「簡単ではない」初の最終予選に臨む中村敬斗、10戦8発と結果を残す中でライバル三笘薫も戻り意気込み「しっかりと存在感を出したい」
2024.09.04 23:25 Wed
初の最終予選に臨む中村敬斗
日本代表のFW中村敬斗(スタッド・ランス)が、5日に行われる2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦となる中国代表戦に向けて意気込みを語った。
いよいよ始まるW杯の切符を懸けた戦い。日本は、8大会連続8度目の出場に向けて、中国とのホームゲームでスタートする。
日本は、2018年のロシアW杯、2022年のカタールW杯ではUAE代表、オマーン代表にそれぞれ初戦で敗れており、今回の初戦も大きな注目の的に。3年前からの成長を示したいところだ。
試合前日は埼玉スタジアム2002でトレーニングを実施。冒頭15分間がメディアに公開された。トレーニング後、中村はメディア取材に応じ、自身初となるW杯最終予選について語った。
「初めてなのでどんな感じか分からないのはありますが、アジアカップではアジアの難しさを感じたので、簡単ではないだろうなと思っています」
「伊東選手はいつも同じチームでやっているので分かっていますし、新しい選手や三笘選手が帰ってきて、チームがまた凄くレベルアップしているのを感じているので、僕もしっかり存在感を出していきたいです」
三笘は同じポジションのライバルだが「試合に出る出ないは監督が決めることなので、僕たちは出た時に何ができるか」とコメント。「どちらかというと、試合に勝つことが大事です」と、ポジション争い以上に、チームの勝利が重要だとした。
2次予選、そしてアジアカップとアジアの戦いを経験してきた中村。そこでアジアの戦いの難しさを知ったとし、「ワンチャンスを決めるとか、なかなか拮抗した試合だとチャンスもなかなかないというのもあると思うので、決めるところは決めるということは上に上がっていくと必ずあると思います」と、アジアの強豪たちとの戦いでは、決定力が大事だとした。
初戦で戦う中国の印象については「僕らが主導権を握る形になるかなと思いますが、前線に帰化したブラジル人選手だったり、速い選手がいるので、しっかり警戒していくというのはミーティングでやっています」とコメント。「相手の良さを潰しつつ僕らの良さを出せればと思います」と、自分たちの特徴を出すことをしたいとした。
その中で自身が見せたいプレーについては「出るポジションによって違いますけど、サイドで出るなら仕掛けだったり、ゴールに直結するプレーを見せられればと思います」と語り、伊東とのコンビにも期待がかかる。「伊東選手の特徴だったりは僕はわかっているつもりなので、もし一緒に出ることがあれば、伊東選手とスタッド・ランスのようにプレーできればと思います」とコメント。「代表であれば、たくさん良い選手がいるので起点を作る人は多いですし、僕も外に張ってチャンスを作ることもできると思います」と、クラブとは違えど、ゴールに絡んでいくプレーを見せたいとした。
いよいよ始まる最終予選。中国代表戦は、5日(木)の19時35分から埼玉スタジアム2002でキックオフ。地上波はテレビ朝日で生中継。そのほか、「DAZN」でもライブ配信される。
いよいよ始まるW杯の切符を懸けた戦い。日本は、8大会連続8度目の出場に向けて、中国とのホームゲームでスタートする。
日本は、2018年のロシアW杯、2022年のカタールW杯ではUAE代表、オマーン代表にそれぞれ初戦で敗れており、今回の初戦も大きな注目の的に。3年前からの成長を示したいところだ。
「初めてなのでどんな感じか分からないのはありますが、アジアカップではアジアの難しさを感じたので、簡単ではないだろうなと思っています」
中村はカタールW杯後に初招集を受け、ここまで10試合に出場し8ゴールを記録している。三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)不在時に左ウイングで頭角を現し、決定力の高さを見せている中村。スタッド・ランスでチームメイトの伊東純也、三菱養和SC時代のチームメイトである望月ヘンリ海輝(FC町田ゼルビア)など、知る顔がチームに加わっている。
「伊東選手はいつも同じチームでやっているので分かっていますし、新しい選手や三笘選手が帰ってきて、チームがまた凄くレベルアップしているのを感じているので、僕もしっかり存在感を出していきたいです」
三笘は同じポジションのライバルだが「試合に出る出ないは監督が決めることなので、僕たちは出た時に何ができるか」とコメント。「どちらかというと、試合に勝つことが大事です」と、ポジション争い以上に、チームの勝利が重要だとした。
