パリ五輪予選まで約3カ月、U-22日本代表の大岩剛監督はイングランド&オランダとの試合に言及「良い準備段階の2試合に」

2023.06.10 15:30 Sat
©︎JFA/PR
U-22日本代表の大岩剛監督が、メディア取材に応じ、パリ・オリンピックへの思いやチームの状態を語った。

パリ・オリンピック世代のU-22日本代表は、アジア1次予選に向けて準備中。6月はヨーロッパ遠征を行い、イングランド、オランダと対戦する。イングランド戦は相手の要求により完全非公開で行われることとなるが、U-21欧州選手権に臨むチームとあって、非常にレベルの高い選手が揃っている。

ヨーロッパの強豪国とのテストマッチが続く中、U-21欧州選手権にも出場するイングランドと対戦する。
イングランドでのトレーニング環境については「環境は申し分なく、自分たちだけの空間で色々なことができています。良い環境でできているということと、今回は色々な選手がいます。初めての選手、久しぶりの選手がいるので、高い基準に選手たちを持っていくことはできていると思います」とコメント。良い調整ができていると感じているようだ。

今回はインターナショナル・マッチウィークからズレていることもあり、一部の選手はチームでの活動があるために招集できていない。初招集や久々の招集となった選手もいる中「何日間か一緒に生活を共にすることで、お互いを知るというか、知ってもらえるというか、そういう作業もしています」とコメント。「プレー面も当然重要ですが、人間性、グループにいるときに刺激をお互いが求めながら、絆が強まればと思っています」と、チームに馴染めているとのこと。「自分の得意としているプレー、特徴を出すという部分は簡単に言えば、この世代は当たり前なので、それプラス、チームとしての役割、機能するような立ち位置をしっかり取ってもらうということです」と、ピッチ上のパフォーマンスはもちろんのこと、チームの中での役割をしっかりと個人個人が感じてもらいたいとした。
その中でのイングランドとの試合。大岩監督は「新しい選手、今まで来ている選手を融合するのは当たり前なので、それはしっかりと求めるということが1つ。そして、チームとして攻守において、もう一回我々のやるべきことをそれぞれがピッチの上で表現することが1つ。勝利をすることが1つ。その3つを選手たちに求めてやっていきたいと思います」と、ポイントを語った。

強化を進める中で、本大会までは残り約1年。大岩監督は、まずは1次予選のことを考えたいとした。

「パリまでは1年ですが、1次予選までは数カ月です。何回かあった欧州での強化試合を経験した中で、より我々は攻守両面で成長して、前進してきたと思います」

「イングランド、オランダとやりますが、その試合に向けて色々な意味でこだわりを持つことで、予選に向けての良い準備段階の2試合にしたいと思います」

今後に関しては、U-20やU-19、U-17と下の世代の選手たちも入ってくることが期待される。日本代表の森保一監督も「サイクルを早くしたい」と語ったように、下の世代からの突き上げは重要となるが、大岩監督もその考えを持っているようだ。

「U-20の選手たちは非常に悔しい思いをしていると想像しています。その中で体感したこと、経験したことをしっかり自チームで自分に跳ね返さなければいけない」

「代表に集まってから何かをすると言うより、自チームで競争を勝ち抜いてピッチに立つ権利を得て、色々な意味で権利を勝ち取ならければいけないので、その成長を求めたいです」

「このグループで活動するときには、我々のグループとしての前進の仕方を踏まえてやっているので、自チームでの成長とここにきた時の頭の中のマインドセットは伝えています」

まずはしっかりとそれぞれが所属チームで結果を出すことが大事だとする大岩監督。鈴木唯人(ストラスブール)は「本大会に行くメンバーは今のメンバーではない」と、安泰ではないことを意識していると語っていたが、大岩監督もその点はしっかりと伝えているという。

「唯人がそう言っているということは、彼はずっと外れずにやってきていても、私が言っていることが伝わっていて、それぞれの成長がなければ競争に勝てないこともわかっていると思います」

「自チームで何を表現しているのかというのは、こちらも把握した上で、グループとして、我々の戦い方にアジャストしてもらうことも同じように求めています。個の競争力と、グループとしての闘い方。そのマインドはしっかり持っていてほしいといつも言っています」

下の世代からの突き上げ、そして危機感を持って個人個人が高めていくことがチームの強化に何よりも繋がることになる。結果のみではなく、そのプロセスをしっかり踏めているか。今回の遠征の2試合にも注目が集まる。


