを再点火していくことは、辛抱強くやっていかなければいけない」 「もっと自チームに点火をさせるような、それはプレーとしても精神的にもそういう選手をもっともっと育てていかなければいけないですし、ボールが来ないと見るか、自分で呼び込むと見るか、自分から取りに行くというか。そういうメンタルをどう変えていくかがまだ変えきれていない。再点火をしていける底上げは、緊急の課題。それはピッチの上でもメンタル的にも。ここは自分の采配含めて、もう一度ゼロベースで考えなければいけないかなと思っています」 町田戦後に「ピッチに関われなかった選手が何を感じるか」とベンチやベンチ外で過ごした選手の奮起を大きなポイントに掲げていたなか、今回の試合では指揮官を納得させる選手の登場とはならなかったが、「詳細はまだ聞いていませんという答えでいいでしょうか」とG大阪戦後に言及した負傷者3名の状態は大きな懸念材料。そのため、この敗戦を踏まえ、より意識を高めた新たな力の台頭を待ちたいところだ。 一方、開幕4試合でわずかに1得点という深刻な得点力不足は喫緊のチームの課題。 クラブの予算規模もあって以前から圧倒的な個に依存せず、質の向上を促しつつ、“質よりも量”と決定力や最後の精度を、より多くのチャンスクリエイトでカバーすることを目指してきたが、前述のシュート数のコメントにもあるように、現状では質も量も足りていないと言わざるを得ない。 その点についてFW山見大登が「ここまで1点しか取れていないところは前線の責任でもあると思いますし、そこでのクロスの入り方であったりとか、ラストパスの質や落としの質とか、そういったものをもう一段階レベルを上げる必要がある」と語れば、MF綱島悠斗も「そもそもシュートの本数を増やさないとゴールは取れないと思いますし、シュートの本数を増やすだけでなく、その精度にもっともっとこだわっていかないと勝ち点3には届かない」と、質と量の改善を意識している。 また、昨季から前線の選手のハードワークを称えながらも、シーズン終盤には前線の選手の得点力低下に警鐘を鳴らし、チームとして前線の選手にいかに得点を取らせるかという部分に言及してきた守護神のマテウスは、より現状への危機感を抱いている。 「攻撃のところで自分たちがチャンスを作り出す機会も少なかったですし、そこを活かせる機会も少なかった。シュート数を含めて最近の試合とそこまで変わらない数字だったのではないかなと思います。このままだと勝てても1-0、0-0という試合が多くなってきますし、もう少し攻撃のところを改善していかないと、勝ちというのはなかなかついてこない」 「失点してからだけではなくて0-0の状態からも、自分たちがチャンスを作れていない、得点機会を得られていないという部分が、ここまでの結果につながってしまっていると思います」 さらに、「この状態だと、J1に残るのは難しい」とより厳しい表現でチームの改善を訴えた背番号1だが、本来のポテンシャルを発揮し切れないチームに苛立ちを募らせつつも、その表情に悲観的な様子はなく、チームが必ずやこの試練を乗り越えられると信じている。 2025.03.02 23:26 Sun4
「この勝利は本当に大きい」離脱者続出もアウェイで勝利したG大阪、移籍即デビューの満田誠をポヤトス監督も評価「すぐにハマる」
ガンバ大阪のダニエル・ポヤトス監督が、東京ヴェルディ戦の勝利を振り返った。 2日、明治安田J1リーグ第4節でG大阪はアウェイで東京Vと対戦した。 ミッドウィークのファジアーノ岡山戦では低調なパフォーマンスに終わり2-0で敗れていたG大阪。ケガ人もいる中で、この試合はFW宇佐美貴史がメンバー外と、さらに離脱者が出てしまった。 前半はなかなか上手く自分たちのペースに持っていけなかったG大阪だが、東京Vも良い形でチャンスを作れずにゴールレスで折り返し。するとハーフタイム、ポヤトス監督は電撃加入したFW満田誠を投入し流れを変えに行った。 すると後半はより前進していけるようになり、ゴールに迫っていくと、途中投入されたファン・アラーノが浮かせると、イッサム・ジェバリがヘディングで合わせてゴール。G大阪は0-1で勝利を収め、今季2勝目を記録した。 アウェイでの勝利を収めたポヤトス監督は試合を振り返り、前半は難しかったものの、後半は良い流れを作れたと記者会見で語った。 「今日の試合を総括すると、良くも悪くもなかった試合だと思う。前半はコントロールできない試合展開が15分から20分まで続いた」 「コントロールできない中で危険なシーン、チャンスは作られていなかったが、自分たちの思い通りの試合展開には進められなかった」 「後半に入り、ショウゴ(佐々木翔悟)とマコ(満田誠)を交代で入れた中で、しっかりと2人が助けてくれたと思う。前半なかなかプレーをコントロールできなかった中、しっかりと2人の交代でコントロールできるようになり、そこからチャンスを増やすことができ、最後は決め切ることができた」 「その後しっかりと良い姿勢で良い振る舞いで守備もできた試合だったと思う。離脱者が結構いる中で勝利が必要だったので、しっかりと勝てたことは良かった」 前半苦しんだ中でハーフタイムの声掛けについては「ハーフタイムの修正だが、ボランチのポジショニングの修正をかけた。あとは、ボランチの2人の距離感に関しても修正を加えた」とコメント。また、ハーフタイムで満田を投入した狙いも当たったとした。 「相手のプレッシングを外した後になかなか前進できていない印象だったので、マコを入れることでプレスを回避したあと、よりチームを前に持っていける能力があるとわかっていた。それを引き出したかった」 「あとは、彼がライン間で受けてターンして、そのまま運んでいけるところを使いたかった」 「能力があることは理解していた中で、少ない練習期間でこれだけできるということは、すぐにハマると思う。このスタイルにもしっかり適応できるだろう」 加入して間もない満田も絡んだ中でのゴール。この試合では前節の岡山戦で見られなかった球際の強さも見られた。 「毎試合別々の試合ということは自分がそういった考え方をしている。岡山戦は悪い試合だったと認めるしかない。岡山戦は悪かったが、そこから何を学ぶことができたのか。自分達がミスしたから学ばなければいけないと伝えてきたし、そう思っている」 「デュエル、球際のところでの戦う姿勢はこの前の岡山戦でできていなかったが、今日はそのキャラクターを出せて証明できたと思う。岡山戦は忘れていたわけではないができていなかった、ただ、今日はそれはできていたということだ」 この試合では宇佐美が不在。DF中谷進之介やFWウェルトンら昨季の主軸の離脱が相次いでいる。 宇佐美については「今彼の状況をこの場で伝えるタイミングではないのでコメントは差し控えたい。少し違和感があったので、今回は置いてきた」と、違和感があるとしたポヤトス監督。その中での勝利は、大きなものだと振り返った。 「名前を挙げていけばキリがないぐらいだ。ウェルトンもそうだ。離脱者がいる中でのこの勝利は本当に大きかった」 <span class="paragraph-title">【動画】ファン・アラーノのクロスからイッサム・ジェバリ</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"> <a href="https://twitter.com/GAMBA_OFFICIAL/status/1896104437460189606?ref_src=twsrc%5Etfw">March 2, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.03.02 20:52 Sun5