「JFLに適応」昇格組浦安がダントツ最下位から16戦無敗で優勝争い…伊藤純也&都並敏史が過去とミライを紐解く

2023.11.13 19:00 Mon
ブリオベッカ浦安のMF28伊藤純也(左) 都並敏史監督(右)
©超ワールドサッカー
ブリオベッカ浦安のMF28伊藤純也(左) 都並敏史監督(右)
2023シーズンのJFLをかき乱す存在として、J3クラブライセンスを持たない昇格組ながらも優勝争いに加わったブリオベッカ浦安。選手と指揮官に今季ここまでの戦いを振り返ってもらった。

〜ブリオベッカ浦安って?~
日本サッカー史において後世まで名を残すであろう“炎のサイドバック”都並敏史。“ドーハの悲劇”を始めとする歴史の生き証人であり、サッカー解説でもお馴染みの都並が2019年から指揮官として率いるチームこそ、今季6年ぶりにJFLへと返り咲いたブリオベッカ浦安だ。

浦安は2016年に関東サッカーリーグ1部からJFLへ初昇格。ただ、18年から関東1部へ逆戻りすることとなり、リスタートを切って5年目の昨季、リーグ戦10チーム中6位と苦しみながらも、全国社会人サッカー選手権大会と地域CLの2冠を成し遂げ、見事、今季からJFLへと返り咲いた。

そんな彼らが今季のJFL開幕9試合で0勝3分け6敗のダントツ最下位だったのはもはや過去。第10節でソニー仙台FCを撃破すると勢いに乗り、そこから第27節まで怒涛の16試合無敗(10勝6分け)に。気づけば順位は4位となっていた。
ただ、11日に敵地で行われた第28節の高知ユナイテッドSC戦(1●2)は敗れ、残念ながら無敗街道が「16」でストップ、5位後退、前節終了時点でわずかに残していた昇格即初優勝の可能性も消滅。悔しい敗戦となった。

~選手間の意識強化で苦境を乗り切る~

しかし、昇格組でありながら、優勝決定の首位Honda FC、2位ソニーに対して1勝1分けと勝ち越し。Jリーグ入会「継続審議」の3位レイラック滋賀、4位ラインメール青森、7位ヴェルスパ大分、さらに来季のJ3参入が条件付きで承認されていたクリアソン新宿、ヴィアティン三重に対しても、ホーム&アウェイ2試合の中でいずれも1勝を挙げている。

結果として、Honda&ソニーに次ぐ“Jへの門番”的役割の一翼も担う形となっている浦安。高知戦終了後、MF伊藤純也に16試合無敗という快進撃を振り返ってもらった。

「16という数字を振り返ると、確かに良い流れが来ていたようにも思えますが、僕たち選手はそれほどこの数字にこだわっていませんでした。浦安は今季からJFLで戦うチーム…対戦相手へのリスペクトを持ちながら一戦一戦に向き合ってきたことで、この数字が積み上がったんだと思います」

「開幕9試合未勝利のあの時期、『自分たちに必要なことってなんだろう』『どのチームもプレー強度の高いJFLでどうやって戦うべきか』など、基本的な部分を選手間で見つめ直しました。主にデュエルや攻守の切り替えなどです」

「最初に勝利したソニー戦から何試合か無敗が続いて、少しずつ自信が大きくなったのは間違いないです。良い意味での“慣れ”というか、選手ひとりひとりがJFLのプレー強度に適応していきました。そうなると今度は各々がいかに個性を発揮できるか…この点はまだまだこれからですね」

〜残り2試合を経て、来季へ〜

一方で、伊藤が「“人間力”という点で大きな影響を与えてくれた方。サッカーの戦術面ももちろんですが、ひとりの人間として大切なことを教えてくださった方です。“忍耐”の大切さはサッカーでも活きています」と尊敬の念を寄せたのは、就任5年目の都並監督。指揮官も選手たちの成長を実感しつつ、さらなる進歩も可能だと踏んでいるようだ。

