「あの試合から出始めていろいろな成長ができた」東京Vの千田海人が川崎Fとの再戦に臨む
2024.11.29 20:00 Fri
東京ヴェルディのDF千田海人が、J1デビューを果たした川崎フロンターレとの再戦に臨む。
その一戦ではJ1屈指のクオリティを誇る攻撃陣を相手に出色のパフォーマンスを披露し、デビュー戦での勝利はならずも今季リーグ戦で初のクリーンシートをもたらした。
この活躍をきっかけにレギュラーを掴むと、夏場に一時ポジションを失ったものの、ここまでリーグ戦25試合に出場。[3-4-2-1]のディフェンスラインの中央で、DF谷口栄斗とともに守備の統率者として安定したパフォーマンスを見せている。
強靭なフィジカルを生かした地対空の対人戦を最大の特長としながらも、ディフェンスリーダーらしい冷静さを併せ持ち、一喜一憂しない落ち着いた性格の186cmのDFは、J1デビューから7カ月を経ての再戦に向けて「目の前の一試合として戦います」と、あくまで普段通りの意識で臨む構えだ。
とはいえ、3バック変更後初めて対戦し、今季のチームのターニングポイントになったヴィッセル神戸との対戦を引き合いに出しつつ、「個人の話をするのであれば、あの試合から出始めて僕自身も今年の試合のなかでいろいろな成長ができた部分もある」、「個人的な部分も含め結果に結び付けられれば、チームも良くなっていくと思いますし、そこの部分をしっかりとピッチで見せられれば」と、あくまで主語は“チーム”であるものの、川崎Fを相手に個人としても成長を実感できるような試合を見せたいと語った。
その前回対戦からは東京Vが布陣を変更した一方、対戦相手もメンバーの入れ替えに加え、プレースタイルの部分でマイナーチェンジが図られている。
その対戦相手の印象について千田は「低いところでも繋ぐ感じを見せながら、意外とシンプルに前線を使ってくるところは使ってくる」と若干の変化を感じながらも、「フロンターレの良さというところをずっと選手が意識しながらやっているイメージ。ボランチも自由に動いていますし、サイドにもいい選手がいる。そこで自分たちも苦しめられると思うので、しっかり分析しながら相手の良さを消したい。あとはずっと相手のペースにさせず、自分たちがボールを握れる時間帯をたくさん作れればと思います」と、根本的な部分では大きな変化はないとみている。
前回対戦で見応え十分のマッチアップを見せたFWエリソン、後半戦に入って完全にゴールスコアラーとして覚醒し、得点ランキング4位の16ゴールを挙げるFW山田新ら多士済々の相手攻撃陣に対しては「キープ力があり、周りとの関係性もいい。2人とも個人でシュートまで持っていける選手」とその能力の高さを改めて警戒。その上で「しっかりと後ろでコミュニケーションを取りながら対応したい」としている。
一方、攻撃面ではシステム上のミスマッチでの優位性の作り方、攻撃的なサイドバックの背後、切り替えの攻防といった部分がキーになるとみている。
「あまり長いボールを蹴ってこないので、そこのところでの切り替えを高い意識でやらせるのと、しっかりリスクマネジメントをしながら、そこを前の選手にやってもらうというところにこだわっていきたいと思います。あとはサイドバックの裏のスペースをどう使っていくか」
また、直近のホームゲーム3試合では前半の比較的早い時間帯の失点が続いており、チームとしては大きな改善点だ。
その点について千田も「一番大事な時間帯で失点してしまうと、やっぱり試合は難しく進んでしまう。前回も相手のストロングのところでやられているので、ちゃんと全員が危機感を持って対応していくというところを、より一層引き締める必要があります」と、毎試合のことながら入りの改善を訴えた。
最後に、千田はホーム最終戦に向けて「J1に上がって初めての年でどういうふうに終わっていくかということはヴェルディの来年にも繋がると思いますし、そういう部分でこの2試合は大事。サポーターの方にとっては今年の締めくくりだと思いますし、やっぱりいい形で『今年ヴェルディを応援してきてよかったな』、『見ていておもしろいな』とか、何か感じてもらえるような試合やプレーを見せられたらいいなと思うので、最後は勝って終わりたいです」と、ファン・サポーターに勝利を誓った。
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2023年にブラウブリッツ秋田から東京Vに加入した千田は、加入1年目となった昨シーズンにセンターバックのバックアッパーとして16年ぶりのJ1昇格に貢献。加入2年目となった今シーズンは明治安田J1リーグ第2節の浦和レッズ戦でベンチ入りを果たして以降はベンチ外が続いていたが、4月20日にアウェイで行われた第9節の川崎F戦(0-0△)で、29歳でのJ1デビューを果たした。この活躍をきっかけにレギュラーを掴むと、夏場に一時ポジションを失ったものの、ここまでリーグ戦25試合に出場。[3-4-2-1]のディフェンスラインの中央で、DF谷口栄斗とともに守備の統率者として安定したパフォーマンスを見せている。
そして、30日に味の素スタジアムで行われる第37節ではキャリアのターニングポイントとなった相手との再戦に臨む。
強靭なフィジカルを生かした地対空の対人戦を最大の特長としながらも、ディフェンスリーダーらしい冷静さを併せ持ち、一喜一憂しない落ち着いた性格の186cmのDFは、J1デビューから7カ月を経ての再戦に向けて「目の前の一試合として戦います」と、あくまで普段通りの意識で臨む構えだ。
とはいえ、3バック変更後初めて対戦し、今季のチームのターニングポイントになったヴィッセル神戸との対戦を引き合いに出しつつ、「個人の話をするのであれば、あの試合から出始めて僕自身も今年の試合のなかでいろいろな成長ができた部分もある」、「個人的な部分も含め結果に結び付けられれば、チームも良くなっていくと思いますし、そこの部分をしっかりとピッチで見せられれば」と、あくまで主語は“チーム”であるものの、川崎Fを相手に個人としても成長を実感できるような試合を見せたいと語った。
その前回対戦からは東京Vが布陣を変更した一方、対戦相手もメンバーの入れ替えに加え、プレースタイルの部分でマイナーチェンジが図られている。
その対戦相手の印象について千田は「低いところでも繋ぐ感じを見せながら、意外とシンプルに前線を使ってくるところは使ってくる」と若干の変化を感じながらも、「フロンターレの良さというところをずっと選手が意識しながらやっているイメージ。ボランチも自由に動いていますし、サイドにもいい選手がいる。そこで自分たちも苦しめられると思うので、しっかり分析しながら相手の良さを消したい。あとはずっと相手のペースにさせず、自分たちがボールを握れる時間帯をたくさん作れればと思います」と、根本的な部分では大きな変化はないとみている。
