「サラーのようにプレーすることは不可能」、FA杯初戦のアーセナル戦に臨むクロップがエース不在の攻撃アプローチに言及

2024.01.07 10:00 Sun
アーセナル戦に臨むクロップ監督
Getty Images
アーセナル戦に臨むクロップ監督
リバプールを率いるユルゲン・クロップ監督が、FAカップのアーセナル戦に向けた展望を語った。クラブ公式サイトが会見コメントを伝えている。
PR
年末年始に行われたバーンリー、ニューカッスル戦で連勝を飾りプレミアリーグ首位に立つリバプール。その勢いに乗って臨むFAカップ3回戦ではリーグ戦で優勝を争う難敵とのアウェイゲームとなる。
7日に控える大一番に向けた公式会見に出席したドイツ人指揮官。会見冒頭では、今回の一戦からそれぞれアフリカ・ネーションズカップ、アジアカップ参戦のために離脱するFWモハメド・サラー、MF遠藤航という2人の主力に対する率直な思いをジョーク交じりに語った。

「彼らの幸運を祈ったら嘘になるって言ってきたが もちろんそうだ! 個人的な観点から言えば、グループステージ敗退となれば、すごく嬉しいよ。だが、それはおそらく不可能だと思うし、それでいいと考えている」

「そうすれば彼らも勝ちに行くことができる。頑張って、また会おう、そして元気になって戻ってきてほしい、それがほとんど素直な気持ちだよ。今、我々はそれに対処しなければならない。そして、それに対処するつもりだ」
遠藤の穴埋めに関してはタイプは異なるものの、MFアレクシス・マク・アリスターの復帰によって現状では大きな問題とはならないが、絶対的エースであるサラー不在の攻撃は適切な代役の選定、異なるアプローチを含め対処すべき課題だ。

クロップ監督は「モー(サラー)のようにプレーすることは不可能」と、代役となる選手に異なる特長を発揮することを求めつつ、チームとして異なるアプローチを模索していく考えだ。

「(対処法は)それほど多くはないが、ハーヴィー(・エリオット)がそこでプレーしたとき、我々はモーなしでウェストハムと対戦したと思う。我々は皆、今はそうなることを理解しているし、願わくばこのままでいてほしいと願っている」

「さまざまな攻撃オプションがあり、(アタッカー)全員がウイングでプレーできる。ただ別の方法でだ。そのウイングでプレーする他の誰もがモーのようにプレーすべきではなく、それは不可能だ。したがって、我々は別の方法を見つけて、プレーヤーのスキルを活かさなければならない。まさにそれが背後にあるアイデアだ」

「モーなしでプレーしたいかと聞かれれば ノーだ。だが、もし必要な場合、以前はそれほど頻繁に行う必要はなかったが、この時期を乗り越える方法を常に考えていた。我々は必ずその方法を見つけると確信しているが、もちろん我々はアーセナルと対戦する。アーセナル相手ではモー・サラーがいても負ける可能性はあるし、彼がいなくても負ける可能性はある。しかし、現時点では試合に勝つチャンスがあり、そのことをもっと考えるべきだと思う」

また、リーグ戦よりもレベルが落ちるヨーロッパリーグ(EL)の戦いは別として、先日のEFLカップ準々決勝のウェストハム戦でも積極的にターンオーバーを行ってきたリバプール。来週ミッドウィークにはEFLカップ準決勝1stレグのフルアム戦を控えることもあり、このアーセナル戦でのローテーションも想定される。

だが、クロップ監督は「アーセナル戦が今ローテーションすべきゲームであるかどうかは分からない」と、どういったメンバー構成で臨むかについては明言を避けている。

「正確には分からないが、シーズン前半はかなりローテーションをしていたと思う。我々が特に勇気があったとかそういうわけではなく、ただ彼らならばできると思ったからそうしただけだと思う」

「『ああ、もういいや、あそこでどうプレーしようが誰が気にするんだ』なんて思った試合はひとつもなかった。そんなことは決して起こらない。それが、ベンチからの影響がこれまでの流れに繋がっている主な理由だと思う。なぜなら、出場するプレーヤーにとって、それは非常に大きなものであり、重要だからだ。5、6週間プレーしなかったプレーヤーを連れてきたとしても、彼がベストを尽くしてプレーできることは非常にまれだ。だからこそ、これまでのところ、我々はローテーションを非常にうまくやれてきたと思う」

「しかし実際には、アーセナル戦が今ローテーションすべきゲームであるかどうかは分からない。私はここに座っているが、正直に言うと、それがどのような意味を持つのか、我々にそのような機会があるかどうかは100%分からない。我々には最大のスカッドがあるわけではない。ただ、我々には出場可能なプレーヤーがおり、100%の良いチームを作ることができる。そしてそれこそ自分たちがやることだと思う。それが後にローテーションのように見えるかどうかは、まだ分からない。ただ、試合の間隔は1日から7日まで6日間あり、比較的長かったのでローテーションの必要はない」

「もちろん、3日後に次の試合があると言うこともできる。それは事実だが、まず目の前の試合が終われば、その試合のことを考えることができる。それこそ我々が普段からやっていることだ。そしてどちらも同じ重要性を持ち、間には何もない。我々はこれらの試合に勝ちたいし、(EFLカップの)決勝にも行きたいが、(FAカップの)次のラウンドにも行きたい。しかし、これはおそらく最もトリッキーな抽選結果であり、難しいものになるはずだ。前回対戦は良い試合だったし、次も良いパフォーマンスを見せられることを期待しよう」

PR
関連ニュース

スロット監督がリバプールの監督就任を認める…フェイエノールトもラストマッチと発表

フェイエノールトは17日、アルネ・スロット監督(45)の退任を発表した。クラブ公式サイトが伝えた。 スロット監督は2021年7月にフェイエノールトの監督に就任。2年目の2022-23シーズンは見事にエールディビジ優勝に導くと、今シーズンはリーグ優勝こそPSVに譲ったが、KNVBベーカーで優勝を果たしていた。 そのスロット監督は、シーズンが終了する前からユルゲン・クロップ監督が退任するリバプールの後任監督として浮上。最有力候補とされてきた中、本人が記者会見で認め、クラブも最終節のエクセルシオール戦がラストマッチになることを認めた。 「来シーズン、リバプールで監督に就任することを確認できる」 「これまでは、これが最後の試合に向けての積み上げであるとは考えていなかったが、今はそう考え始めている。週の初めにはトレーニングやそのようなことについて考えることになる」 「でも、今はその気持ちが強くなっている。だから、(記者会見に)少し遅れたんだ。何人かの人たちに、ただ握手する以上に、個人的に別れを告げて、彼らのために時間を取りたかったからだ」 「良い結果が役に立つことは理解しているが、人々が私が去るのは本当に残念だと思っていると感じるのはとても嬉しいことだ」 両クラブからの公式発表はまだない状況。互いにラストマッチを迎える監督を送り出してからの正式発表になると見られている。 <span class="paragraph-title">【動画】フェイエノールトがスロット監督との別れを発表…</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="en" dir="ltr"><a href="https://t.co/iIvj8pJzUo">pic.twitter.com/iIvj8pJzUo</a></p>&mdash; Feyenoord Rotterdam (@Feyenoord) <a href="https://twitter.com/Feyenoord/status/1791457718642831841?ref_src=twsrc%5Etfw">May 17, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.05.18 11:27 Sat

「私は反対票を投じる」プレミアで浮上したVAR不要論、被害者の1人であるクロップ監督が語った理由は?

リバプールのユルゲン・クロップ監督が、プレミアリーグで投票が行われるVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)について持論を語った。イギリス『BBC』が伝えた。 今シーズン限りでリバプールの監督を退任するクロップ監督。リバプールを指揮する試合は、残り1試合となった。 プレミアリーグやチャンピオンズリーグ(CL)などでタイトルを獲得。今シーズンはEFLカップ(カラバオカップ)を制し、プレミアリーグも終盤まで優勝争いを繰り広げていた。 黄金期を作り出したクロップ監督もあと1試合で別れ。そんな中、プレミアリーグは来シーズンからのVARの適用に関してクラブ投票を行うこととなった。 6月6日に行われる年次総会で各クラブが投票。廃止するのかどうかを投票するという。 VARは2019年にプレミアリーグで導入。しかし、VARにあってはならない誤審が頻発しており、その数は他のリーグをはるかに超えている。 リバプールも重大な被害を受けたクラブの1つ。昨年9月のトッテナム戦ではルイス・ディアスのゴールが取り消されたが、オフサイドの適用ミスは明らかな人的ミス。その他の事象でも、テクノロジーの問題ではなく、取り扱う審判団に多くの問題があった。 クロップ監督はこのVARに対して持論を展開。VARそのものには反対はしないが、今のプレミアリーグのやり方に反対すると見解を述べた。 「クラブはVARに対して投票しているとは思わない。私はVARがどう使われるかということに投票していると思う。なぜなら、それは明らかに正しくないからだ」 「彼らの今のやり方ならば、私は反対票を投じる。彼らは適切に使用することができていないからだ」 見逃したジャッジをビデオで振り返ることができるVAR。誤審は確かに減っていると思われるが、一方であり得ないミスの多さに各クラブは怒りを持っている。あくまでも扱うのは人間であり、最終ジャッジは主審となるだけに、テクノロジーを問題視するのか、審判団を問題視するのかで投票は変わりそうだ。 <span class="paragraph-title">【動画】あり得ない大誤審…審判の連携ミスが生んだゴール取り消し</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="8qmCqWw9xCE";var video_start = 188;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.17 21:45 Fri

チアゴが契約満了でリバプール退団…ケガに苦しんだ4シーズンもクロップ監督は賛辞「彼は最も美しい絵だけを描くゲームのアーティスト」

リバプールは17日、元スペイン代表MFチアゴ・アルカンタラ(33)の退団を発表した。 バルセロナのアカデミー出身のチアゴは、2011年7月にファーストチームに昇格。2013年7月にバイエルンへと完全移籍。2020年9月にリバプールに加入した。 リバプールでは4シーズンを過ごしたがほとんどの期間で負傷離脱している状況に。今シーズンもわずか1試合、5分間の出場に終わってしまった。 4シーズンで公式戦98試合で3ゴール6アシスト。リバプールではFAカップとコミュニティシールドのタイトルを獲得した。 チアゴの退団について、ユルゲン・クロップ監督がコメントしている。 「彼がリバプールに来る前から、サッカーが本当に好きなら、チアゴ・アルカンタラのプレーを観てみることは大いに意味があると信じていた」 「技術的にはとても優れている。世界中のどのチームでもプレーできる才能があり、彼を我々と一緒に迎えることができたのは光栄だった」 「私は彼がここに来る前からサッカー選手として彼について多くのことを知っていた。彼がバルセロナやバイエルンで何をしたか、どうしてあなたには分からないか? 彼が我々と一緒に新たな挑戦をすることを決めたとき、私はこれ以上嬉しいことはなかった」 「その時点から、私は彼を間近で見ることができ、『凄い』としか言えない。最も重要なのは、彼が新しい物語の一部であり、彼の特別な資質のおかげでチームとしての発展を助けてくれたことだ」 「ケガが彼にとっても我々にとってもフラストレーションだったことは知っているが、出場可能になったときの彼がプレーできたレベルは信じられないほどだった。これは私が覚えていることだ」 「これから彼は家族とともに新たな方向に進むことになるだろう。我々は彼らの幸運を祈るばかりだ。彼が次にどこでプレーするにせよ、私は喜んで見守るつもりだ。最も美しい絵だけを描くゲームのアーティストだ」 2024.05.17 17:30 Fri

マティプが今季限りでリバプール退団…2016年加入で通算201試合出場、「8年間は素晴らしいものだった」

リバプールは17日、元カメルーン代表DFジョエル・マティプ(32)の退団を発表した。 シャルケ時代に内田篤人氏とも共闘したマティプは2016年夏にリバプール入りし、通算201試合に出場(11ゴール)。後に加入のヴィルヒル・ファン・ダイクが中心と化す最終ラインだが、ジョー・ゴメスやイブラヒマ・コナテとの争いになるなかで、2021-22シーズンはプレミアリーグ31試合でプレーするなど、シーズンでも43試合に出場した。 ユルゲン・クロップ監督からは195cmのサイズがありながら、ボールを持ち上がれるセンターバックとして長らく計算され、チャンピオンズリーグ(CL)やプレミアリーグをはじめ、7つのタイトルに貢献するが、今季が契約最終年。今季は昨年12月の前十字じん帯断裂により、14試合の出場にとどまるなか、契約満了に伴う退団が決まった。 ケガも多かったが、8シーズンにわたってリバプールに貢献したマティプは「ここリバプールでの8年間は素晴らしいものだった」と振り返り、感謝の言葉を述べた。 「素晴らしいクラブで、素晴らしい監督と素晴らしいチームとともに、エキサイティングな歴史の一部になれた。素晴らしいタイトルを獲得し、世界一のファンがいる」 「クラブを支える個性豊かな人々、そしてリバプールを愛するファンのみんなと素晴らしい時間を経験させてもらって感謝の気持ちでいっぱいだ」 「妻と僕は初日から歓迎され、サポートを感じたし、子供と一緒にここで想像しうる最高の時間を過ごした。僕らはそれを特別な思い出としてずっと大切にしていく」 また、同じく退任するクロップ監督は「フットボールに携わるなかで、彼ほど愛される選手はあまりいない。悪くも言えるかもわからない。素晴らしいプロフェッショナルで、フットボーラーとしても素晴らしい。そして人としてもだ。これほど長く彼とともにできて幸せだった。今、できるのは彼が新たな方向に向かうのを祈ることだけだ」と話した。 2024.05.17 17:25 Fri

クロップ監督の右腕・リンダース氏がザルツブルクの監督就任! リバプールでコーチを務めたマトス氏がアシスタントに

レッドブル・ザルツブルクは15日、新監督にペピン・リンダース氏(41)が就任することを発表した。契約期間は3年間となる。 リンダース氏は、オランダ出身の指導者でPSVのユースでテクニカルコーチとしてキャリアをスタートさせた。 その後、ポルトの下部組織でテクニカルコーチを務めると、2013年7月からファーストチームでルイス・カストロ監督、パウロ・フォンセカ監督の下でテクニカルコーチを務めた。 2014年8月にはリバプールへと移りユースのコーチを務めると、2015年7月にブレンダン・ロジャーズ監督の下でアシスタントコーチに就任すると、その後に就任したユルゲン・クロップ監督の下でもアシスタントコーチとなった。 2018年1月にはNECナイメヘンで自身初となる監督業をスタート。シーズン終了で退任すると、再びリバプールに戻りアシスタントコーチを務めていた。 クロップ監督が今シーズン限りでリバプールを離れることが決定すると、リンダース氏も併せて退団。そして再び監督業を行うこととなった。 なお、ヴィトール・マトス氏(36)がアシスタントコーチとしてザルツブルクに到着予定。ポルト、リバプールでリンダース氏と仕事を共にしてきた。 2024.05.15 23:43 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly