緑の10番が浦和戦での8戦ぶりスタメンへ闘志燃やす…見木友哉「自分たち主導の試合にできれば」

2024.10.18 20:30 Fri
スタメン奪取へ闘志燃やす見木友哉
©超ワールドサッカー
スタメン奪取へ闘志燃やす見木友哉
東京ヴェルディの背番号10が8戦ぶりのスタメンへ静かに闘志を燃やす。
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東京Vは19日、味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第34節で浦和レッズと対戦する。前節、湘南ベルマーレに0-2の完敗を喫したチームは、7戦ぶりの黒星と共に6位から8位に転落。現時点で勝ち点48と最大の目標である残留はほぼ確定しているが、残り5試合をいかに良い形で締めくくるかという部分で、久々の敗戦からのリバウンドメンタリティが試される今回の一戦は非常に重要なものとなる。
湘南戦後に城福浩監督がメンバーの入れ替えを示唆し今回の中断期間でチーム内競争が促された中、スタメン奪取へ強い意欲を示しているのが、MF見木友哉だ。

ジェフユナイテッド千葉からの完全移籍加入で、いきなり背番号10を託された26歳MFは初挑戦のJ1の舞台で開幕13試合連続でスタメン出場。ほぼフル稼働となった前半戦はボランチとサイドハーフを主戦場に、一時はデュエル勝利数でランキング上位に位置するなど中盤の要として存在感を示した。
ただ、後半戦に入って徐々に序列が下がると、直近7試合はすべて途中出場と無敗継続でメンバーを入れ替えづらい状況もあって“ゲームチェンジャー”の役割に甘んじる日々が続いた。

それでも、いずれもビハインドを背負ったガンバ大阪戦、湘南戦ではより長いプレータイムを与えられ、中断期間に行われたシンガポール代表との練習試合でも90分プレーした背番号10は、幾つかのポジションでテコ入れが見込まれる中で最もスタメンに近い選手の一人だ。

その見木について城福監督も、「自分の立ち位置がどうであろうが、取り組み続けてきましたし、何かを変えたいという気迫は見せ続けてきた選手。掴み取りたい、今までの自分を打ち破りたい。その中で先発に食い込んでいきたいという気迫を、間違いなく発信し続けた選手の一人」と真摯な日々の取り組みとポジション奪取への気概を評価している。

シンガポール戦でアビスパ福岡戦以来、約3カ月ぶりの90分出場を経験して準備万端のMFは、浦和戦への意気込みを語った。

チームとしては完敗した湘南戦で出た“戦う”、“走り勝つ”というファンダメンタルな部分の改善と共に、より能動的な戦いを見せたいと考えている。

「まずは監督がベースにしている戦う部分だったりは前提にある上で、最近は自分がサブになる試合が多くなった辺りの前半は、どちらかというと相手が主導権握る展開がほとんどだったと思うので、そこはベンチから見ていても、もっと前半から自分たちが主導権を握って攻撃したいなというふうに個人的には思っていました」

「監督も守備のところで相手にやらせていないけど、ずっと持たれたら前の選手が疲れるということも言っていましたし、その押し返す部分だったり、奪いに行く部分だったり、自分たちがもっとボールを奪いに行って、ボールを持つ時間を増やすというところは、チャレンジしてきたところでもあるので、そういう部分を浦和戦で見せられればいいのかなと思います」

個人としては2シャドーの一角での起用が見込まれる中で「ゴールに直結する部分というのは必要ですし、そこは間違いなく数字というのを求められると思うので、そこで出たら間違いなくゴールだったり、アシストを狙っていきますし、よりそういう仕事ができなければいけないのかなと思います」と、以前からこだわる決定的な仕事を意識。

加えて、ここ最近相手に主導権を握られる展開が多い中、高いキープ力と個で剥がせる見木の特長はMF齋藤功佑、MF森田晃樹の2ボランチと共にボール保持、カウンターの起点として重要となる。

見木自身もスタメンで起用される場合、そういった役割を担いながらチームの戦いをより円滑に進めたいと考えている

「(森田と齋藤と共に)テクニカルな選手が3人揃った時の方がボールは回ると思うので、だからこそ前半に自分たちがそこの3人を活かしながら主導権を握れる展開にしたいなと思っています。ただそこだけにこだわらずに、裏がないとそこも空いてこないので、裏とそこの足元のバランスというのは非常に監督も重視していますし、大事だと思うので、どっちかに偏らないように、どっちもやりながら、主導権を握れるような展開にできたら最高なのかなと思います」

「ボールを獲った後に、自分につけてもらった時に相手を外して時間を作ってウイングバックの加勢の時間を作ったり、(木村)勇大の動き出す時間を作ったりという部分はできると思うので、そこでひとつカウンターの起点になれれば、結構カウンターが効いてくると思うので、そこは自分自身も簡単に失ってはいけないですし、うまく時間を作って、カウンターの起点になりたいです」

開幕2試合目で1-1の前回対戦でもフル出場した見木は、8月末に監督交代を決断し、大幅にメンバーも入れ替わった対戦相手について「今の監督が去年やっていた時は結構堅い守備をやっていた印象」、「攻撃では個の質が高い選手が多いので、間違いなくその一対一で簡単に剥がされたら厳しいと思う」と攻守のイメージに言及。

堅い展開が想定される中、「まずはコンパクトにして、相手に時間を作らせないということは非常に大事。自分たちとしては全然その展開で先制点を取って堅い試合で勝てれば、それもあり。ただ、ピッチに出てからの肌感覚もありますが、守備はもちろん堅くですけど、攻撃のところでもっとたくさん攻撃して、堅くなりすぎないように、自分たち主導の試合にできればいいのかなと思います」と、13位に低迷しながらも地力のある難敵撃破へのプランを語った。