前回対戦で見応え十分のマッチアップを見せたFWエリソン、後半戦に入って完全にゴールスコアラーとして覚醒し、得点ランキング4位の16ゴールを挙げるFW山田新ら多士済々の相手攻撃陣に対しては「キープ力があり、周りとの関係性もいい。2人とも個人でシュートまで持っていける選手」とその能力の高さを改めて警戒。その上で「しっかりと後ろでコミュニケーションを取りながら対応したい」としている。
一方、攻撃面ではシステム上のミスマッチでの優位性の作り方、攻撃的なサイドバックの背後、切り替えの攻防といった部分がキーになるとみている。
「あまり長いボールを蹴ってこないので、そこのところでの切り替えを高い意識でやらせるのと、しっかりリスクマネジメントをしながら、そこを前の選手にやってもらうというところにこだわっていきたいと思います。あとはサイドバックの裏のスペースをどう使っていくか」
また、直近のホームゲーム3試合では前半の比較的早い時間帯の失点が続いており、チームとしては大きな改善点だ。
その点について千田も「一番大事な時間帯で失点してしまうと、やっぱり試合は難しく進んでしまう。前回も相手のストロングのところでやられているので、ちゃんと全員が危機感を持って対応していくというところを、より一層引き締める必要があります」と、毎試合のことながら入りの改善を訴えた。
最後に、千田はホーム最終戦に向けて「J1に上がって初めての年でどういうふうに終わっていくかということはヴェルディの来年にも繋がると思いますし、そういう部分でこの2試合は大事。サポーターの方にとっては今年の締めくくりだと思いますし、やっぱりいい形で『今年ヴェルディを応援してきてよかったな』、『見ていておもしろいな』とか、何か感じてもらえるような試合やプレーを見せられたらいいなと思うので、最後は勝って終わりたいです」と、ファン・サポーターに勝利を誓った。
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“努力の人”がようやく手にした目に見える結果…J1初ゴール含む2ゴール決めた東京Vの綱島悠斗「そこに対して努力してきたからこそ得点を奪えた」
指揮官やチームメイトも認める“努力の人”が待望のJ1初ゴールを含む2ゴールを挙げた。 東京ヴェルディは、19日に味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第34節の浦和レッズ戦で2-1の逆転勝利を収めた。 この一戦でチームを逆転に導く殊勲の働きを見せたのが、東京Vのアカデミー育ちで国士舘大学から加入2年目のDF綱島悠斗だ。 チームは前半の入りから攻守に相手を圧倒したものの、前半半ばに一瞬の隙を突かれて先制点を奪われると、後半も良い入りを見せながらも最後のところで粘る浦和の守備を崩し切れず。 その焦れる状況で迎えた59分、相手陣内右サイドでFKを得た東京VはDF翁長聖のクイックリスタートに反応したDF谷口栄斗が右サイド深くからグラウンダーのクロスを供給。これは相手DFに撥ね返されたが、前半からこぼれ球を虎視眈々と狙っていた背番号23がペナルティアーク付近から右足を一閃。鋭いシュートがゴール右隅の完璧なコースを射抜き、DFがブラインド気味だった影響もあってさしものGK西川周作も反応できないゴラッソとなった。 大学時代は守備的MFを主戦場に、プロ1年目では競り合いの強さや傑出したボール奪取能力をより前目で活かしたいというチーム事情から前線でも起用され、以前からシュート意識は高かった。 ただ、長いリーチを活かしたパンチ力のあるシュートはなかなか枠を捉え切れず、個人としても明確な課題として日々のトレーニングで改善を試みてきた。それがこの同点ゴールのシーンで結実した。 「前半からこぼれ球が自分の前に来ていたので、本当にいい形でボールがこぼれてきたら、シュートを振ってやろうと思っていました。そしたら本当にたまたま谷口選手が潰れてくれて、自分のところにボールが転がってきたので、時間もあったので落ち着いてゴールを見た時に、ニアサイドがすごくフリーだったので、1回落ち着く時間があったからこそうまくリラックスしてボールを蹴れたのかなと思います」 さらに、76分には左CKの場面でFW山見大登が入れた右足アウトスウィングの正確なボールをドンピシャのヘディングで合わせ、逆転ゴールまで奪ってみせた。 チームでは山見や翁長、MF山田楓喜ら質の高いプレースキッカーに、サイズに恵まれた選手が揃っているものの、今季ここまではセットプレーに直接合わせる形でのゴールは一度もなかった。 その中で「自分の入り方は少し変えないといけないですし、インパクトのところもより緻密にというか、狙った場所に当てられるようにというのは意識していきたい。『自分が点を決めてやるぞ』という迫力をもっと出したい」とここ最近語っていた188cmの長身を誇るターゲットマンは、有言実行の活躍を見せた。 「谷口選手だったり翁長選手だったりが、自分がフリーになるためにスペースを作ってくれたりとか、そういう動きがあったおかげで、自分のところにドンピシャのボールが来て、本当にボールもすごくよかったですし、あのときにあの場所で触れたことが得点に繋がった大きなポイントだなと思います。本当にボールがよかったからこそ、インパクトを意識するだけでゴールを決められたので、本当に周りの選手のおかげだと思っています」 同じ3バックでプレーするDF千田海人が「いつもどんな練習も100%でやることで、こういうふうにいろいろ点と点が結びついてくる」と日頃の取り組みを称えれば、城福浩監督も「日々努力しているのは見ています」と語る“努力の人”は、周囲への気遣いも忘れない人間性も魅力だ。 ミックスゾーンで取材に対応した冒頭には「まずこの場を借りてひとつ言いたいことがあります」と自ら切り出し、「前節自分はケガをしてしまってこの試合にまず出場できるか危うい状態だったにもかかわらず、ヴェルディのメディカルスタッフ含めていろんな人の尽力があったおかげで、自分がこうやって試合に出場することができた。本当に周りの人に感謝したいなと思っています」と、プロフェショナルな仕事を見せたスタッフへの感謝を公の場で示した。 ここまで試行錯誤の日々が続いた中、ようやく求めたゴールという目に見える結果を残した綱島は「結果を出せたことに関してはすごく自分自身も嬉しく思っていますし、そこを自分がずっと求めてきたというか、そこに対して努力してきたからこそ、得点を奪えたと思っていますし、そこの努力は間違っていなかったと感じています」と、改めてこれまでの歩みの正しさを実感。 ただ、「ちょっと余分なやりすぎなプレーもあった」と指揮官が釘を刺すなど、試合を通しては課題も見受けられた。元々、謙虚な24歳も「得点以外のところに関してはまだまだ伸びしろがある。もっともっと成長できる点がたくさんあるので、そこに次はフォーカスし、得点ももっと伸ばしながら自分がもっと成長できるように取り組んでいきたい」と気を引き締めている。 これでチーム4試合を残して悲願のJ1残留を確定。綱島は「自分たちの手でJ1残留を決めることができたことはすごく嬉しい」とひとつの目標達成を喜びつつも、「自分たちは残留が目的ではなくて、ひとつでも上の順位に行って、本当に狙えるのであればACLを狙えるところまでいきたい」と、個人としてもチームとしてもさらなる高みを目指してシーズン終了まで戦い続ける。 <span class="paragraph-title">【動画】綱島悠斗の大きなJ1初ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%B6%B1%E5%B3%B6%E6%82%A0%E6%96%97?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#綱島悠斗</a> 綱島 悠斗(東京V)<a href="https://twitter.com/hashtag/%EF%BC%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> <a href="https://t.co/BEO8nEalWq">pic.twitter.com/BEO8nEalWq</a></p>— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) <a href="https://twitter.com/J_League/status/1847581052224880711?ref_src=twsrc%5Etfw">October 19, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.10.20 06:50 Sun5
「あのときから積み上げてきた」東京Vが神戸との再戦で成長示す…「ふさわしい形で勝てたらもっと成長できる」
10日、味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第36節のヴィッセル神戸戦に臨む東京ヴェルディは首位撃破での3連勝を狙う。 東京Vは前節、アルビレックス新潟に2-1で勝利し、今シーズン4度目の連勝を達成。順位を6位に上げている。AFCチャンピオンズリーグ出場権争いに踏みとどまるなか、残り3試合ではより上位でのフィニッシュを目指しつつ、来シーズンに繋がるような戦いを意識する。 新潟戦が前倒し開催となった影響で、中17日での開催となる今回のホームゲームでは、5月末に行われた前回対戦で1-0と競り勝ったJ1王者相手のシーズンダブルを目指す。 その前回対戦ではFC町田ゼルビア戦での大敗、ルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦での今季初の連敗を受け、短い準備期間の中で[4-4-2]から[3-4-2-1]へ布陣変更。内容的には課題も少なくなかったが、王者相手に泥臭く勝ち切った勝利がチームに与えた自信は大きく、シーズンのターニングポイントのひとつとなった。 そして、約5カ月を経て再戦する今回の試合はチームとしての完成度、成長を示す重要な一戦となる。 前回対戦では3バックの中央でFW大迫勇也、FW武藤嘉紀らと激しいマッチアップを繰り広げたDF千田海人は、「ほぼ外国人みたいな感じ」とJリーグ屈指のタレントを誇る相手の前線の印象について言及。 「タレントも実力もあってベテランの経験もあって、宮代選手もすごくいい選手。前線はみんなキープ力があって推進力もありますし、個の能力が高い選手たちばかり。スタイルというのがしっかり固まってきて、シーズンを通して作り上げてきたチーム」 相手の実力を認めた上で、「ファーストのところは自分たちが責任を持って守備しなければいけないですし、そこに対してのセカンドラインとかのコンパクトさ」を守備のポイントに挙げつつ、「守備の切り替えとかも早いですし、そこでしっかり対策と相手の良さをどう消すかというところを意識してやっていきたい」と、守備のポイントについても語った。 5カ月ぶりの再戦に向けては約1年前の熾烈なJ1昇格争いを振り返りつつ、チームとしての成長を示したいと意気込む。 「自分たちは去年J2から上がってきて、日本でも資金力もあるし、実力ともに整ったチーム相手にやれるのは本当に幸せなこと。自分たちがどうやってそこまで来たかと振り返ると、もちろん結果もそうですけど、しっかり成長したところは自信を持ってやってきたところなので、まだチャレンジャーかもしれないですけど、しっかり自分たちの力を示さないといけない」 「前回対戦も決して簡単なゲームではなかったですし、本当に前半はいつやられてもおかしくないというか、かなりチャンスメイクもされました。あのときから3バックが始まって、シーズンのなかで自分たちが作り上げてきたものはそこから始まって、もちろん相手も積み上げていると思いますけど、僕たちもそれ以上に積み上げている部分がある。それをしっかり見せるというか、ピッチで体現できれば、ここ2試合いいゲームができているので、そこのところで慢心せずにしっかり危機感を持ちながら向かっていきたい」 前回対戦ではクローザー役を担い、直近の新潟戦で待望のJ1初ゴールを挙げたFW山田剛綺は、スタート起用が想定される今回の一戦で2試合連続ゴールが期待される。 「各年代のコーチや監督から連絡をもらったり、すごくうれしかった」と初ゴールを喜んだが、「特に何か変わることはなく全員が熱量高く、首位の神戸相手にどう勝っていくかというところを再確認してトレーニングしている」と、浮足立つことなく2週間以上に渡る準備期間の取り組みを振り返った。 