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【U-23日本代表プレビュー】負ければパリ行きは消滅…開催国との大一番はベストメンバーで挑む/vsU-23カタール代表【AFC U23アジアカップ】

25日、AFC U23アジアカップの準々決勝が行われる。 パリ・オリンピックの出場権を懸けた戦いも、いよいよ勝負のタイミング。準々決勝で敗れたチームはパリ行きが消滅。勝てば、プレーオフを含めて出場の可能性を手にすることができる。 どの国もこの戦いは絶対に勝たなければいけない。8大会連続8度目(現行ルールの1992年以降)のオリンピック出場を目指す日本も当然だが、その他の国も同様。今大会の開催国であり、2度目のオリンピック出場を目指すカタールとの対戦を迎える。 A代表はアジアカップを連覇しているカタール。近年の力のつけようは警戒しなければいけない相手。日本は大きな山を越える必要がある。 <span class="paragraph-subtitle">◆絶対に勝たなければいけない大一番</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/japan20240425_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:0.9em;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> グループステージ最終節ではU-23韓国代表の前に敗れた日本。低調な試合となった中、後半は選手を入れ替えたことで決定機を多く作ったが、この世代の永遠の課題でもある決定力不足に泣いた。 とは言え、選手を入れ替えて日本は臨んでおり、レギュラークラスの選手が揃えば違いを見せられることもわかった。中2日とコンディション調整はかなり厳しい4戦目。それでも、弱音を吐いている場合ではない。 出場停止中のDF西尾隆矢(セレッソ大阪)以外は起用できる状況。この一戦は勝利以外の結果は必要ない。どんな形であれ、どんな内容であれ、勝利することが最も求められる。 大岩剛監督は試合に向けて「よく分析できており、とても自信を持っている」と語った。ここまでの3試合も、苦戦をしながら一定の結果を残してきた。しっかりとした分析をもとに、落ち着いてプレーすることが何よりも大切になるだろう。 <span class="paragraph-subtitle">◆A代表に続いてアジア制覇へ</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/japan20240425_tw12.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:0.9em;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 対するカタールは、グループステージ3試合で2勝1分け。消化試合となったオーストラリアとの最終戦は0-0のゴールレスドローで終えていた。 日本戦に向けての準備は十分。ポルトガル代表でアシスタントコーチを長らく務めていた指揮官のイリディオ・ヴァレ監督は「目標はオリンピックへの出場権を得ること」とコメント。「このチームはどのチームにも勝てる」と自信を見せた。 カタールはFWアーメド・アル・ラウィの状態が不安に。初戦のU-23インドネシア代表戦でゴールを決めるも、その後の2試合は欠場。「ケガから回復中」と起用については様子を見るとした。 A代表がアジアカップを2連覇しているが、2年前のAFC U23アジアカップではグループステージ敗退。若手の選手たちはアル・ラウィなどA代表に絡んでいる選手もいるが、まだ発展途上。ただ、オリンピックへの思いは強い。日本戦に向けても、身体能力の高さを生かして戦ってくることは間違いなさそうだ。 <span class="paragraph-title">◆予想スタメン[4-3-3]</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/japan20240425_tw13.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:0.9em;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> GK:小久保玲央ブライアン DF:関根大輝、木村誠二、高井幸大、大畑歩夢 MF:山本理仁、藤田譲瑠チマ、松木玖生 FW:山田楓喜、細谷真大、佐藤恵允 監督:大岩剛 絶対に負けることが許されない戦い。ここまでターンオーバーをしてきた日本だが、この準々決勝に向けて全ては計算されていたと言えるだろう。 唯一の誤算は西尾が3試合の出場停止を受けたこと。準決勝以降は出場可能になるが、ここまで守備陣は想定外のローテーションをしてきたはず。ただ、ここは意地でも負けられない。 GKは2試合をクリーンシートで終え、チームの勝利に貢献したGK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)で間違いない。2試合で見せたパフォーマンスをここでも見せ、負けることがないクリーンシートに抑えてもらいたい。 最終ラインに関しては、右サイドバックはDF関根大輝(柏レイソル)と予想。2試合連続でのフル出場で出色のパフォーマンス。韓国戦は休養となり、ここで万全の姿を見せてもらいたい。左サイドバックはDF大畑歩夢(浦和レッズ)と予想。U-23UAE代表戦では積極的な攻撃参加で決定機を何度も作った。韓国戦は出場していないだけに、コンディションも問題ない。左サイドを活性化させてもらいたい。 センターバックは、安定感抜群のプレーを見せるDF高井幸大(川崎フロンターレ)と韓国戦は休んだDF木村誠二(サガン鳥栖)と予想する。共に対人能力が高く、空中戦も得意。ビルドアップやフィード能力も高く、攻守にわたってカギを握ることになるだろう。まずは無失点に抑えたい。 中盤はアンカーにMF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)、インサイドハーフにMF松木玖生(FC東京)とMF山本理仁(シント=トロイデン)となるだろう。3人ともに韓国戦では後半途中出場を果たし、チームを一気に活性化させた。初戦以来の3人が先発し、立ち上がりから試合をコントロールしていきたい。 ウイングは右にMF山田楓喜(東京ヴェルディ)が戻ってくるだろう。左足の精度の高いキックはセットプレーで武器になるだけでなく、クロスや仕掛けの部分でも力になる。韓国戦は完全休養だっただけに、ここで再び輝きを見たい。左はFW佐藤恵允(ブレーメン)と予想。ハードな守備、タフな戦い方とチームに推進力をもたらせてくれる存在。決定力の部分では韓国戦では悔しさを味わっただけに、ここでのリベンジを期待したい。 そして悩ましいのが1トップ。ここまで誰1人としてゴールを奪えていない。人選が難しい中でFW細谷真大(柏レイソル)の奮起に期待したいところだ。 今シーズンはクラブを含めても公式戦ノーゴールと苦しんでいる細谷。韓国戦でも決定機を逃すなど、調子が出ていないことは見ての通りだ。ただ、体の強さはピカイチ。自身がゴールを奪うことはもちろん、周りへのチャンスメイクという点では期待もできる。韓国戦で良い仕掛けを見せていた藤尾翔太(FC町田ゼルビア)とも迷うところだが、後半の流れを変える働きとして手に置いておきたいところ。エースとして引っ張ってきた細谷が大事なところで仕事をすることを期待する。 ここで負けてしまえば、パリへの切符は手にできない。絶対に勝たなければいけないU-23カタール代表戦は25日の23時00分キックオフ。試合は、NHKとDAZNで中継される。 <span class="paragraph-title">【動画】苦しんだ戦い、U-23韓国代表戦の舞台裏</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="p-ccbS2jQbA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.25 13:45 Thu