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初代王者が16年ぶりJ1復帰、百戦錬磨の指揮官が最年少スカッドと共にサプライズ狙う【J1開幕直前ガイド|東京ヴェルディ】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、東京ヴェルディを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン(J2):3位(21勝12分け9敗) 2022シーズン(J2):9位(16勝13分け13敗) 2021シーズン(J2):12位(16勝10分け16敗) 【昨季チーム得点王】 染野唯月 6ゴール 【今季ノルマ】 残留 【編集部イチオシ】 DF谷口栄斗 昨季J2:20試合出場/1ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆城福体制2年目で悲願達成</span> 昨季は就任2年目の城福浩監督の下、一昨季の終盤戦に手応えを掴んだハイプレス・ハイラインの戦いを先鋭化。“リカバリーパワー”を合言葉に、クラブ伝統の高い技術と新たに加えたハイインテンシティを武器に、シーズン通して昇格争いのメインキャストを担い、最終的に3位フィニッシュ。その後、劇的な形で昇格プレーオフを制し、16年ぶりのJ1復帰という悲願を達成した。 <span class="paragraph-subtitle">◆平均年齢24歳の今季J1最年少スカッド</span> 昇格組ではJ1仕様への大幅な入れ替え、強力な外国籍選手の補強、J2&J3の主力引き抜きなど様々な強化策がある。そのなかで東京Vは育成路線を継続し、若手偏重の補強を敢行。指揮官が求めるスタイルに合致したタレントを集めた結果、30代の選手がわずか3名、平均年齢24.1歳という今季J1で最も若いスカッドができあがった。 <span class="paragraph-subtitle">◆得点力不足改善に、J1仕様の堅守構築がカギ</span> 現スカッドで最もJ1での実績を持つ宮原和也や染野唯月、林尚輝の残留によって、主力クラスの流出は中原輝、加藤蓮の2選手のみに。その後釜に山田楓喜、翁長聖を迎え入れ、新10番の見木友哉、山見大登といった実力者を補強し、昨季から間違いなく戦力アップに成功した。 ただ、J1基準という点ではエースの染野、J2ベストイレブンに選出された主将の森田晃樹、ディフェンスリーダーを担う谷口栄斗を含め未知数な部分は否めない。とりわけ、昨季J2での総得点が「57」で、2桁得点者不在だった得点力は最大の懸念材料。染野、山田楓、木村勇大といったパリ五輪候補、プロ2年目で本格ブレイクが期待される山田剛綺らアタッカー陣の覚醒は必須だ。 J2最少失点(31)を記録した守備に関しても個のレベルが圧倒的に上がるJ1の舞台において、ハイラインの強気な守備を牽引する谷口や林、守護神マテウスを中心に、いかに早い段階でJ1仕様に仕上げられるかが浮沈のカギを握る。 <span class="paragraph-subtitle">◆初志貫徹で残留勝ち取れるか</span> 16年ぶりのJ1挑戦に向けて「新たなヴェルディのスタイル追求」を掲げ、どんな状況においてもブレない戦いを強調した城福監督。今季J1で最も成長の余白を残すチームは、幾多の苦難が待ち受けるシーズンにおいて、その指揮官の言葉通りの戦いができれば、ノルマである残留と共に下馬評を覆した昨季同様のサプライズをもたらせるはずだ。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GK中村圭佑(18)←静岡学園高校/新加入 DF河村匠(23)←いわきFC/完全移籍 DF山田裕翔(22)←国士舘大学/新加入 DF袴田裕太郎(27)←大宮アルディージャ/完全移籍 DF林尚輝(25)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長 MF見木友哉(25)←ジェフユナイテッド千葉/完全移籍 MF山田楓喜(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍 MF翁長聖(28)←FC町田ゼルビア/完全移籍 MF永井颯太(24)←いわきFC/完全移籍 MF食野壮磨(22)←京都産業大学/新加入 MF山本丈偉(17)←東京Vユース/昇格 MF松橋優安(22)←レノファ山口FC/期限付き移籍より復帰 FW山見大登(24)←ガンバ大阪/期限付き移籍 FW木村勇大(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍 FW古川真人(22)←国士舘大学/新加入 FW白井亮丞(18)←東京Vユース/昇格 FW染野唯月(22)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長 【OUT】 GK高木和徹(28)→ジェフユナイテッド千葉/完全移籍 GK飯田雅浩(23)→ヴァンラーレ八戸/期限付き移籍 DFアルハン(22)→水原FC(韓国)/完全移籍 DF佐古真礼(21)→いわてグルージャ盛岡/期限付き移籍 DF加藤蓮(24)→横浜F・マリノス/完全移籍 DF宮本優(24)→ヴェルスパ大分/期限付き移籍 MF奈良輪雄太(36)→現役引退 MF小池純輝(36)→クリアソン新宿/完全移籍 MF梶川諒太(34)→藤枝MYFC/完全移籍 MF杉本竜士(30)→ザスパクサツ群馬/完全移籍移行 MF楠大樹(23)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍 MF阿野真拓(20)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍 MF西谷亮(20)→FC岐阜/期限付き移籍 MF橋本陸斗(18)→Y.S.C.C.横浜/育成型期限付き移籍期間延長 MF持井響太(25)→アスルクラロ沼津/完全移籍移行 MF石浦大雅(22)→愛媛FC/完全移籍移行 MF甲田英將(20)→名古屋グランパス/育成型期限付き移籍満了 MF北島祐二(23)→アビスパ福岡/期限付き移籍満了 MF長谷川竜也(29)→横浜FC(→北海道コンサドーレ札幌)/期限付き移籍満了 MF中原輝(27)→セレッソ大阪(→サガン鳥栖)/期限付き移籍満了 FW佐川洸介(23)→ザスパクサツ群馬/期限付き移籍 2024.02.16 18:30 Fri
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「残り試合に向け背中を押してくれる」…東京V・城福監督は連勝ストップも土壇場ドローに持ち込んだプロセスを評価