「選手たちが率先して話し合いのできる、柔軟性を持つチームになったという印象です。こういう部分を見ると、やっぱり成長を感じますね」

「ただ、まだまだ伸び代があるとも思っています。本来ゴールを期待できるFWの得点数があまり伸びないまま、この時期、この順位まで来てしまった印象なので、FWがゴールを決められる攻撃の形を増やしていけるといいですね」

「今日(高知戦)なんかでも、自分たちができた部分、研究されて難しかった部分、これらを学びとして持って、課題をひとつずつ埋めていく。しっかり反省して次に繋げます」

苦しい時期を選手間の意識強化で乗り切ったと明かしてくれた伊藤。さらなる進歩に意欲を示す都並監督。両者とも今季の残り2試合に集中を傾けているという。

伊藤は「優勝のチャンスはなくなってしまいましたけど、残り2試合を全力で戦い抜きます。『全員、全力、最後まで』という浦安のスローガン通り、ひとりひとりがこの2試合で何をすべきか考え、実行することが来季につながると思います。少しでも上の順位で終わりたいですね」と語る。

都並監督は現在開催中の地域CLに絡めて「関東1部だとVONDS市原FCや栃木シティFCなんかはJFLでも十分戦えると思います。昇格してきたら嫌…いやいや、どこが相手でも嫌ですよ(笑) 自分たちがしっかり戦うことが最も大事ですから」と笑う。

「来季を考えて残り2試合で何かを実験的に試す、ということはないです。まだそこまで熟成されたチームにはなっていないですね。これまでの積み上げを2試合でも出せるようにと考えています」

都並敏史がベンチから、伊藤純也がピッチの中央からタクトを振るうブリオベッカ浦安。18日に今季のホーム最終戦でミネベアミツミFCと対戦し、最終節(第30節)は26日、アウェイでのFCマルヤス岡崎戦となっている。

関連ニュース

JFL浦安が都並敏史監督の続投を発表! 今季は昇格組ながらも2位で“Jへの門番”に…来季6年目の長期政権

日本フットボールリーグ(JFL)のブリオベッカ浦安は29日、都並敏史監督(62)が2024シーズンも続投すると発表した。 日本サッカーの歴史の生き証人、都並敏史。2019年、長らくテクニカル・ディレクター(TD)を務めてきた関東サッカーリーグ1部(当時)の浦安で監督に就任すると、昨年の全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)を制し、浦安は今季から6年ぶりにJFLへと返り咲いた。 迎えた今季は開幕9試合で0勝3分け6敗のダントツ最下位と苦しみ、1年での地域リーグ降格も覚悟する状況に。ところが第10節で強豪・ソニー仙台FCを撃破すると、そこから16試合無敗というまさかの快進撃を披露。その過程でラストプレー逆転弾での劇的勝利も2回という勝負強さを見せつけた。 終わってみれば、昇格組ながらも優勝したHonda FCに次ぐ2位でフィニッシュ。26日の最終節・FCマルヤス岡崎戦も敵地で0-2と完勝し、結果的に、Jリーグ入会が承認されたレイラック滋賀(3位)のJ3昇格の可能性を消滅させたことに。“Jへの門番”と化した格好だ。 都並監督は浦安の公式サイトを通じてコメントを発表している。 「ブリオベッカ浦安を支えて下さっている全ての皆様方、今シーズンも1年間の応援を本当に有難うございました。
この度、来季も引き続き監督として指揮を取らせて頂く事になり、身が引き締まる思いです」 「常に応援して下さる方々への感謝を忘れず、地域に愛されるチームを目指し、成長への努力を続けて参ります。
2024シーズンもこれまで以上の熱い応援をどうぞ宜しくお願い申し上げます。ブリオベッカ浦安監督 都並敏史」 2023.11.29 13:20 Wed