前回対戦同様に持ち味でもある前線からの守備での貢献が求められる一方、シャドーのポジションでのプレーも整理されてきたストライカーは、「クロスの部分では個人的にも得点の匂いを感じているので、そこは狙い続ける。あとは、自分たちの真ん中には(森田)晃樹とか(齋藤)功佑くんとかボールを持てる巧い選手がいるので、そこと合わせて背後へ抜けたり、ディフェンスとのライン間で受けて、ゴールというのは意識している」と、堅守攻略へのイメージも持っている。 優勝争いの真っただ中にいる首位との対戦に特別な意識はないと語る山田剛だが、3連勝に向けては個の能力で勝る相手に対して「全員がひとつになって戦うこと」、「目の前の相手に負けないこと」を常に意識して戦いたいとしている。 一方、前回対戦では2ボランチの一角で勝利に貢献し、ここ最近では2シャドーの一角で再び存在感を示し始めているMF見木友哉。 前回対戦からは「守備のところでは、3バックに変えた当初に比べれば間違いなく成熟している。そういうところでは間違いなく成長した姿を見せられる」と守備面の成長を実感。 攻撃面に関しては「相手は4バックなので5レーンをうまく使いながら、サイドに揺さぶっていくところが大事。ボールホルダーへの寄せだったりは間違いなく強度も高いと思いますけど、そこを自分たちの技術で打開することができればチャンスを作れる」と、相手のプレッシャーを上回る個や連携での打開をポイントに挙げている。 また、今回の神戸戦がJリーグ通算200試合目の節目の一戦となる見木は、「(ジェフユナイテッド千葉時代に)100試合のセレモニーのときは、相手が水戸でしたが点を取りました。今回も神戸、(川崎)フロンターレ相手に点を取って、チームの勝利に貢献したい」と、メモリアルゲームでのゴールも虎視眈々と狙っている。 最後に、緑の背番号10は「前回神戸に勝ちましたが、あまり勝てるような内容ではないけど勝ったみたいな感じだったので、今回ホームでしっかり自分たちのやるべきことをやって、勝ちにふさわしい形でしっかり勝てたら、チームとしてもっと成長できる」と、内容にもこだわった上で王者相手のシーズンダブルを誓った。 2024.11.09 20:00 Sat東京ヴェルディの人気記事ランキング
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大学屈指FW中村草太ら6名全員がJ1の舞台へ! 明治大がJリーグ加入内定会見実施
明治大学は4日、Jリーグ加入内定選手合同記者会見を実施した。 今年度は第98回関東大学サッカーリーグ戦1部で2年ぶり8度目の優勝とともに史上初の無敗優勝を成し遂げた明治大。その中心を担った6名は、栗田大輔監督の同大学での指導者キャリアでも初となる、全員がJ1クラブへの加入が決定した。 今回の内定選手記者会見には主将の中村草太(サンフレッチェ広島)、副主将の常盤亨太(FC東京)、上林豪(セレッソ大阪)。熊取谷一星(東京ヴェルディ)、内田陽介(東京ヴェルディ)、永田倖大(京都サンガF.C.)が出席。 関東大学サッカーリーグ戦1部で2年連続得点王とアシスト王に輝いた大学屈指のストライカーである中村草太は、プロ1年目での「10ゴール10アシスト」を目標に。さらに、「大学でのプレーをそのままというか、それ以上にサンフレッチェ広島のピッチで体現したい」と意気込みを語った。 また、加入が決定した各クラブから各選手へのメッセージ動画も紹介され、広島と京都からはミヒャエル・スキッベ監督、曺貴裁監督、C大阪は森島寛晃社長、東京Vは江尻篤彦強化部長。そして、FC東京と京都ではいずれも明治大OBであるDF長友佑都、福田心之助からも後輩たちへのエールが届けられた。 長友は「来シーズンから厳しい競争やレベルも上がると思いますが、ともにFC東京のタイトルのために頑張っていきましょう!」と今春のプレシーズンキャンプでも一緒にプレーした常盤へのコメントとともに、同じプロの舞台に進む後輩6名に対しては「厳しい練習や苦しいこともたくさんあると思いますが、常に夢と目標を持って努力すれば、必ずかなうと僕は信じています。ともに夢に向かって頑張っていきましょう!」とエールを送った。。 来年1月からJリーグ入りする6選手だが、明治大サッカー部として最後の大舞台となる『第73回全日本大学サッカー選手権大会』でインカレ2連覇を目指す。 なお、今回Jリーグ加入が内定した各選手のコメントは以下の通り。 ◆FW 中村草太(サンフレッチェ広島) 「来季からサンフレッチェ広島に加入することが決まりましたけど、まずは自分の持てる力を全てサンフレッチェ広島に捧げたいなと思っています。その上で開幕スタメンを目標にするのではなく、開幕戦ゴールという目標を立てて、大学以上のインパクトをプロの世界で残していきたいなと思っています」 ――大学4年間で成長した部分 「プレーの面で、攻撃のところは個の力というか、そういうものが本当に成長できたなと感じていますが、自分として一番は、守備のところが一番成長できたなと思っています。1年生や2年生の最初の方は守備で苦労しましたし、正直高校生まではあまり守備をしてこなかったというか、攻撃に重きを置いていたので、本当にそこで一番苦労しましたし、ひとつの寄せる距離であったり、ポジショニングだったり、本当にいろいろありますが、そういったものが1年生の頃に比べたら、成長できた部分かなと。守備の部分が一番成長できたのかなと思っています」 ◆MF 常盤亨太(FC東京) 「来季からFC東京に加入しますけど、FC東京に自分自身強い思い入れがありますし、FC東京がまだ達成したことのないリーグ優勝というのを、自分が中学で入ったときからリーグ戦優勝に自分が貢献するということを決めていたので、来年は開幕からスタメンを取って絶対にFC東京がリーグ優勝し、そこに自分自身貢献するという強い思いをもって入団したいと思います」 ――大学4年間で成長した部分 「自分が一番成長できたと感じている部分は範囲が広くなったところです。動く範囲、見る範囲、パスの範囲もそうですが、とにかく運動量、球際、切り替えというところは自分の強みとして入学しましたが、出せる範囲が狭かったり、とにかくボックス・トゥ・ボックスというところを栗田監督から言っていただいているなかで、攻撃でも守備でも動き回る範囲が広がったと感じています。考え方の部分で自分はどうしても頭で考え込んでしまったり、自分自身のなかだけで解決しようとしてしまっていましたが、そこも栗田監督から指摘をいただいて、どういう状況になっても、ある意味で考えすぎないところだったり、人のいいところを盗むといった部分は成長できたところだと感じています」 ◆GK 上林豪(セレッソ大阪) 「来シーズンからセレッソ大阪に加入します。