東京ヴェルディの城福浩監督が、劇的ドローに持ち込んだ一戦を振り返った。 東京Vは28日、パナソニックスタジアム吹田で行われた明治安田J1リーグ第32節のガンバ大阪戦を1-1のドローで終えた。 勝ち点2差で5位に位置するホームチーム相手に1999年以来、25年ぶりとなるJ1での5連勝を目指した6位チーム。ゴールレスドローに終わった前回対戦同様に睨み合いの展開が続いた中、前半は大きな見せ場を作れず。後半はよりオープンな展開となり、FW木村勇大や途中出場のMF見木友哉に決定機が訪れたが、DF中谷進之介のゴールカバーやGK一森純の好守に阻まれた。 すると、74分には一瞬の隙を突かれて中央を完璧に崩されると、FW宇佐美貴史の絶妙なラストパスに3列目からの飛び出しで反応したMFダワンに左足シュートを決められて3試合ぶりの失点。 以降は守備的な交代策を含め逃げ切り態勢に入ったG大阪の堅守攻略に手を焼いたが、後半アディショナルタイムの94分にセットプレーの二次攻撃からMF森田晃樹が放ったミドルシュートが相手DFにディフレクトする形でゴールネットを揺らし、土壇場で追いついて1-1のドローに持ち込んだ。 リーグ連勝が「4」でストップし、5位浮上のチャンスを逃す形となったが、指揮官は概ねプラン通りに進め、手応えを感じた中で勝ち点1を持ち帰った一戦をポジティブに受け止めた。 「前半はちょっと我々が急いだというのもあって、相手ボールの時間がちょっと長かったですけれども、ただ絶対にやらせてはいけないバイタルエリアのところの意識は非常に高かったので、ほとんど足を振らせるシーンはなかったと思います」 「ボールは持たれていたけれども、バイタルエリアで仕事をさせない。そうなれば、後半オープンになってきて我々の時間が増えるだろうというふうに思っていたので、そこはある意味でプラン通りでした。一瞬の隙を突かれて点を決められて、ガンバさんのキープ力をベースとした時間をしっかり使っていくというところに苦しめられましたけど、最後に諦めずによく押し込んだなというふうに思います」 ただ、試合内容に関してはエアポケットのような形で喫した失点場面の対応に加え、準備してきた崩しの形の徹底の部分で、構えた際には攻略が困難なリーグ2位の堅守を誇る相手に対して“一発”を狙いすぎた点を課題として挙げている。 「オープンになってきてボールが繋げそうというか、決定的なシーンまで一本のパスで行けそうな感覚があったと思います。そこで『我々は急ぎすぎるな』と、『もっと動かした方が相手は嫌がる』と、そのスピードアップするタイミングというのはもっとペナの付近でいいというところは何回も言いました」 「ボールホルダーが結構フリーになったので、スピードアップするのが早くて、ペナに行く前に勝負のパスだったり、勝負のドリブルというのが始まってしまって、相手を揺さぶる前にボールを奪われるという、もったいないシーンがいくつかありました。辛抱強く回して回してもっとペナの周辺で、見木友哉の決定的なシーンというのも、かなり辛抱強く回した最後のところで顔を出したシーンだったので、ああいうシーンをもっと多く後半最初から作りたかったなと」 それでも、最終的にチームはセットプレー流れでツキにも恵まれる形ではあったものの、自分たちのやり方を貫いた末にゴールをこじ開け、しぶとく敵地から勝ち点1を持ち帰った。 城福監督は引き分けという結果以上に、同点に持ち込んだプロセスを評価し、この経験が残り試合において選手たちの背中を押すものになると考えている。 「自分たちが手応えのある内容の中で点を取られて、今までであればズルズルこのまま時間が過ぎていったような試合になったことは多かったと思います。この連勝になる前の数試合というのは手応えがありながらも点を決め切れないで、最後に点を取られて勝ち点0で終わる試合というのがありました」 「やり続けるということが大事だというのは、連敗をして引き分けてその後に連勝が始まったときに自分たちは痛感しているので、焦れないでやり続けると。我々が目指しているボールの運び方と展開をやり続けることで、チャンスが出てくるんだというのは、みんなが感じていたと思います」 「我々が一番大事にするのは自分たちのサッカーを信じてやり続けることなので、それで同点にできたというのは残り試合において自分たちのやっていることを信じてやり続けるということに対して、背中を押してくれるものがあったと思います」 これで連勝はストップしたものの、無敗試合を「6」に更新した東京Vは残り6試合でのさらなる躍進を目指し、次節はホームで16位の湘南ベルマーレを迎え撃つ。 2024.09.29 07:45 Sun
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待望のJ1初ゴールは敗戦から救う劇的一発に…東京V主将の森田晃樹「チャレンジして結果に繋がって良かった」