レイラック滋賀の来季J3昇格が消滅! “昇格組”ブリオベッカ浦安に「2位」明け渡しフィニッシュ【JFL最終節】

26日、日本フットボールリーグ(JFL)最終節の7試合が全会場同時刻キックオフで行われ、Jリーグ入会“継続審議"レイラック滋賀のJ3昇格が消滅した。 ◆V三重 2-2 滋賀 長らくソニー仙台FCが守ってきた2位の座をとうとう前節で奪取した滋賀。しかし、3位後退ソニーとの勝ち点差はなく、得失点差で少し上回るのみ...J入会は継続審議とされているものの、とにかく今季ラストゲームでヴィアティン三重から白星を掴み、2位を守りたい。 開始早々にいきなり滋賀が先制。5分、DF平尾壮の左CKをニアですらすと、DF平井駿助がファーからヘディングシュートを流し込んだ。 さらに15分、V三重のビルドアップを刈り取ってショートカウンターに転じると、最後はボックス右でこぼれ球に反応したDF角田駿がシュート。これが決まって滋賀は2点リードとなる。 しかし、29分に1点を返されると、試合終盤の85分にまさかの同点被弾。結局、2-2のドローで勝ち点「1」を積み上げるだけとなり、1試合で2位の座から転落することに。来季のJ3昇格が夢と散った。 ◆枚方 2-0 ソニー 前節終了時点で滋賀と勝ち点で並んでいたソニーはFCティアモ枚方とのアウェイゲーム。こちらは2-0で敗れ、順位も4位に後退してフィニッシュ。ただ、優勝したHonda FCと並ぶ国内最強の企業クラブの一角として、今季のJFLを盛り上げてくれた。 ◆鈴鹿 2-1 青森 2位滋賀と勝ち点「1」差の4位で最終節を迎えたラインメール青森。こちらもJ入会継続審議組ながらここまで生き延び、一縷の望みをかけ、敵地で鈴鹿ポイントゲッターズと対戦した。 しかし、結果は2-1で敗戦。2点ビハインドの74分、FW船山貴之のPK弾で1点を返したが、これ以上の反撃は叶わず5位後退…青森県から2番目のJリーグ参入は来季以降にお預けとなったが、彼らもまた、今季のJFLを盛り上げてくれた。 ◆マルヤス 0-2 浦安 その一方、都並敏史監督率いる昇格組のブリオベッカ浦安が2位でフィニッシュ。6年ぶりに復帰したJFLの舞台では、開幕9試合で0勝3分け6敗のダントツ最下位と苦戦も、第10節ソニー戦から16試合無敗という快進撃を披露した。 この日の最終節では敵地でマルヤスを撃破。2位滋賀が引き分け、3位ソニーと4位青森が敗れたことにより、5位から2位に浮上してJFL復帰1年目を締めくくることとなった。あっぱれ浦安、素晴らしい戦いを披露し、名実ともに“Jへの門番"と化した1年だった。 ◆武蔵野 1-0 沖縄 一方で、浦安とともに今季昇格の沖縄SVはシーズンの早い段階から最下位が定位置となり、最後まで巻き返せず。東京武蔵野ユナイテッドFCに大量得点で勝利すれば順位が入れ替わるという状況だったが、奇跡は起きず1-0の敗戦に…最下位および地域リーグとの入替戦行きが決定(※1)した。 (※1)地域CL2023の結果により、沖縄はVONDS市原FC(関東1部/地域CL2位)との対戦に。12月2日or3日に、沖縄側が指定する会場にて一発勝負で開催される ◆最終節(第30節) ▽11月26日(日) Honda FC 3-1 クリアソン新宿 FCマルヤス岡崎 0-2 ブリオベッカ浦安 東京武蔵野ユナイテッドFC 1-0 沖縄SV ヴィアティン三重 2-2 レイラック滋賀 ヴェルスパ大分 0-0 高知ユナイテッドSC 鈴鹿ポイントゲッターズ 2-1 ラインメール青森 FCティアモ枚方 2-0 ソニー仙台FC ※今節試合なし ミネベアミツミFC <span class="paragraph-subtitle">◆順位表(全日程終了)</span> 1位:Honda FC | 53pt/+25(優勝) 2位:ブリオべッカ浦安 | 45pt/+7(準優勝) 3位:レイラック滋賀 | 44pt/+10 4位:ソニー仙台FC | 43pt/+6 5位:ラインメール青森 | 42pt/+6 6位:ヴェルスパ大分 | 40pt/-1 7位:高知ユナイテッドSC | 38pt/+4 8位:FCマルヤス岡崎 | 37pt/±0 9位:鈴鹿ポイントゲッターズ | 36pt/-7 10位:ヴィアティン三重 | 35pt/+3 11位:クリアソン新宿 | 34pt/-8 12位:FCティアモ枚方 | 34pt/-10 13位:東京武蔵野ユナイテッドFC | 32pt/-6 14位:ミネベアミツミFC | 31pt/-9 15位:沖縄SV | 26pt/-20 2023.11.26 15:14 Sun