自分が小学校からユースまで8年間、お世話になったクラブに戻ることができて本当にうれしく思っています。セレッソは今年、クラブ創立30周年で優勝という目標を掲げていましたが、今年優勝することはできず。常盤も言っていましたが、セレッソ大阪もリーグ優勝を目指すクラブです。自分が来シーズン加入して、セレッソをリーグ優勝に導きたいですし、自分が全試合に出てセレッソを優勝させるという強い目標をもって来シーズンからやっていきたいと思います」 ――大学4年間で成長した部分 「4年間で安定感が増したなと思っています。下級生の頃は栗田監督からハイボールの飛び出しの判断であったり、背後に対する飛び出しの判断というところで、課題があるというふうなことをおっしゃっていただいて、それは性格に起因するというような言葉をいただきました。そういったなかで、性格や人間的なところも含めて、自分を改めて見つめ直したときに、やっぱりムラがあるなというようなことを感じて、そういったところを直そうというようなところを日常から思っていました。その結果、プレー面ではハイボールやクロスに対する判断であったり、そういった飛び出しの判断も含めて、自分としても飛躍的に成長したなというふうに思っています。それがメンタルの安定性にも繋がって、キックであったり、そういった全てのプレーの安定感の向上に繋がったというふうに思いますし、一番は安定感のところが増したと思っています」 ◆MF 熊取谷一星(東京ヴェルディ) 「東京ヴェルディでの目標は、まずは試合に出ること。そして、チームの勝利に貢献すること。日々の練習で、今まで明治で積み上げてきたことをぶらさずにやり続けることを目標としたいと思います」 ――大学4年間で成長した部分 「総合的にすごく成長できたと思いますが、そのなかで、球際、切り替え、運動量の3原則の部分のベースは、ものすごく成長したと思います。そして、自分はアタッカーの選手なので、今までの高校時代までは、ドリブルが特徴でしたが、やっぱり大学4年間で、ドリブルは手段というか、ゴールを奪うための手段というふうな考え方に変わったことで、またプレーの幅が大きく広がったなというふうに感じています」 ◆DF 内田陽介(東京ヴェルディ) 「今後の目標は、開幕スタメンはもちろん狙っていますし、1試合でも多くの試合に出て、東京ヴェルディの勝利に貢献できるように、自分自身としても成長していきたいと思っています。明治のサイドバックとしても結果を残して、これまで支えてくださった方々に恩返しができるように、自分自身成長していきたいと感じています」 ――大学4年間で成長した部分 「運動量、球際、切り替えという3原則の部分は、日々の練習のなかで常に意識していたことなので、そういうところの強度というところでは、高校のときと比べて成長したなというふうに感じています」 ◆DF 永田倖大(京都サンガF.C.) 「来季から京都サンガに加入しますが、自分の武器である対人能力、そしてヘディングは絶対に誰にも譲らず、1年目からレギュラーで試合に出られるように、日々実直に頑張っていきたいと思います」 ――大学4年間で成長した部分 「守備のところが、よりアラートになったかなと思います。やっぱり前に出過ぎて、自分の背後を取られるだったり、スライドが遅かったり、押し出しが遅かったり、そういうところがありましたが、明治で日常を追求していくなかで、よりそこが洗練されていって、守備のところが自分の絶対的な武器になったかなと思います」 <span class="paragraph-title">【写真】明治大のJ内定者会見…OB長友佑都もビデオメッセージ</span> <span data-other-div="movie"></span> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241204_1_tw12.jpg" style="max-width:100%; 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さらなる躍進目指す東京Vに来季何をもたらすか…明大から加入内定の熊取谷一星&内田陽介が意気込み
16年ぶりのJ1の舞台で躍進を見せた東京ヴェルディに頼もしい2人の新戦力が加わる。 明治大学は4日、Jリーグ加入内定選手合同記者会見を実施。関東大学サッカーリーグ戦1部で2年連続得点王&アシスト王に輝いた主将のFW中村草太(サンフレッチェ広島)とともにJ1クラブ加入が内定している6名が意気込みを語った。 そのなかで東京Vに加入するのは、中村とともに強力な攻撃陣を牽引してきたMF熊取谷一星、左右のサイドバックを主戦場に攻守両面で安定感抜群のプレーで貢献してきたDF内田陽介の2選手。 今年度は第98回関東大学サッカーリーグ戦1部で2年ぶり8度目の優勝とともに史上初の無敗優勝に貢献した、攻撃と守備の要の一人は、内定会見後に来シーズンに向けた意気込みを語った。 大学サッカー界屈指の名将として知られる栗田大輔監督が中学時代から関心を示し、ラブコールを送っていた熊取谷は、浜松開誠館高校から明治大に進学。最大の特長であるドリブル、個での打開力は大学サッカーにおいてもすんなりと通用した一方、指揮官が「自分のプレーをやることがいいプレーだというスケールの小ささがあった」と指摘した課題もあった。 それでも、「ドリブルは手段というか、ゴールを奪うための手段というふうな考え方に変わったことで、プレーの幅が大きく広がった」との意識改革をきっかけに、最も得意とするカットインに固執するスタイルからボールのオン・オフの改善でより多彩なアタッカーにレベルアップ。 指揮官も「去年のインカレ直前ぐらいからちょっとスケール感が出てきて、自分のためというよりもチームにおける自分の役割、チームのためにとか、最善の最良のプレーは何なんだというところのプレーの選択がものすごく広がり、それと同時に自信と力強さがみなぎってきた。体は小柄ですが、スピードと逆を取る動き、スペースを見つけてくる動き、それに合わせて得点に絡んでくるプレー。これは本当に人を魅了できるプレーヤーなんだろうなと思います」と評価したように、大学サッカー界屈指のアタッカーに成長。その後、今年5月に東京Vへの加入内定が発表された。 一方の内田は青森山田高校時代に全国高校選手権準優勝に貢献し、明治大に進学。「上下動、運動量が多く、守備の部分では絶対に対人で負けない」と、長友佑都(FC東京)、室屋成(ハノーファー)、森下龍矢(レギア・ワルシャワ)ら世界で活躍するサイドバックを輩出してきた“明治のサイドバック”を体現するスタイルの持ち主で、指揮官も「サイドバックの職人のような選手」と評する総合力の高さに、青森山田時代からの代名詞であるロングスローも武器とする。熊取谷同様に複数の選択肢があったなか、今年7月に東京Vへの加入内定が発表されている。 同大OBである江尻篤彦強化部長の就任以降、数名の選手が加入しているルートもあり、同世代の若手の活躍も印象的だが、城福浩監督の下で“リカバリーパワー”、“靴一足分の寄せ”などをキーワードにハイインテンシティの痛快なスタイルで、昨シーズンのJ1昇格、今シーズンここまでの6位躍進を成し遂げた緑の名門に対して、両選手は『球際・切り替え・運動量』の3原則をテーマに掲げる明治との共通点を加入決断の理由に挙げている。 「自分のプレーの特徴とヴェルディがやるサッカー、目指すサッカーが合っているというふうに感じたのと、もうひとつは練習の雰囲気のところで、やっぱり1人1人が誰も手を抜かないとか、1本にこだわったり、すごく細部にこだわるところとか、全力でやるところ。今まで自分が積み上げてきたことはそういうものだったので、やっぱりプロの舞台に行っても変えたくないものだったので、すごくヴェルディに惹かれて決めました(熊取谷)」 「走る、戦う、体を張るというベースの部分で、本当に明治と似ているなというふうに感じたのと、自分の特徴でもある攻撃参加の部分だったり、運動量と球際というところで本当にフィットしているなと感じました(内田)」 そういったスタイルの部分での共通点を感じる2選手だが、江尻強化部長を含めてクラブからは「ヴェルディに染まることなく明治でやってきたことをそのまま出してほしい」と、現チームにはないメンタリティや姿勢をもたらすことを期待されているという。 その点について内田が「明治でやってきたこと、そういうところを強みにするというか、なくさないようにして、そのなかでも自分の特徴であったり、プロで吸収したことというのを出していきたい」と語れば、熊取谷も「明治からプロの舞台行くというのは責任があると思いますし、その責任を背負ってそれを力に変えてプレーすることが大事だと思っています」と、明治で培ってきたものをプロの舞台でも活かしたい考えだ。 共に今季すでに特別指定で登録されていたなか、熊取谷は5月末に行われたレアル・ソシエダ戦でプレー。シャドーを主戦場にボランチ、左のウイングバックでもプレー可能なユーティリティ性を含め、ある程度東京Vでのプレーイメージは掴めている印象だ。 また、現在は4バックのサイドバックでプレーする内田だが、後半戦は[3-4-2-1]をメインシステムとする東京Vではウイングバックでのプレーが想定されるが、その適応の部分で問題はないという。その上で自身のアピールポイントとともに今後の課題について語った。 「明治で今は4バックでやっていますが、たまに3バックもやっていて、自分もウイングバックをやっています。通用するというか、自分の特徴でもあるサイド攻撃だったり、運動量という部分ではヴェルディでもアピールしたいですし、発信力だったり、存在感というところはもっと伸ばしていかないと、プロでは全然通用しないと思っているので、そこは伸ばしていきたいと考えています」 なお、来季はJ1の舞台で対戦する中村に両選手について聞くと、「私生活のところでいくと、2人ともあまり表に出て何か人と話すというよりかは、わりと内にこもってというか、人見知りな部分がある」とコメント。DF袴田裕太郎、GK長沢祐弥、3学年上のMF稲見哲行と3人の先輩が在籍するものの、新天地に馴染む上での若干の不安を口に。 一方で「クマ(熊取谷)はテクニックがあって、本当にアイツがボールを持ったら、自分が動き出すというところは決めているので、アイツがいなかったら、たぶん今の明治は優勝できていないなと思う、そのぐらいの存在」、「内田は本当に上下動のところが素晴らしいのと、青森山田で鍛えたところもあると思いますが、明治で培った運動量、球際、切り替えというところは本当に秀でている」と、プレー面に関しては厚い信頼とともに、対戦時への警戒を語った。 今季は開幕前に降格候補とみなされながらも、その下馬評を覆す快進撃で6位に躍進し、来季もJ1で戦うことになった東京V。 両選手も「知っている選手も多い」と語るなど、よりレベルの高い環境でプロ生活をスタートできることを歓迎。だが、「自分の実力が試される(内田)」、「憧れの気持ちはありながらも、逆に憧れになれるようなプレーをしていきたい(熊取谷)」と同時に気を引き締めている。 最後に、16年ぶりのJ1復帰と今季の勇猛果敢な戦いぶりでホーム平均2万人超えと、盛り上がりを見せる東京Vでの戦いに向けて両選手は、ファン・サポーターの前でのプレーを心待ちにするとともに決意を語った。 「自分は(国立での)プレーオフも、J1の試合も見させていただきましたが、やっぱりたくさんのお客さんがいるなかで、プレーすることはすごく力になります。そのなかで来てくれる人全員に勝利を届けたいと思いますし、自分のプレーを見せたいなと思います(熊取谷)」 「本当に熱狂的で、チームとサポーターが一体感のある雰囲気で、選手としては、自分としても憧れの舞台でもあるので、そういう部分では本当にいい雰囲気。1試合でも多くの試合に出て、東京ヴェルディの勝利に貢献できるように、自分自身としても成長していきたいと思っています(内田)」 栗田監督も「ヴェルディの顔になるような選手になってほしい」、「サイドバックは明治の顔であり、素晴らしい選手が多いJリーグで存在感を示してほしい」と期待を懸ける大学屈指のタレント2人は、さらなる躍進を目指す来季の東京Vでどんな活躍を見せてくれるか…。 2024.12.05 07:45 Thu3
「戦犯かヒーローかだった」圧巻のハットトリックで勝利に貢献した川崎Fの山田新、エースとしての責任もある中での3点を自画自賛「カッコ良いと思う」
東京ヴェルディ戦で圧巻のハットトリックを決めた川崎フロンターレのFW山田新が、自身の活躍を振り返った。 30日、明治安田J1リーグ第30節で川崎Fはアウェイで東京Vと対戦した。 今シーズンは苦しいシーズンとなった中、なんとか1桁順位も見える位置まで浮上してきた川崎F。鬼木達監督も今シーズン限りで退任することが決まっており、残り試合もわずかとなっている。 味の素スタジアムでの一戦は壮絶な展開に。主役はキャプテンマークを巻いた山田だった。16分、PKを獲得した川崎Fは山田がしっかりと決めて先制すると、22分にはボックス右からのクロスをファーサイドで待っていた山田がヘッド。相手DFとの駆け引きでマークを外して決め切った。 川崎Fが2点を先行した試合だったが、東京ヴェルディが反撃。前半に1点を返すと、後半はさらに点の取り合いに。東京Vは谷口栄斗が1点を返し追いつくも、川崎Fはファンウェルメスケルケン際、マルシーニョのゴールで勝ち越し。山田はこの2ゴールにも絡む活躍を見せる。 しかし、東京Vの谷口が躍動。セットプレーからハットトリックを達成し追いつくことに。ただ、主役はやはり山田。後半アディショナルタイム4分にロングボールをエリソンが競り勝つと、こぼれ球を左足で強烈に振り抜きゴール。ハットトリックと共に、4-5での乱打戦を制した。 ハットトリックで勝利に導いた山田は試合を振り返り、「自分が失点に絡んだ部分もあったので、戦犯かヒーローかだったので、(点が)取れて良かったです」と、しっかりとヒーローになれたことを喜んだ。 3ゴール共に簡単なゴールではなかったなか、山田はそれぞれのゴールを振り返った。 「(1点目の)PKはマルシーニョとお見合いになってしまって難しくした形でしたが、あそこで焦らずに前を向けたことは良かったと思います。上手くPKをもらえたと思います」 「(2点目の)ヘディングはボールが良かったので、うまくミートできました」 「3点目はエリソンがあそこで競り勝ってくれることを信じて、狙い通りのところにボールを落としてくれて、前を向いた瞬間コースが見えたので、振り抜きました」 圧巻の活躍を見せた山田。実は試合前にエリソンから声をかけられていたとし、2点目以降はハットトリックを狙っていたとした。 「試合前からエリソンに『3点取れ』と言われていましたし、もちろん意識はしていました。2点取っていた時点で3点取らないといけないなと思っていましたが、3点取らなくても勝てる試合ができたと思いますが、自分たちで難しくしてしまって、その中でも自分が勝たせられて良かったです」 このハットトリックで今シーズンのリーグ戦のゴール数を「19」とした山田。20ゴールを目前となった中「ここで固め取りできたことは大きいですし、残り1試合。ACLもありますけど、チームが今一体感あって良い状況なので、自分が得点して勝っていければ良いかなと思います」と、残り試合でもゴールを奪うことを目標だとした。 リーグ戦終盤でありながら、AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)も並行して行われている状況。「自分はそこまで試合に出ていなかったんですが、それでもかなりトランジットがあったりして大変で、時差もあって、夜中に帰ってきてとか、結構難しい部分もありましたが、勝って帰ってこれたので、チームとして良い雰囲気でやれていて、みんなで1つになれてやっているので、良かったかなと思います」と、結果が出ていることが良い状況に繋がっているとした。 エリソンの言葉については「よく分からないんですけど試合前に3点取れよと。試合に出る前のロッカーで言ってきました。その通りになりました」と、謎の予言を受けていたが、実現できたとした。 また、5点全てに絡んでいる山田。「(ファンウェルメスケルケン際のゴールでは)ああいったところでボールを受けたら、自分がゴールに迎えるのが1番の特徴で、相手にとっても嫌で、自分も怖さを出せると思っているので、あそこでマイナスに入れて、誰かが入ってきてくれれば良いなと思っていました。上手く際君が決めてくれたのが良かったと思います」とコメント。マルシーニョのゴールは「シュートのこぼれもマルちゃんが決めてくれました。自分が枠に飛ばせたことが繋がったと思います。しっかり抑えて打てたことが良かったかなと思います」と、しっかりパフォーマンスが出せたことが良かったとした。 今シーズンは控えのスタートから始まった中、ここまでリーグ戦全試合に出場。シーズン途中からはスタメン出場が増え、3試合連続複数得点などゴールを積み上げてきた。 山田は「フィジカル的な成長ももちろんありますし、メンタルのところでシーズンの戦い方、1試合にフォーカスした戦い方も、これだけ得点が動く中で、自分がしっかり得点を意識して90分間やれたことは、色々今年経験したことでの成長かなと思います」とコメント。自身でも成長を感じるとした中、決定力が上がっていることについても「プロ入ってよりフィニッシュのところは数は多くトレーニングできているので、そこの精度のところは自信がついてきていますし、難しいことよりかは、シュート、フィニッシュのベースができている感覚があります」と、基本的な技術の向上が結果に繋がっていると語った。 今回のハットトリックも右足、頭、左足とそれぞれ違うところでゴールを記録している。「バランスよく取れているシーズンだと思いますし、色々な形から得点が取れるようにトレーニングしてきて、その結果が数字に表れているかなと思います」と、どの形からでもゴールを奪えることに自信を窺わせた。 今日はゴールを取れる予感もあったとし、「ゴールが取れそうな感覚が試合を通してあって、チームがそこまで運んでくれていますし、そこでゴール前に居られれば決められそうだと思って試合を進めていたので、そこで上手く決め切れたと思います」とコメント。川崎Fのエースとしての自覚についても「本当に自分が得点しないと勝てないですし、得点だけじゃなく、自分が良いパフォーマンスを出さないと良い試合ができないです。自分の責任は、去年よりも重くなってきていると思うので、しっかりそれに答え続けられるようにしたいです」と、責任感を持ってプレーを続けているとした。 もちろん、周りの選手のサポートがあってこそ。「立ち位置が違いますし、自分は思い切ってやるだけで、今は自分が引っ張っていかないと思っています」と語り、「ただ、みんなが自分を伸び伸びやらせてくれていますけど、責任も感じています」と語った。 キャプテンマークをつけてハットトリックでの劇的勝利に貢献。山田は「カッコ良いと思います」と自画自賛。「負けてハットトリックにならずに良かったです」と、チームとしても結果が出て良かったとした。 <span class="paragraph-title">【動画】劇的結末!山田新がハットトリックで乱打戦勝利に貢献!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="ABr_b_D3650";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.11.30 19:55 Sat4
2度の2点差追いつくもホーム最終戦飾れず…東京Vの城福監督「相手に火をつけられたところは悔やむところ」
16年ぶりのJ1の舞台で躍進を見せてきた東京ヴェルディだが、ホーム最終戦での敗戦によってわずかに残されていたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得の望みが絶たれた。 東京Vは30日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第37節で川崎フロンターレと対戦。互いにハットトリック達成者が生まれ、9ゴールが生まれる壮絶な打ち合いに4-5で敗れた。 これで4試合ぶりの黒星となり、今節勝利した4位のガンバ大阪(勝ち点63)、5位の鹿島アントラーズ(勝ち点62)との勝ち点差が広がり、6位以下でのフィニッシュが確定した。 首位のヴィッセル神戸相手に互角の内容で1-1のドローに持ち込み、小さくない手応えを得た前節から約20日の中断期間を経て臨んだ試合。強度の高いトレーニングを継続し各選手のコンディションは決して悪くなかったが、今週の紅白戦でサブ組に圧倒されるなど、戦前から唯一の懸念材料だった試合勘や緊張感という部分が露呈する入りとなった。 今週ミッドウィークにACLエリートでタイのブリーラムとアウェイゲームを戦い、その試合から中3日の過密日程で臨んだ川崎Fが立ち上がりからテンポよくボールを動かすなか、前線からのプレスが嵌らずに押し込まれると、16分にはDF綱島悠斗の不用意なヘディングでのバックパスを奪われた流れからPKを献上。これをFW山田新に決められて、ホームでは4試合連続で前半に先制点を奪われた。 さらに、22分にはDFファンウェルメスケルケン際の右クロスを山田新に今度はヘディングで叩き込まれて2失点目を喫した。 この連続失点を受け、城福浩監督は30分過ぎに綱島を下げてFW染野唯月を投入。[4-4-2]の布陣に変更すると、前半終了間際にはその染野を起点とした攻撃からMF見木友哉のゴールが生まれ、1点ビハインドで試合を折り返した。 良い形で後半に入ったホームチームは立ち上がりにDF谷口栄斗がセットプレーの流れからゴールを奪い、2-2の振り出しに戻す。追いついた勢いを活かして前がかるも、川崎Fの鋭いカウンターから際どい場面も作られると、57分にはファンウェルメスケルケン際、65分には見木へのアフターチャージが流される微妙な判定もあったなか、FWマルシーニョに続けてゴールを許した。 それでも、ホーム最終戦で意地を見せる東京Vは、71分と83分にいずれもセットプレーから谷口が連続ゴール。キャリア初のハットトリックで再び2点のビハインドを追いついたが、どちらがゴールを奪ってもおかしくなかった最終盤の攻防においてGKからのロングボールに競り勝ったFWエリソンのヘディングパスに抜け出した山田新にパーフェクトハットトリックとなる左足シュートを突き刺され、最後は力尽きた。 2度のビハインドを追いつき、後半のパフォーマンスだけを見れば、勝ち点3を獲得してもおかしくない内容ではあったが、やはり入りの部分が悔やまれた。 同試合後の会見で城福監督は「選手は自分たちの持てるものを今日は出してくれた」と選手たちの奮闘を評価した一方、「それが2点取られてからというところが、今日の大きな反省点。自分たちで火をつけてスタートできる。自分たちで火をつけてトレーニングから取り組めるというところを、目指し続けてきているので、相手に火をつけられたというところは悔やむところ」と、受け身となった前半の戦いを悔やんだ。 キャプテンのMF森田晃樹は「最初の2失点は僕たち選手の緩さが出た失点」。見木も「プレスもちょっと甘かったですし、寄せ切るところだったりというのが足りなくて、早い時間に2点ビハインドという本当に苦しい状況を作ってしまった」と、口々に反省の弁を述べた。 一方、前半途中からの投入で気迫のこもった守備からチームに喝を入れ、ビハインドを追いつく牽引車の一人となった染野は「レギュラーの人たちが、もう(自分たちが出ることが)決まっているような感じで練習でもやっていたので、そこは先発組というか、スタメン組は肝に銘じて練習からしっかりやっていかないと、こういう試合になる。そこは危機感を持ったほうがいいと感じていました」と、あえて厳しい表現で戒めた。 2度の2点差を追いつく反発力は不屈のチームメンタリティを示す東京Vの良い部分ではあるが、同じく2点差を追いついた京都サンガF.Cとのホームゲーム(2-2)、3点差を追いついた鹿島アントラーズとのアウェイゲーム(3-3)を含め勝ち点3という結果を得られておらず、来シーズンに上位陣との差を詰めていく上での宿題となった。 また、[4-4-2]へのシステム変更によって流れを変えたが、百戦錬磨の指揮官はそれが質の高い攻撃を誇る川崎Fに対して“諸刃の剣”となることも理解していたという。 同点後も勝ち点3奪取へ攻撃な姿勢を貫いた自身のゲームプランに関して「悔いはない」と明言した城福監督だったが、「(布陣変更は)本意ではなかったですし、3バックで反撃したかった。やはり3バックから4バックに変えると、最後のギリギリのところで、絞り方とか、カバーの仕方というのは数メーター変わる。やはり変えざるを得なかったという状況が、我々の大きな反省点かなと。変えたことで点は取れたとは言えますけど、あの早い時間に変えざるを得なかったというのは大いに反省しなければいけない」と、当初のプラン通りに戦えなかった悔しさを滲ませた。 これで「彼らをアジアに連れていく」という指揮官の「超野心的」な目標は達成できなかったが、城福監督にとっては今回の痛い黒星も来季以降のさらなる躍進への糧になると捉えている。 敗戦後に行われたホーム最終戦セレモニーの締めくくりで指揮官は、「今日は負けてしまい、超野心的な、可能性としては数パーセントしかなかった、彼らをアジアに連れていくというのは、今年は成し得なかった。ただその可能性が今日の試合まであったということは、我々は自信を持っていいと思いますし、今年の成長の曲線を見たら、彼らはもっとやれる。あと1試合、成長の証を見せたいと思います。みなさん、一緒に戦いましょう」と、力強い言葉で新たな決意を示した。 12月8日にアウェイで行われる京都との今季最終節ではこの1年の研鑽の集大成とともに、来季に向けた決意表明となるような城福ヴェルディらしい戦いを期待したいところだ。 2024.11.30 23:00 Sat5