東京ヴェルディでキャプテンを務めるMF森田晃樹が待望のJ1初ゴールを挙げた。 東京Vは28日、パナソニックスタジアム吹田で行われた明治安田J1リーグ第32節のガンバ大阪戦を1-1のドローで終えた。 4連勝中で6位の東京Vと7戦勝利がない5位のG大阪が2ポイント差で迎えたシックスポインターは、ゴールレスドローに終わった前回対戦同様にクローズな展開で後半に突入。 よりオープンな展開の中でMFダワンに先制点を奪われたアウェイチームは両ウイングバックにMF松橋優安、MF松村優太とアタッカータイプの選手を入れて前がかるも、守備的な交代策を含めて逃げ切り態勢に入ったホームチームの堅守に苦戦。1点ビハインドのまま後半アディショナルタイムを迎えたが、この土壇場で頼れる主将が執念を見せた。 94分、相手陣内右サイドで得たFKの場面でキッカーのMF見木友哉の高速クロスがボックス内でDFに撥ね返されるも、ペナルティアーク付近でこぼれ球に反応した緑の背番号7が右足を一閃。ゴール前の密集を抜けたグラウンダーシュートはGK一森純がしっかりと反応していたが、その手前でクリアを試みたDF福岡将太が触ったことでコースが変わり、ゴール中央に突き刺さった。 シュート直後に足が攣ってしまうなど、満身創痍の状況で24歳の執念が生んだ値千金の同点ゴールによって敗戦を免れた東京Vは、連勝がストップしたものの難敵相手のアウェイゲームで貴重な勝ち点1を持ち帰ることになった。 J1デビューから27試合目にして待望の初ゴールを挙げた森田は「いいところにこぼれてきたので、足を振れる距離でしたし、迷わず打てたと思います。まずは枠に打てたというのが良かったのと、ふかさずに打てたというところで、相手のそういう当たって入るという感じのハプニングを起こせたのかなと思います」と、劇的な形での殊勲の一発を普段通り飄々とした口調で振り返った。 プロ1年目の水戸ホーリーホック戦では鮮烈なミドルシュートでプロ初ゴールを決めていたものの、以降のプロキャリアでは“天才”とも評される傑出したテクニックと攻撃センスでチャンスメークで存在感を示す一方、ミドルシュートを含めシュート、フィニッシュは課題となっていた。 とりわけ、城福浩監督の下では2ボランチの一角で“へそ”と呼ばれるビルドアップの起点としてアンカーに近い役割を担い、より相手ゴールから遠ざかる形となっていた。 そんな中でも日々のトレーニングにプラスしてシュート練習にも励んでいた効果がようやくこの試合で実を結んだ。それだけに形はどうであれ、チャレンジした末の待望の結果を素直に喜んでいる。 「ミドルシュートはどのタイミングのどの試合でも狙っているつもりでしたけど、なかなか自分の中でのタイミングがつかめなかった中で、今日はいい形で打てるチャンスがあったので、そういうふうにチャレンジして、結果につながったというのが良かったです」 「得点という結果だけは出てなかったので、どの試合でもそうですけど、得点は本当にほしかったので良かったです」 また、攻守両面で全幅の信頼を寄せながらも、以前から決定的な仕事を求め続けてきた指揮官も、若き主将のブレークスルーを歓迎しつつ、さらなる活躍を促している。 「ボランチというポジションはチームをハンドリングする非常に重要なポジションの中で、絶対譲れないのは守備。あそこが緩ければ、本当にクオリティの高いチームだと、我々の失点シーンなんていうのもそうでしたけど、バイタルエリアで相手に仕事をさせない。そこのハードワークと気迫というのはすごく重要で、それを遂行すれば、攻撃の彼の良さはふんだんに出るというふうに思っていますし、J1でも高いレベルのものを示せる選手だと思っています」 「ただボランチというのは攻守が一体なので、必ずそこをしっかり遂行した後でという言い方がいいか、それをしながらアンカーたる、彼のボールの受け方と配球、ゴール前に入っていくというところを、さらに一個上のレベルを突き詰めてほしいです」 待望のJ1初ゴールはチームを25年ぶりの5連勝に導くものとはならなかったが、「自分たちのボールにしながら相手を押し込んで揺さぶりをかけて、ああいうシーンを作れていると思うので、今日は自分たちがやることをしっかり貫いた結果。勝つことが一番ですけど、ビハインドを負っている中でギリギリで追いついて、アウェイで勝ち点1を得られたことはポジティブに考えています」と、頼もしさ増す主将はチームとしても確かな手応えを得た一戦をポジティブに振り返り、残り6試合へこの勝ち点1を良い形で繋げていきたいとした。 <span class="paragraph-title">【動画】東京Vキャプテンが起死回生の同点弾</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>これが東京Vの底力<br>\<br><br>後半ATに値千金の一撃!<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%A3%AE%E7%94%B0%E6%99%83%E6%A8%B9?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#森田晃樹</a> のミドルシュートが<br>相手DFに当たりゴールネットへ<br><br>明治安田J1第32節<br>G大阪×東京V<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> でライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/G%E5%A4%A7%E9%98%AA%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#G大阪東京V</a> <a href="https://t.co/1ryDlL0LmE">pic.twitter.com/1ryDlL0LmE</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1839968377021792508?ref_src=twsrc%5Etfw">September 28, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.09.29 07:15 Sun

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シンガポール代表が日本遠征2戦目で勝利…古巣対戦となった小倉勉監督「国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある」

小倉勉監督の率いるシンガポール代表は11日、AGFフィールドで東京ヴェルディとのトレーニングマッチに臨んだ。 2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選で敗退したシンガポールは、今年12月から2025年1月にかけて開催される『ASEAN Mitsubishi Electric Cup 2024』に向けて調整を進める。 今回のインターナショナルマッチウィークでは日本遠征を実施し、FC東京、東京ヴェルディ、横浜F・マリノスと、J1の3クラブとのトレーニングマッチを組んだ。 その初陣となった8日のFC東京戦を0-4で落としたチームは、小倉監督が昨シーズンまでヘッドコーチを務めた古巣の東京Vと対戦した。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京Vに対して守勢を強いられたシンガポールだったが、15分にカウンターからMFハミ・シャヒンのミドルシュートで先制に成功。以降はMFチアゴ・アウベスらに際どいシュートを打たれたものの、リードを維持したまま終えた。 2本目は招待選手として参加している元U-17日本代表MF仲村京雅が途中出場。リーグ戦に近いメンバーを起用したJ1クラブ相手に、1本目以上に押し込まれる展開を強いられたが、時間の経過とともに[5-4-1]の堅固な守備が機能。相手の決定力不足に助けられた部分はあったが、格上相手の代表戦で見せている真骨頂の粘りの守備で無失点を継続。 メンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にFW白井亮丞にゴールを決められたが、守勢の中でも虎視眈々と攻撃のチャンスを窺っていたシンガポールは終了間際の28分に相手ディフェンスラインの不用意なバックパスをかっさらったショートカウンターからMFファリス・ラムリの冷静なコントロールシュートでゴールネットを揺らし、最終的に2-1の勝利を収めた。 盟友である城福浩監督が率いる古巣相手に今遠征初勝利を収めた小倉監督は、試合後の囲み取材で今回の遠征の意義と手応えについて語った。 「成果というか、こういう環境でやらせてもらえているというのは、すごくありがたい経験で、選手だけではなく、スタッフもコーチもバックルームスタッフも、みんなに日本で得られるこういう環境を体験してもらいたかったというのが一番。それに関してはすごく良かったかなと」 「こうやって試合に出ている選手とか、Jリーグの選手とやっていただけることがすごく僕らにとってはありがたいし、そういう機会というのはなかなかない。今回FIFAウインドーで日本に来た甲斐があったというか、本当に感謝ですね」 「こういう環境でお客さんが入っている中でやらせてもらえることは、国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある、それ以上の意味があるかなという感じです。あともう1試合あるので、それをやり遂げて帰ろうかなという感じです」 試合内容に関しては今シーズンのJ1リーグでも屈指の強度を誇る東京Vに対して、フィジカルや切り替えの部分で互角にやれる選手が数名見受けられた一方、多くの選手は正当なコンタクトでも簡単に倒れ込む場面も散見された。 その点については「強度の部分だとかはレベルが全然違うので、今日も何人か倒れてファウルをアピールした選手がシンガポール代表にはいましたが、それを耐えてプレーするとか、レフェリーの基準や、スタンダードのところを上げていきたいというのが一番にあって、そういう意味ではすごく勉強になった」と、アジアにおいてトップレベルと言えるJリーグの基準を肌で感じられた部分をポジティブに捉えた。 基本的にはW杯予選などで格上と対峙する際の戦いを意識した戦いを見せながらも、チャンスがあれば、ゴールキックからのショートパスを用いたビルドアップや、ロングボールだけに頼らずにゲームを構築しようとする様子も窺えた。 その能動的な振る舞いに対しては城福監督も「押されている中でもしっかりとボールを握ろうとする、あるいはラインを作ろうとするところはやっぱり彼らしいなと思います」と語り、「格上とやるというところでの、リスペクトという部分のほど良さというか、それを考えながらも我慢しながら自分たちのものをしっかりと示していくというのは、我々もいい刺激になりました」と小倉監督の下で進化を図るシンガポールの戦い方を評価している。 それでも、現状の自分たちの立ち位置や練度も熟知する指揮官は「自分たちがやりたいことをやるんですけど、それだけでは勝てない。それはお互いに相手があってのことなので、今日であれば下から繋ぐという、それだけを目標にしているわけではない。一番はゴールを取ることなので、ゴールに直結する。人がフリーであれば、そこに出すのが一番なので、目的と手段が逆になってしまうとまずいので、そういうことだけにはしたくない」と、成長のためのチャレンジに取り組みながらもしっかりと自分たちの足元を見て戦っていきたいと自戒の念を込めている。 また、FC東京戦に続いてこの試合でもプレーした仲村に関しては今年初めにシンガポールの永住権を取得したことで、帰化選手として前述のAFFでの起用も期待されている。 4度のシンガポール・プレミアリーグ年間ベストイレブンに輝くなど、同国リーグで最高の選手の一人としての評価を得ている元日本代表MFの現状について小倉監督は、「今は(市民権が)取れそうな状況。一応僕らにとって次の大きな大会であるAFFという大会があって、その大会が12月にある。それに向けての準備で、取れてからすぐ呼んでもなかなか間に合わないので、そのために呼んでいる」と説明。 ただ、「彼もシンガポール人になっただけで、別に彼が日本人で特別なものをもたらすとか、そういうのは全然思っていないので、彼が良ければ使えますし選べます。それはシンガポール人になったというだけで、他の選手と全く変わりなく扱うつもりでいます」と、かつてジェフユナイテッド千葉時代に指導した教え子に対しても、厳しいメンバー争いを勝ち抜く必要があると競争を促している。 日本遠征2戦目を勝利で終えたシンガポールは、14日にF・マリノススポーツパークで横浜FMとの最終戦に臨む。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 19:10 Fri
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東京V、7戦ぶり敗戦からのバウンスバック図るもシンガポール代表に敗戦…城福監督「危機感があまりない」

東京ヴェルディは11日、AGFフィールドでシンガポール代表とのトレーニングマッチ(35分×3)を戦い、1-2で敗れた。 先週末に行われた明治安田J1リーグ第33節の湘南ベルマーレ戦で0-2の完敗を喫し、リーグ戦7試合ぶりの敗戦を喫した東京V。 その試合後の会見で城福浩監督は、「このチームは何も得ていないし、何も示していないのに、チームとして大きな勘違いをさせてしまった」と自戒するなど、残留が決定的な状況におけるチームの緩みを糾弾。さらに、「指定席があってはいけないと、改めて思いました」とメンバー選考の部分での再考を示唆する発言も行っていた。 そんななか、チームは19日にホームで行われる浦和レッズとの一戦に向けて再始動。11日には昨シーズンまでヘッドコーチとして16年ぶりのJ1昇格に貢献した小倉勉監督が率いるシンガポール代表とのトレーニングマッチに臨んだ。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に、控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京V。序盤からボールを握って押し込んだが、左サイドを崩した立ち上がり以降は攻撃が停滞。すると、15分には相手のカウンターからMFハミ・シャヒンにミドルシュートを決められて、相手のファーストチャンスで失点を喫した。以降はFW染野唯月のお膳立てからMFチアゴ・アウベスにチャンスが訪れたものの、ボックス右で放ったシュートは枠を捉え切れず。0-1で1本目を終えた。 2本目はリーグ戦に近いメンバーを起用し、MF森田晃樹とMF齋藤功佑を起点に攻撃のテンポを上げて1本目以上に押し込む展開に。その中でゴール前でのFW木村勇大のヘディングシュート、左のウイングバックから効果的な攻撃参加を見せたDF深澤大輝のボックス内でのシュートなど決定機を作ったが、ここは相手GKのファインセーブに阻まれると、時間の経過とともにボールを持たされる感が強くなり、攻め切れないまま2本目を0-0で終えた。 それでも、互いにメンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にMF見木友哉のスルーパスを起点にボックス左へ抜け出したMF翁長聖の完璧な折り返しを、ゴール前に詰めたFW白井亮丞がタップイン。ようやくこの試合最初のゴールを記録。以降もMF山田楓喜の右ポスト直撃のシュートや見木、白井の鋭いミドルシュートなどで2点目に迫ったが、ここまでの展開と同様に仕留め切れず。 すると、終了間際の28分にはディフェンスラインでの不用意なバックパスをかっさらわれると、MFファリス・ラムリに冷静なコントロールシュートをゴール右隅に突き刺され、1-1のタイに戻された。そして、最終スコアは1-2の敗戦となった。 湘南戦の敗戦を受け、ポジション奪取を狙う控え選手たちの台頭や主力選手の奮起を促したものの、振るわない内容での敗戦に城福監督は各選手の気迫や危機感を含めて物足りなさを口にした。 「追いかける展開になって、シンガポールもすごく体を張ってきたので、トレーニングマッチとしてはすごく意味がある状況になりましたけど、結果的に我々のイージーなミスでああいう形になったというのは、あのミスだけではなくて、ここまで点が取れなかったところとか、1本目の低調さとか、それを見ながらも見ている選手たちの危機感があまりないという意味では、やっぱり今までの実績関係なく、しっかりとジャッジしなければいけないなと。集中して入ってもらったつもりなので、今日のパフォーマンスというのはちゃんとジャッジして次に向かいたいと思います」 3本共にメンバーをシャッフルしたゆえの機能不全や連携の問題をエクスキューズにしながらも、開幕前から若さや経験不足を埋めるため、質を追求しながらもまずは量でカバーするというコンセプトを掲げる中、その量のところでも勝負できていないと感じている。 「もちろんメンバーをシャッフルしたというか、ミックスしたので、いつも通りではない状況というのは出たと思います。ただ、チームとしたら最終ラインのあり方とか、前線のあり方というのは全員で共有しているつもりなので、そもそもの量が足りないなと、特に1本目は量が足りなかったです」 「もちろん質があって、さらに量があることで、肝心なところで力をさけると思いますが、うまくいかないのであれば、量でカバーしなければいけないという意味でのコンディションも含め、それがトータルで質なので、そこはジャッジしたいなと思います」 指揮官は全体的な物足りなさを語ったものの、この試合でポジション奪取への気概を示したのは、ボランチとシャドーの一角で3本すべてに出場した見木だ。 シーズン序盤はボランチやサイドハーフで主力を担ってきた背番号10だが、ここにきて序列が低下し、ゲームチェンジャーとして途中出場が目立っている。それだけにこの試合に懸ける思いは人一倍強かった。 「90分やったのがアビスパ(福岡)戦以来で、7月以来だったので、自分も長い時間出たいということは言っていて、久しぶりに90分出て決定的なところのチャンスがあったので、そこで仕留め切れなかったことが悔しいです」 「チャンスを演出するところで少しはできたというのもありますけど、こういう試合でもっと決定的な仕事をしなければいけないですし、点もアシストも取れなかったことを考えると、とても悔しい試合になりました」 ポジション奪取への明確なアピールに至らなかったことを自覚するものの、依然として浦和戦に向けた準備期間を大きなチャンスと捉える見木は「最近ずっとサブでめちゃくちゃ悔しい思いをしてきましたし、湘南戦はああいう負け方をして、間違いなくチャンスだというのは自分自身もみんなもわかっている。そこのチャンスをつかむためには日々のパフォーマンスでアピールするしかないので、今日もっとアピールできたら良かったですけど終わってしまったので、もう切り替えて次の試合までの練習でどうにかアピールしてスタメンで出て、そこで結果を残したいなと思います」と、新たな決意を示した。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 20:43 Fri
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ルヴァン決勝進出の名古屋&新潟、J1第35節が前倒し開催に

2024JリーグYBCルヴァンカップ決勝進出チームの決定を受け、明治安田J1リーグ第35節の試合日程が変更となった。 決勝に勝ち上がったのは3年ぶりの優勝がかかる名古屋グランパスと、初の主要タイトルがかかり、初のファイナル行きとなるアルビレックス新潟だ。 両チームの第35節は当初こそそれぞれ11月3日の14時キックオフを予定したが、ともに今月23日の19時キックオフと前倒しで開催される運びとなった。 なお、名古屋はアウェイのガンバ大阪戦、新潟はホームの東京ヴェルディ戦となる。 2024.10.13 18:35 Sun
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C大阪との“ダービー”に臨む東京Vの2選手…山見大登「違いを見せて得点を取りたい」

セレッソ大阪との“ダービー”に挑む東京ヴェルディの2選手が意気込みを語った。 16年ぶりJ1復帰となった東京Vは、開幕節の横浜F・マリノス戦(1-2●)、第2節の浦和レッズ戦(1-1△)と2試合共に善戦と言えるパフォーマンスを見せたが、いずれも終盤の失点によって初勝利を逃した。 そして、3度目の挑戦での初白星を目指す緑の名門は、9日にヨドコウ桜スタジアムで開催される明治安田J1リーグ第3節のC大阪戦に臨む。 今シーズン、ガンバ大阪からの期限付き移籍でJ1昇格クラブに加入したFW山見大登は、関西学院大学から特別指定選手としてプレーした2021年9月のルヴァンカップ準々決勝第1戦で大阪ダービーに初出場。そのダービーデビュー戦でゴールを記録し、チームの勝利に貢献した。 さらに、2022年5月に行われたJ1でのダービーではプロ入り初ゴールをライバルから挙げている。 新天地の東京Vでは横浜FMとの開幕戦で途中出場したものの、直近の浦和戦では出番なしに終わるなど、ここまでは城福浩監督が強く求める守備面の適応に苦戦。それでも、チーム屈指の打開力、アタッキングサードでのクオリティを考えれば、指揮官が台頭を求める攻撃面でのゲームチェンジャーの筆頭だ。 その山見はC大阪とのダービーに向けて強い想いを語った。 「自分がこれまで出ている時間帯は守備に押し込まれる展開が多かったですが、自分はやっぱり攻撃の部分で違いを出さないといけない選手。そこで守備もうまくやりながら、攻撃の部分で力を出したい」 「ゲームチェンジャーとして出る場合は、負けている展開とかイーブンの展開でやっぱり1点がほしい展開になるので、そこで自分が違いを見せて得点を取りたいと思っています」 また、東京V移籍後初めて行われる地元関西での一戦では家族や友人だけでなく、保有元であるG大阪のファン・サポーターの観戦も予想されるところだ。 加入時に強い覚悟を持って移籍を決断したと語っていた緑の背番号11は、「自分が大阪でできる試合というのは、このセレッソとの試合しかないので、やっぱりガンバのサポーターが観に来てくれるのであれば、そこで活躍したいという思いはあります。あとは親が来ると言っていたので、ここで自分が東京でどう頑張っているのかを見せる場だと思うので、見せれたらいいなと思います」と、改めてこの一戦への決意を示した。 開幕から2試合のC大阪の印象に関しては、サイドでマッチアップが予想され、ビルドアップの局面でキーマンとなっている日本代表DF毎熊晟矢、新加入のDF登里享平の両サイドバックを警戒している。 「やっぱり毎熊選手が代表でああやって活躍して、あそこから攻撃が始まったりしている場面も多いです。あとは、アンカーに新しく入った田中駿汰選手とかがボールを受けたりとかして、うまく崩しながらサイドの速い選手を使ったサイド攻撃というイメージが強いです」 「やっぱり、サイドバックが内にポジションを取ってくると、自分の背後のところの守備の管理とかが難しくなってくるので、そこでうまく連携を取りながらやらないといけない相手だと思います。一方で、サイドバックの立ち位置が内になるので、ボールをうまく奪えれば、サイドから速い攻撃を仕掛けてショートカウンターとかを狙えるのではないかなと思います」 一方、山見と同様に今回のC大阪戦へ並々ならぬモチベーションを持っているのが、京都産業大学から今季新加入となったMF食野壮磨だ。 現在、G大阪でプレーするFW食野亮太郎を実兄に持つ、G大阪ユース育ちの2023年度関西学生サッカーリーグ1部MVPは、直近2試合でベンチメンバーに入れなかった中、ライバルとの一戦でJ1デビューを狙う。 その一戦に向けて食野は、「どの相手でも勝ちたいですが、セレッソはより勝ちたい相手。友達からもセレッソ戦に向けて連絡もいっぱい来ているので、ベンチに入って出場しているところを見せたいですし、そのために良いアピールができればと考えています」と、意気込んでいる。 現状では山見同様に守備戦術への適応、フィジカルやプレー強度の部分においてチーム内のポジション争いで苦戦が続くが、食野自身が手応えを口にする中盤と前線の繋ぎ役、最大の長所とする攻撃面は得点が必要な状況において十分に活かせるはずだ。 プレシーズンからここまでの自身の現状を冷静に受け止め、少なくない課題を口にしているが、その端々には強い野心や自信も窺える。 「長所はどんどん出せてきているというか、周りとの連携やコミュニケーションも取れてきていると思います。あとは本当に守備のところで、途中から入ったときにやっぱり守備の強度というのを、もう1個ギアを上げてやらないといけないです」 「リズムを作るというところは全然できると思いますが、やっぱりよりゴールに直結するプレーというのを見せないといけないポジションというか、そういうタイプの選手なので、リズムを作り出すだけじゃなくてその先のゴールに直結するところは、もっと突き詰めないといけないと思います」 「縦に速いというか、やっぱり2トップがどんどん前に動き出していくスタイルなので、そこにパスを合わせる自信はありますし、サイドからでもどんどん自分が崩すイメージはできているので、自分が入ったときのイメージはできています」 2024.03.08 20:15 Fri
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湘南に完敗で7戦ぶりの敗戦喫した東京V…城福監督「前半は話にならないゲーム」、指揮官はチームの姿勢に憤り

東京ヴェルディがホームで行われた湘南ベルマーレ戦で7試合ぶりの敗戦を喫した。 直近4勝2分けの6戦無敗と好調を維持していた東京Vは6日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第33節で湘南と対戦。この試合で勝利すればチーム最大の目標であるJ1残留を確定することができたが、0-2の完敗となった。 前節、鹿島アントラーズ相手に2点差を引っくり返す大逆転勝利で連敗をストップしたアウェイチームに対して、前節のガンバ大阪戦を後半終了間際の劇的同点ゴールにドローに持ち込んだホームチームの勢いは遜色ないものだったが、試合は立ち上がりから球際、切り替えの精度、全体的な動きの量も湘南が圧倒。 序盤の劣勢を徐々に撥ね返しつつあった東京Vだったが、32分には自陣右サイドでのスローインの流れから失点。DF鈴木淳之介にオフサイドラインの味方との入れ替わりを狙ったMF小野瀬康介に絶妙なフィードを通されると、後手の対応で小野瀬に内側に運ばれて丁寧な横パスを入れられると、中央でフリーのMF鈴木雄斗に強烈な左足ダイレクトシュートを突き刺された。 1点リードで折り返した後半は前半の不出来を激しく叱責した指揮官による檄の効果もあってか、キックオフ直後からチーム全体の覚悟、インテンシティの高さが窺える良い入りを見せたが、51分には両ウイングバックも攻撃参加した状況で不用意なロストから数的同数のロングカウンターを浴びると、FW福田翔生とのコンビネーションからFW鈴木章斗に痛恨の2点目を決められて出ばなをくじかれる形に。 以降は積極的に交代カードを切り、より攻撃的な[4-4-2]への布陣変更を含めて猛攻を仕掛けたが、古巣対戦のGK上福元直人の再三のビッグセーブなど湘南のチーム一丸となった守備を最後までこじ開けられず、ホームで0-2の敗戦を喫した。 この敗戦によって今節でのJ1残留はお預けとなり、同勝ち点ながらFC東京、セレッソ大阪に得失点差で上回られて6位から8位に後退した。 今シーズンここまでは10人相手に2点差を追いつかれた東京ダービー、敵地で同じ昇格組に0-3で完敗したジュビロ磐田戦、入りの悪さが響いて初の連敗を喫した名古屋グランパス戦後に厳しい口調でチームの戦いぶりに苦言を呈してきた城福浩監督だが、今回の敗戦後には「前半は話にならないゲーム」とより厳しい口調で憤りを示した。 「ファン・サポーターには本当に申し訳ないことをしたなと思います。自分たちのサッカーに向き合う姿勢というものが、特に前半見せられなかったことは本当に恥ずかしい限りです。私の準備、人選、もろもろ自分の力が足りなかったと痛感しています」 とりわけ、指揮官が問題視したのは1失点目での対応。オフサイドを確信していたか、副審にオフサイドをアピールして全体の動きが緩慢になると、ボールホルダーの寄せの甘さ、ゴール前に入っていく鈴木雄にドフリーでゴール前に走り込まれて何の制限もかけられずにゴールを決められていた。 普段通りのアラートさ集中力を維持し、全力で人とスペースをケアしていれば、失点を防げた可能性もあり、指揮官としては受け入れがたい形での失点だった。 「自分たちのペースでいかない、そういうふうにならない時間帯、ゲームというのはシーズンを通してありますが、そこで辛抱しきれなかったという意味では、あの失点シーンは本当に受け入れられない」 「受け入れられないというのは何かと言うと、歩いている選手がいるということ。このチームで(相手が)シュートを打つ場面で歩いている選手がいるようでは、絶対にJ1では戦えない。そういう選手をピッチに立たせてしまった、そういうメンタリティで試合に臨ませてしまったという意味でも自分の至らなさを感じています」 後半に関しては2失点目以外で相手にシュートを許さず、試合全体を通しては相手の2倍となるシュート数を記録。上福元のビッグセーブがなければ、少なくとも勝ち点1は得られるような内容ではあった。 だが、城福監督は後半のパフォーマンスはあくまで通常の水準のパフォーマンスであり、ハーフタイムを機に好転したように見えたプレー内容も前半の低調すぎる出来の影響だったと厳しい態度は崩さなかった。 「(後半へ流れを変えるために)もちろんやり方も伝えましたが、それよりも姿勢。サッカーに対する姿勢です。前半は話にならないゲームでした。押され気味だったというところではなく、最後の際のところで歩いている選手がいるというのは受け入れられないと。その映像も見せました。それで(後半の出来が大きく)変わるのだから、ということは試合に入る準備がこのチームは足りなかったということ」 「もちろん後半、湘南はあのシュート1本のみだったので、我々からするとそれは非常に痛かった。1失点で終わっていれば、ゲームはどうなったかわからなかったと思います」 「我々にとっては痛かったですが、削られて倒れているのはウチの選手。イエローカードが出ているのは相手選手。では我々が戦ったのか、我々がやられっぱなしで何をしたのか。“やられている”というのは悪い意味ではなく、湘南は戦っていた」 「これは自分の大きな責任。このチームは何も得ていないし、何も示していないのに、チームとして大きな勘違いをさせてしまった。後半は当たり前で、あれぐらいやらないといけない。あれぐらいを前半45分で(出し切って)代わっていく選手がいないと戦えないというのは、このチームがやってきたこと。それにもかかわらず、あのような前半を見せたということは本当に恥ずかしいです」 試合後の会見で「前兆を感じていれば今日のメンバーではなかった」とその点は指揮官も認めるように、湘南戦前の1週間のトレーニングや戦前の選手たちのコメントや態度を鑑みても、チームはこの一戦に向けた浮ついた様子はなく、ここ最近の柏レイソル、北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖と下位に沈む相手に対して、タフな戦いの末にギリギリで勝利した経験もあり、今季公式戦で1勝1敗だった対戦相手を侮るようなことはなかったと断言できる。 1失点目の対応は別として、単純にこの試合で見せた湘南のパフォーマンスが素晴らしかったという部分が完敗の主な要因と指摘できるが、選手たちは普段の試合に比べてソリッドさを欠いた一戦についてそれぞれの見解を示した。 キャプテンのMF森田晃樹は「緩みみたいなものは正直なかったと思いますけど、湘南さんに比べると、やっぱり差があった」と、指揮官同様に試合へのアプローチや勝利への執念という部分を含め相手に上回られていたと感じている。 「前半はあまり入りもよくなかったですし、監督も試合後におっしゃっていましたけど、本当に戦うところというか、根本的な局面のところで、湘南さんに負けていた。そういうところが今日の敗因につながったというふうに思っています」 その森田とボランチでコンビを組んでフル出場したMF齋藤功佑は、「自分たちがやるべきことの部分のクオリティが低かった」と、ハードワークや守備を中心に立ち返るべき部分で徹底し切れなかった点を悔やんだ。 「(前半は)自分たちがロングボールを蹴らされて、それを回収された中で、相手に押し込まれて最終ラインと中盤の受け渡しだったり、スライドだったりがうまくいかず、後手後手でやる形に。耐えている状況で耐え切れずに失点してしまったことで、ちょっと難しい展開になりました」 加えて、停滞した前半の攻撃面に関してはどんな戦い方を選択するにせよ、チームとしてより相手が嫌がるようなやり方が必要だったと主張。 「チームとして何を大事にするかというところが基準になると思いますけど、ちゃんと相手を見ながらビルドアップから剥がしてやりたいのであれば、もう少し立ち位置をずらしながら、それぞれが間に立ってみたいなことをしなければいけない」 「普通に相手陣地で押し込む時間帯を作りたいのであれば、相手を引き込んでプレッシャーが来ていることに対して、“引き込んでいる”という考え方にして、前線の連動性というか、個人で動くのではなくて、2人で動いたりしてスペースを作って、背後にいい質のボールを送ってあげることによって(1トップの木村)勇大が収めやすくするみたいな考え方。そのどちらかの工夫が必要だったかなと思います」 後半の途中出場でチーム最多3本のシュートを放って最もゴールに迫ったFW山田剛綺は「あれだけチャンスをもらったら、ひとつは決めないといけなかった」と自身のパフォーマンスを振り返りつつ、ピッチの外で見守る形となった前半のチームの戦いについても言及。 「湘南さんが巧かったので、自分たちの前から行ってというのを剥がされて、間延びしてみたいなシーンもあったので、自分たちのよさを出すことができなかった」とその印象を語った。 その上で、「その中でもそういう相手に自分たちが試合中にもっと意見を出し合って擦り合わせて対策していかないと、前半がもったいないことになる。そういう適応力というところは、みんなでもう一度話し合ってやっていかないといけないなと思います」と、若きチームの以前からの課題である試合中の修正力を磨く必要があるとの見解を示した。 今回の敗戦によって上位争いから一歩後退することになったが、残り5試合に向けては残留確定と共に、今季ここまでチームが積み上げてきたものを、さらに突き詰めていくという部分でチームの歩みは変わらない。 その中で指揮官は「指定席があってはいけない」と、ここにきて主力メンバーが固定されつつある状況において、今後のメンバー変更を含めてチーム内競争を促した。 「もちろん試合に向けて調整する選手と、頭から湯気を出してエネルギーを振り絞って練習をする選手と分かれていく。そういう選手を大事にしなければいけないと改めて思いました。今日のような(試合当日の)居残り組の練習で、一番練習するのがつらい状況で、頭から湯気を出している選手を、このチームは大事にしないといけない。指定席があってはいけないと、今日改めて思いました」 今季ここまで連敗はわずかに1度と敗戦ごとに力強く立ち上がってきた昇格組は、11日に行われるシンガポール代表とのトレーニングマッチを経て臨む、次節の浦和レッズ戦で湘南戦の厳しい敗戦を教訓に再びリバウンドメンタリティを示せるか。 2024.10.07 19:00 Mon

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