J入会“継続審議”レイラック滋賀が2位浮上! ラインメール青森も4位キープ…運命の11月26日最終節へ【JFL第29節】

18〜19日にかけ、日本フットボールリーグ(JFL)第29節の7試合が各地で行われた。 ◆新宿 0-1 V大分 (18日) Jリーグ入会が承認されて以降、1勝4敗と苦しい戦いが続き、来季のJ3参入が消滅したクリアソン新宿。前節で連敗を「4」で断ち切ったが、今節は“ホーム”味の素フィールド西が丘でヴェルスパ大分に敗れている。 16分、スルーパスに抜け出したV大分FW半田航也の巧みなチップシュートで被弾。観衆1191人を集めた今季のホーム最終戦だったが、反撃もむなしく0-1で試合終了。最終節は26日、優勝決定済みのHonda FCと敵地で対戦する。 ◆浦安 4-1 ミネベア (18日) 昇格組の浦安は前節で無敗が「16」でストップし、JFL初優勝の可能性も消滅。ただ、今季のホーム最終節となった今節、下位のミネベアミツミFCに4発快勝を収めた。 まずは34分、敵陣でのボール奪取からFW井上翔太郎が運び、鋭い切り返しから左足を振り抜いて先制。59分にはFW峯勇斗のビューティフルボレー、70分にはMF伊藤純也のPK弾で追加点。85分にはFW林容平がゴール前で相手のクリアをブロックしてネットを揺らす。 終了間際に1点を返されたが、今季最多の4得点で快勝。昇格組でありながら“Jへの門番”的役割の一翼を担い、最終節を残して6位以内を確定させた浦安…人工芝の本拠地「ブリオベッカ浦安競技場(浦安市舞浜)」をJFLで使用できないなか、来季への足がかりとなる白星だ。 ◆ソニー 1-3 マルヤス (19日) 今節最大の注目カードと呼んで差し支えのなかったソニー仙台FC(2位)vsFCマルヤス岡崎。前半にFW塩谷仁のヘディング弾で先制したマルヤスは48分、塩谷が今度はミドルで追加点をゲットする。 ソニーは73分、中央を崩して最後はMF池内龍哉の右足弾で1点差に。しかし78分、マルヤスは途中出場FW前田央樹が滞空時間の長いジャンプからヘディング弾を流し込んで追加点。結局、マルヤスが敵地でソニーを1-3と下す。 これによってソニーが3位に後退し、Jリーグ入会「継続審議」のレイラック滋賀が最終節を前にして2位に浮上した。 ◆滋賀 2-0 枚方 (19日) 滋賀県勢初のJリーグ参入、そして来季のJ3参入へ、県民の夢を乗せて走り続けるレイラック滋賀。今季も一筋縄ではいかない戦いが続いてきたが、J入会を承認されていた新宿とヴィアティン三重が脱落したなか、「継続審議」滋賀は粘り強くここまで生き延び、いよいよ大前提の「JFL2位以内」を自力で確保できるところまできた。 FCティアモ枚方との関西勢対決となった今節、58分にFW榎本大輝が左から鋭いカットインを披露し、最後はボックス手前で右足を一閃。これが決まって一歩前に出る。最少リードを保って迎えた85分には、左CKがファーに流れ、MF海口彦太の足に当たってネットへ。