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「まさに死闘ってカンジ」歴史に残るバーレーンとの4-3の激闘!2004年大会プレイバックに反響「このゴールで中澤佑二に惚れた」

31日、日本代表はアジアカップ2023のラウンド16でバーレーン代表と対戦する。 過去の対戦成績は日本の8勝2敗となっているが、アジアカップの舞台で最後に対戦したのは2004年の中国大会での準決勝。記憶に残る激闘だった。 MF小野伸二、FW高原直泰ら当時の主力選手が欠場していた当時の日本は、開催国の中国サポーターにブーイングを浴びせられながらも決勝トーナメントに進出すると、準々決勝ではPK戦途中でのサイド変更とGK川口能活の神がかり的なセーブが印象深いヨルダン代表戦に勝利し、準決勝でバーレーンと対戦した。 しかし、バーレーン戦では開始6分に先制ゴールを許すと、40分にはMF遠藤保仁が不可解な判定で一発退場。日本はビハインドの状況で数的不利を負ってしまった。 数的不利の状況でもMF中田浩二とFW玉田圭司のゴールで逆転した日本だったが、その後2失点。2-3と1点ビハインドで試合終盤を迎えた。 それでも日本は最後まで諦めず。DFも攻めあがって同点ゴールを狙うと、90分にDF中澤佑二が値千金の同点ゴール。不屈の精神で同点に追いつくと、延長前半には玉田の独走ゴールが決まり、4-3で激闘を制していた。 なんとか決勝に進出した日本は、決勝で中国代表を撃破。見事に大会連覇を成し遂げていた。 久しぶりの対戦を前に『DAZN』は当時の試合映像をプレイバック。SNS上のファンも「このゴールで中澤佑二に惚れた」、「バーレーン戦といえばこの試合よな」、「痺れたね、玉田」、「まさに「死闘」ってカンジだった!」、「2004の大会は激熱だった」と当時を思い返している。 ベスト8を懸けた一戦は、31日の20時30分にキックオフ。『DAZN』で視聴が可能だ。 <span class="paragraph-title">【動画】当時の記憶が蘇る!2004年大会でのバーレーンとの激闘ハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>「バーレーンvs日本」<br>過去対戦をプレイバック<br>\<br><br>アジアカップ2004年大会で起きた<br>奇跡の大逆転劇<br><br><a href="https://twitter.com/hashtag/AFC%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#AFCアジアカップ</a> ラウンド16<br>バーレーン×日本<br>1/31(水)20:30(19:45配信開始)<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> 独占配信<br>出演:水沼貴史/小野伸二/佐藤寿人/下田恒幸/桑原学 <a href="https://t.co/x7Sals8iKu">pic.twitter.com/x7Sals8iKu</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1752609401201189348?ref_src=twsrc%5Etfw">January 31, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.31 18:45 Wed
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森保監督続投で歴代最長監督はというと…/六川亨の日本サッカーの歩み