2次予選、そしてアジアカップとアジアの戦いを経験してきた中村。そこでアジアの戦いの難しさを知ったとし、「ワンチャンスを決めるとか、なかなか拮抗した試合だとチャンスもなかなかないというのもあると思うので、決めるところは決めるということは上に上がっていくと必ずあると思います」と、アジアの強豪たちとの戦いでは、決定力が大事だとした。
初戦で戦う中国の印象については「僕らが主導権を握る形になるかなと思いますが、前線に帰化したブラジル人選手だったり、速い選手がいるので、しっかり警戒していくというのはミーティングでやっています」とコメント。「相手の良さを潰しつつ僕らの良さを出せればと思います」と、自分たちの特徴を出すことをしたいとした。
その中で自身が見せたいプレーについては「出るポジションによって違いますけど、サイドで出るなら仕掛けだったり、ゴールに直結するプレーを見せられればと思います」と語り、伊東とのコンビにも期待がかかる。「伊東選手の特徴だったりは僕はわかっているつもりなので、もし一緒に出ることがあれば、伊東選手とスタッド・ランスのようにプレーできればと思います」とコメント。「代表であれば、たくさん良い選手がいるので起点を作る人は多いですし、僕も外に張ってチャンスを作ることもできると思います」と、クラブとは違えど、ゴールに絡んでいくプレーを見せたいとした。
いよいよ始まる最終予選。中国代表戦は、5日(木)の19時35分から埼玉スタジアム2002でキックオフ。地上波はテレビ朝日で生中継。そのほか、「DAZN」でもライブ配信される。
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東アジアE-1選手権を戦っている日本代表は10日、12日に行われる第2戦の中国戦に向けて練習を行った。代表初先発に期待が高まるファジアーノ岡山のMF佐藤龍之介は、初戦の内容を冷静に受け止め、再び結果を求めてピッチに立つ。 「こういった大会で結果を残せる選手というのは、プレーの内容以上の評価を残し、W杯などでメンバーに選出されるチャンスになっていくと思います。そういった点では、ゴール前で自分のプレーを見せたいなと思います」 初日の練習後、結果への強烈なこだわりを口にしていた。しかし、64分から出場したホンコン・チャイナとの初戦で放ったシュートはゼロ。ボールを持ってゴールに向かっていく機会が限りなく少なかった。 前半にジャーメイン良の4発を含む5ゴールが生まれ、試合終了間際に代表デビューの中村草太がネットを揺らした。終始ボールを握って押し込む展開だったため、佐藤自身にもチャンスが来るのではないか。そう思える試合運びだったにもかかわらず、理想とは程遠い結果に終わった。焦りが生じても不思議ではない。しかし、本人のメンタルは全くブレていなかった。 「失点後に(ピッチに)入った時に流れを変えられなかったのは、自分の力不足だなと感じます。自分がゴール前に入っていくシーンが作れなかったのも、『即興のチームだから』と言い訳せずに改善したいなと思います」 とは言え、佐藤自身はアクションを起こしていた。右サイドからのダイアゴナルランを繰り返し、73分には大関友翔が中央でボールを持つと、右サイドの背後に鋭く抜け出してボールを呼び込んだ。だが、大関が選んだのは中央から走り出した中村の前のスペースだった。 「僕が動き出した時に他の選手も動き出していたので、より良い選手に大関選手がパスを出したかなと。別にあそこはオトリの動きでも正解だと思いますし、自分がもらうより中村選手がもらった方が良かったので。自分がもらうためにっていうよりは、チームで連動した動きをしたい」 「自分が中心選手だと思い込んで、点を取っていくという思いをプレーで表現する」という初日の発言から、今大会はエゴイストになっていくのかと想像していたが、それは少し違ったようだ。18歳のMFは、冷静かつ的確に状況を把握していた。 欲は持っているし、それが満たされる結果を全力で目指す。それと同時に、現実的な視点も持ち合わせる。その姿は、リアリストと呼ぶにふさわしい。 エゴイストとリアリスト。18歳という若さで正反対の要素を兼ね備えているところが、自分自身を押し上げ続けている要素なのだろう。だからこそ、北中米W杯メンバーを争うサバイバルに参加できている。 約1年後にW杯のメンバーに食い込むためには、その感覚を研ぎ澄ませながら、ピッチで結果を残し続けるしかない。 「『自分が自分が』ってなっても視野が狭くなると思うので、周りの選手を見ながら、最後は自分が美味しいところを持っていくイメージを常に持っていきたいなと思います」 右シャドーでの出場が濃厚な第2戦は、「作りにも参加しながら、最後は自分がフィニッシュできるようなプレーをしたい」と気合十分だ。 チームの攻撃を円滑にさせながら、自分自身のゴールやアシストも追求する。アタッカーとしてこれ以上ない“両立”を狙う佐藤は、やはり真のエゴイストなのかもしれない。 取材・文=難波拓未 2025.07.11 06:00 Fri4
「なんだこのバケモノ!!」韓国代表を沈黙させた“ジャメの左足”3戦5ゴールの怪物ストライカー爆誕にSNS騒然「めちゃくちゃ難しいシュート決めるやん」
【東アジアE-1サッカー選手権2025】韓国代表 0ー1 日本代表(7月15日/龍仁ミル・スタジアム) <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">ピンチの後にチャンスあり<br><br>ピンチの直後、GKから繋いだボール<br>今大会抜群の相性を見せている<a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%9B%B8%E9%A6%AC%E5%8B%87%E7%B4%80?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#相馬勇紀</a> と <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E8%89%AF?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#ジャーメイン良</a> の<br>ホットラインで日本が先制<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#日本代表</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/E1?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#E1</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/UNEXT?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#UNEXT</a><br><a href="https://t.co/y9fzJ8CVSG">https://t.co/y9fzJ8CVSG</a> <a href="https://t.co/vPNdqcAYrc">pic.twitter.com/vPNdqcAYrc</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1945071014880403888?ref_src=twsrc%5Etfw">July 15, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 今大会絶好調の日本代表FWジャーメイン良が、大会最終戦で貴重な決勝点をあげた。左サイドからのクロスボールをそのままボレーシュートを突き刺す。大会得点王とMVPに輝いた怪物ストライカーにファン・サポーターが驚愕した。 日本代表は15日、東アジアE-1サッカー選手権2025の第3戦で韓国代表と対戦。 1ー0で勝利を収め、3連勝で史上初となる大会連覇を達成した。 初戦のホンコン・チャイナ代表戦で4ゴールを決めていたジャーメインは、スターティングメンバーに名を連ねた。初戦と同様に2シャドーの一角として出場すると、7分、ライバル韓国代表を相手に、豪快な一撃をお見舞いした。 相手ボックス内に入り込んでいたジャーメインは、左サイドでボールを持ったMF相馬勇紀を見ると、右手を挙げてクロスを要求する。それを確認した相馬のフワリとしたボールが足元に落ちてくると、そのまま左足でボレーシュート。ボールは相手GKの頭上を越えてゴールネットを揺らした。 SNS上でファン・サポーターからは、「左足ぃぃぃぃぃ!!!!」「難しいシュートめちゃくちゃ決めるじゃん!」「ジャーメイン良選手、めちゃくちゃ上手いですね〜」「代表3戦で5得点、圧巻のインパクト」「ジャメのケインパフォーマンス」「これはジャーメイン良超えてジャーメイン秀」「バモバモ ジャーメイン!!」「ジャーメイン今後のA代表で試しても良さそう」「乗ってるねジャーメイン良!」「めちゃくちゃ難しいシュート決めるやん」「なんだこのバケモノ!!」と、ジャーメインの活躍を喜ぶ声をあげた。 この日ジャーメインは84分までプレー。得点後、特に見せ場はなかったが、ジャーメインが決めた得点は、その後守備に徹する時間が増えた日本代表にとって貴重な決勝点となった。今大会5ゴールを決め、大会得点王と大会MVPを獲得したサンフレッチェ広島のFWは、2026年W杯に向けてアピール成功となった。 日韓戦を制したサムライブルーは、見事東アジアE-1サッカー選手権2025で優勝。2連覇を成し遂げた。 2025.07.15 22:20 Tue5