滋賀は観衆2105人を集めたホーム最終戦で2-0と勝利を収めている。 この結果、滋賀はソニーと勝ち点「43」で並び、得失点差「+10」がソニーの「+8」を上回り2位に浮上。最終節は26日、敵地でのヴィアティン三重戦…非常に楽しみだ。 ◆青森 2-1 武蔵野 (19日) なお、滋賀と同じく「継続審議」のラインメール青森も東京武蔵野ユナイテッドFCに勝利。最終節1試合を残して4位をキープし、勝ち点は「42」…こちらも「JFL2位以内」の可能性を残す。最終節は26日、敵地で鈴鹿ポイントゲッターズと対戦する。 ◆沖縄 1-0 V三重 (19日) 前節終了時点で最下位確定が限りなく濃厚となっていた昇格組・沖縄SV。ともに昇格した浦安がリーグ4位の得点力(40得点)で躍進する一方、沖縄はリーグ最少の18得点。失点は浦安が「35」、沖縄は「37」…攻撃に課題を残したまま、この時期まで来てしまった印象だ。 とはいえ、前節は90+5分のラストプレーで滋賀から勝ち点1を拾い、V三重と対戦した今節は90+6分のゴールで1-0と勝利…スコアラーは2試合連続でDF安藝正俊。左CKに頭で合わせ、実質的なラストプレーでの決勝点となった。 最下位(15位)の沖縄が気になるのは最終節。14位・武蔵野との直接対決となるが、勝ち点「3」差の一方、得失点差は武蔵野の「-7」に対し、沖縄は「-19」。よもやの大勝を収めない限り、地域CL2位との入替戦(12月2日or3日)へ進むこととなる。1年での地域リーグ降格は避けたいところだ。 ◆JFL第29節 [11月18日] クリアソン新宿 0-1 ヴェルスパ大分 ブリオベッカ浦安 4-1 ミネベアミツミFC [11月19日] ラインメール青森 2-1 東京武蔵野ユナイテッドFC 高知ユナイテッドSC 2-2 鈴鹿ポイントゲッターズ ソニー仙台FC 1-3 FCマルヤス岡崎 レイラック滋賀 2-0 FCティアモ枚方 沖縄SV 1-0 ヴィアティン三重 ※今節試合なし Honda FC <span class="paragraph-subtitle">◆順位表(11/19時点)</span> 1位:Honda FC | 50pt/+23(優勝) 2位:レイラック滋賀 | 43pt/+10 3位:ソニー仙台FC | 43pt/+8 4位:ラインメール青森 | 42pt/+7 5位:ブリオベッカ浦安 | 42pt/+5 6位:ヴェルスパ大分 | 39pt/-1 7位:高知ユナイテッドSC | 37pt/+4 8位:FCマルヤス岡崎 | 37pt/+2 9位:ヴィアティン三重 | 34pt/+3 10位:クリアソン新宿 | 34pt/-6 11位:鈴鹿ポイントゲッターズ | 33pt/-8 12位:ミネベアミツミFC | 31pt/-9(全28試合消化) 13位:FCティアモ枚方 | 31pt/-12 14位:東京武蔵野ユナイテッドFC | 29pt/-7 15位:沖縄SV | 26pt/-19 2023.11.20 14:25 Mon