まだ正式決定ではないが、森保一監督の『2年間の』続投が決まったようだ。正式には来年のJFA(日本サッカー協会)理事会での承認待ちになる。その頃にはコーチ陣などのスタッフの詳細も決定しているだろう。 93年のJリーグ誕生以降、日本代表の監督は基本的にW杯の4年サイクルで交代してきた。例外は94年のアジア大会で韓国に敗れたロベルト・ファルカン氏、97年のアウェー中央アジア2連戦で更迭された加茂周氏、07年に病に倒れたイヴィチャ・オシム氏、15年に契約解除されたハビエル・アギーレ氏、そして18年に解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏の5人しかいない。 そうした過去30年の歴史のなかで、初めて『続投』が決定的となったのが森保監督である。目標としていた「ベスト8」には届かなかったものの、大国ドイツとスペインに逆転勝ちを収めたことが高く評価されたことは言うまでもない。 そこで過去の歴代監督の任期を振り返ると、上には上がいるもので、長沼健氏(元JFA会長)は1962年から69年までの7年間と、さらに72年から76年までの4年間、トータル11年間も日本代表の監督を務めた。「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、おそらく2度と破られることのない記録と言っていいだろう。 長沼氏が“長期政権"を担うことになったのには理由がある。64年に東京五輪があったからだ。このため62年に33歳の若さで監督に抜擢された。そして東京五輪ではグループリーグでアルゼンチンを倒して決勝トーナメントに進出。準々決勝で銀メダルに輝いたチェコスロバキアに0-4で敗れたが、ベスト8進出で日本に“第1次サッカーブーム"を巻き起こした。 さらに4年後のメキシコ五輪では、アジア勢初となる銅メダル獲得の快挙を達成。その再現を半世紀後の21年東京五輪で森保監督は期待されたが、残念ながらメダルにはあと一歩届かなかった。 長沼氏は69年のメキシコW杯アジア1次予選で、韓国とオーストラリアの後塵を拝したことで監督の座をコーチだった岡野俊一郎氏(元JFA会長)に譲る。しかし岡野氏が71年のミュンヘン五輪予選で韓国とマレーシアに負けたことで、日本サッカーの復権は再び長沼氏に託されることになった。 ところが73年の西ドイツW杯アジア予選はイスラエル(当時はアジアに所属し、中東勢が対戦を拒否したため予選は東アジアに組み込まれた)とマレーシアに敗れ、76年のモントリオール五輪アジア予選も韓国とイスラエルに敗れて監督から退くことになった。 当時の日本サッカーは、「W杯予選は負けても当たり前」であり、五輪予選で敗退するたびに監督は交代していた。Jリーグ開幕以前では、92年のバルセロナ五輪アジア最終予選で敗れた横山謙三総監督、88年ソウル五輪アジア最終予選で中国に逆転負けを喫した石井義信氏(故人)、80年モスクワ五輪アジア予選で韓国とマレーシアに及ばなかった下村幸男氏らである。 しかし96年のアトランタ五輪に28年ぶりに出場して以来、五輪出場は7大会連続して出場。その間には12年ロンドン五輪と21年東京五輪ではメダルまであと一歩に迫った。もう五輪は出場するのは当たり前で、次の24年パリ五輪は「メダル獲得」がノルマになるだろう。 同じようにW杯も98年以降7大会連続して出場中で、さらに2026年のアメリカ・カナダ・メキシコ大会は出場国が48に増えるため、出場権を失うことはまず考えられない。森保監督にとっては「ベスト8」への再チャレンジになるが、その前に横内昭展ヘッドコーチは磐田の監督に、上野優作コーチはFC岐阜の監督に転身するなどスタッフの陣容は一新せざるを得ない。 果たして新たなスタッフの顔ぶれはどうなるのか。そこに外国人コーチが入るのかどうかなどは楽しみなところ。 そして森保監督は、23年こそ秋まで親善試合しかない“静かな"一年になるものの、21年東京五輪は「金メダル」を目標に掲げながらも4位に終わり、カタールW杯も「ベスト8」が目標だったがラウンド16で敗退した。このため、まだ先の話ではあるが、24年のアジアカップでは『優勝』がW杯まで続投するためのノルマにすべきではないだろうか。 2022.12.26 22:00 Mon
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「なんとか取り戻したい」9月以来の日本代表活動の前田大然、高校の先輩・渡辺剛との初活動は「2人で活躍したい」

アジアカップの開幕が近づく中で、日本代表FW前田大然(セルティック)が自身の状態について言及した。 12日に開幕を迎えるアジアカップ2023。カタールで開催される中で日本代表は調整を続けている。 ケガの影響もあり9月以降の日本代表活動に参加できなかったが、復帰してアジアカップで合流。9日に行われたヨルダン代表とのトレーニングマッチでもゴールを記録していた。 前田は11日のトレーニング後に取材に応じ、ヨルダン戦についてコメント。「個人というかチームとして良い状態だと思います。ここ数回は辞退していたので、なんとか取り戻したいとやっていて、練習試合でしたけどしっかりゴールできて良かったです」と、ゴールを喜んだ。 セルティックでもリーグ戦5試合欠場したもの、12月中旬に復帰。5試合を戦った中、合流直前のセント・ミレン戦では10月以来のゴールを記録した。 「復帰してチームでも2、3試合やりましたし、こっちに来る前にゴールもできていたので、問題ないです」と状態は問題ないと語った前田。11日のトレーニングは途中で離脱したが「コンディションを上げたいという部分もありましたが、明日の練習から全然大丈夫なので問題ないです」と、大きな問題ではないとした。 開幕は12日だが、日本の初戦はベトナム代表と14日に行われる。カタール・ワールドカップ(W杯)のアジア予選でも戦ったベトナム。格下ではあるが、簡単にも勝たせてもらえない相手だ。 前田は「練習前にミーティングしましたけど、ベトナムとは1点差のゲームが多くて、難しい試合になることは間違い無いです」とコメント。「ただ、前と比べるとチームは大きく進化しているので、自分たちのサッカーをすれば良い試合ができていると思います」と、今の日本代表の戦いができれば問題はないと語った。 一方で、トレーニングマッチのヨルダン戦ではカウンターから失点。前田は失点はない方が良いとしながらも、本大会前に確認できたことは良かったとした。 「失点してきていなかった中での失点ですが、試合をやっていればどうしてもしてしまいますし、大会前にチームとして経験できたこと、そういうこともあるということが分かったのはこれから先やっていく上で良かったかなと。失点は無い方がもちろんいいので、減らしていけば良いと思います」 今回の日本代表には、山梨学院大学附属高校の1つ先輩であるDF渡辺剛(ヘント)が招集されている。高校の先輩と代表では初の活動になるが、「一緒にやりたいというのは常にあったので、今回初めてそういう機会が得られたので、母校を盛り上げるように2人で活躍したいです」とコメント。ついに実現したことを喜んだ。 2024.01.11 23:57 Thu
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「公式がこれは泣けるよ」W杯を終えた日本代表、JFA公開の映像がイナズマイレブンの楽曲含め大反響「4年後も期待」

日本サッカー協会(JFA)の公開したショートムービーに注目が集まっている。 7大会連続7回目となるワールドカップ(W杯)に臨んだサッカー日本代表。カタールではグループステージでドイツ代表、スペイン代表を逆転で下す快挙を達成し、決勝トーナメント進出を決めた。 史上初のベスト8進出を目指した5日のラウンド16では難敵・クロアチア代表と対戦。1-1で120分を終了し、PK戦までもつれ込んだが、残念ながら涙をのむこととなった。 激闘を終えた日本代表。7日にはJFAの公式TikTokアカウントが改めてラウンド16のシーンを振り返る映像を公開すると、これに大きな反響が寄せられた。 「この大会で得た自信も、この大会で流した涙も、夢の力に変える。 たくさんの応援、本当にありがとうございました」 BGMにはイナズマイレブンで使用された楽曲、T-Pistonz+KMCの『GOODキター!』が採用されており、締めくくりの折り鶴と相まって琴線に触れるとの声が相次いだ。 「公式がイナズマイレブンは泣けるのよ」、「4年後もイナズマイレブンの曲使ってくださるの期待してます」、「世代すぎて泣ける」など、選曲への賛辞が送られるとともに、「こんなに熱くなれたのは日本代表のおかげ!感動をありがとう」、「まじ公式ありがとう。日本代表もありがとう!」日本代表への労いのメッセージが多数届いている。 目標としていたベスト8進出とはならなかったが、国内のみならず世界中に大きな感動を与えた日本。4年後こそは新しい景色を期待せずにはいられない。 <span class="paragraph-title">【動画】楽曲含め大きな反響を呼んでいるJFA公開のショートムービー</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="tiktok-embed" cite="https://www.tiktok.com/@jfa_samuraiblue/video/7174331420096138498" data-video-id="7174331420096138498" style="max-width: 605px;min-width: 325px;" > <section> <a target="_blank" title="@jfa_samuraiblue" href="https://www.tiktok.com/@jfa_samuraiblue?refer=embed">@jfa_samuraiblue</a> この大会で得た自信も、この大会で流した涙も、夢の力に変える。 たくさんの応援、本当にありがとうございました。 <a title="サッカー日本代表" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8?refer=embed">#サッカー日本代表</a> <a title="worldcup2022" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/worldcup2022?refer=embed">#worldcup2022</a> <a title="fifaworldcup" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/fifaworldcup?refer=embed">#fifaworldcup</a> <a target="_blank" title="♬ オリジナル楽曲 - サッカー日本代表&#47;JFA" href="https://www.tiktok.com/music/オリジナル楽曲-サッカー日本代表JFA-7174331431253379842?refer=embed">♬ オリジナル楽曲 - サッカー日本代表&#47;JFA</a> </section> </blockquote> <script async src="https://www.tiktok.com/embed.js"></script> 2022.12.08 20:05 Thu
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「今回もニッコニコ」もはや恒例!1人だけ笑顔の日本代表集合写真がまたも話題に「待ってました!」「いつも笑顔が素敵」

日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)が、やはり笑顔だ。 3月の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表との連戦に臨む予定だった日本。だが、アウェイの平壌で開催予定だった試合が中止となったことで、ホームでの1試合のみで活動を終えた。 週末の試合に向けて選手たちが各自のクラブへと戻っている中、21日に行われたホームゲームで先発していた上田も28日にインスタグラムを更新。「応援ありがとうございました!」とファンやサポーターへの感謝の思いを綴っていた。 そんな中、その上田の投稿に添えられていた1枚の写真が話題だ。 上田は、キックオフ前にスターティングメンバー11人が並んで撮影される集合写真もアップ。他の10人がいかにも試合前というようなきりっとした表情を見せる中、上田だけは満面の笑顔だった。 上田が集合写真の撮影時に笑顔を見せるのは恒例のこと。アジアカップ2023の時も度々話題となっていたが、今回はそのアジアカップ以来の代表戦ということもあり、ファンからは「綺世いつも笑ってて可愛い!!!」、「いつも笑顔が素敵」、「今回もニッコニコ」、「スマイル待ってました!」、「とびきりの笑顔で可愛い」とまたも反響が集まっている。 今回はアウェイでの試合が中止となったこともあり、上田の笑顔も並んだ集合写真はこの時だけ。6月の2次予選でも、またこのとびきりの笑顔が見られるだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】1人だけ爽やかな笑顔!日本代表の集合写真(2枚目)</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/C5BhsnPtqYw/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/p/C5BhsnPtqYw/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div></div></div><div style="padding: 19% 0;"></div> <div style="display:block; height:50px; margin:0 auto 12px; width:50px;"><svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div><div style="padding-top: 8px;"> <div style=" color:#3897f0; 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