来季J3参入消滅も…JFL高知が後半AT弾で劇的勝利!吉本岳史監督「残り3試合で新しい自分たちに出逢おう」

11日、日本フットボールリーグ(JFL)第28節の高知ユナイテッドSCvsブリオベッカ浦安が高知県立春野総合運動公園陸上競技場で行われ、ホームの高知が2-1で劇的勝利を飾った。 Jリーグ入会「継続審議」の高知(8位)は第27節で敗れ、2位以内確保の望みが潰えた結果、来季のJ3参入が消滅。対する浦安(4位)は昇格組ながらも前節まで16試合無敗という大躍進だが、J3クラブライセンスを申請していないため、今季の成績にかかわらず来季もJFLで戦うことが決定済み(※1)だ。 (※1)高知も浦安も地域リーグ降格の可能性なし 今や数少ない“Jなし県”の1つとなっている高知県だが、今年は高知ユナイテッドが日本サッカー界を盛り上げた。8大会連続8度目の出場となった天皇杯で1回戦を突破すると、2回戦でガンバ大阪、3回戦で横浜FCと、相次いでJ1リーグ勢を撃破。ジャイアントキリングを成し遂げている。 横浜FC戦を本拠地“春野”で戦ったなか、3試合連続のJ1勢撃破を目指した8月2日のラウンド16・川崎フロンターレ戦も春野開催となり、この一戦には7243人が来場。惜しくも0-1で惜敗したが、真夏の南国・高知県はかつてないほどのサッカー熱に包まれた。 話を今回の浦安戦に戻そう。 高知は前回の浦安戦で3-1と勝利。今回も立ち上がりからロングボールを織り交ぜて押し込み、さっそくペースを掴んだかのように思えた。しかし、程なくして浦安がポゼッションを支配するようになり、完全なハーフコートゲームの時間帯も。それでも、[5-4-1]でガッチリ守って反撃を伺う。 徐々に押し返して迎えた41分、高知は右CKのこぼれ球をDF今井那生が右足シュート。これがMF栗原純弥の頭に当たってコースが変わり、ネットへと吸い込まれた。劣勢を凌いで押し返し、前半終盤にセットプレーで先制点…堅守速攻の高知らしい、素晴らしい1点だ。 後半は人数をかけて攻め込む浦安、カウンター主体ながらも積極的にゴールを目指す高知という構図。高知1点リードのまま迎えた後半アディショナルタイム、第4審は「3」と表示されたボードを右手で掲げる。 来季のJ3参入が消滅しながらも、ホーム春野に詰めかけた観衆は今季2番目に多い934人。声援をバックに勝利まであと3分…第4審がボードを掲げてわずか16秒後の90+1分、高知は浦安DF吉田武史に左サイドを抜け出され、最後はグラウンダークロスに合わせたMF村越健太のゴールで同点とされる。 悲鳴に包まれる観客席。しかし、勝利の女神は、すぐに切り替えた高知の選手たちに微笑んだ。 高知はリスタートから一度もボールロストすることなく左CKを獲得。90+3分、MF高野裕維のクロスをニアで今井がすらすと、飛び込んだのは途中出場FW金井冬土。ゴール正面からドンピシャヘッドを叩き込んだ。 金井のゴールは実質的なラストプレーとなり、2-1の劇的勝利に。また、今節で優勝を決めたHonda FCでさえ、今季2試合で1分け1敗と勝てなかった浦安に対し、高知は14チーム中唯一の2戦2勝(現時点)。浦安の無敗街道を「16」でストップした。 吉本岳史監督は試合後、「前節の敗戦でJ3昇格がなくなったなか、『残り3試合で新しい自分たちに出逢おう。3連勝で終わろう』というテーマを選手たちに与え、今日がその第一歩でした」と語る。 「選手たちは苦しかった前半をセットプレーからの1点で折り返してくれて、修正を施した後半は、勇気を持ってボールを動かし、よりアグレッシブな姿勢をピッチで体現してくれました。今季は後半アディショナルタイムの失点が多かったなか、最後の最後に追いつかれても諦めませんでした」 「最終的に一番大事なのは『勝つための良い準備をどれだけ継続できるか』ということ。それが自信につながるんだよ、と選手に伝えて送り出しました。きっと、同点にされて『このままじゃ終われない』という気持ちが金井のゴールにつながったんだと思います。彼らに感謝したいです」 また、地元・高知県出身の指揮官は、劇的弾を叩き込んだ加入2年目の金井について「中足骨の手術(昨年)を経て、キャプテンシーも身につけた選手。そして、この高知でJリーグに上がりたい、という気持ちを持って移籍してきた選手です。苦しい経験をしているからこそ、ヒーローになれるんだと思います」と称える。 「チームとして克服すべき課題はまだまだ多いですし、だからこそ、練習での紅白戦なんかは以前よりも白熱しています。選手全員が切磋琢磨して競争も生まれましたし、とても良いトレーニングができている印象です」 残念ながら来季のJ3参入は叶わなかった高知ユナイテッドだが、指揮官の言葉の節々から伝わってくるように、目線はJFL5年目の来季へ。来季への準備がすでに始まっている。 高知ユナイテッドSC 2-1 ブリオベッカ浦安 【高知】 栗原純弥(前41) 金井冬土(後45+3) 【浦安】 村越健太(後45+1) 2023.11.12 20:06 Sun

新宿とV三重の来季J3参入が消滅、“継続審議”青森も逆転負けで5位後退…昇格組浦安が16戦無敗で4位に【JFL第27節】

4日、日本フットボールリーグ(JFL)第27節の5試合が各地で行われ、クリアソン新宿とヴィアティン三重は2位以内フィニッシュの可能性が潰えた。 ともにJリーグ入会が条件付きで承認されていた新宿とV三重。来シーズンのJ3参入に向けては「JFLで2位以内を確保」が絶対条件となっていたが、新宿はFCマルヤス岡崎に0-1、V三重はヴェルスパ大分に1-2で敗れた。 その一方、2位のソニー仙台FCは沖縄SV(最下位)と対戦。44歳高原直泰にゴールを許していたなか、2-2で迎えた90+3分、FW瀬尾純基のゴールで勝ち越し、3-2の劇的勝利を収めている。 この結果、勝ち点「31」で並んでいる新宿とV三重は、白星で勝ち点「43」としたソニーに残り3試合で追いつけず、3位以下が確定。優勝なら自動昇格、2位ならJ3との入替戦進出だったが、どちらも可能性が潰えた。 また、Jリーグ入会が「継続審議」とされているチームの中で最上位のレイラック滋賀(3位)は今節試合がなく、滋賀に次ぐ4位のラインメール青森は15試合無敗の昇格組・ブリオベッカ浦安(5位)とアウェイで対戦した。 青森は開始5分でFW船山貴之が先制点。ところが、浦安はFW林容平が前半のうちに同点弾。1-1で迎えた90+3分にはMF二瓶翼が逆転ゴールを叩き込み、浦安が2-1の劇的逆転勝利に。青森は勢いが止まらない浦安に敗れ、順位も浦安にかわされ5位転落だ。 なお、青森、滋賀、ソニーはいずれも25試合を消化。青森は残り3試合で2位ソニーとの勝ち点差が「7」、滋賀は「4」となっている。 ◆JFL第27節 ▽11月4日(土) FCマルヤス岡崎 1-0 クリアソン新宿 東京武蔵野ユナイテッドFC 2-0 鈴鹿ポイントゲッターズ ヴィアティン三重 1-2 ヴェルスパ大分 ソニー仙台FC 3-2 沖縄SV ブリオベッカ浦安 2-1 ラインメール青森 ▽11月5日(日) [13:00] ミネベアミツミFC vs 高知ユナイテッドSC FCティアモ枚方 vs Honda FC ※今節試合なし レイラック滋賀 <span class="paragraph-subtitle">◆JFL2023順位表(11/4時点)</span> 1位:Honda FC|44pt/+19/25試合 2位:ソニー仙台FC|43pt/+12/25試合 ーーーーJ3昇格ライン 3位:レイラック滋賀|39pt/+8/25試合 4位:ブリオベッカ浦安|39pt/+3/25試合 5位:ラインメール青森|36pt/+4/25試合 6位:ヴェルスパ大分|35pt/-2/25試合 7位:FCマルヤス岡崎|34pt/+1/25試合 8位:高知ユナイテッドSC|33pt/+4/24試合 9位:鈴鹿ポイントゲッターズ|32pt/-7/25試合 10位:ヴィアティン三重|31pt/+3/25試合 11位:クリアソン新宿|31pt/-8/25試合 12位:FCティアモ枚方|30pt/-7/24試合 13位:東京武蔵野ユナイテッドFC|29pt/-6/26試合 14位:ミネベアミツミFC|28pt/-4/25試合 15位:沖縄SV|22pt/-20/25試合 2023.11.04 19:13 Sat
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly